2019年3月4日 青年館宙組『群盗-Die Räuber-』千秋楽
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宝塚音楽学校第105期文化祭覚え書き、その7。
第2部、演劇。
正塚作『黒い風の物語』、A組。
マサツカ芝居で男役の番手がわかりにくいと思うけれど、元ネタである『追憶のバルセロナ』もふまえた上で並べてみる。
主役・フランシスコ。スペイン貴族。戦争で記憶喪失になったり「人呼んで黒い風!!」ってマスクにマントでヒーローやったり、とても忙しい人。セシリアとは相思相愛。
必要スキル:ヒーロー。真ん中らしさ。アツさ。
2番手・アントニオ。フランシスコの親友。セシリアを密かに愛している。プライドを守って玉砕するより、屈辱を味わっても生きることを選ぶ男。冷静で聡明。
必要スキル:クール。知性。誠実さ。
3番手・ロベルト。ジプシーの若手リーダー格。恋人をフランス軍に殺された過去を持つ。イサベルのことは妹のようにかわいがっている。
必要スキル:ワイルド。兄貴。男の友情。
4番手・クリストフ。フランス軍将校。悪役、だけど所詮中間管理職。脚本だけだとただのまぬけな嫌なヤツ!なので、この役をいわゆる「美形悪役」に底上げするのは、演者の力量。
必要スキル:美貌。
5番手・フェイホー。フランシスコの家の使用人。ヅカでよくある「若手スターの顔見せ役」。メインキャラではないが、おいしい見せ場がある。
必要スキル:華。
別格・イアーゴー。クリストフの部下。お笑いキャラ。笑いを取るのは、泣かせるより難しい。
必要スキル:演技力。
別格・ギデオン。現実のフランス兵。ラストのどんでん返し役。『追憶のバルセロナ』には存在しない、『黒い風の物語』のオリジナルキャラ。
必要スキル:整った声。
ということで。
今回いちばん惹かれたのは、3番手ロベルト役の山川さんだ。
かっこいい。
そして、うまい。
ちゃんと男役で、ちゃんとジプシーのリーダー格だ。仲間内で一目置かれている兄貴分だ。
ジプシーの男たちは他に何人もいて、一緒に出ていたりするから、「負ける」と埋没してしまうんだ。負ける、ってなんつーか、人混みに? 大勢で出たときに「主要キャラです!」と光る力。テレビと違ってひとりだけアップにしてくれない、みんな同じ画面のなかで、ひとり「勝つ」能力。
ロベルトはいい役だ。
恋敵ポジだから最初主人公に突っかかるのかなと思いきや、そうではない、もっと他に理由があった、つらい過去があるからこそのこの立ち位置、この言動なんだとわかる。
もともといい役だから、この役をやる人はかっこよく見える。……としても、この「かっこいい役」をちゃんとかっこよく見せてくれた。
山川さん、ポピュラー・ヴォーカルで男役のトリとしてバトラー歌ってたし、ハンサムで男臭くて、こりゃいいわー良い子と出会えたわー、と思ってプログラム見たら。
中卒?! まだ17歳っ?!(ジェンヌはフェアリーです、年齢の話はあきまへん)
マジかー。
この若さでこんだけ輝いてるんだ。や、マジで入団後が楽しみっす。
4番手のクリストフ大尉@田中さんは、、なにが悪いわけではなく、ふつうにちゃんと演じていたけれど、……4番手役には、見えなかった。
ただ登場して命令しているだけ、名もない敵兵に見えて……やっぱおいしくないよなあ、この役。『追憶のバルセロナ』のときから不満だった。
相棒のイアーゴー@数見さんとの掛け合いで魅力的に見せることができるのだけど……イアーゴーも魅力を出すことができてなかったので、ふたりして沈んだ印象。
ハーバートさん並の華やかな美形が演じていたら、「ただ登場して命令しているだけ」でも、「ナニあの美形悪役?!」と印象に残るはず……『追憶のバルセロナ』でもそうだったから。演じている人がすっげー美形、以外にナニもなかったやうな……。
別格イアーゴーは、学生さんには難しすぎる。ハリーのミューズ、ミサノエールアテ書きだもん。ミサノエールだから成り立つ役。他の人がやってもあのおかしみは出ない。
そして、イアーゴーが埋没すると、ドラマが盛り上がりに欠けるんだよなあ……難しい。
5番手フェイホーは、ぶっちゃけ大根でもオンナノコのままでも、とにかく華のある人がやればオイシイ役。ちょっと前の月組の暁くんとかがやると映えるだろうな、てな。ちょっと前の、ね。今の暁くんはそこまで芝居クラッシャーじゃないからなー。
空気読めない、あるはクラッシュする、かわいい男の子の役だから。技術は二の次、観客に「ナニあの子かわいい、次からチェックしよ!」と思わせれば良い。『追憶のバルセロナ』でも劇団推しの御曹司がやっていた(……んだけど、彼は無駄にうまかったので、ちっともクラッシャーになってなかったけど・笑)。
ということで、ライスくんはいい仕事をしていたんじゃないかな! この役の仕事は「目立つこと」だから、目立つ顔立ちの彼はそれだけでOK。すごくがんばって空気を読んで芝居していたので、いっそ惜しいくらいだ。もっとむちゃしてもいいぞ~~。
原作の『追憶のバルセロナ』にない、フランス兵ギデオン@橋本さんは、見事に役割を果たしていた。
この役はとにかく「声」が重要。
彼がなにを言っているのかわからないと、芝居すべてが壊れてしまう。
男役として、兵士として、空気をぶった切って登場する。難しい役をこなしていた。
短い登場で、顔をちゃんと見られなかったのが心残り。
顔と言えば、ジプシー@福嶋さんがハンサムで目についたなー。しいちゃんの役だよね、イアーゴーをいじめるひとり(笑)。
続く。
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宝塚音楽学校第105期文化祭覚え書き、その7。
第2部、演劇。
正塚作『黒い風の物語』、A組。
マサツカ芝居で男役の番手がわかりにくいと思うけれど、元ネタである『追憶のバルセロナ』もふまえた上で並べてみる。
主役・フランシスコ。スペイン貴族。戦争で記憶喪失になったり「人呼んで黒い風!!」ってマスクにマントでヒーローやったり、とても忙しい人。セシリアとは相思相愛。
必要スキル:ヒーロー。真ん中らしさ。アツさ。
2番手・アントニオ。フランシスコの親友。セシリアを密かに愛している。プライドを守って玉砕するより、屈辱を味わっても生きることを選ぶ男。冷静で聡明。
必要スキル:クール。知性。誠実さ。
3番手・ロベルト。ジプシーの若手リーダー格。恋人をフランス軍に殺された過去を持つ。イサベルのことは妹のようにかわいがっている。
必要スキル:ワイルド。兄貴。男の友情。
4番手・クリストフ。フランス軍将校。悪役、だけど所詮中間管理職。脚本だけだとただのまぬけな嫌なヤツ!なので、この役をいわゆる「美形悪役」に底上げするのは、演者の力量。
必要スキル:美貌。
5番手・フェイホー。フランシスコの家の使用人。ヅカでよくある「若手スターの顔見せ役」。メインキャラではないが、おいしい見せ場がある。
必要スキル:華。
別格・イアーゴー。クリストフの部下。お笑いキャラ。笑いを取るのは、泣かせるより難しい。
必要スキル:演技力。
別格・ギデオン。現実のフランス兵。ラストのどんでん返し役。『追憶のバルセロナ』には存在しない、『黒い風の物語』のオリジナルキャラ。
必要スキル:整った声。
ということで。
今回いちばん惹かれたのは、3番手ロベルト役の山川さんだ。
かっこいい。
そして、うまい。
ちゃんと男役で、ちゃんとジプシーのリーダー格だ。仲間内で一目置かれている兄貴分だ。
ジプシーの男たちは他に何人もいて、一緒に出ていたりするから、「負ける」と埋没してしまうんだ。負ける、ってなんつーか、人混みに? 大勢で出たときに「主要キャラです!」と光る力。テレビと違ってひとりだけアップにしてくれない、みんな同じ画面のなかで、ひとり「勝つ」能力。
ロベルトはいい役だ。
恋敵ポジだから最初主人公に突っかかるのかなと思いきや、そうではない、もっと他に理由があった、つらい過去があるからこそのこの立ち位置、この言動なんだとわかる。
もともといい役だから、この役をやる人はかっこよく見える。……としても、この「かっこいい役」をちゃんとかっこよく見せてくれた。
山川さん、ポピュラー・ヴォーカルで男役のトリとしてバトラー歌ってたし、ハンサムで男臭くて、こりゃいいわー良い子と出会えたわー、と思ってプログラム見たら。
中卒?! まだ17歳っ?!(ジェンヌはフェアリーです、年齢の話はあきまへん)
マジかー。
この若さでこんだけ輝いてるんだ。や、マジで入団後が楽しみっす。
4番手のクリストフ大尉@田中さんは、、なにが悪いわけではなく、ふつうにちゃんと演じていたけれど、……4番手役には、見えなかった。
ただ登場して命令しているだけ、名もない敵兵に見えて……やっぱおいしくないよなあ、この役。『追憶のバルセロナ』のときから不満だった。
相棒のイアーゴー@数見さんとの掛け合いで魅力的に見せることができるのだけど……イアーゴーも魅力を出すことができてなかったので、ふたりして沈んだ印象。
ハーバートさん並の華やかな美形が演じていたら、「ただ登場して命令しているだけ」でも、「ナニあの美形悪役?!」と印象に残るはず……『追憶のバルセロナ』でもそうだったから。演じている人がすっげー美形、以外にナニもなかったやうな……。
別格イアーゴーは、学生さんには難しすぎる。ハリーのミューズ、ミサノエールアテ書きだもん。ミサノエールだから成り立つ役。他の人がやってもあのおかしみは出ない。
そして、イアーゴーが埋没すると、ドラマが盛り上がりに欠けるんだよなあ……難しい。
5番手フェイホーは、ぶっちゃけ大根でもオンナノコのままでも、とにかく華のある人がやればオイシイ役。ちょっと前の月組の暁くんとかがやると映えるだろうな、てな。ちょっと前の、ね。今の暁くんはそこまで芝居クラッシャーじゃないからなー。
空気読めない、あるはクラッシュする、かわいい男の子の役だから。技術は二の次、観客に「ナニあの子かわいい、次からチェックしよ!」と思わせれば良い。『追憶のバルセロナ』でも劇団推しの御曹司がやっていた(……んだけど、彼は無駄にうまかったので、ちっともクラッシャーになってなかったけど・笑)。
ということで、ライスくんはいい仕事をしていたんじゃないかな! この役の仕事は「目立つこと」だから、目立つ顔立ちの彼はそれだけでOK。すごくがんばって空気を読んで芝居していたので、いっそ惜しいくらいだ。もっとむちゃしてもいいぞ~~。
原作の『追憶のバルセロナ』にない、フランス兵ギデオン@橋本さんは、見事に役割を果たしていた。
この役はとにかく「声」が重要。
彼がなにを言っているのかわからないと、芝居すべてが壊れてしまう。
男役として、兵士として、空気をぶった切って登場する。難しい役をこなしていた。
短い登場で、顔をちゃんと見られなかったのが心残り。
顔と言えば、ジプシー@福嶋さんがハンサムで目についたなー。しいちゃんの役だよね、イアーゴーをいじめるひとり(笑)。
続く。
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