わたしはだいもんスキーです。
 それは昔からなので、自分ではあまり意識していなかった。んで、自分が昔書いた記事を発掘して、今さらながらに驚く。「恋」とか書いてるよヲイ、完璧に忘れてたけど!←
 わたしは広く浅くのヅカヲタなので、好きな人がいっぱいいるのです。いつもなにかしら好きなジェンヌさんにきゃーきゃー言っているので、ガチファン以外はファン名乗り許さん!という人には不快かもしれません、すみません。
 ピュアではないかもしれんが、だいもんが好きです。

 まあそんなわけで、めちゃくちゃよろこんで、わくわくして駆けつけた、『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』初日。

 そして、思い知る。
 わたしは月城くんが好きだ、と。

 ……あれ??
 だいもんでしょ? だいもんファンの端くれでしょ? 何故月城くん(笑)。

 えーと。
 なんの予備知識もなく観た、初日。いやその、実在の人物で有名人だから、予習してなくてもある程度のキャラ配置はなんとなくわかっている。前田慶次といえば直江兼続よね、てのと同じように、アル・カポネといえばエリオット・ネスよね、てなもんで。
 ちゃんと調べたわけじゃないけど、ふつーに生きてたら耳に入る情報。
 それで勝手にわくわく。カポネ@だいもん、エリオット@かなとくんってことはつまり、だいもんとかなとの愛憎劇よねっ?!

 や、カップリング重要、どんだけ好きなジェンヌでも、許容範囲外の相手とでは萌えられない。その昔、トド単体でどんだけ美しくても、絡む相手がタータンだと耽美にならなかったように。相手がぶんちゃんとかコムちゃんになった途端、腐女子以外も食いついて来たように。組む相手重要。
 だかられいこ相手は願ったり叶ったり! 神様ありがとう! わたしの萌えジェンヌ同士でかけ算配役にしてくれて!!

 そうさ、最初から萌える気満々で観たさ。不純上等、わたしはアニヲタあがりの腐女子っす。

 エリオットがぜんぜん出て来なくて、かなとくんアルバイトばかりで、相当じれじれした1幕。
 出てきたーー! と思ったら、1幕終わるし(笑)。
 や、でも、どんだけアルバイト多くても、1幕ラストのかなとくんを「アルバイトのモブキャラ」とは思わなかった。エリオットキターーッ! と思った。
 だって、カポネに一目惚れしてたもん。
 自分をかばうギャングの姿に、あの大きな目を見開いてたもん。

 わーいわーい、エリオット@かなとくん、美しい~~!! 期待通りの美しさと……神経質さ。
 なんだろ、かなとくんって、ずどんとした鈍さと、小物感あふれる神経質さが同居している(笑)。
 で、2幕ではちゃんと2番手らしくカポネに絡む。……なんで1幕からこれができないかな、ほんとに原田くんってまなはる好きだな(『ニジンスキー』から一貫してのまなはる二枚目遣い、こーゆー使い方をするのは原田くんだけ)。や、わたしもまなはる好きだからいいけど、原田くんはわかりやすすぎ。

 んで、楽しく楽しく初日を終えて。
 だいもんとかなとくんだと、どっちが右側か悩むなあ。どっちも右が似合う属性の男だもんなあ、なんて阿呆な悩みを抱いて帰宅。あ、まなはるは左側ですよ、彼はいつだって!!(笑)

 そして、遅れて他人様の評を耳に(目に)するのだ。
 エリオットの言動が意味不明とか、裁判後の彼の台詞がぽかーんだとか。
 ……え??
 原田くんの脚本が、いつもの「有名人の一代記・出来事羅列のただの箇条書きあらすじ」に過ぎないことは痛感しているので、それに関することはわかるのだけど。
 エリオットが意味不明? カポネを喜々として追い詰めて行きながら、いざ逮捕となるとためらったり、挙げ句の果てに「彼は僕の親友だ」。
 まあたしかに、2幕ぽっきりで無理矢理書こうとしているせいで、ずいぶんハイスピードに展開してたけど。加えて、「親友」という言葉のチョイスにはセンスを感じなかったため、「おいおい、そこで『親友』かよ」と盛大に突っ込んだけど。
 エリオットの心理展開には、なんの疑問もなかった。

 だって。
 エリオット、カポネのこと好き過ぎるもん。

 エリオットの大きな瞳が、揺れる揺れる。なにをしようが、なにを言おうが、「カポネLOVE」って書いてあるんだもん。
 使命とやり甲斐とオスの闘争本能と、情と憧れと愛がちらちらきらきら瞬いてる。
 悪を憎む気持ち、捜査官としてギャングを許さない・逮捕するという気持ちは揺るがないのだろうし、強敵に闘いを挑むこと、追い詰めること自体は狩猟本能が沸き立つのだろう。
 だが、ひとりの人間として、男として、カポネに憧れ、惹かれているのもまた、事実。
 矛盾と嘘と逡巡が、彼を駆り立てもするし、足踏みもさせる。
 ……脚本がいいとは思わないよ? これをやりたいなら何故1幕を「ただのあらすじ」にしたのかと問いただしたいさ。でも、こんな脚本でも、エリオット単体では、ラストシーンへの関係性へ、心の動きが嘘にならないようにつながれていた。

 『アル・カポネ』初日。
 わたしは、月城かなとを見ていたのだなと思う。
 や、観ている間は、そんなこと意識してないから、気づいてないけど。
 わたしはだいもんスキーだけど、だいもんだけオペラグラスで追いかけるのではなく、かなとくんも見ていた。
 かなとくんを通して、だいもんを見ていた。

 そして。

 彼の瞳を通して描かれる望海風斗は、絶品なのだ。

 脚本にあるものより、さらにさらに深みを増して表現される。
 同じ出来事でも、それを伝える人がその対象をどう思っているかで、違ってくるでしょ?
 ただ事実のみを羅列するか、なにもかもを好意的に受け取り美しく変換してドラマチックに表現するのか。「フィルターが掛かる」状態。
 エリオットがいちいち傷つき、いちいち揺れ動いているもんだから。
 その揺らめきの原因たるカポネはさらに魅力的だってば。

 も、すっげー楽しい。
 カポネとエリオット。

 だからもう、心から、月城かなとにありがとう。
 だいもんスキーとして。
 君の瞳に映るだいもんは絶品だ!! と。
 ごちそうさま! と。

 ひたすらわくわく、興奮のまま初日を終えました。
 原田脚本がアレなのはともかく、役者たちは面白いなと。

 ……かなとアイズ抜きに公演を観て、いろんなところで首を炊げるのは、もっとあとの話(笑)。

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