んで、お楽しみの『CASANOVA』2回目観劇。
 2回目の方が泣けるとか面白いとかあるよね。
 初見では観られなかったところまで観ることができて、「えっ、こんなことやってたんだ」とか「ここにこの人出てたんだ」と気づいたり、ストーリーの深みに気づけたり。
 すでに「知っている」から、のーみそがいろんな方向へ動く。
 だから、初見とはチガウわくわくで、2回目を楽しみにしていた。

 初見時はただ漠然と「『1789』っぽいな」と思っていた音楽が、「マジで『1789』に似てるな!」と思った。どの曲がと説明出来ないけど、観ている最中は「このダダダン、ダダダン、が『1789』のアレとかぶる」とか思いつつ観てた。
 記憶力と音楽センスに欠けるのーみそなので、論理的な根拠はナイ(笑)。

 歌が多くて長い、ということも理解して観ているので「また歌うのかよ!」とか「長っ」とかも思わなかった。
 むしろちなっちゃんの歌とか、どこで3回も「終わり」だと思ったのかわかんなかった。せいぜい1回じゃないの? 初日の自分を思い出せない(笑)。

 みんなきれいで、かわいくてかっこよくて、どこを見てもきれいでかわいくて幸せで。

 ……そして、まあ、なんだ。
 あんまり好みじゃないなあ、というところに落ち着いた。

 や、1回観る分にはいいけど、くり返し見るにはなんとも冗長で、だれてくる……。

 1幕モノならもっと楽しめたろうな。1本モノにしては薄すぎるわー。

 『Shakespeare』と同じことやってんのに、あっちは泣けてこっちは泣けないのは何故だろう、と思ったり。
 心に引っかかる、という点では苦手な太田せんせのカサノヴァの方が上だったなと思ってみたり。
 生田せんせスキーで彼の作品なら基本なんで楽しめる、実際『CASANOVA』楽しかった、それでもこのカタルシスのなさはなんだ。
 そっちへ頭と心が動き、ある意味忙しい観劇になりましたよ、2回目。

 てことでちょっくら『CASANOVA』について考えてみる。

 2回目でだれた原因はわかっている。作品の長さに反して、ストーリーが僅少。小さな粘土をのばしてのばしてなんとか大きな箱の底だけ埋めて「箱いっぱいの粘土」の体を保っているだけだからだ。

 ストーリーが僅少だと書いたが、ミュージカルなんてもん、音楽さえよければ、ストーリーは単純でいい。だから『CASANOVA』もありだろう……と、思いはしている。
 実際、成り立ってるわけだし。1回観る分には他愛なくていい。

 しかし、物足りない……。

 ストーリーは少なくて良い、シンプルで良い。
 でも、その少なくてシンプルな物語は、最低限の濃さが必要じゃないかい?
 本筋以外のところに、味付け必須。

 重いテーマとか、歴史的な出来事とか、主人公の変化とか。
 ストーリーが単純な分、他で奥行きとか深みを出す。

 女千人斬りしちゃうよーなプレイボーイで、「女の敵!!」と思われている男が、実は心の傷を抱えているとか。それゆえに次々に女たちを渡り歩いているとか。
 革命だの戦争だの、えーらいこっちゃな時代だとか。
 いーかげんなチャラ男が、はじめて人を愛し、生き方を変えるとか。

 ストーリー以外のところになにか、必要だと思った。

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