前夜祭って、つまらないよね。

 はじめて参加した前夜祭は、1999年の『ノバ・ボサ・ノバ』だったと思う。
 前夜祭というもの自体がはじめて見聞きするものだったので、よくわかんないまま浮かれて参加した。
 トドファンだったので、彼が出演するイベントには、なんとかして駆けつけなきゃ!的な気持ち。

 参加して、そして。
 なんか、ぽかーんとしたまま、終わった気がする。

 や、いちばんの感想は、「短っ!!」だった。
 なんとか予定やりくりして、あんな田舎のタカラヅカ村まではるばる出かけてだよ、小一時間で終了するとは、思ってなかったんだな。
 ナニをするものなのか、わかってなかったしさ。

 わたしは『ノバ・ボサ・ノバ』って観たことなかったし、今みたいにスカステでなんでも見られる時代でもなかったし、過去の「名作」とやらは、人づてに話を聞くのみだった。
 『ノバ・ボサ・ノバ』については、初演か再演か忘れたけど、とにかく以前の公演を観たお姉様方より、さんざん威かされていたので、それでやたら緊張して前夜祭に臨み、けっこう濃密に集中して観劇したと思う。
 威かされた内容(笑)については、このブログのどこかで語ったことがあると思う……もうどこに書いたのか、発掘できないけど。今は本筋ではナイので、省略。

 意気込んで観ていた分、拍子抜けしたってのは、あると思う。
 前夜祭、って、こんなもん?? と。


 次に参加した前夜祭は、2002年の『ガイズ&ドールズ』だった。
 このときはもう、確実に「つまらない」と思っていた……。


 なんでつまらないのか。

 第一に、時間が短い。
 最初に思ったように、開催時間が短くて、拍子抜けする。
 大劇場で行われる公演って、通常3時間、タカスペなどのイベント物で2時間、新公で1時間半はあるじゃん?
 小1時間で終了、って、すごく短く感じる……。
 本公演3時間拘束に慣れている身には、ギャップゆえに体感時間がさらに短く感じられてしまう。

 えっ、もう終わり??
 と、驚き。

 それによって、次の不満が明確になる。

 贔屓の出番、あれだけ?? えええ?!!

 観たい人の出番が、ものすげー少ないんだ、前夜祭って。
 観たい人 = タカラジェンヌ。
 昔タカラヅカにいた人、ではない。

 タカラヅカファンなので、OGに敬意を払う気持ちはもちろんある。タカラヅカが続いてきたのは先人あってのこととわかっている。
 が、そんな理屈と、実際に客席で受ける感情とは別だ。

 目当てのスターがいるから、わざわざ観に来たのに、その人に出番がほとんどなくて、知らない年配女性ばかりがえんえんえんえん出張っている催しって……びみょー……。

 贔屓と関係ない、OGのトークショーに来たのなら、もちろんそれはそれとして楽しめるのだけど。
 贔屓の次の公演の前イベントだと思って来たら、贔屓に出番なくて、OGさんばっかが喋ってて、フラストレーション。

 んで、ようやく現役のターンになりました。
 名場面の再現やります! 来月からの公演を、一足先にご披露しちゃいます! となり。
 やったー、ご贔屓と、現役タカラジェンヌの舞台を観られるんだー!
 と、よろこんだのも束の間。

 知らない作品の一部だけ観ても、ぽかーん。

 作品は、最初から最後まで、起承転結してはじめてひとつの「作品」である。
 その一部だけ切り取って見せられても、前後もなにもわかってないので、意味がわからない。
 もちろん、ストーリーもキャラもわかんなくても、パフォーマンスだけでも楽しめるけれど……でも、「独立したパフォーマンス」と、「長編作品の一部の歌とダンス」はチガウよ。同じだったら、作品の意味ナイよ。

 えっ、もう終わり?? って、贔屓の出番、あれだけ?? えええ?!! でもって、再現場面はたしかに楽しかったけど、でもけっこうふつうじゃなかった? あんま特別感なかったよ? そんなにいいもんなの??

 ……完璧に、ついて行けてません。
 置いてかれてます。

 それでわたしは、「前夜祭はつまらない」と思うようになったのです。
 お祭り好きで、イベントならなんでも参加したいクチなんだけど。
 「前夜祭」はその限りにあらず。
 よっっっぽどのことがない限り、観なくていいや。
 よっっっぽどのこと、ってのはつまり、まっつがいること、ですな。まっつの出る公演・イベントは全参加基本なので、もしもまっつのいる組で前夜祭があれば、まっつの出番が最後のパフォーマンス5分間のモブダンスだけであったとしても、観に行く。
 それ以外は、……ま、行かなくてもいいや。
 そう思って、その後いくつかあった前夜祭には行ってません。
 まっつのいる組での前夜祭もなかったしね。


 前夜祭ではなく、「新作の制作発表会」は楽しいのになああ。
 新作だから、「初演OG」もいないし、「誰も観たことナイ」から、パフォーマンスは「作品紹介」になり、「すでにある物をただ切り取っただけ」にならず、はじめてこの作品に出会う人へ魅力を感じてもらうための配慮がしてある。
 わたしが参加したことのある「新作の制作発表会」はふたつだけかな……そのうちのひとつ、『フットルース』はほんとに楽しかった……。

 前夜祭は新作の制作発表会じゃない。
 新規客に新商品の魅力を紹介する、のではなく、既存客に既存商品をなつかしがらせて、再度購買意欲を煽るための物だ。

 新規客が、既存客向けイベントに混ざっても、置いてかれるだけっす。
 ドラマを、最終回のひとつ前から見るようなもん。1話から見て盛り上がっている人たちの間に入っても、ぽかーんとなるだけっすよ。

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