過去の記憶に囚われているにしても、目にしている現実は。@グランドホテル
2017年1月4日 タカラヅカ 『グランドホテル』を観劇して、遠い遠い初演の記憶との差異に首をかしげた。
いちばんの違い。
男爵とバレリーナの物語って、もっと美しいと思っていた。
夢のように美しかったんだが……。
えーとソレ、わたしが盛っちゃってる? 長い年月、脳内で勝手に盛りまくって、美しいモノを創っちゃってる?
事実と違う?
前日欄でも書いたが、事実と違っているかどうかは、ひとまず置く。
過去のわたしがアホで作品をまったく理解出来ていないとか、勝手に解釈して脳内で別モノにしているとか、それは別にどーでもいい。
や、初演ファンの人には「そうじゃないよ、間違ったことを書くな!」てなもんかもしれないが、「正しい初演『グランドホテル』はどうであったか」を語りたいわけではないので、勘弁して欲しい。
あくまでも、わたしが観た・わたしが思い込んでいる、わたしの脳内の『グランドホテル』の話だ。
「正しい初演『グランドホテル』」の話はわたし以外でも出来るけど、わたしの脳内にある『グランドホテル』の話は、わたしにしか出来ない。
初演『グランドホテル』で、わたしは男爵を「かっこいいおじさま」だと思っていた。
ヒゲのダンディ。イケオジ。借金あったり情けないことになってはいても、基本かっけー大人の男。
そして、バレリーナのことは「美しい人」だと思っていた。
落ち目だと言われているが、人気の盛衰なんて芸能社会でよくあること、彼女の年齢とか技術や容姿の問題だとは思ってなかった。
だって、目に映る彼女は妖精のように美しいんだもの。
だから、ふたりが出会った途端恋に落ちるのは納得だった。
そして、その恋が一瞬で破局することも。
物語の主人公が冴えない中年男でヒロインがビッチ系だってことで、その反動でより美しく受け取ったかもしれない。
本筋が好みでない人たちの方で、男爵とバレリーナはあくまでもサブストーリーでしかない、という露出具合もまた、彼らをより美しく見せたのかもしれない。
事情はともあれ、わたしには美しく哀しい人たちに見えた。
……ので。
あ、あれ。
男爵@たまきちとバレリーナ@ちゃぴが、美しくない……。
ということに、びびった。
えええ。こんな話だったのぉ?
23年前のわたしは、ナニを見ていたんだ??
まず、フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵。
この人の年齢設定はどうなっているんだ?
登場した瞬間は、ふつーに大人の男に見えた。外見は適度に老けている。久世男爵の先入観もあるので、「おっさん役だものね」と素直に受け取った。
が、どうやら若いらしい。観ていると、若さが伝わってくる。
実際まだケツの青い若造年齢を告げる場もあった。
若者だったのか!!
四半世紀前と現代では、年齢の受け取り方がチガウ。大雑把に言っちゃうと、昔の20代は大人でも、現代の20代はコドモだ。テレビドラマを見ても、描き方がまったくチガウ。たとえば、モラトリアムでぐたぐた言うのは昔は19歳だったのに、今は29歳主人公で扱うテーマだ。
だから、初演のノンちゃん男爵も実は20代だったのかもしれない。当時のアラサー男性はあれくらいおっさんだったということ、かもしれない。
そして、たまきち男爵はリアルな現代の若者。年齢は大人だけど、中身はコドモ。
だとしても。
たまきち氏は難しい。
彼はふつーにスーツを着ていると、貫禄ある男性に見えてしまう。わたしには。
だから「おっさんなのね」と受け取る。
でもたまきち自身は若い。おっさん役でない以上、当然、若さが出る。
若くない外見とにじみ出る若さと若い年齢の役と……わーん、どっちかに振り切ってくれ!
若い役なら、若い外見にしてくれ! 貫禄ある二重顎を、若者らしいシャープさにしてくれ!
おっさんなら、頬や胴回りが豊かでも、貫禄になってかっこいい。
しかし、若くて顔の肉が豊かなのは、……わたしには、残念に思える。
丸くても「かわいい」タイプなら、混乱はしないのになあ。若いから丸いのね、と思える。
でもたまきち、かわいこちゃんじゃないやん……。男臭い系やん……。
ガタイの良さは魅力だと思ってるけど、顔の肉は控えめな方がいいなあ。
という、「男爵」というキャラクタへの混乱がひとつ。
そしてもうひとつ、バレリーナ……エリザヴェッタ・グルーシンスカヤの年齢設定について。
39歳と39ヶ月、だっけ。作中の台詞。
つまり42歳ってこと?
たしかに数字で聞くと「うわっ、そんなトシなのか!」とびっくりするけれど。
でも実際、大した年齢じゃないよね。現代なら。
ただ、当時だと大年増、ぶっちゃけ初老ってことなのかな。また、一般人としてでなく、バレリーナとしては老女ということなのかもしれない。
が。
そんな年齢設定とか、当時だとか職業としての年齢概念としてではなく。
ちゃぴの演技が、老齢過ぎてびびる。
なんであんな声? バレリーナは「悪声」設定じゃないよね? 声が悪くてもバレエに関係ないし。
見た目には、美しい大人の女性だ。
でも演技が痛々しい初老おばさんであるがゆえに、美しく見えない。
え、え、この人、年齢いくつ? 若く美しいけど、実は老婆? でも背筋伸びてて、現役バレリーナで、でも声も表情も年期入ったおばさんで……わ、わからないっ。
男爵は一見おっさんで、でもプリケツの若者で、青くて幼いメンタルをしていて。
バレリーナは一見美女で、でもカンチガイ老婆で、ヒステリーと諦念できーきー言っていて。
どこに基点を置いて観ればいいのか、わからない。
困ったぞ。
いちばんの違い。
男爵とバレリーナの物語って、もっと美しいと思っていた。
夢のように美しかったんだが……。
えーとソレ、わたしが盛っちゃってる? 長い年月、脳内で勝手に盛りまくって、美しいモノを創っちゃってる?
事実と違う?
前日欄でも書いたが、事実と違っているかどうかは、ひとまず置く。
過去のわたしがアホで作品をまったく理解出来ていないとか、勝手に解釈して脳内で別モノにしているとか、それは別にどーでもいい。
や、初演ファンの人には「そうじゃないよ、間違ったことを書くな!」てなもんかもしれないが、「正しい初演『グランドホテル』はどうであったか」を語りたいわけではないので、勘弁して欲しい。
あくまでも、わたしが観た・わたしが思い込んでいる、わたしの脳内の『グランドホテル』の話だ。
「正しい初演『グランドホテル』」の話はわたし以外でも出来るけど、わたしの脳内にある『グランドホテル』の話は、わたしにしか出来ない。
初演『グランドホテル』で、わたしは男爵を「かっこいいおじさま」だと思っていた。
ヒゲのダンディ。イケオジ。借金あったり情けないことになってはいても、基本かっけー大人の男。
そして、バレリーナのことは「美しい人」だと思っていた。
落ち目だと言われているが、人気の盛衰なんて芸能社会でよくあること、彼女の年齢とか技術や容姿の問題だとは思ってなかった。
だって、目に映る彼女は妖精のように美しいんだもの。
だから、ふたりが出会った途端恋に落ちるのは納得だった。
そして、その恋が一瞬で破局することも。
物語の主人公が冴えない中年男でヒロインがビッチ系だってことで、その反動でより美しく受け取ったかもしれない。
本筋が好みでない人たちの方で、男爵とバレリーナはあくまでもサブストーリーでしかない、という露出具合もまた、彼らをより美しく見せたのかもしれない。
事情はともあれ、わたしには美しく哀しい人たちに見えた。
……ので。
あ、あれ。
男爵@たまきちとバレリーナ@ちゃぴが、美しくない……。
ということに、びびった。
えええ。こんな話だったのぉ?
23年前のわたしは、ナニを見ていたんだ??
まず、フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵。
この人の年齢設定はどうなっているんだ?
登場した瞬間は、ふつーに大人の男に見えた。外見は適度に老けている。久世男爵の先入観もあるので、「おっさん役だものね」と素直に受け取った。
が、どうやら若いらしい。観ていると、若さが伝わってくる。
実際まだケツの青い若造年齢を告げる場もあった。
若者だったのか!!
四半世紀前と現代では、年齢の受け取り方がチガウ。大雑把に言っちゃうと、昔の20代は大人でも、現代の20代はコドモだ。テレビドラマを見ても、描き方がまったくチガウ。たとえば、モラトリアムでぐたぐた言うのは昔は19歳だったのに、今は29歳主人公で扱うテーマだ。
だから、初演のノンちゃん男爵も実は20代だったのかもしれない。当時のアラサー男性はあれくらいおっさんだったということ、かもしれない。
そして、たまきち男爵はリアルな現代の若者。年齢は大人だけど、中身はコドモ。
だとしても。
たまきち氏は難しい。
彼はふつーにスーツを着ていると、貫禄ある男性に見えてしまう。わたしには。
だから「おっさんなのね」と受け取る。
でもたまきち自身は若い。おっさん役でない以上、当然、若さが出る。
若くない外見とにじみ出る若さと若い年齢の役と……わーん、どっちかに振り切ってくれ!
若い役なら、若い外見にしてくれ! 貫禄ある二重顎を、若者らしいシャープさにしてくれ!
おっさんなら、頬や胴回りが豊かでも、貫禄になってかっこいい。
しかし、若くて顔の肉が豊かなのは、……わたしには、残念に思える。
丸くても「かわいい」タイプなら、混乱はしないのになあ。若いから丸いのね、と思える。
でもたまきち、かわいこちゃんじゃないやん……。男臭い系やん……。
ガタイの良さは魅力だと思ってるけど、顔の肉は控えめな方がいいなあ。
という、「男爵」というキャラクタへの混乱がひとつ。
そしてもうひとつ、バレリーナ……エリザヴェッタ・グルーシンスカヤの年齢設定について。
39歳と39ヶ月、だっけ。作中の台詞。
つまり42歳ってこと?
たしかに数字で聞くと「うわっ、そんなトシなのか!」とびっくりするけれど。
でも実際、大した年齢じゃないよね。現代なら。
ただ、当時だと大年増、ぶっちゃけ初老ってことなのかな。また、一般人としてでなく、バレリーナとしては老女ということなのかもしれない。
が。
そんな年齢設定とか、当時だとか職業としての年齢概念としてではなく。
ちゃぴの演技が、老齢過ぎてびびる。
なんであんな声? バレリーナは「悪声」設定じゃないよね? 声が悪くてもバレエに関係ないし。
見た目には、美しい大人の女性だ。
でも演技が痛々しい初老おばさんであるがゆえに、美しく見えない。
え、え、この人、年齢いくつ? 若く美しいけど、実は老婆? でも背筋伸びてて、現役バレリーナで、でも声も表情も年期入ったおばさんで……わ、わからないっ。
男爵は一見おっさんで、でもプリケツの若者で、青くて幼いメンタルをしていて。
バレリーナは一見美女で、でもカンチガイ老婆で、ヒステリーと諦念できーきー言っていて。
どこに基点を置いて観ればいいのか、わからない。
困ったぞ。
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