宝塚音楽学校第105期文化祭覚え書き、その6。

 第2部、演劇。
 作品は正塚晴彦作『黒い風の物語』! わーい、これ好き~~!
 とはいえ、好きなままかどうかわかんないぞ。一昨年の『A MONOLOGUE』はひどい改悪されて、がっかりだった。
 『黒い風』も改悪されてるかも。

 と、身がまえたけど、拍子抜けするくらい、そのまんまだった。
 改編はあったのかもしれないけど、わたしにはわからない程度だったのだと思う。
 再演のたび改稿するハリーらしくない。

 とりあえず、好きな作品をまた観ることが出来てうれしい。

 今回は、最初から『追憶のバルセロナ』を焼き直して作った作品、主人公はフランシスコ、ヒロインはイサベルだとわかって観た。

 4年前、101期のときは、途中まで『追憶のバルセロナ』だと気づかなくて、最初に出てきたセシリアをヒロインだと思い込んで観てたのよねえ。またセシリア役が星蘭さんだったこともあり、「すげー美少女出てきた、さすがヒロイン!!」って刷り込まれちゃったから。
 元ネタを知らなかったら、最後まで星蘭さんをヒロインだと誤解したままだったかも。
 途中で「これ、『追憶のバルセロナ』やん!」と気づき、「セシリア@となみはヒロインちゃうわ、トップ娘役はイサベル@まひるちゃんよ!(雪組公演『追憶のバルセロナ』の話ね)」と、正しいヒロインに気づいた。
 気づいたはいいけど、やっぱセシリア@星蘭さんの方がヒロインっぽい、イサベル@かれんちゃんは主人公フランシスコ@縣くんのかわいい妹って感じ、と思った。

 でも今回、イサベル役は、あのハーバートさんだ。101期の星蘭さん並みのあでやかな美貌の持ち主。登場するだけでヒロインだとわかる。……から、イサベルがヒロインだ、間違えることなどナイ。

 セシリアは貴族のお嬢様、イサベルはジプシー娘。セシリアは上品に話し、イサベルはくだけた庶民言葉。
 ……ハーバートさんのクラシカルな美貌でイサベルやってるの、違和感……。
 この美貌でぶっきらぼうに喋るんだ、下品に振る舞うんだ、なんか不思議。タカラヅカってのはすごいとこだな。薄汚れたジプシー役でも、こんだけキラキラした美少女がふつーにやっちゃうんだもんな。
 ほお、ほお、すごいな、よく動くな、口も表情も。……と、感心しているだけで終わっちゃったよ(笑)。イサベルはにぎやかな役だから。
 うまかったと思う。
 ハーバートさんのセシリアも、観てみたかったな。


 セシリア役は、倉田さん。
 難しい役なんだけど、うまかった。
 気品も運命に翻弄される弱さも、セシリアというキャラをよく表していたと思う。
 ……ただ、この役はうまいヘタより美貌が第一に必要だと思うので、うーん、うまいなあ、ということのみに感心。倉田さん、美形というよりかわいいタイプだよね。


 語り部役の土山さんもうまかった。やっぱ歌ウマさんは芝居もうまいよなあ。声を操る術を知っているわけだから。


 娘役さんは出来上がりが早いから、文化祭でうまい子はもうしっかりとうまいんだよな。


 主演は松岡さん。
 将来のスターとして、まずは文化祭の演劇主演でスタートを切るわけっすね。
 お芝居もふつーにうまかった。すごくうまいわけじゃないけど、文化祭でコレだけ出来れば十分、といううまさ。
 今の時点でコレなら、この先楽しみっす。
 彼の場合、容姿がいいのがイイ。
 まるぷくした女の子にしか見えない子が主演しているケース、いくらでもあるから。
 入団前から男役の容姿をしていることに拍手。

 残念だったのは、2番手役の子がお芝居苦手なのか、棒っぽい感じがそこかしこにあって、その子を相手に「マサツカ芝居」をしなければならない松岡さんは、なかなか大変だったと思う。
 『追憶のバルセロナ』の見せ場のひとつである、「敵同士となった、かつての親友同士の語らい」が、……うーん、ちっとも見せ場として機能しない……これは松岡さんだけのせいじゃない、芝居は相手役も重要……なわけで、相手が芝居苦手な人だとつらいなあ。
 2番手以外と芝居しているときは良かったから、相手にひきずられちゃうんだと思う。
 101期のときは、こってぃがこの2番手役をやっていたわけで……うまかったんだな、彼。と今さら思う。

 続く。

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