2019年2月10日 東宝雪組『ファントム』千秋楽
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 予備知識なしで観劇した、『群盗』初日。

 キキちゃん以外、誰が出ているのかもよくわかっていない、いつものスタンスで席に着き。

 オープニングで、目を剥いた。

 これって、サイトー作品だっけ??

 サイトーくんの『エル・アルコン』とか、ソレ系のオープニング来ましたー!
 ばりばりアニメソング、二次ミュージカル系??

 えっと、演出たしか小柳タンじゃなかったっけ? わたし小柳タンの堅苦しい原作系苦手なんで構えてたんだけど、いきなりアタマ殴られたわ。
 ヒーロー物みたいにはじまったぞ? 『群盗』ってそういう話?

 や、わたしはあざとかっこいいの、好きだからいいけど!
 堅苦しい話かと思ったけど、エンタメなんだ? 『CASANOVA』みたいにつるっと観られる?

 ……と思ったら、中身は暗くて重かった。

 オープニングとの乖離感……(笑)。


 劇中の音楽は好き。
 第九はまあ、シラー原作だったらそりゃ出て来るか、と。
 それよりも、クラシック含め、歌のナイ、インストゥルメンタルがきれいだった。


 んで、オープニングからびびったこと。

 知ってる子がいない……。

 幕間に出演者チェックしちゃったわ。
 下級生ばっかなんだね!

 登場人物が訳ありに登場するオープニングで、切っても切っても知らない子、てのは、あせる。
 『オーシャンズ11』でイレブンがマカゼさん以外、全員知らない子だったようなもん。
 この役割だとふつーそれなりのスターがやるはずだけど、何故知らない子? こっちもまた知らない子だ……えええ。

 混乱するのは、その「主要人物なのに知らない子」たちが、別にヘタではなく、ふつーに芝居をしていることもある。
 慣れてなさはは感じるけれど、なんつったって初日だし、こんな大きな役をやるのははじめての子たちだろうし、それは仕方ない。
 知らない子だし、慣れてなさそうな感じだし、下級生っぽいんだけど、立ち位置的にわたしが知らない中堅とかかしら。下級生にこの位置はナイよねえ。
 宙組さん、ぜんぜんわかってないからなあ。本公演で大きな役をやっていない中堅さんを、おぼえられてない可能性高い。
 穂稀くん、秋奈くんあたりは新公で顔はなんとなく観ているけど、「顔におぼえある」ぐらいで、観ている最中は名前が出て来ないし。
 残りの群盗メンバーとなると、マジでわかんない。

 まさか研2まで混ざったガチの下級生たちとは。

 そりゃ知らんわ……。

 うまくはないけれど、「声を出すだけで想わず2度観してしまう」ほどの大根もいなかった。月組の暁くんとか、下級生時代は思わず2度観したもんなあ、「今の誰? ナニゴト?!」って。

 だからもー、ひたすらわくわくした。
 ぜんぜん知らない若い子たちが、大きな役をやっている。それこそ、『オーシャンズ11』のイレブン並の役。

 若者たちは、これで絶対成長する。

 それってすごいわくわくよね、期待感よね。
 舞台クラッシャーなほどドヘタだったら、1公演ごときでどうにもならんやろうけど、誰もそこまで実力ない子いないし、ぎこちないのは経験不足が圧倒的な理由だろうし、こりゃ変わるぞ、楽しみだーー!

 名前も知らない若手くんたち目当てに、もう一度観たいと思った。

 彼らがとても真面目に意欲的に、自分の役を演じているように見えたからだ。

 群盗メンバーはそれぞれ「わかりやすく」キャラ立てしてあるので、経験値の少ない子でも肉付けしやすいのだと思う。なにしろ全員違うジョブにしてあるからな(笑)。

 反対に、群盗メンバーを宙組主力メンバーが演じていたなら、ここに力のある役者を配置していたなら、もう少しこの話も面白くなったんだろうなとは思うけど、それはすべての作品がそうだから言っても仕方ない。実力者は駄作を感動作にまで塗りかえるからな。
 このメンバーでやることに意義があるんだもの。

 作品としての質は落ちたにしろ、若いメンバーにいい役を与えていることに、わくわくした。
 タカラヅカはスター制度のカンパニーだ、別箱公演で若者を育てるのは正しい。
 わたしが組ファンで、下級生にご贔屓がいたら、この公演楽しくてたまらなかったろうな。ご機嫌でリピートしていたと思うわ。

 ……作品としては、首かしげまくってたけど(笑)。
 下級生目当てなら、絶対楽しい。

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