若手スターのバウ主演って、どこに視点を当てて視るかで印象が変わるよね。

 単純に、点だけを視る場合。

 出演ジェンヌが魅力的に見える作品。
 その1作だけかわいくてかっこよくてキュンキュンすればよし。

 長い1本の線として視る場合。

 出演ジェンヌの血肉になる作品。
 盛り上がりはしなくても、今この学年、この立場でこの役、この作品をやることで未来が拓ける。過去現在未来と育成視点でときめくからよし。


 どちらもアリだと思うから、正解を決めるわけじゃない。

 もちろん、ジェンヌがかわいくてかっこよくてキュンキュンする上に、今この立場でこの役と作品をやることに意味がある作品だとベストだけど。
 どっちかしかないなら、さて、どっちを取るかなあと。


 今回の『PR×PRince』
 満を持してのひとこちゃん主演。
 わずか研2で銀橋センターソロ登場という、華々しい新公デビューを飾ってから、ずーーーーっとずーーっと、「将来トップになります、ど真ん中路線スターです!!」と特別扱いをされ続けてきた期待の星。

 研2から路線スターだからねー、今研8、もうじき研9って、雪ファンは足かけ7年、「トップ候補」としてのひとこを眺めてきているわけよ。
 ……長いわ。
 さすがに長いわ。
 タカラヅカのスター育成の問題点のひとつよね、「スター誕生!」してからトップになるまでが異様に長い、その長い期間ずーーっと同じ扱いだもんで、トップになる頃には観客がそのスターを見飽きている、という。

 ひとこにしても、「なんかスター候補生キターーッ!」と鮮烈にデビューしたのに、「いきなり銀橋センターでソロ?! あれ誰よ、歌って踊って芝居してキラキラしてるよ、研2ってマジか?!」だったのに、そっからバウ主演まで7年かかるってなんだそりゃ。
 トップになるにはあと5~7年はかかるだろうから、組ファンは14年間も同じスターを観ていることになる……そりゃ新鮮味なくなるわ。

 今現在のひとこが飽きられてるという意味ではなくて。
 今現在のひとこが大ブレイクしている超人気スターだったとしても、初バウ主演が路線デビューから7年後という事実に疑問を持っている、という話。

 若手の「スター誕生!」プロデュースは必要だし(研2でこんなすごい役?!みたいな)、かといって、経験値が低いまま突然番手スターにしても軋轢生じまくりだし(たとえば研5で3番手にしたとして、他のスターが研10超えなのに、どうするよ?)、若くしてトップになったとして、2番手以下はどうなるの、基本トップより下級生が務めるのに(研9でトップだと、2番手研7、3番手研5とか、新公じゃんそんなの)……と、「ありえねー……(溜息)」でしかない。

 だから現状、研2でデビューしても、研8や9まで番手も付かず、バウ主演もお預けだったりする。
 そんなら研6~7でデビューして、研8~9でバウ主演して研10あたりで番手がつく、「脇役から路線になりましたコース」の方がいいのかな。
 スター育成は悩ましいっすね。

 って、話を戻す。

 7年かけてよーーーーっやく回ってきたバウ主演が、『PR×PRince』っていうのは……どうなん?

 点としては、いい作品かな。
 かっこいいひとこ、かわいいひとこの両方を観られて、ひとこの魅力であるキラキラプリンス力を存分に発揮できた。

 しかし、線で視ると。
 今のひとこにコレ、必要か……?
 ひとこならふつーに出来るだろう、もともと持ってるモノだけで勝負できてしまうだろう。
 せっかくのバウ主演だ、ひとこが持ってない、無理目なあたりをチャレンジさせるべきだったんじゃあ? てな。
 だだのライトヅカファンが上から目線で語るなですが。

 7年も路線スターやり続けて、新公主演4回やって大きな役や重要な役もいろいろやってきて、肝心の主演がコレか。
 新公主演したばかりの、経験不足の下級生主演、ならともかく。
 路線スターとして7年分の経験値を積んでいる人にやらせる役でも作品でもないなと。


 そういう観点により、ヅカヲタなわたしはどんだけひとこがかっこよかったとしても、この作品を手放しでは喜べなかった。

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