大好きな『王家に捧ぐ歌』の再演を観たら、泣きっぱなしで大変なんじゃないかな。
 そう思ったけど、そんなこたぁなかった。
 なつかしいし、大好きだし、じーんとするけれど。

 なまじ大好きで記憶に刻み付いているだけに、再演を観ると過去の記憶の確認(ああ、そうだった、なつかしいわー)と、記憶との差異(ここチガウわ)に気を取られる。
 答え合わせみたいな感じ。ここは合ってる、ここはチガウ、回答を読み込むことはしない、手持ちの解答例と照らして機械的に〇×を付けてる感じ。
 それは仕方ないよ、記憶を消すことはできないのだから。
 〇×といっても、「間違ってる」ということではなくて「違っている」、変更の確認だ。否定じゃない。
 この作業を乗り越えなきゃ、次には進めない。
 差異に慣れれば、あとは作品自体を楽しめるようになる。
 どうせ複数回観るつもりなので、焦りはない。マイペースに楽しめばいい。

 てなスタンスだったんだけどね。

 いやあ……地下牢の盛り上がりすごいね。

 ラダメス@まぁくんが地下牢に入れられて、アイーダ@みりおんと再会して。テーマ曲のデュエットから大コーラスへ。

 初演云々ぶっ飛ばしてくれた。

 泣くわ、あんなん。
 大泣きするわ。

 引き込まれて、息詰める勢いで注視して、まばたきすら惜しい濃密な空気のなか勝手に涙が流れる。
 幕が下りて、ようやく息の仕方思い出す……みたいな。

 まぁ様かっこいい。そして切ない。
 みりおんかわいい。そして愛しい。
 ふたりの芝居に引き込まれ、濃密に時間が過ぎる。

 この牽引力、空気を全部一点に集める力があってこその『王家に捧ぐ歌』、そしてタカラヅカのトップスター!

 トップコンビでラダメスとアイーダやるの、いいよね!!
 フィナーレのデュエットダンスまでもが、エピローグのように楽しめるし。
 やっぱトップコンビで愛し合うべきっすよ。

 ……もっともフィナーレはなかなか珍妙で、キムシンなに考えてんだろう? と首かしげたけどな……(笑)。

 初日楽しかったー!
 これからまた何度でもこの作品を観られるんだと思うと、すごくわくわくする。
 や、お金と時間の問題で、そんなに何度も観られないけど、それでも何回かは観るし、チケット用意してるし!

 理屈捨てて泣くことが出来た、クライマックスの加速っぷりに満足っす。

コメント

日記内を検索