別箱は、メインキャラがおいしくてナンボ。@群盗
2019年2月11日 タカラヅカ2019年2月11日 バウ専科『パパ・アイ・ラブ・ユー』千秋楽
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『群盗』初日観劇。
予備知識なしで観て。
首をかしげた。
これって、どういう話?
わたしのアタマが悪いせいだけど、結果として「???」状態で幕が下りた。
ナニがしたかったの?
主人公と弟の確執? 父と子の物語? 悲劇の恋?
革命? 仲間たちとの友情?
全部中途半端で、途方に暮れる。
原作がどうとかは知らない。あくまでも、宙組の『群盗』にて。
いちばんに思ったことは、メイン3人、誰もおいしくないじゃん! という、ヅカ脳なとまどい(笑)。
別箱なんて、大劇場本公演ではなかなか役に恵まれないスターたちが、主役格をやっておいしい思いをする場よね。
ストーリーが破綻していても、メインキャラがこれでもかと魅力的に描かれ、おいしかったらそれはそれで成功なわけだ。
主人公カール@キキちゃんは、なにがしたいのかよくわかんないまま終始した。
受動的というか、行動に強い動機や情熱、そしてなんつっても必然性を感じられない。
主人公は得てして「流され役」になる。「巻き込まれ型」という分類があるくらいだから、それはそれでいいんだけど、その場合はなにかしら強い魅力や必然性がないと、客を納得させられない。
カールの役として「ここがおいしいですよ!」という売りって?
キキちゃんがかっこいいこと、しか思い至らない。
キキちゃんがかっこいい衣装を着て、たくさん出ている。
喋って、戦って、歌っている。
……というのが、カールの売り?
いやソレ、ただのキキちゃんだし。
ふつーに大劇場で2番手しているキキちゃんで事足りるし。
キキちゃんが大恋愛してしっかりラブシーンがあって、ドキドキきゅんきゅんしまくり! とか。
深い愛憎ゆえに助演(その公演での2番手役)スターと絡みもつれ、生きるの死ぬの大騒ぎする! とか。
「主役」でないと観られないモノを、観られてこそ、別箱主演のオイシイ役。
ヒロインとの恋愛薄いし、そもそも一緒の場面僅少だし。
2番手役との愛憎薄いし、そもそも一緒の場面僅少だし。
どんだけかっこいい衣装や場面があったところで、「心」が薄かったら、おいしく感じられない……。
尺の問題で、メインキャラでないと心の動きはろくに描かれないじゃないですか。だから、メインキャラのときは、主役のときは、これでもかと「心」を掘り下げて描いてほしいわけですよ。
ひとりで苦悩すれば・ソロを歌えば「心を描いている」じゃないっすよ。それは大劇場の銀橋ソロでやればいい、本公演ではエピソードを描く時間がないから「まとめ」として銀橋ソロで心情や立ち位置の解説するの。
別箱の醍醐味は、「他のキャラとの絡みによる心の動き」ですよ! 「台詞であらすじ紹介して誤魔化す」ではなく、場面としてなにがあったかを書き込める。本公演より時間があって登場人物が少なくて箱が小さくて客席との距離が近い、からこそ出来ること。
カール、結局誰とも親密に絡んでない……。
弟とも父とも恋人とも、仲間たちとも同じような濃度。
いちばん葛藤があったのは対父? え、そこ、みんなが求めるおいしさですか?
しょぼん……。
2番手フランツ@もえこだって、悪役、主人公を憎む弟役、なのに、なんなんだあのおいしくなさ。
てゆーか、この設定でおいしくしない方が難しいだろうに。
兄弟の絡みを作れ。
別人が演じる子役時代しかろくに絡みがないまま大人になって、会うこともないまま「憎しみ絶好調」はナイわ……。共犯者(あっちが主犯?)がいるために、「悪役」としても格が下がってるし。
てゆーか出番少なっ。
もえこなんて、本公演ではモブに毛が生えた程度の役しかさせてもらえないんだから、別箱2番手こそ「おいしい2番手役」を満喫させるべき立ち位置のスターなのになあ。
勝手にひとりで悶々、ソロを歌うから「いい役」だとは、わたしには思えない、足りない。
正塚のバウでだって、2番手なのにどーでもいいような役しかさせてもらえなかったし、演出家はもえこ育てる気があるのか。もったいない。
ヒロインアマーリア@みねりちゃんもまた、おいしくない……。
兄弟に愛され、諍いの原因のひとつになる美女役なのに、設定しかおいしくない。出番も少ないし。
悲劇を盛り上げるには、まず「幸福」を描かないと。「日常」を描かないと。
日常という名の幸福を描くからこそ、それを引き裂く非日常が「事件」として盛り上がる。
カール、フランツ、アマーリアがそれぞれ別のところで「この役です、こういう設定です」と歌っているだけで、濃密に絡まない。
まともに絡むのがクライマックスだけ、って、盛り上がりようがナイ、深めようがナイ。
この3人を本気で描いたら、ちゃんとおいしくなるのになあ。
別の話にするのではなく、あくまでも『群盗』というストーリーラインのなかで、もっと出来ることはあったと思うんだ。
もったいない~~。
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『群盗』初日観劇。
予備知識なしで観て。
首をかしげた。
これって、どういう話?
わたしのアタマが悪いせいだけど、結果として「???」状態で幕が下りた。
ナニがしたかったの?
主人公と弟の確執? 父と子の物語? 悲劇の恋?
革命? 仲間たちとの友情?
全部中途半端で、途方に暮れる。
原作がどうとかは知らない。あくまでも、宙組の『群盗』にて。
いちばんに思ったことは、メイン3人、誰もおいしくないじゃん! という、ヅカ脳なとまどい(笑)。
別箱なんて、大劇場本公演ではなかなか役に恵まれないスターたちが、主役格をやっておいしい思いをする場よね。
ストーリーが破綻していても、メインキャラがこれでもかと魅力的に描かれ、おいしかったらそれはそれで成功なわけだ。
主人公カール@キキちゃんは、なにがしたいのかよくわかんないまま終始した。
受動的というか、行動に強い動機や情熱、そしてなんつっても必然性を感じられない。
主人公は得てして「流され役」になる。「巻き込まれ型」という分類があるくらいだから、それはそれでいいんだけど、その場合はなにかしら強い魅力や必然性がないと、客を納得させられない。
カールの役として「ここがおいしいですよ!」という売りって?
キキちゃんがかっこいいこと、しか思い至らない。
キキちゃんがかっこいい衣装を着て、たくさん出ている。
喋って、戦って、歌っている。
……というのが、カールの売り?
いやソレ、ただのキキちゃんだし。
ふつーに大劇場で2番手しているキキちゃんで事足りるし。
キキちゃんが大恋愛してしっかりラブシーンがあって、ドキドキきゅんきゅんしまくり! とか。
深い愛憎ゆえに助演(その公演での2番手役)スターと絡みもつれ、生きるの死ぬの大騒ぎする! とか。
「主役」でないと観られないモノを、観られてこそ、別箱主演のオイシイ役。
ヒロインとの恋愛薄いし、そもそも一緒の場面僅少だし。
2番手役との愛憎薄いし、そもそも一緒の場面僅少だし。
どんだけかっこいい衣装や場面があったところで、「心」が薄かったら、おいしく感じられない……。
尺の問題で、メインキャラでないと心の動きはろくに描かれないじゃないですか。だから、メインキャラのときは、主役のときは、これでもかと「心」を掘り下げて描いてほしいわけですよ。
ひとりで苦悩すれば・ソロを歌えば「心を描いている」じゃないっすよ。それは大劇場の銀橋ソロでやればいい、本公演ではエピソードを描く時間がないから「まとめ」として銀橋ソロで心情や立ち位置の解説するの。
別箱の醍醐味は、「他のキャラとの絡みによる心の動き」ですよ! 「台詞であらすじ紹介して誤魔化す」ではなく、場面としてなにがあったかを書き込める。本公演より時間があって登場人物が少なくて箱が小さくて客席との距離が近い、からこそ出来ること。
カール、結局誰とも親密に絡んでない……。
弟とも父とも恋人とも、仲間たちとも同じような濃度。
いちばん葛藤があったのは対父? え、そこ、みんなが求めるおいしさですか?
しょぼん……。
2番手フランツ@もえこだって、悪役、主人公を憎む弟役、なのに、なんなんだあのおいしくなさ。
てゆーか、この設定でおいしくしない方が難しいだろうに。
兄弟の絡みを作れ。
別人が演じる子役時代しかろくに絡みがないまま大人になって、会うこともないまま「憎しみ絶好調」はナイわ……。共犯者(あっちが主犯?)がいるために、「悪役」としても格が下がってるし。
てゆーか出番少なっ。
もえこなんて、本公演ではモブに毛が生えた程度の役しかさせてもらえないんだから、別箱2番手こそ「おいしい2番手役」を満喫させるべき立ち位置のスターなのになあ。
勝手にひとりで悶々、ソロを歌うから「いい役」だとは、わたしには思えない、足りない。
正塚のバウでだって、2番手なのにどーでもいいような役しかさせてもらえなかったし、演出家はもえこ育てる気があるのか。もったいない。
ヒロインアマーリア@みねりちゃんもまた、おいしくない……。
兄弟に愛され、諍いの原因のひとつになる美女役なのに、設定しかおいしくない。出番も少ないし。
悲劇を盛り上げるには、まず「幸福」を描かないと。「日常」を描かないと。
日常という名の幸福を描くからこそ、それを引き裂く非日常が「事件」として盛り上がる。
カール、フランツ、アマーリアがそれぞれ別のところで「この役です、こういう設定です」と歌っているだけで、濃密に絡まない。
まともに絡むのがクライマックスだけ、って、盛り上がりようがナイ、深めようがナイ。
この3人を本気で描いたら、ちゃんとおいしくなるのになあ。
別の話にするのではなく、あくまでも『群盗』というストーリーラインのなかで、もっと出来ることはあったと思うんだ。
もったいない~~。
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