「宮本武蔵は男性が好む題材。女性は喜ばない」というイメージを持っている。や、一般的にそうなんだろうな、てな思い込み。
 実際わたしの周囲の女性たちには100%不評だった。

 が、わたしは宮本武蔵ってけっこう好きだ。

 わたしは少年マンガ育ちで、ただ「強くなりたい」という理由なき衝動だけで高みを目指す男たちの物語が大好物だからだ。
 「男はみんな王になりたい(byキムシン)」を、すんなり受け入れる性質だ。
 チャンバラも好きだー。(今も『我間乱』ファン継続中。伊織も好きだけど、我間がいちばん好き)

 そして、昔のご贔屓が宮本武蔵を演じて、震えるほどかっこよかった。
 ってこともあり。

 宮本武蔵か! いいじゃん、と思った。
 なにより、たまきちに合っている。

 似合う役で、とことんかっこよく見せてくれ!

 持ち味から乖離した耽美とか中性的とかで魅力を出そうとあがくより、もともと持ってる男っぽさや骨太さで魅力を出してくれ。
 トートより安心して観られるはず。かっこいいはず。

 たまきちで宮本武蔵! よっしゃ!
 みやるりで佐々木小次郎! 美剣士ですよ、ロン毛ですよ、イメージぴったり、よっしゃ!

 さくらちゃんや、他の人がどんな役をやるかはわかんないけど、トップと2番手がイメージぴったりのかっこいい役なら、勝ったようなもんじゃん?

 実際ポスターかっこいいし。イメージまんまだし。
 わくわく。


 と、思っただけに、周囲の反応との温度差にびびった。
 そ、そうか、女性は宮本武蔵好きじゃないんだ……。や、好きじゃないだろうとは思ってたけど、ほんとにマイナスなほどダメな題材だったんだ……。

 あまりに否定意見ばっかあびせられたから、ほとほと疑問に思ったよ。
 何故、宮本武蔵? と。

 女性にとっては苦手ジャンルかもしんないけど、ここはタカラヅカだし、きっとタカラヅカらしい冒険活劇にしあげてくれるよ。
 だからマイナス意見多くても、幕が上がれば大丈夫。
 実際、小次郎を主役にした『巌流』は大人気公演だったわけだし。(作品としては疑問だらけだけど、主演人気ゆえ、すげーチケ難公演だった)


 わたしは原作の吉川英治は読んだことありません。
 同原作のコミック『バガボンド』を大昔に読んだだけ。
 むしろ、『大帝の剣』夢枕獏のイメージが強い。や、あまりに武蔵が非道でな……! こわかったから印象に残った。
 どんなに卑怯な手を使っても勝つ、勝つことだけに執着する、勝つためには子どもだって殺す、その執念にぞっとしたし、惹かれた。共感とはチガウが、「アリ」だと思った。この生き方はアリだ。魂がヒリヒリする感じで、その生き方を見守った。

 武蔵のいろんな戦いを描いて、恋愛させて、ライバルの小次郎についても尺を割かないといけないし、歌って踊ってしなきゃいけないし、90分で足りるのかな。
 クライマックスは巌流島だよね。
 またスローモーションで戦ったり、心の声が響いたりするのかしら(笑)。
 みやちゃん退団だから、とことんかっこよく描いてくれよ。『巌流』のトウコばりに。
 母の息子への深い愛と、顔に傷を付けられて恨んで付け狙う男が出るのよね、サイトーくんだから!(笑)
 武蔵と小次郎でタンゴ踊ったりするかしら。
 燕返しで「コジローくん」思い出して吹き出しちゃわないようにしなきゃ、どっちもサイトーだし、つかサイトーくん宮本武蔵3回目だもん、どんだけ好きなん。
 同じ劇団で3回も描くんだ、これだけ好きで書く作品だ、きっとこだわり抜いた欲張り作品になっているだろう。

 いろいろ勝手に想像しつつ。
 『夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-』初日観劇。

 えーと。
 首かしげ。

コメント

日記内を検索