個人的に「いい画面だなあ」と思ったのは、さおたさんの手にキスするみりお様。

 もとい、ルイ16世の手にキスをする、フェルゼン。

 「愛愛愛」と大仰にやらんでも、十分尊敬やら感謝やらが伝わるよな。

 フェルゼンは間男だけど、情人の夫であるルイ16世にも敬愛の念を持っている。たぶん、必要とあれば情人の夫の盾になって死ぬくらいの覚悟がある。……だからフェルゼンはただの間男ではなく、ちゃんとした「恋人」なんだ。
 不倫だけれど、罪だけれど、「愛」の方向性にブレがない人。
 植爺はこのへん理解してないから、いつもひどいことになってるんだけど。

 今回は時間の関係でか、フランス宮廷の公の場で、フェルゼン居直り強盗的理論を展開する場面がなかった。
 かわりに、ルイ16世との私的な別れ場面になった。
 これ正解。
 ルイ16世もフェルゼンも、人格が破壊されない。

 まあ、ルイ16世との別れを描いて、肝心のアントワネットとの別れを描かないとか、アントワネットにあるのは子どもたちとの場面とか、植爺が「女」としてのアントワネットになんの興味も愛情もなく、「母」として描く気しかないのがわかるけど。

 理屈は置いておいて、ただ「場面」として切り取った場合も、君主に跪いて口づけする騎士の図って、美しいよなっ。

 この場合、ルイ16世が専科のおじいさまではダメなのよ。植爺はどうもルイ16世の年齢を誤解してるけど。フェルゼンやアントワネットと1歳違いでアンドレと同い年の青年なんだって、理解してないようで、いつもいつもルイ16世をお年寄りとして描くけど。
 アントワネットのことを、「年寄りと政略結婚させられたから、若い男と浮気する女」としてしか描かないけど。
 だからルイ16世は専科さんか組長さんがやる役。トップスターの役と同世代なのに。
 もちろん今回も、ルイ16世は組長さん。
 しかし。
 ありがとう、さおたさん。さおたさんは、組長さんだし学年もけっこういってるし、小柄で個性的な顔立ちだけれど、舞台でちゃんと「美しい男性」であることの出来る人だ。
 キャラとして二枚目が出来る人。そーゆー人が「一見情けないキャラ」であるところのルイ16世をやって、美しいみりお様にかしずかれちゃうのって、いいな~~。
 植爺は「ルイ16世=専科か組長」と思っている、これはもう仕方ない、決まってしまっている以上、組長が美中年OKな人で救われたのよ~~。

 ということで、花組梅芸公演『ベルサイユのばら―フェルゼンとマリー・アントワネット編―』にて、わたしのいちばんのトピックは、「さおたさんの手にキスするみりお様」ですのよ。

 あー、みりお様には、いろんな人にひざまずいてキスして欲しいなあ……見てみたいなあ。あくまでも、君主と騎士の図で。うやうやしく、端正に、節度ある愛情を込めて。「マイロード」呼びとかして欲しいなあ。

 あきらの足元にひざまづいてキスするみりお様。
 まさおの足元にひざまづいてキスするみりお様。
 だいもんの足元にひざまづいてキスするみりお様。

 …………萌える…………(笑)。

 (話が『ベルばら』からズレてますよ!!)

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