魔法の言葉。

2007年7月6日 ゲーム
魔法の言葉。
 あなたは しらない
 さびしい ときには
 こんなに ちかくに
 ぼくが いることを


 さて、しつこくプレイしつづけて、1年を超えましたよ、『おいでよ どうぶつの森』

 村の住人はプレイヤーキャラをのぞくと8人。彼らは随時入れ替わっていきます。他の村に引っ越してしまうの。
 でも、お気に入りのキャラとはお別れしたくない。つーことで、引っ越し準備に入ったときに、引き留める。
 そーやって、プレイ最初からいたカエルのフルメタルさん、白ネズミのとめさん、弟のまめさま村から大昔に引っ越してきたコアラのアデレード、任天堂のデータダウンロードサービス終了後はレアキャラとなったサルのさるお、この4人は我が「まっつ村」のレギュラーキャラ。
 他の人たちは入れ替わるけれど、この4人だけは変わらない。ずっといる。

 で。
 ずっとひとつの村にいると、彼らの部屋はひどいことになる。
 最初はそれぞれ個性的な部屋に住んでいるどうぶつたちだけど、長く村で暮らしていると、持っていた家具を捨てていくのね。
 かわりに虫やら魚やら化石やら服やらを部屋に飾る。
 なんにもない部屋にぽつんと水槽だけ置いてある、そんな変な部屋になったりするのだわ。

 それが嫌でねー。

 プレイ期間1年を過ぎ、イベントも全部やったし、借金なんかとーーーーっくの昔に払いきったし、化石も虫も魚もコンプしたし、みたいな状態になると、なにか別のことに燃え出すのね。

 今わたしがこつこつやっているのは、「どうぶつたちの部屋のコーディネイト」。

 自分の家のコーディネイトはもういい。
 どうぶつたちだ。

 どうぶつたちは、わたしが贈った家具を使ってくれる、ことがある。

 手紙にプレゼントを添付できるんだ。
 それで、ひとりずつにテーマを決めた家具を贈り続けている。

 上の写真は、アデレードさんち。
 青い家具で統一。壁紙も、絨毯も。

 いちいち注文するのではなく、ふつーにたぬきちの店やふうせんやお礼で手に入った場合のみ、贈ることにしている。注文したら、すぐにコンプできちゃうから、そうではなく、あくまでも偶然性をたのしんで。

 どうぶつたちに書く手紙、これがけっこー難しい。
 あいつら、なにをよろこび、なにで機嫌を損ねるかさっぱりわからん。
 プレイ当初わたしは、真面目にフルメタルさんと文通してケンカしていた(笑)。

 真面目に書いた手紙だって、受け入れてもらえなかったりはザラ。ひどい罵り文が返ってきたりする。

 だんだん考えるのがめんどーになってきて、しばらくは「アニメソング特集」をやっていた。
 『ムーミン』『キャンディ・キャンディ』『マジンガーZ』……年齢のわかるなつかしアニメ主題歌を手紙に書いて、送り続けていた。
 ガンダム名言集の頃もあったな。「ザクとはちがうのだよザクとは」とか、「エリートでいらっしゃったのね」とか、思いつくことを書いてたなー。
 どうぶつたちはもらった手紙を持ったまま、よその村に引っ越すので、弟から「『シュシュッシュ ダンダダン(ちゅうりゃく)おれは なみだをながさない ロボットだから マシンだから』とかゆー手紙をどうぶつから見せられたぞ」と言われたりした。(や、ソレは『グレートマジンガー』オープニング)

 んで、去年の末から今年のはじめにかけては、えんえん『タランテラ!』尽くしをやっていた。

「もしも ちいさなくもを
 みつけたときは どうか
 そっと てをふれないで
 にがしてあげて どうぞ」

 とか、

「こわれかけた なみが
 うみのなかで おどる
 あわが はじけるたび
 こころが くだけちる」

 とか、手紙に書いてどーぶつたちに送りつけていた。

 で、うちからの引っ越し者が自分の村に多い弟は、「そっちから来たどーぶつに、手紙を見せられた。なんかわけわかんないポエムが書いてあった」と嫌そーに言っていたりした(笑)。

 『タランテラ!』の歌詞を書き続けるのはたのしかったが、どうぶつたちには、不評だった。
 アニソンのときは5割くらいだったのに、ほぼ100%怒りの手紙が返ってきた。

 なんだよみんな、『タランテラ!』は嫌いか!!

 で、今年2月からは趣向を変えて、『TUXEDO JAZZ』になる。

 もちろん、オープニングの1曲目から送り続けていたんだけど。

「あなたは しらない
 さびしい ときには
 こんなに ちかくに
 ぼくが いることを」

 このフレーズだと、どうぶつたちの反応がいい。

 それに気づいたので、えんえん、同じ文面で送ってみる。

 何回送っても、みんな等しくよろこぶ。
 そして、プレゼントを返してくる。

 1年間、試行錯誤を重ねた「どうぶつが100%よろこぶ文面」!!

 ついに見つけたわ!

 さすがオサ様。
 どうぶつたちまで、癒してしまうのね!

 手紙に歌詞を書くとき、心の中にオサ様の声が響く。

「あなたは しらない
 さびしい ときには
 こんなに ちかくに
 ぼくが いることを」

 「あなたは しらない」の「い」で声が裏返るところも、そのままに。
 いつもいつも、繰り返し反芻する。

 何ヶ月もずっと、書き続ける。
 心の中で、噛みしめ続ける。

 あの人の、歌声を。

 そーやってどうぶつたちに、それぞれのテーマに沿った家具を送り、彼らの部屋を改造する。

 どうぶつたちがよろこぶ文章。
 どのどうぶつも等しくOK。
 何回でもOK。
 連続でもOK。

 魔法の言葉。

 書くたびに、やさしい歌声が胸にひろがる。


 本日の「ムシとり大会」は、いかがでしたか?

 わたしは前日からkineさん、ハイディさんの村まで出掛け、ヤママユガをGETしよーとがんばっていたんですが、ついに採れないまま本日を迎えました。
 仕方なく、秘蔵のアレクサンドラを放出、途中まで1位をキープしていたんですが。

 今さっき見たら、大会は終わっているよーで。誰ももう大会の話をしてないんですよ。
 どーなったのよ、それで? 掲示板にもなにも書いてなし、村長もいないし。
 先月のサカナ釣り大会のときは、掲示板に結果が貼ってあったよーな気がするんだが……。

 
 さて、明日はもう月組千秋楽ですね。
 あうう、カシウス様にお会いできなくなるのかと思うと、悲しいっすよ。

 その月楽に、緑野こあら、ぶつ森@DS持参で行きます!

 プリーズ、すれちがい通信!!

 新公のときもチャレンジしたけど、誰ともすれ違えなかったの。ぶつ森プレイヤーいないの? 村やキャラにヅカ関連名つけてたのしんでる人、いるよね?

 明日、劇場で待ってます。

 開演前、幕間、終演後。
 劇場とその周辺で、すれちがい通信チャレンジ!!

 まっつ村のこあらから、メッセージボトルを受け取ってくださいませ。


 宙組一般発売に惨敗して、地に伏して泣く。
 ……てなことは、置いておいて。

 
 『SIREN2』、終わっちゃいました。
 永井くんのエンディング見て、一樹のエンディング見て、そいからアーカイブ・コンプして(うっかり髪飾り拾っちゃって、また1からやり直したりな……遠い目)、阿部くんのエンディング見ました。
 その他はウザそーなんで、もういいや。

 『SIREN1』は丸1ヶ月、100時間以上かかったんですがね。さすがに『2』は簡単だったっす。ノーマルモードでプレイしたんですが。
 聞くところによると、難易度は「イージー<ノーマル<ハード<<<SIREN1」らしいですからねえ。
 にしても、こんなにあっさり終わっちゃうなんて……。3分の1の時間かよ……。

 
 『SIREN2』関連の検索が来まくっていて、「ごめんっ、ヅカ話なんかしてて。ヅカキャスティングとかしててごめんよー」な気持ちなんですが。
 ゲームの話ぜんぜんしてないのに、単語を書いちゃったもんだから、検索だけは山ほど来るのよ……恥ずかしいから、ウチなんか読みに来ないでよぅ。

 
 あー、『SIREN2』の感想を一言で言うと。

「未完成?」

 
 前半と後半では、明らかに密度がチガウの。
 前半はみっちり物語もステージも作り込まれているのに、後半になるとスッカスカ。
 前半で丁寧に織られた物語が、そのまま放置され、とりあえず外側の包装だけ取り繕ってある感じ。
 主人公が何人もいるんだけど、まともに作られたのは一樹のシナリオだけみたい。その一樹ももちろん、完璧ではなく、穴だらけなんだけど。……でもまあ、一樹は許容範囲?
 他の人たちに至っては、「なかったこと」にされている印象。

 「少年ジャンプ」の打ち切り作品にいちばん近いなー。
 長期連載のつもりで伏線張ったりキャラ出したりエピソード膨らませたりしていたのに、「あと3週で最終回にしてね」と言われ、細かいこと全部投げ出して、とりあえず主人公が宿敵倒してENDマークつけました、みたいな。
 伏線も他のキャラたちの話も、途中で全部放置。

 あー、時間なかったんだろうなあ。
 発売日を守るために、できなかった部分は「なかったこと」にしたんだー。
 そういう印象。

 もったいない。
 前半はすげーおもしろいのになー。
 つまんねー映画とメディアミックスなんかしてるからだよー。
 (映画『サイレン』の感想を一言で言うなら、「堤監督、『TRICK』だけ作っててください」ですわ)

 
「でもまあ、『ゼノギアス』よりマシ?」

「『ゼノギアス』よりマシでしょう!」
「『ゼノギアス』以下なんて、ありえないだろそりゃ」

 わたしと弟の会話。

 うん、それでもたのしかったよ『SIREN2』。
 難易度が驚異的に下がり、初心者にもオススメしやすくなってる。誰でもクリアできるよ〜入門編としてぜひやってみてくれ。で、たのしかったら『1』の方に挑戦してみて。

 
 未完成品だとしても、『ゼノギアス』という前例があるわけだし、ぜんぜん世の中的にOKだよね?(笑顔)


 『ベルサイユのばら−オスカル編−』を観て、腹がよじれるほど笑ったのですが、『SIREN2』をプレイするのが忙しくて、感想を書いているヒマがありません。

 なにしろわたしはヘボゲーマーなので、プレイ時間のわりにちっとも進んでないんですが。

 三上と阿部の「アイコンタクト」逃避行には萌えました(笑)。

 三上修(小説家。33歳)は目が不自由である。
 彼は愛犬ツカサの視界を借りることで、常人と同じように動くことが出来る。

 が、ツカサは三上をかばって死んでしまった。
 ひとりになり、目も見えなくなってしまった三上を拾ったのが、阿部倉司(無職。殺人容疑により逃亡中。24歳)だ。

 ここは夜見島。
 謎の住民消失事件以後、無人島となった不気味な島だ。
 島を訪れた三上たちを待っていたのは屍人(しびと)という武装したゾンビたち。
 生き残るのは至難の業。

 目の見えない三上は、阿部にツカサの「代役」を頼む。つまり、阿部が三上の「目」となるわけだ。

 このミッションの主役は阿部くん。
 テレビにも出ている有名美青年作家と知り合いになれて、無邪気に浮かれる阿部は、三上が「人の話なんか聞いちゃいねー」「てゆーか人にわかるよーに説明する気なんかハナからねー」ちょっとこまった男だということにだんだん気づき、アタマを抱えることになるんだが。
 なにはともあれ、そんなナルシー男を連れて、ミッションクリアせねばならない。
 屍人たちの目を盗み、あるいは戦って、安全なところまで逃げなければ。

 三上は盲目に近い状態だが、阿部の「目を借りる」ことで常人のように動くことが出来る。
 この「目を借りる」というのがさ。

 「見つめあう」ってことなのよ。

 なにか行動を起こす前、阿部はまず、三上と見つめあわなければならない。

 狙撃銃を持った屍人の視界を横切らなければならないとき。
 屍人の視界にできる死角をついて素早く移動するわけだが。
 阿部だけ素早く動いても、ダメ。三上も連れて行かなきゃならない。せっかく無事に安全ポイントまでたどりついたのに、後ろに三上がいない、もとの位置で立ちつくしている、とわかったときの落胆。ええいっ、あとついて来いよっ。仕方なくまた、屍人の死角をついて元の位置に戻って。
 三上と、見つめあう。
 さあ、オレはこれから走るからな。オレが走ったら、アンタもついて来いよ?
 言葉に出さない、目だけで語る。
 ちゃんと見つめあったなら、ほーら、三上はおとなしくついてくる。
 背中を向けてばかりじゃダメ。振り返って、三上といちいち見つめあわなければ。それを怠ると、三上は立ち止まってしまう。

 えーと。
 なんなんですか、この愉快なシステムは。

 野郎ふたりが見つめあってます。
 なにかっちゃー見つめあってます。
 そうしないと、クリアできないんだもん。

 お姫様と騎士?
 姫は騎士が見守っていないと、一歩も動かないの?

 阿部は三上をかばい、ひとり戦う。
 三上はなにもしない。後ろについてくるだけ。

 次にナニをするか「指示」が出るんだけど、「三上修を安全なところに隠す」とか、あったりまえに出るしな。そーか、姫を安全なところに隠して、阿部くんひとりで戦うのね。
 安全ポイントで「隠れろ」と指示を出すと、三上はいそいそと隅へ行って、膝を抱いて坐るしな。なんなの、そのかわいこぶり(笑)。

 
 いやあ、愉快でした。
 実際プレイしてるとウザいんですけどね、三上(笑)。
 野郎ふたりでえんえん「見つめあい」する絵ヅラには、ウケましたよー。

 今、+6:00あたりっす。
 冥府で大騒ぎしてます。
 三上姫は阿部騎士が止めるのも振り切って、某彼女のもとへ行き、大変なことになってますが(笑)。

 まだまだ序盤だろうから、これから彼らがどうなるのか、どーゆー謎があり、また物語が進むのか、なんにもわかってません。
 前作より格段にプレイしやすくなっているので、初心者にも敷居が低くなっているんじゃないかな? わたしのよーなヘボでも、最初のウチはぜんぜん死なずにすんだぞ。今はもう死にまくってるけど(三沢の金鉱社宅ミッションで、数十回死んだ……)。
 「視界ジャックによるミッションクリア」は純粋におもしろい。銃を使えないひ弱キャラで、武装した屍人たちの死角から死角をつき、知恵をふりしぼって脱出するのが好き。サスペンス最高。
 
 
 なんでもヅカキャスティングをするこのわたし。
 今回もなんとなーく、イメージしてます。

 盲目の美青年「人の話なんか聞いちゃいねー」三上修は、寿美礼サマ(笑)。
 そのナイト役を押しつけられた「アタマ弱そうなチンピラ兄ちゃん」阿部倉司は、そのか。

 美少女の揺れる瞳にドキマギ「まともで善良。てゆーかぶっちゃけ地味?」一樹守が、ゆみこちゃん。
 男たちを翻弄する謎の美少女「あなただけは、わたしを信じてくれるわよね……?(上目遣い、瞳きらきら・ゆらゆら)」岸田百合は、やっぱトップ娘役だから、彩音ちゃん?

 青春自衛官「キレるとこわいんです」永井頼人は、絶対らんとむで(笑)。

 ……まっつがいない。
 まっつがいないよう。
 一樹あたり、まっつでもいいかなと思うんだけど。でも一樹っていちおう主人公っぽいから、まっつじゃダメかなと。
 ……主人公だからダメ、って、わたしのまっつ観はいったい……。

 セーラー服にツインテールの女子中学生・矢倉市子と、着物姿のエキセントリック少女(モノは言いようだな)太田ともえを、ゆまちゃんと一花ちゃんのどちらがいいかで悩んでみたり。
 正当派ヒロインっぽい木船郁子をあすかちゃん、いかにも現代娘な女占い師・喜代田章子をきほちゃんでいいかなとか。

 まとぶやみわっち配役のできる、きれいめのにーちゃんたちが今後出てきてくれることを希望しつつ、ゲームに戻ろう。


 ほっくんバウの初日に行きたかったんだが、チケットないのであきらめた。
 チケ事情的に楽勝だと決めてかかってたんだけど、この間チケカウンターで聞いたところ、平日でも後方とか最端とかしか残ってないのよ。初日は後ろ補助のみ、だったかな。
 後ろ補助はヤだったんで、初日はあきらめた。

 そして今日はえんえん、コントローラ握っていたよ。

 昨日発売のシリーズ最新作『零−刺青の聲−』をやるために、まず『零−紅い蝶−』を終わらせなければ、と。

 もちろん、発売当初に終わらせていたよ。
 ここでも日記書いたしな。

 ただ、『零』シリーズは通常エンディングが2つあって、ノーマル・モードをクリアしただけじゃ終わったことにならないのだわ。
 1回クリアしたあと、ハード・モードで1からプレイし直さなきゃならないの。2回以上プレイするのがお約束。

 わたしはこの、2つめのエンディングをまだ見ていなかったの。

 アクション苦手だっつーのに、ハード・モードで怨霊と戦わねばならない。うひょー。

 昨日の『ベルばら』役替わり発表時点で、ゲーム中最恐の「桐生家」をやっていたのね。そっから一気にラストまでやった。
 むちゃくちゃこわかった……。
 ホラー大好きなわたしが、唯一「こわい」と思えるのが、この『零』だ。他の「ホラー」とカテゴライズされたものでこわいことなんて、まずない。

 『零−紅い蝶−』は、最初から最後までこわかった。

 主人公の少女になって、夜の廃村を歩く。生きている人間は、誰もいない。土の道の脇には、双子の道祖神。紅い蝶がひらひらと闇を舞う。
 暗い廃墟のあちこちに見える、白い影。
 村の指導者の屋敷らしい、巨大な日本家屋を歩く。時折聞こえる足音と、子どもの笑い声。
 見え隠れする、村の過去。陰惨な「儀式」「生贄」「宿命」。

 「敵」である怨霊に追われる恐怖、怨霊と戦う恐怖、というのがある。
 でもこれって、相手がモンスターだろうとゾンビだろうと、人間の兵隊であろうと同じよね。
 「身を傷つける者」としての恐怖でしかない。

 『零』の恐怖の神髄は、プレイヤーの「想像力」にある。
 暗い日本家屋を歩く。
 障子の向こう、廊下の角、屏風の裏、一望できない「闇」に潜むものを想像して、恐怖する。

 想像力は、尽きない。
 モンスターや、チェーンソーを持った怪人はそれだけの存在でしかないけれど、答えのないものに対する想像力は、枷を持たない。

 舞台となる村、そして屋敷にあるのは、「人間の想い」だ。
 怨霊も自縛霊も浮遊霊も、それぞれ「人間の想い」があるからこそ、「霊」としてそこにある。
 「想い」だけが歪んだカタチで残っている、その「哀しさ」がまた、恐怖となる。

 想像力が豊かな人や、感情移入が激しい人は、よりたのしく「恐怖」することができるだろう。

 今自分を襲ってきた幽霊の、人生と、最後の瞬間の恐怖と痛みと悔しさを想像したら、こわさ倍増。霊となって、生きている人間を襲うほどの恐怖に充ちた最後って……?!
 雑魚敵ひとつひとつにも、物語と痛みと悲しみがあって、想像すると際限なくこわいぞ。

 
 そして、今回もうひとつのエンディングを見ることによって、わたしがどーしてこの作品が好きなのか、再確認した。

 歪んだもの、痛いものが好きな人には、おすすめ!

 幽霊がこわい、幽霊の背景となる設定がこわい、演出がこわい。
 と、いろいろ盛りだくさんにこわいんだけど。

 さらに。

 ストーリーも、こわい。

 絶望だとか、まちがった愛だとかにツボがある人間にはたまらないわ。

 最後までプレイして、感動した。
 この絶望感に。
 どこまで痛いんだ……容赦なさ過ぎ。

 主人公=プレイヤーの、心の歪みが浮き彫りにされていく。

 醜いエゴが、容赦なく浮き彫りにされ、そしてそれが、凄惨に美しく描きあげられる。

 う・わー……。
 痛すぎ。

 ものすげー好みです。
 この感覚。
 荻田浩一作品に通じる、美しさと絶望感と、歪み。

 やはり、ポイントは「美しさ」だと思う。
 『零』は、美しいのよ。

 他のホラーゲームといちばんちがうところは、流血しないということ。
 身体を傷つけられる恐怖じゃないから。
 画面に血は流れないし、暴力的なシーンもない。
 陰惨な儀式の描写はあるけれど、実際に血を流すようなグロテスクなシーンはあえて描かないの。次の瞬間血みどろになる、寸前で映像が切り替わる。あとはプレイヤーの想像。そしてそれこそが、最恐。

 安易なスプラッタや汚らしい残酷さで恐怖を作らない。

 むしろ、美しい。
 絵画のようなしんとした美しさで、その奥にある狂気を表現する。

 
 美しくて、かなしい物語だった。
 だからこそ、こわい物語だった。

 こんな物語を書いてみたい、と心から思った。

 
 2回目のプレイはわたし、ヒロインを「めがねっこ」にしてプレイしたので、さらにたのしかったぞ(笑)。1回クリアすると、めがねっこバージョンにできるの。
 うざい姉にきーきー文句言いつつ、あちこち画面相手にツッコミ入れつつ、たのしくプレイしました。
 あー、こわかった。あー、たのしかった。
 RANK E だったけど、そんなこと気にしない! どーせあたしはへたっぴよ!

 
 つーことで、今はシリーズ最新作『零−刺青の聲−』をはじめてます。
 これから第二夜だー! ツッコミどころは満載だー!

 あ、シリーズは何気に全部話がつながってるんで、プレイする場合はシリーズ1からがおすすめですよ! もちろん、どのソフトからでも遊べるけど。



 『九怨』、あっちゅー間に終わってしまいました……。

 ボリューム、少なっ。

 主人公ふたりで別シナリオなわりに、どっちもぬるかった……。
 てゆーか、どのへんが「陰陽術を再現」なんだ……ほとんど最後までコンバットナイフでゾンビをボコって終わったよ。符はウザいから使わなかった。
 ラスボスだけ、「最後だからっ」と記念気分で式鬼使ったよ。そしたら楽勝だし……式鬼が戦ってる間、やることないから、ただうろうろ歩いてた……このトホホ感はいったい……。

 ちなみに、わたしは「通常」モードでやりました。

 ゲーム下手なわたしでも、この程度で終わるってことは、イージーモードってどんなことになってるんだ?

 アクションの爽快感のなさが、痛いかな。
 仮にもアクションゲームなんだから、戦いが楽しくないと。

「『SIREN』ほど難しくしろとは言わないけどね」
 とわたしが言うと、
「あれは爽快感じゃないだろ。『SIREN』にあったのは、達成感」
 と、弟に訂正されました。

 たしかに。
 『SIREN』は、「やりとげたわっ」という達成感のみで、アクションがたのしいわけではまったくなかったなー。

 まあ、ゲームとしてはともかく、雰囲気はよかったっす。

 やっぱ和モノはいいねえ。
 日本家屋を歩く、てだけでもわくわくする。

 ただ、あまりに血まみれ過ぎて、あちこち辟易したけどなー。
 も少し押さえてくれよ……。

 浮月シナリオをやったあと咲耶シナリオをやると、ツッコミどころ満載。
 時間軸が噛み合ってないのは、わざとなのかな?
 どこまでが本物の浮月なのかしら。
 そのへんがさっぱりわからないので、弟がクリアするのを待って話し合うことになると思う。

 あと、声優のヘタレ風味はいったい……。

 みんないかにも「演技してます」って仰々しさ。
 とくに陰陽師4人組の末っ子は、ふつーに「女の人の声」だったので、違和感ありまくり。少年役の声優は、せめて男の子の声に聞こえる人を使ってくれよ……。
 双子の声も、「大人の女性が演技している子ども声」なのが丸わかりで、こわさ半減してるし。
 わらべうたを歌ってるのは、本物の子どもだよねえ? だったら喋る声も子どもにして欲しかったわ。

 陰陽師4人組の2番目のにーさん、素敵です。
 いかにも胡散臭い二枚目ぶりで!(笑)
 電波ねーちゃんと「うふふ」「あはは」な関係になるくだり、バカを極めている感じで、いいですなっ。

 でも、このゲームでいちばん素敵なのは、晴明様だよねっ。

 隠しキャラ、真の主人公、安倍晴明。浮月、咲耶とふたりのシナリオをクリアしたのちに出てくる、3つめのシナリオの主人公。

 かっこいいっす。クールっす。
 正義とか情とか善とか、そんなものに動かされない、興味なさげな感じがたまらない。
 終始、めっちゃエラソーな男言葉なのも萌える。

 ええ。安倍清明、女だし。

 なんの説明も言い訳もなく、女だし。妙齢の美女だし。
 潔いなあ。
 男世界だからな、ゲーム世界って。三蔵法師でも義経でも晴明でも、みんなふつーに「女」にしちゃうんだよなー。「男」だと萌えないから、つー理由なだけなんだろーなー。

 なんにせよ、晴明様かっこいいっす。
 長刀、強くてリーチがあって、戦いやすかったっす。

 
 クリア後のお楽しみは……と思ったら。
 なにもなくてがっくり。
 「最強装備」で同じシナリオを再プレイできるそうだが、そんなもんいらん……。だって最初から最後まで「符」なんて使い道ないのに、「符」を山ほど持っている状態で再プレイなんて、なんの意味もないよ。

 マルチエンディングにでもしてくれなきゃ、もう一度同じことをやりたいとは思えないわ。

 たのしくプレイしたけど、カタルシスに欠けるゲームだった。

 ゲームシステムで魅了してくれる『バイオハザード』(とくに「4」)、こわさいちばん『零』、シナリオのおもしろさの『SIREN』には遠く及ばないかと。
 『静岡』? あー……『静岡』とだったら……でも、ボリュームでは『静岡』が勝ってるよなー。ゲームとしての微妙さ加減は似てるかも。
 『静岡4』と『九怨』なら、断然『静岡4』が好き。


  
 檀ちゃんはじめ退団者の方々を見送ったのち、はるばるムラから帰ってきたわたしを待っていたのは、弟だった。

 買ったばかりだというホラーゲーム『九怨』を持って。

 深夜だっつーに、わざわざわたしの部屋まで届けに来たよ。

 いやあ、パッケージのまがまがしさは、ホラーゲーム随一だよねえ。
 あまりにキモいんで、悲鳴あげちゃったよ。(是非上の画像をクリックして、パッケージ絵を見てくれ。Amazonにとぶから、そこでさらに画像をクリック! 拡大表示されるぞっ)

 わたしたち姉弟はいつも、ひとつのゲームをふたりでそれぞれプレイし、途中経過の感想や攻略をつらつら話すのが好きなのだ。
 まっとーな勤め人の弟が留守の間に、わたしがソフトを借りてプレイする。ゲームが下手なわたしは、とにかく時間がかかるのだ。
 弟は、帰宅してから就寝するまでの数時間しかプレイできない。それでもけっこー順調に進む、わたしとちがって。

 『ファミ通』を愛読しているわたしたちだから、もちろん『九怨』のことは知っている。発売当初までは、ふたりでなにかっちゅーと話題にして、期待に胸を膨らませていた(笑)。
 平安時代を舞台にしたホラー・アクションアドベンチャーで、
「よーするに、平安時代の『バイオハザード』」
 でしょ? ゾンビを力尽くで倒して館を探検して、謎だのパズルだのを解いて、扉の鍵を探して、ラスボスと戦うんでしょ?(笑)
 プレイしてみたいと言い続けていたよ、『九怨』。

 さて、購入当日、弟は先に少しプレイした段階で、わたしのところへやってきたわけだ。

「で、どない? 『九怨』」
 と、わたしが聞くと。

「まだちょっとしかプレイしてないから、なんとも言えないけど、雰囲気はいい。日本物で、子どもで、わらべうただし」

 うおー、子どもか。ホラーの子どもってのは、こわいよねえ。そのうえ子どもの無邪気な声で歌う、わらべうたか。たしかにそりゃいいなあ。

「アクションなんでしょ? 難しい?」
「んー? それも、まだなんとも。まだほんとに最初しかやってないから。とりあえず、ゾンビをコンバットナイフでヌッコロしてる」

「その情緒のない表現はなんとかならんのか」


 平安モノなんだから、べつな表現しなさいよーっ。

 まあとにもかくにも、上で寝ている猫をどかして(横置き。ちょうどいい大きさらしい)、ひさびさにPS2の電源を入れた。

 そして翌日。
 ガイチ退団発表にヘコみながら、現実を忘れるためにもホラー世界へ入り込んでおりました。

「どうだった、『九怨』」
 と、夜帰宅した弟が聞く。

「あー、うん、今なんか地下にいる。セーブしないままやってたから、うっかり死んで、3回も最初からやりなおしちゃったよ……わらべうた、聞き飽きた……」
「……セーブしろ」
「だって動線上にセーブポイントないんだもんー、いちいち戻ってセーブすんのうざいから、『そのうち』と思ってたら、出会い頭とかにボコられて即死してさー」
「ちゃんとアクションはこなしてるわけだ」
「うん。とりあえず、ゾンビをコンバットナイフでヌッコロしてる」

 情緒に欠ける表現だが、そう言うのがいちばん近い(笑)。

「しかしさー、おねーちゃん、うざ過ぎ」
「ホラーゲームの姉ってのは、電波なのがお約束なのか?」
「で、妹が苦労する」
「姉が電波受信していなくなって、妹の目的は『姉を捜して脱出する』」
「でも、『九怨』のおねーちゃん、こわすぎ」
「眉毛ないし」
「萌えは狙ってないらしい……」
「あのビジュアルで姉妹百合萌え狙ってたらこわい」

「平安時代のお姫様(神主の娘だが)主人公って、すごいよなー。膝までの高さのローチェストとかが廊下に置いてあるだけで『廊下がふさがれていて通れない』だし、御簾が下りてるだけで『中はわからない』だし、屏風が置いてあるだけで『通れない』だし。うおーっ、そんなもんまたげ、蹴倒せ、あきらめるなーっ! と、思うよ」
「瓦礫で埋まっているならまだしも、あんなに等身高いキャラなのになー」
「御簾も持ち上げられない、屏風も動かせない非力なヒロインなのに、コンバットナイフでゾンビ殺しまくるし」

「しかし、アクションゲームとしてはかなり雑っていうか、爽快感がないよなー。ナイフでの戦闘、間合いの設定とか微妙すぎない?」
「ただボタン連打してるだけだもんなー」
「パッケージには『陰陽術を再現!』って書いてあるよ」
「……コンバットナイフでゾンビをヌッコロすのが?」
「いや、いちおー『符』を使って『式神』とか出してるし? ……底の浅い陰陽術だ……」

「あの双子、こわすぎー」
「斬っても死なないしねえ」
「斬れるのか?」
「振り返ったら、今まで誰もいなかったところに双子がいて、首振りながら歌ってるんだよ。とりあえず斬ってみた」
「とりあえずなあ」
「みずにうつったからごろも〜〜」
「歌うな歌うな」
「3回やり直したから、台詞おぼえちゃったよ……『みんな死んでしもうた』」
「首振るなって」

「でもさ、これって『静岡』よりはいいよな」
「目新しいことはなにもないけど、ストレスなく進むよね」
「軽いし。バランスいいし」
「リーディングのとき、場所の名前が出るの親切だわ。MAPも簡単に開くし」
「ビックリ系だけど、いちおーホラーしてるし」
「回復がタダっての、お得でいいなあ。符を使うのがもったいないってときは、ナイフで戦えばやっぱタダだし」
「『バイオ』ほど作り込まれてないけど、『静岡』よりはよっぽどふつーのデキじゃん。……なのになんで、売れてないの?」
「評判聞かないよね……いいも悪いも」
「プレイしたって人、まず聞かない……」

「にしても、血液量多いよね」
「血みどろ」

「同じ日本物ホラーなのに、『零』とはまったく異質の怖さだな」
「あー、怖さの質は、『静岡』系だね」

 
 まあなんにしろ、まだはじめたばかりなので。
 最後までやれば、印象は変わるかもしれない。

 
 『零』シリーズの3作目(めちゃ期待!)の発売も迫っているし、わたしの部屋には、まだ「真のエンディング」を見ていない『零−紅い蝶−』が転がってるし、ついでに『犬萌え』@弟ネーミング……もとい、『DEMENTO (デメント)』が一度もフタを開けられることなく置きざられているし……『零』の発売日までにこれらを消化する予定だったのに、ここでさらに『九怨』が加わったわけだ。
 がんばって真夜中にひとりでプレイするよ。

 それにしても、ホラー尽くしの日々だなあ。 
 と言いつつ、今日は『リング2』見てきたけどなー(さらにホラー尽くしの日々にしてみる・笑)。


 「タック 立樹遥」で検索してきた人が、もれなく1月6日の日記にしか辿り着かない現実に、ちとヘコみつつ。

 『タック』の感想は、公演初日の日付の日記ですから!
 当然でしょう、ファンなんだから! 初日ですよ、初日!!
 1月6日なんて、ぜんぜん関係ない日をわざわざ読みに来なくてもいいじゃないですかっ。クリックする前に気づこうよ。

 せっかく「タック 立樹遥」でやって来てくれた人が目にするのが、「しいちゃん受語り」の1月6日日記だなんて……涙。

 
 まあそれはともかく、現在の緑野姉弟の共通言語はもちろん『バイオハザード4』ですよ!!

 1月27日、友人のリンコさんとごはん食べてお茶して夜中に帰宅したら、弟がキューブとソフト抱えて待ってましたよ。

 『バイオハザード』シリーズ最新作!
 やっぱり発売日に買ってきたか、弟よ。

 つーことで、姉弟そろってプレイ開始。
 以来、ふたりの共通言語は『バイオ4』。その話ばっかしてる。

 えっ、『ドラクエ8』ですか?

 どうも、緑野姉弟は『ドラクエ』にはあまり向いていないらしい。
 発売日から世間の波に乗ってプレイしはじめたはいいが、ちっとも共通言語にならない。
 話してもたのしくないし、大体、話したいと思わないんだ。
 進捗状況を報告し合うくらいで、盛り上がらないったら。

 『ドラクエ』が売れる現代社会を溜息まじりに語ったりはしたか。『ポケモン』が売れる現代社会を溜息まじりに語るよーに。

 『ドラクエ』は、わたしが『サイレントヒル4』を買ってきたその日に息絶えた。

 姉弟そろって『ドラクエ』投げ出し、『静岡4』に夢中(笑)。

 『バイオ4』ははじめたばかりなんで、話はまた今度。
 今日は『サイレントヒル4』の話。

 
 おもしろかったよ、『静岡4』。

 世間の評価は知らない。
 わたしたち姉弟の感想。

 今までの『静岡』シリーズの中で、いちばんおもしろかった。

 どれくらいおもしろいかって言ったら、『静岡』じゃなくてもいいくらいだ(笑)。

 つまり、別モノだったわけだな。ははは。
 『静岡4』というより、『静岡・番外編』って感じだった。

 
 『静岡』シリーズは、誠意のないゲームだ。
 制作姿勢がね。なんか、そんな感じ。
 やりたいことだけ、たのしいことだけてきとーにやって、しんどいことめんどーなことは、「ホラーなんだから、いいでしょ」で全部カタを着けている感じ。
 世界観を愛しているから、ファンであることはたしかだけど、投げやりな風味に引っかかるものがあった。ずっと。

 ところが『4』ではじめて、「やりたいこと、たのしいこと」を真面目に表現しているよう思えた。
 演出がいいのよー。現実と非現実の肌触りがいいのー。

 好みに合った、ってことだと思う。

 『静岡4』のサブタイトルは、『THE ROOM』。
 いまいち情緒に欠ける男ヘンリー(主人公。ちょい若めのおっさん)は、アパートの自分の部屋から出られなくなっていた。
 玄関ドアはありえねーくらい完璧に板や錠前で封鎖され、なにをしても外には出られないし、聞こえないらしい。
 窓の外にはふつーの現実社会が平和に営まれているのが見えるし、玄関ドアののぞき窓からは、廊下の様子が見える。
 部屋の外は、日常。あたりまえの世界。
 しかしヘンリーの部屋の中だけが、異世界と陸続きになってしまったんだ……。

 部屋の外にあったりまえにひろがっている「ふつーの世界」と、ヘンリーの対峙している「とんでもねー世界」の対比が気持ちいい。
 理不尽で、こわくて。

 「日常」に対しての「非日常」であるはずのヘンリーの「部屋」が、悪夢世界と行き来することによって、プレイヤーにとっての「安全地帯」という位置づけになるのがいい。
 「部屋」に帰るとほっとする。
 ああ、安全な我が家に帰ってきた。
 母の子宮へ還ってきた。
 そんな、安心感。

 そんなはずないのにね。
 ヘンリーは「部屋」に閉じこめられていて、すべての怪異の源はこの「部屋」であるはずなのに。
 意識の逆転。
 問題の根源を、取り違えてしまう。

 ところがゲームが進むにつれ、安全地帯であった、母の子宮であったはずの「部屋」が闇に侵されはじめる。
 「部屋」はいちばんこわい場所になる……。

 はじめわたしは、「なんでサブタイトル『ROOM』なのかなあ。『HOLE』の方がいいんじゃあ?」と思っていた。
 安全な「部屋」と危険な悪夢界をつなぐのが「穴」だから。
 部屋を浸食していく「穴」の存在は不気味で、印象が強い。

 でも、中盤を過ぎるころには納得したよ。
 たしかにこのゲームは、『ROOM』だ。『ROOM』というタイトルでなければならない。
 と、心から思った。

 
 あー、それにしても、「部屋」の設定が好きだ……。アイディア一本勝ちだよね。この「部屋」に惚れられるかどうかで、評価が分かれそうだ(笑)。

 ハリーは視野針の先男だったし、ジェイムズは自己中迷惑男だったし、マリアはキ*ガイだった。名前もう忘れちゃった『3』のヒロインは、人の話をまったく聞かない、ハリーそっくりの娘だったし。(あれ? わたし、『3』プレイしたこと、日記に書いたっけ? 書いてないよーな気もする。おもしろくなかったから、書くまでもないっちゅーか)
 ろくな主人公がいない『静岡』シリーズ。

 『4』の主人公ヘンリーは、情緒ナッシング男でした。

 笑えるほど、無味無臭。乾ききった干しわかめのよーな男。
 プレイヤーの視点だからニュートラルなキャラにしようとしたのかもしれないが、ちゃんと顔と名前があって動いて喋ってるんだから、人格ナシはまずいよ。ありえないよ。
 とんでもねーことに巻き込まれているのに、あの冷静さ。……てゆーか、無感動さ。
 笑えるって。

 アイテム所持の不親切さや、同じマップ使い回しなんか、ぜんぜん平気。
 『クーロンズ・ゲート』や『SIREN』に比べれば、そんなの不親切な部類に入らないって!(笑)

 ストーリーがどうこうよりも、やはり「部屋」だなあ。
 あの「異世界/現実」のぞわりとした肌触りを味わえただけで、わたしには意味のある一本だった。

 ヘンリーの無機質っぷりも、かえっていろいろ想像できて萌えだしなー。ふっふっふっ。

 忘れられない1本になりそうだ。

    
 『ドラクエ8』をはじめるにあたって、とまどったこと。

 PS2が動かないっ!

 正確には、ソフトを読み込んでくれない。ブラウザ画面が出てしまう。
 何度やってもダメ。
 ためしに、『サイレントヒル3』(じつはPS2に入れっぱなしになっていた)を入れてみると、ちゃんと読み込む。動く。
 『ドラクエ』だけ動かない。

 もとから、かなり不安定ではあったんだ。わたしのPS2。なんせうれしがって発売日に買った初期ロットだからなー。祭りにはとりあえず参加しておけ!がモットーなので、やりたいソフトもないのに、わざわざ予約して買ったんだもんよ、平成12年3月4日。
 世の中がPS2新発売で大騒ぎしているときに、その買ったばかりのPS2で『バロック』をプレイしていたという、「そんなヤツ世界でただひとり」の自信があるこのわたし。
 もう5年も使ってるんだもんなあ、そりゃやばくもなるわ……。

 数えていられないほどリセットを繰り返していると、よーやく読み込みに成功したよ、『ドラクエ』。

 そのことを弟に報告すると、ヤツはにやりと笑い、

「じゃあPSXだな」

 と言う。
 やめてよ、買わないわよ、そんなもの!
 PSXは今ずいぶん安くなっているらしい。とくに容量の小さい方。
 でも今さらDVD-RWなんて欲しくない。それならパナか東芝のDVDレコーダの新しいヤツを買うわ……って、DVDレコーダの話じゃない、ゲームの話だってば。

 それでも今のとこ、いちおー動いているよ、PS2。リセットしまくりでしか、読み込んでくれないけどな。

 そうこうしているうちに。

 
 何故なの……DVDレコーダが動かなくなった。

 修理センターに電話をしても、つながらない。リダイアルするだけで、昨日は受付時間が終わってしまった。
 つーことで今日は朝から電話。よーやくつながったはいいが。

「土日は予約がいっぱいなので、修理にお伺いできるのは週明けになります」

 ……DVDレコーダがないとこまることが、山ほどあるんですよ、わし、ヲタクじゃけん……。泣。

 とりあえずBe-Puちゃんに「かわりにBS録画して」のメールだけは出す。ほろほろ。
 ケロちゃんDSを手にすることができるのはいつなの、わたし。

 DVDレコーダ故障のことを弟に報告すると、ヤツは再びにやりと笑う。

「じゃあPSXだな」

「いやよ、そんなもの買わないわっ」
「PSXでネトゲ・デビューするんだろ?」
「しないっ、ネトゲだけは手を出さないっ」
「『アウトブレイク』でラクーン・シティを脱出だ」
「そんなコアな人たちばかりいそうなところへ、行くもんかぁ。初心者が入ってどんなふーに扱われるかこわいじゃんよ! ただでさえアクション下手なのに」
「連邦軍に入って、ガンダムに乗るんだろ?」
「そんな男率バリ高そーな宇宙には行かないっ。見た目には男女半々でも、絶対リアルでは男ばっかのはずだっ」
「モビルスーツの型番で会話が成立する宇宙だ」
「ロボットの見分けなんかつかないもん! スパロボでどれだけ苦労したか」

 ネットワーク・ゲームにだけは手を出しません。
 これ以上、引きこもりヲタクのレベルを上げてどうする。
 弟よ、うれしそーに姉にネトゲを勧めるなっ。自分だって手を染めてないくせに。

 なにはともあれ、DVDレコーダ故障は痛い……。生活的にも痛いし、修理代も痛い……。

 
 『ドラクエ』はぜんぜんすすんでないしな……やっぱまじめに道を歩いてないせい?
 フィールド走り回ってるだけで時間が過ぎていくぞ。

 いつもなら主人公に「ケロ」って名前をつけるんだが、今回はなんか、つけられない。しょぼんな気持ちなので。

 とりあえず、ククールはカリスマしかスキルを上げていないんだが、こんな育て方はアリなんだろーか?

          ☆

 んで、私信の嵐。

 ドリーさん、ブログ開始おめでとう。つか、このサイト、ブログサイトとしてはかなり下位に位置する不便サイトだと思うんだけど……いいのか〜。
 みなさん、「魔法のエレベータ」のドリーさんがブログはじめましたよー。
 にしても、「師匠」という呼び方が定着しそうでこわい、チキンハート。

 kineさん、しいちゃんへの愛がすばらしいっす……ほろり。週末の日記たのしみにしてます。

 S川さん(まだ名前が決まっていないらしい)、ケロ&しいビデオを貸してほしいっす。次にお会いするときに……すんません、よろしくお願いします。

 晃様、お礼にケロちゃん語りなんでもします。テーマのリクエスト受付中。

 
 明日は早朝から月エリザの並びだし、第九のリハだし、風邪気味だし、レコーダ故障はかなしいし、で、個別にメール書く気力がないまま、今日はもうオチます。おやすみなさい。

    
 やっぱりウェスカーは、クリスを愛しているんだな。

 と、再確認しました。
 キューブ版の『バイオハザード』クリス編終了。

 ……なんであんなに親切なのよ、ウェスカー。
 元祖『バイオ』よりさらに親切ってどうよ?
 レベッカのことは簡単ぷーにヌッコロすくせに、クリスには「僕の宝物自慢」はじめるって、どうよ。

 クリスのために、ドアノブの修理をするウェスカーを想像すると、胸に熱いモノがこみ上げます。

「……ドアノブの修理って、ソレ、ウェスカーがやっちゃイカンだろ」
「ウェスカーのキャラじゃないよね。バリーならやりそうだけど、ウェスカーはやっちゃイカン」

 緑野姉弟の統一見解。
 なのになのに、実際ウェスカーさんは、クリスのためにドアノブの修理しちゃうのさ。どの面さげて??

 やっぱウェスカー、最初からクリスのこと大好きだったんだなあ。
 STARSのメンバー皆殺しにするのはぜんぜんかまわないけど、クリスだけは殺したくなかったんだ……。
 純愛だな。

 
 はい、ここでしょーもない情報をひとつ。

 ゲーム画面において、クリスとウェスカーをキスさせる方法。

 洋館の地下、鎖のモンスター・リサたんをヌッコロしたあと、ウェスカーは愛するクリスを見守ります。
 だってほんとに、「ウェスカーが見守っている」ってメッセージ出るもんよ。
 そのウェスカーに、クリスで正面から近づいていきましょう。

 角度をうまく合わせれば、キスしているよーに見えますよ!!(笑)

 このときクリスは、銃をかまえている方がポーズに臨場感が出ます。
 わたしはリチャードの形見のアサルトショットガンを装備してたんですが、実にいい感じでした。
 キャラが重なると、腕が消えてしまうので、銃が見えなくなるのね。その腕や肩、身体の角度がいい感じにキスシーンなのよ。

 ウェスカーとクリス、ふたりの身長がほぼ同じだからできたことですわ(笑)。

 よかったねウェスカー。
 クリスの方からキスしてくれて!(笑)

 
 クリスが装備しているのが「リチャードの形見」ってのも、この場を盛り上げるポイントです。

 クリスとリチャードって、デキてたの??

 眠るリチャードを見守るクリスの瞳のやさしさに、うろたえたんですが。
 ベッドの脇に無言で腰掛けて、ただ見守ってまた、ひとり戦場に戻っていく漢・クリス。

 そしてリチャードはリチャードで、クリスの危機にどこからともなくあらわれて、命懸けで守ってくれるし。

 ジル編より接触が多い分、クリスとリチャードは妄想をかきたてますなあ。

 恋人リチャードの形見の銃を握り、裏切り者ウェスカーに口付けるクリス……萌え……。
 いや、リサたんの洞窟では、まだクリスはウェスカーの裏切りを知らないワケなんだけどな。

 
 なんにせよ、やたら愉快だった、リメイク版『バイオハザード』。

        
 PSP関連の記事を読みながら、ゲーム好き姉弟は語る。

「携帯ゲーム機こそ、『どこいつ』を出すべきだよなあ」
「『グランツーリスモ』なんか出してる場合じゃないよねー。やっぱ『どこいつ』だよねー」

 どこいつ……時代のあだ花、鮮烈なブームを起こし、一瞬で消えていったポケットステーション対応のゲームソフト『どこでもいっしょ』のことだ。
 緑野姉弟は当時『どこいつ』にめちゃハマりし、ブームが沈静化したあともひたすら遊びつづけていた。消費したボタン電池の数もバカにならない(笑)。
 毎日毎日しりとり対戦し、ソフトを持っていたのがわたしだったため、弟は夜寝る前に必ず一度わたしの部屋にやってきてペットを部屋に帰し、ふたりで日記を読んでいた。いい思い出だ。

「この画面のクオリティなら、お部屋をそのまま持ち運べるよな」
「いつでもどこでもあの“きゅっ、きゅっ”が聞けるわけだなっ」
「パソコンと連動できるなら、『どこいつ』でメールソフト出してくれよー。トロたちがメールを運ぶの」
「そして、メールで使った言葉を勝手に使って、話しかけてくる」
「メールで『SIREN』の話ばっかしてたら、トロが『屍人っておいしい?』とか話しかけてくる、と」
『竹内の墓ってドキドキするニャ?』とか」

 ……いい加減『SIREN』ネタから離れろ、お前ら(笑)。

     

PS2の秘密。

2004年4月26日 ゲーム
 『サイレントヒル2』をやろうと思って、ソフトケースから、ディスクを取り出した。
 PS2にセットする。
 テレビの画面を切り替え、コントローラを握って、ディスクの読み込みを待つ。

 画面に映ったのは……『クーロンズ・ゲート』だった……。

 マジ、びびったって!!
 『静岡2』をたしかにセットしたのに、何故『クーロンズ・ゲート』がはじまるのっ?!

 あわててPS2のEJECTボタンを押した。
 トレイが出てくる。
 入っているのは、『静岡2』だ。まちがいない。

 何故……っ?!

 驚愕のまま、ディスクを取り出す。

 あれ?

 …………2枚、重なってました…………。

 てゆーかわたし、『クーロンズ・ゲート』のディスクをPS2に入れっぱなしにしてたんだわ……。
 それを忘れて、上から『静岡2』を入れちゃったんだわ。

 2枚重ねて入るんだ、PS2。知らなかった……。

 
 そして、21世紀になってなお、気が向くと『クーロンズ・ゲート』をちょいちょいプレイしているという、わたしの日常がいちばんの問題なのか……?

        
「『静岡2』の登場人物、キ*ガイばっかだよ……」

 現在『静岡2』プレイ中の弟は、溜息とともにそう言います。
 わたしは爆笑。

 だよね、だよね。
 『静岡2』の登場人物は、全員キ*ガイばっかだよねええ。

「言葉が通じるヤツが、ひとりもいない……全員電波発してやがる」

 唯一いるじゃん、人間の会話が成り立つキャラ。
 ほら、あのデブ。

「そう、唯一デブとだけは会話が通じた。……でもジェイムス、あのデブのことキライだし」

 そーなんだよねー、『静岡2』の主人公ジェイムス。彼は、ゲーム中で出会うデブ男エディーのことが大嫌い
 他のキャラには親切な言動を取るが、このデブ男に関しては冷淡のひとこと。

「なんせ、『まだいたのか』だし」

 エディーは、いかにも怪しい危険がいっぱいの街サイレントヒルで出会った、貴重な生きている人間、なのに。
 しかも、エディーは体調が悪く、トイレで嘔吐していた。
 ふつーなら、心配しないか? 気遣わないか? 手を貸そうとしないか?
 周りは化物ばっかなんだよ? 生きている人間に会えたら、同行を望むのがふつうだろう?
 だけどジェイムス、エディーのことは完全スルー態勢。
 こんなうっとーしーデブと一緒に行くなんてごめんだね。と、全身で表現している。

 体調の悪いエディーをそのまま放置し、ひとりでとっとといってしまうジェイムス。……冷淡。
 その後、あちこち回って、もう一度エディーのいた部屋にやってくると……。
 可哀想に、エディーはまだトイレで吐いている。うわ、ほんとに体調悪いんだ、大丈夫か? と、思うのがふつーだろーに。
 ジェイムスがエディーにかける、すばらしいお言葉。
 「まだいたのか」

 病気だから、動けないんだよ。助けろよ、お前。

 鬼畜な言葉をかけただけで、ジェイムスはやはりエディーを見捨ててひとりで出て行く。
 ひでえ。

「他の女キャラには、あんな態度取らないのに。デブ男にだけは、完璧に冷酷。よっぽどキライらしい」

 結果的にエディーも悪人なんだけど、この時点ではわかっていない。だからジェイムスがエディーに冷淡なのは、ひとえに彼の好みでしかないんだ。
 他の女キャラたちは、言葉が通じないくらいキ*ガイぞろいなのに、それでもジェイムスはやさしい態度で接している。

 最悪だな、ジェイムス。
 キ*ガイでも女にだけはいい顔をし、男相手だと「勝手に死ね」、という人格なんだ……。

「まだハリーの方がよかったよ……ハリーも人の話聞かない男だっだけど、とりあえずジェイムスほど狂ってなかった」

 ハリーは『静岡1』の主人公。
 娘のことしかアタマになくて、謎の女が「世界は今、危機に瀕している」とものすごーく大切なメッセージを告げているのに、「娘はどこだ」しか言わなかった暴走パパ。女とハリーの会話は最後までかみあっていなくて、でも双方真剣で、じつに笑えた。

 でもハリーもすげー色ボケ男だったよな?
 どっから見ても怪しすぎる看護婦のリサにめろめろで、彼女に対してだけは言動ちがってたよねえ?

「女に対してアホウすぎるのが、『静岡』の主人公の特色なのか……?」

 てゆーか、出てくるキャラクタ、全員もれなく「最悪」って、どうよ。
 感情移入もクソもねえ……。

「しかし、こうやって再プレイしてみるとつくづく、いやあなものばかり出してくるよ、『静岡2』。よくもこれだけ、生理的に不快なモノばかり表現してくれるよ」

 うん、それが『静岡』シリーズのすごいとこ。
 人間は、ここまで人間を不快にする映像を創れるんだよ。感動。
 あの世界観はすばらしい。

 これでストーリーがあれば……失礼、よければ、もっといいのにね。
 誠意のある内容なら、もっといいのにね。

 あの「異世界」を創る力は、心底賞賛しているのに。

 
「それにしても、マリア最悪」

 ブスでおばさんで攻撃的キ*ガイで服の趣味が悪くて自分勝手で性悪。……でも、ヒロイン。

 どこまでもすばらしい、『静岡2』。
 やんや、やんや。

    
 
 『街』が終わったので、とーぜん次のゲームがプレイしたくなる。

「ねーねー、『九怨』買ってよー、『九怨』〜」

 わたしはいつものよーに弟にねだる。
 ゲームを買うのは弟の役目。わたしは借りてプレイするだけの人間。

「『九怨』はまだ高い。5000円もする」
「いいじゃん、買ってよー」
「『静岡4』の発売日も近づいてるなあ」
「『静岡』! そーだ、『静岡4』もやらなきゃ。今から『九怨』をプレイしたら、ちょーど『静岡4』の発売日に間に合うぞっ。『九怨』が終わったころに『静岡4』の発売日になるぞ」
「『4』の前に、『3』だろ……」
「はっ、そーか。まだ『静岡3』やってなかったっけ。んじゃ、『静岡3』買ってよー」
「『3』の前に、マリア編だろ……」
「あ。……そうか、忘れてた」

 『静岡』こと、『サイレントヒル2』。
 わたしまだ、エンディング2つしか見てないのだわ。『1』は全エンディング網羅したのに。

「そーゆーアンタは、どーなったのよ、『静岡2』。たしか、自殺ENDしか見てなかったよね?」

 わたしはそれでも、主人公が生還するエンディングと、自殺ENDの両方を見ていたが、弟は自殺ENDだけで投げ出していたはず。

「だから今、病院だよ……」

 彼は今、再度『静岡2』に挑戦中らしい。「サイレントヒルに辿り着くまでに寝そうになった」とか、「アパートがつらかった」とか言いながら、その次のMAPである「病院」にたどりついたらしい。

「病院? ……病院というと、消化器で姉を煙に巻いて、その隙に走り抜けるんだっけ」
「…………ソレ、『SIREN』」
「トイレに隠れるんだよね? 鏡の向こうとこちらで、クリーチャーが“ジョキジョキィ〜♪”って追っかけてくるから」
「…………ソレ、『クロックタワー3』」

 うわーんっ、わかんないよおっ、「病院」が舞台のホラーゲームありすぎ。記憶が混乱しまくってる。

「『静岡2』の病院って……なにするんだっけ?」

 わたしがマジに思い出せなくて訊ねると、弟はにやりと笑って答えた。

「トイレの窓からホースを垂らすんだ」
「…………ソレ、『SIREN』やん」

「鉄パイプで看護婦を殴り殺すんだ」
「ソレ、『静岡1』?」

「医者と求導師がたのしそーに歓談している……」
「ソレ、『SIREN』」

 だめだ。
 『静岡2』の病院がどんなとこだったか、さっぱり思い出せない。
 弟もわざと、他のゲームの病院の話をするし。

「わたしが『静岡2』の病院でおぼえてることって言ったら、マリアがどっかの病室で寝てたことぐらいだよ……」
「そのマリアに会いに行かなきゃなんないんだろ、マリアエンディング見たかったら」
「そう。マリアを大切にしなきゃなんないの」
「チェーンソーで斬っちゃったよ」
「だめじゃん」

「地下にミイラがいるのは……『SIREN』だっけか」
「消化器の使い方はよくわかんないなあ、おねーちゃんは傘で倒しちゃったから」
「だからおねーちゃんは消化器で煙に巻くんだってば! 戦わなくてもいいの。タイミングが難しいの、早すぎても殺されるし、遅すぎても効き目ないし。……傘では犬と戦ったよ。中庭で」
「脳波測定器はダストシュートに」
「落とす順番をまちがえないこと」
「缶ジュースもダストシュートな」
「缶ジュース!! 缶ジュースである必要なし!」
「脳波測定器も、脳波測定器である必要なかったさ」
「重ければそれでいいなんて……そんなアバウトな……」
「魚は0で天秤は2」
「うおおお、アバウトなんじゃー、そんな謎アバウトすぎなんじゃーっ」

 いろんなゲームの話がごっちゃになって、なにがなんやら。

 
 それでも、とりあえず。

 『静岡3』以降がやりたいです、『九怨』がやりたいです。
 弟よ、早く買ってくれ。

 あ。その前に「マリア編」か。(また忘れていた)

       
 わたしは毎日夢を見るし、そこにタカラジェンヌが登場することもめずらしくはない。
 今朝の夢には、ゆみこちゃんが登場した。
 かっこいー男の子だった。
 殺人事件が起こり、彼が探偵役として事件を捜査し、推理するミステリドラマだった。(どんな夢だ・笑)

          ☆ 

 ところでわたし、『街』に窪塚くんが出演していたことを、知らなかったのです……。

 弟とふたりして、「窪塚洋介のそっくりさん」って呼んでた彼が、まさか本人だったなんて……。
 言い訳をさせてもらうと、芸名がちがうもんだから、気づかなかったのよー。のよーのよー……。

 わたしが知っていたことと言えば、牛と馬の俳優さんが、『真珠夫人』でトミコを相手にヤりまくっていたことぐらいです。
 リアルタイムで『真珠夫人』を見ていて、「あっ、牛と馬の人だっ」と思ったぐらい……でも、牛と馬の人の芸名を知らなかったので、本人かどうかの確認はできず。

 
 今日、チュンソフトの公式HPに行って、はじめて知りました……。

 やっぱり、『真珠夫人』の彼は、牛と馬の人だった……。
 そして、あの「そっくりさん」に至っては、窪塚洋介、ってモロ書いてあるし。インタビューまであるし。

 知らなかったの、わたしたち姉弟だけか……がっくり。

 
 てか、窪塚くんファンの娘さんたち、『街』のソフト買いまくって、ムーブメントを起こして、『街2』制作を促す力になってよー。たのむよー。窪塚くんが出演してるのが有名な話だっていうならさー。
 今さら遅いのか……がっくり。

 
 牛と馬の俳優さんのHPも見ました。

 本気で男前や……。
 弟とふたり、

「うわっ、かっこいー」
「マジ美形」

 と、感心しきり。

 あんなに美男子なのに、役によっては別人になるんだねえ。役者ってすごいねえ。

 よし、決めた。『恋人はスナイパー(映画版)』を見に行こう。牛と馬の彼が出ているらしいから(笑)。絶対ヤクザ役だよね(笑)

       
 まだ、『街』の話をしてみる。
 作品語りもしたいっちゃーしたいんだが、例の「青ムシ抄」のおかげで萎えた気分がまだ復活しないので、もっと軽い話。

 えーと、とりあえず。

 ガイ×桂馬でお願いします。

 軽い話=腐女子語りなんかい、わたし(笑)。

 
 数年ぶりのプレイで、なにに萌えたかって、不良(?)少年ガイと彼を更正させようとする少年係の刑事、桂馬の関係ですわ。
 なんでこいつら、毎日チャット・デートして、いちゃついてんの? 愛を確かめあってんの?
 かわす会話のひとつひとつがラヴくて、うろたえたわ(笑)。

 とりあえずガイは、確信犯(誤用の意味で使ってます・笑)だよねえ。
 べつに不良少年する必要はないけど、彼が不登校児である以上桂馬が構ってくるもんだから、わざと、不登校やってるよね? 手のひらの上で、桂馬のこと転がしてるよねえ?

 桂馬は桂馬で、ガイに遊ばれているらしいことはわかっていながらも、「ボクは少年係の刑事でせう」ってことで、大義名分の元ガイにプライベートな時間まで費やしてるよねえ。
 ただ桂馬は、ガイの真意には気づいていない。天然ちゃんだから。
 いやあ、いい加減気づけよ、ガイはアンタのこと狙ってるって。オトす気満々で、アンタを振り回してるんだって!

 エンディングまでしっかりガイ×桂馬の物語だったんで、かえってびびったよ。
 エピローグの後日談で、わざわざガイ再登場ですか……そうですか……。

 
 そーいや、かつての『街』では、2のシナリオを募集してたよなあ。
 『街』に出てくるどのキャラクタでもいいから、ストーリー書いてヨシ、みたいなこと言ってたよなあ。牛と馬の「謎の2日間のシナリオ募集」とは別に。

 ああ、今ならわたし、ガイ主人公でBL書けるわ! 少年係の刑事に惚れて、彼をオトすために策略を巡らせるちょいとヒネた電脳系高校生。
 BLなんて評価の対象外だろーことを予想の上で、おもしろがってチュンソフトに送ったのに! 今まだかつてのシナリオ募集が有効だったなら!(笑)

 ああ、そして。
 どーしてわたしはこういつも、BLだのやほひだのを考えるときは、ナチュラルに攻視点で考えるかなあ……。攻視点はニーズが少ないっちゅーに……。
 BLを読むのは女性だから、受視点でないと感情移入が難しいっていうよね、一般的に。そして世の中のBLの大半は受視点で、人気があるのもこだわりがあるのも受キャラだよね。だからまんだらけの同人誌は「受別」になってるんだよね。
 わかってるけどわたし、攻キャラが好きだー(笑)。自分的にこだわるのも、攻キャラの方だわ。
 ……とことん少数派……。むー。

 
 まあ、『街』なんていう、超絶マイナーソフトでやほひネタ考えてるあたりで、マイナー人生を刻みつけてるわねー。

 超絶マイナーソフトといえば、『YAKATA』でもやほひ萌えしまくったんだが……わたしにこいつらでBL書かせろと心の底から思ったな(笑)。

 まずプレイした人がほとんどいないよーなゲームでは、萌え語りすらものがなしいものがあるよなー……。

 
 とりあえず、『街』ではガイ×桂馬ってことで!!(笑)

          ☆

 そうそう、今日は花バウのチケット発売日だった。
 覚え書きとして、記しておくわ。

 並びの人数は、カシゲのバウと同じくらいでした。

 って、どうなのかしらねえ……カシゲと比べてもねえ……微妙ねえ(笑)。

         
 PS版『街』が終わりました。
 エンディングフルコンプしました。

 
 『街』はすばらしいゲームです。
 わたしのフェイバリット・ゲームのひとつです。

 しかし。

 しかし……つらかった……。

 青ムシのシナリオがっっ。

 そう、思い出したよ。
 SS版の『街』、自力でチャート作ってすっげー情熱でプレイしてたのに、エンディングコンプしなかった理由。

 おまけシナリオの「青ムシ抄」がくだらなさすぎて、それ以上プレイする気にならなかったんだ。

 そーだった、思い出したよ……。
 記憶から、あえて抹消していた。
 あれほど、読むのが苦痛以外のなにものでもない文章が、この世に存在していたことを。

 
 8人の主人公たちのエンディングまでは、順調に進んだんだが、それ以降、やる気が失せてしまい、苦労した。

 同時にプレイしていた弟も、まったく同じところで止まっていた。

「青ムシが最悪で、これ以上プレイする気にならない……」

 弟よ。まったく同じだ。

「思い出したよ、サターンのときも、青ムシ抄を途中で読むのやめて、それっきりになってたんだ……」

 弟よ。まったく同じだ。

 これほどプレイヤーを辟易させるシナリオを、わざわざ「おまけ」として追記しなくてよかったのに。

 確実に、作品のクオリティを下げてるよ。

 
 てゆーかさ、この「青ムシ抄」ってシナリオ、商業ベースに載せていいもんなの?
 まるきし、ただの同人誌レベルじゃん。
 わざとそうしているのかもしれないが、レベル低すぎて読むに耐えない。

 「笑い」とはセンスなんだなとしみじみ思う。

 わたしにはもともと笑いの才能が欠けているので、余計にそうかもしれないが、下劣さをユーモアだと思っているものには、笑いではなく怒りがわく。
 肉体的あるいは精神的に障害を持った人がおかしな言動をとったとして、それを笑うことなんかできない。
 弱い人を、強い人が一方的に殴りつけるのを、笑うことなんかできない。
 だれかが不幸になっていくさまを、笑うことなんかできない。

 「青ムシ抄」はギャグ小説だ。
 だが、そのギャグはことごとく、わたしの逆鱗にふれる。
 わたしが下劣だと思い、嫌悪を持つものばかりが下品な文章で描かれている。

 同じネタでも、もっとセンス良くまとめることはできるのに。
 たぶん、わざとなんだろう。故意に下品に愚劣に作られているのだろうとは思う。

 そして、わざとだろうと思うだけに、なおかなしい。
 必要だったのか。こんなものまでもが。

 
 読後感、最悪……。

 主人公8人をプレイし終わったあとで、感想を書いておけばよかった。
 あのときは、感動したのよ。
 サターン版をプレイ済みとはいえ、あれはもう何年の前のことで、プレステ版の再プレイは新鮮で、感動もひとしおだったのよ。
 泣けたさ。
 ギャグ炸裂だった美子シナリオでも泣いたし、スタッフロールの映像見てまた泣いたさ。

 なのに……。

 
 『街』制作者のばかぁ。
 「青ムシ抄」なんかいらなかったよぉ。号泣。

   

時代の徒花。

2004年4月15日 ゲーム
 時代の徒花だと思うもの。

 『クーロンズ・ゲート』のJPEGダンジョン。

 JPEGって……?!
 『クーロンズ・ゲート』発売当時はわたし、JPEGって言われてもなんのことかわかっていなかった。ので、ただの名前として「ふーん」とスルーしていた。
 しかし数年後、パソコンをいじるよーになってふつーにJPEGという単語を口にするようになり、改めておどろいた。
 あのゲーム、JPEGだったの?! 静止画を使ったアニメーションだったの?

 ポリゴンじゃないんだ……だからあんな、妙ちくりんな世界に……。ある意味、味のある画面に……。

 もしも、あの時代以外に『クーロンズ・ゲート』が制作されていたら、あったりまえにポリゴンで作られていたんだろうなと思う。

 
 時代の徒花だと思うもの。

 『街』の実写の静止画。

 アニメでなくイラストでなく、実際の背景と人間による画像の妙。
 実写であることのファンタジー。

 実写だから敬遠されて、壊滅的に売れなかった、という現実は置くとして。

 もしも、あの時代以外に『街』が制作されていたら、あったりまえに全編ムービーで作られていたんだろうなと思う。

 
 時代に咲いた徒花。
 はかなく消えゆくものたち。

 でも、それゆえに輝くモノはある。

 『クーロンズ・ゲート』が、ポリゴンで完璧に作られた小器用にきらきらしたゲームじゃなくてよかった!
 『街』がムービーだの声だのでできあがった選択肢付きのテレビドラマみたいなゲームじゃなくてよかった!

 
 なんでもかんでも、最新鋭の技術を駆使して作ればいいってもんじゃない。
 デジタルにはデジタルのよさがあるし、アナログにはアナログのよさがある。
 2Dのときはあんなに魅力的だったゲームが、続編で3D化されて魅力が地に落ちた、なんてことがいくらでもある。
 
 とりあえず。
 ゲーム好きの緑野姉弟は、あるニュースに震撼した。

「『ファイアーエンブレム』の新作、キューブで出るんだって!!」

 ゲームキューブで?
 なんでっ?
 アドバンスでいいじゃん! 何故、今さらキューブ?!

「どーする……? フルポリゴンとかになってたら……」
「『オウガ』の悪夢再びっ?! 『幻水』の悪夢再びっ?! 『FE』を気持ち悪いマネキンにして、誰がよろこぶよ? ファンは何十年、あのドット絵の世界を愛してるんだろー?!」

 アドバンス版の『FE』の出来が素晴らしいだけに、プラットホーム変更は不安しか募らない。
 愛するゲームタイトルが、売れないハードの客寄せパンダとして身を汚していくのを、哀しく見つめるのみ……。
 
 
 実際のところ、マネキンが動くゲームを競って作り続けているゲーム会社の人たちは、どう思ってるんだろう。
 なんでもかんでもポリゴンでリアルにすればいいってもんでもないだろうに。
 人物がリアルでいいのは、ホラーゲームぐらいだと思うんだけど。
 実在の人物に近づける技術力はすごいと思うけど、すごいだけで、感動しないんだけどなあ。
 それよりも、「異世界」を創り上げてくれた方が、ずっと感動する。
 なんのためのフィクションであり、さらにゲームであるのかわかんないよーな、「ゲームじゃなくて映画つくりたいだけなんじゃないの?」てな制作態度の作品は興ざめなんだけどな。「マンガ家になりたかったけど、右向きの顔が描けないんで、小説書いてまーす」みたいな小説家が笑止なのと同じで。
 「異世界」を創り上げるならば、キャラを本物の人間そっくりに作る、ことよりこだわる部分がいくらでもあるだろうに。

 
 てゆーか、男たちはマネキンポリゴン娘に萌えるのか?

「ねーねー、『零』はどーですか、『零−紅い蝶−』はっ。アレって萌えゲーなんじゃないですか? 制作側はソレ狙って、あんな気持ち悪いレズ双子美少女を前面に押し出したわけでしょ?」
 と、ゲームに詳しい知人・ライス氏に聞いてみた。
 ライス氏曰く。

「『零』? ぜんぜんダメ。売れるわけないでしょ、萌えろったって無理、マネキンなんかじゃ抜けねえよ」

 ……えーっと……抜ける抜けないまで、べつに聞いてないんですが……。

「あ、でも俺の会社にひとりいたな、ポリゴンでも抜けるっていうヤツが。そいつが言うにはね……」

 いやあの、ポリゴンで抜ける嗜好の人の詳細を聞きたいわけでもないです……。

  
 男向けのギャルゲーが、21世紀になってなお、アニメ絵を貫いていることが、答えなんでしょうかね。

 じゃあなんで、ゲーム業界はあの気持ち悪いポリゴン美少女を追求しているんだろう……それが技術革新というものなのか……。

 
       
 業界の事情なんか、さーっぱりわからないが。
 わたしは、2D時代のゲーム画面、好きだなあ……『ドラクエ』も2Dの方が絶対味があったのに……あのポリゴン画面、キモ……。

 時代は流れ、わたしは取り残されるのだろう。

 
 時代の徒花。
 愛すべき、朽ち果てた文化よ。

    

RPG『SIREN』。

2004年4月1日 ゲーム
「『九怨』がやりたいよー、やりたいよー、買ってよー」

 本日発売の新作ホラーゲームがやりたいわたしは、いつものよーに弟にねだる。
 平安時代を舞台としたホラー『九怨』はビジュアルを見る限り、とてもよさそーな感じだ。

 しかし弟は、にべもない。

「『街』が終わるまではダメ」

 そう。
 わたしたちは今、サウンドノベル『街』をプレイ中。エンディングコンプに向けて鋭意努力中。
 まあなあ、『街』は一気にやっちゃわないとわけわかんなくなるもんなあ。

「それにしても『九怨』、舞台が平安だってだけで、ゲーム内容ははてしなく『バイオハザード』に近いらしいからなあ」
「それって……ホラーっていうより、アクション?」
「アクションでしょうねえ」
「あたし、できるかな?」

 わたしはへっぽこゲーマー。アクションゲームは大の苦手。
 一瞬たじろいだが、ここで引き下がってはイカン! 弟の金でゲームがしたいんだー!

「でも、『SIREN』をクリアしたあたしに、こわいものなんかないわっっ」

 握り拳で断言っ!

「たしかに。『SIREN』をクリアしたんだから、自信持っていいはずだ(笑)」

 弟も納得。

「『SIREN』はえげつないからなあ。未だに、アレをクリアしたって言ったら、尊敬の目で見られるよ」
 と、弟。
 彼の周囲の人たちは、誰ひとりクリアできていないらしい。てゆーか、最初の志村のマップで脱落している人多数、そもそも最初の竹内のマップで脱落組さえ多数。

 そう、あの激むずアクションゲーム。
 ホラーだなんて大嘘、ただのアクションゲーだっつの。操作に忙しすぎて、こわがってるヒマなんかあるもんか。

「『静岡』が『クーロンズゲート』に似てる、とかいうのはわかる。『クロックタワー3』が『エコーナイト』に似ているとか。でも、『SIREN』の似ているモノときたら……」
「『メタルギア ソリッド』に、『街』」
「ソレ、ホラーゲームちゃうやん!!」

 ほんとに、ひどいゲームだったよ、『SIREN』……。

 わたしが『SIREN』をクリアできたのは、ゲームの腕ではなく、忍耐力ゆえにだった……。
 死んでも死んでも死んでも(×100)、しつこく再プレイしつづける根気。それだけだ。
 発売から丸1ヶ月、100時間ほどプレイしつづけたからな……。ふふふ。遠い目。

「『SIREN』がいちばんおもしろかったときって、屍人の巣のあたりかなあ」
「ああ、あれはわくわくしたねえ」
「今までてんでばらばらだった主人公たちが、ついにひとつのところに集まって……」
「これからクライマックス!という期待感に満ちていたねえ」
「竹内がいちばんかっこよく見えた瞬間だったねえ」
「そうねえ、それがまさか、あんなことになるとはねえ」

「てゆーか、せっかくみんな集まったんだから、みんなでなにかするのかと思ったよ」

 だよねえ。
 あいつら、パーティ組んだら最強だったんじゃないの?
 ひとりずつキャラが立ってる分、スキルもちがうわけだしさ。

「せっかくあんなにたくさん主人公いてさ、なにも皆殺しにしなくても」
「公式に生き残ったのひとりだけだもんなあ。てか、あいつらでロープレ作れねえ?」

 RPG版『SIREN』。
 ストーリーラインは同じ。
 『ロマサガ』シリーズみたいに好きなキャラを主人公に選んでプレイ開始。物語の中で、他のキャラにも出会えるわけだ。

 前衛で宮田だの恭也だのがばこぼこ打撃系武器で戦い、後衛で竹内だの名前忘れたケバ女だの拳銃組が戦い、美耶子は回復魔法、牧野は補助魔法なんかどうだ。
 狭いところは春海でなきゃ通れないとか、遠くのターゲットを志村で落とさなきゃならないとか。
 途中の謎を、それぞれのキャラが得意分野で解いていくとか。医学知識は宮田とか、芸能関係はケバ女とか。オタク関係は依子とか。

「んで、戦闘に勝つたび、勝利のポーズで画面がぐるりと回り、経験値が入る」
「レベルアップして」
「新しい武器や装備品を拾ったり」

 マルチエンディングのRPG。

 話は盛り上がり、広がっていく。

 しかし。

「ところで、知子はどーするよ?」
「ジャージ娘?」

 えーと。

「……使えねえ」
「……使えねえ」

 小さいキャラというなら、春海で足りるしなー。
 理沙と知子は、出てきてもすぐ別れて屍人になっちゃうパターンかな。ひでぇ。

   
 まあ、とにかく。

 『九怨』がやりたいわ、弟よ。
 早く買ってきてくれえ。(自分の財布を開ける気、まったくナシ)

          
 最近、弟とは『街』の話ばかりしている。
 弟がプレステ版を買ってきたからだ。
 よって姉弟して『街』プレイ中。
     

「難易度はなににしてる? HARDモードでないと見られないエンディングとかあるらしいよ」
「ええっ? NORMALじゃダメなわけ?」
「てゆーか、サターンのNORMALが、プレステのHARDのことらしい……」
「プレステってそこまであなどられてんの? サターンのNORMALがHARDって、そんなバカな……」

 『街』は緑野姉弟のフェイバリットなゲームのひとつ。その昔、セガサターンでプレイしたときに、そのクオリティの高さと深さに感嘆しましたことよ。
 すでにサターン版でクリアしているわけだから、今回の目的はエンディング・コンプリート。プレステ版はフローチャートがついたりと、サターン版よりも難易度が気前よく下がってますんで、ゲームをクリアする以外の目的もたのしめる。
 ふたりであーだこーだ言いながら、エンディング集めしています。

        
 ところで。

 「金曜日」のシナリオに出てくる銀行員の星子。ブランドものに身を包み、お色気で男たちを悩殺するセクシー美女。なんせ彼女は「昼は聖女、夜は娼婦」を地でいく二重生活者。昼間はお堅い銀行員、夜は魅惑のストリッパーときたもんだ。

 このお色気美女が、どーもどっかで見たことあるなあと思ってたら。

 そうか、たかこに似てるんだ!

 とゆーことに、気づいた。

 美女美少女が出まくるこのゲーム中、いちばんのお色気キャラ。
 よりによってそんなキャラクタが、たかこ似ですか……。
 清く正しく美しい、タカラジェンヌの男役トップスターに似てなくてもいいだろーに。

 そーいやたかちゃん、男の人に人気のある男役のひとりだったねええ。
 男好きするタイプなのかしら……。わしゃ男じゃないからわからんわ……。

         
 似てるといえば、もうひとり。

 わたしが『街』をプレイしているところに、母がやってきた。
 わたしの隣の部屋に置いてあるコピー機を使用中、ヒマだったらしい。コピー機が何百枚という印刷をしている間、母は手持ち無沙汰にわたしの部屋にやってきて、ベッドで寝ている猫をいじりだした。
 母に構う気のないわたしは、とーぜん無視してゲームを続ける。

 猫をいじりながら、母は言うのだ。

「ねえ、この画面にいる男の子、なんか似てない?」

 …………あなたもそう思いますか、ママン。
 プレイしながら、似てるよなあ、としきりに感じていたんですが。

 コードネーム「金曜日」。
 この子、うちの弟に似てる……。

 弟本人は、わたしと母の意見を却下してましたが。

       

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