思いつくままに、年寄りの昔語り。

 『大海賊』は東宝の新人公演を観た。
 ……わたしが東宝で新公を観たのって、ほんと数えるほどだ。前日欄で語った通り、ムラと違って東宝は「当日劇場へ行きさえすれば、ほぼ観られる」ものではないためだ。

 えーとえーと、東宝で新公を観たモノは。

1995年 雪組『雪之丞変化』 たかこ
2001年 月組『大海賊』 タニ
2004年 月組『飛鳥夕映え』 みっちゃん
2006年 花組『落陽のパレルモ』 みつる
2013年 花組『オーシャンズ11』 キキ
2014年 花組『エリザベート』 カレー

 花組多いなー。

 わざわざ東京まで行って新人公演を観た……理由のほとんどは、「そこでしか、観られなかったため」だ。
 『大海賊』は東宝のみの公演だったから、当然東宝に行くしかない。
 『オーシャンズ11』は『ブラック・ジャック』があったため、ムラで観られなかった。や、まっつ主演作は全公演制覇が基本なので、『ブラック・ジャック』を1回観ないで花新公を観る、という選択肢は最初からなかった。
 『エリザベート』はチケット取れなかったんだっけ。ついでに忙しくて、ムラまでサバキ待ちに行くことすら出来なかったんだよなー。

 『オーシャンズ11』東宝新公は友会で良席が当たったことと、本公演でベネディクト@だいもんをもう一度観たい! という本能の求めるままに、遠征することにした。
 『エリザベート』はムラでチケットが取れなかったので、東宝は本気で探した……ムラのときにこんだけやってろよ、そしたら遠征せずにすんだのに(びんぼーなので交通費がナイ)、と反省しきり。
 『オーシャンズ11』のときは本公演チケット選びたい放題だったのに(そこそこの席をヤフオクでふつーに定価落札できる……てゆーか公式が売り切れてない状態だったっけ)、『エリザベート』は手に入らず……新公チケで無理をしたので、本公はあきらめて、おとなしく『伯爵令嬢』観て帰ったっけね。

 ここ10年くらい、全組新人公演を観ている。下級生がわかるとヅカの楽しさが何倍も上がるため、できるだけ観たいと思っている。
 10年……全組の新公を観ることにしたのは、2002年からだなー。それまでは、基本雪組しか観てなかった。
 が、なにしろ1回こっきりの公演だ、観られないことだってある。
 ムラで観られなかった公演は、ええっと、

2003年 星組『王家に捧ぐ歌』 れおん
2007年 月組『マジシャンの憂鬱』 まさお
2009年 星組『太王四神記II』 マカゼ
2010年 星組『愛と青春の旅だち』 キキ
2013年 花組『オーシャンズ11』 キキ
2014年 花組『エリザベート』 カレー

 ……こんだけかな? 抜けがあるかな?

 そのうち『オーシャンズ11』と『エリザベート』は前述の通り、遠征してフォローしたので、まったく一度も目にしてないのは、上4つ。
 観てないの、星組率高いな! 3公演か。
 『王家』は新公よりも本公演優先だったから、本公演チケットに全精力を注いでた。
 『マジ鬱』は旅行と重なったんだっけ。良席チケ持ってたのになー。
 『愛青』は第九レッスンの日だったから、行けなかった。レッスンと月組『ジプシー男爵』・星組『愛青』の両新公がかぶり、休めるのは1回だけ、観られるのは片方だけ、どちらかをあきらめねばならない……というと、そりゃとしくんの新公主演公演を観るわ。
 キキくんは突然の抜擢で大人の事情が透けて見え、「今回観られなくても、どうせ複数回主演するんだろう」と想像がつき、切迫感がなかった。まだ舞台で見つけられないような知らない下級生より、長い下積み生活、実力あるけど劇団愛薄い苦労人が、最後の最後で新公主演来ましたーー! キャッホウ~~! てのを取るよなー、ヲタとしては。や、たんにわたしはとしくんスキー(笑)。がんばれ90期!
 で、「まっつ主演公演はフルコンプ」ゆえに観られなかったのが、『太王四神記II』と『オーシャンズ11』。まっつ主演公演なんて100年中たった3公演なのに、どうしてかぶるかなー。

 舞台はナマモノ、そのときだけのもの。
 だから観られなかった公演はあきらめる。映像はあまり興味ないので、観られなかった公演をわざわざ映像で観ることはほとんどしない。……ので、上記公演は映像でも見ていない。

 思えばわたしが映像で見るのって、まっつだけだなあ。まっつが出てない公演で、映像で見返したモノを思い出せない……。むー。
 まっつオチする前から大好きな作品は、何度も見直してるけど。
 『二人だけの戦場』とか『Crossroad』とか初演『凍てついた明日』とか初演『エリザベート』とか。各種オギーショー作品とか。
 映像に興味ないからこそ余計に、ナマにこだわるんだろう。ナマの体験、この海馬に刻むことこそがすべて。
 そして、年々海馬が衰えているので、駄文だろうが独りよがりだろうが、なんとか書き留めておきたいと思う。
 ……あ、まっつ以外でわざわざ映像見たモノ、思い出した。『BUND/NEON 上海』だ(笑)。中国語字幕だとか、揺れる画面に爆笑したはず。

 閑話休題。
 ムラで観られなかったわけでもないのに、わざわざ東宝まで行って観ている……のが、
 『雪之丞変化』
 『飛鳥夕映え』
 『落陽のパレルモ』。
 何故? 他のあまたの新公と、どこがチガウの??

 てまあ、この3作品のうちふたつは、「たまたま」観ることになった、というだけ。
 『雪之丞変化』は本公演を観に行く際、当時ツテがあったので新公を取ってもらうことが出来た。東宝で新公観たことなかったから、すっげーわくわく観劇し、出待ちのギャラリーまでしちゃった。
 新公を観て新公の出待ちをしてるんだから、出演者の……主に主演者のファンだと思われるよね、隣にいた人に「たかちゃんのファンですか?」と声を掛けられ、否定するのもなんだし、好きなのは事実だからとうなずいて、えんえん「たかちゃん素敵ですよね!」会話をしたのもいい思い出。
 そして、楽屋から出て来たたかこがえらくナチュラルというか、フリーダムでびっくりしたのもいい思い出。
 『飛鳥夕映え』はまったくのノーマーク、観るつもりはなかったんだけど、ふつーにサバキが並んでたので、観られた。……東宝の新公でも、サバキはけっこうあるもんなんだ?と知った公演だった。

 そして唯一。
 強い意志で、自ら観に行った、「ムラで観たのに、東宝も観た」新人公演……それが、『落陽のパレルモ』。
 いやあ、あの盛り上がりはなんだったんだろうなあ。
 本公よりも新公の方が好みだ、なんてことは、ままあることだ。技術の高低云々ではなく、単純な好悪の話だからだ。ヘタだろうと足りなかろうと、好みに合致すれば「新公の方が好き」。
 新公のニコラ@めぐむが、めーーっちゃ好みだったんだわー。あのめぐむ氏にもう一度会いたくて、わざわざ行ったんだわ、東宝まで。
 新公学年の子のファンをするのは楽しいだろうなあ、と思った。ショタの気のないわたしはどうしても、ある程度出来上がった男が好きだからさー。
 少年に興味ない、大人の男が、おっさんが好き。ぷりけつぱっつんほっぺの男装したオンナノコも好みじゃないし、最低限の技術を持たない子にもときめけないし……好きになる人は大抵新公関係ない学年なんだよねえ。
 まっつだって新公時代から観てたけど、マジオチしたのは新公卒業後だもんよ。
 男役10年とは言ったもんだ、味が出るのは大人になってからだよなあ。

 だから下級生なのに技術があって、歌ウマで、持ち味が大人……というか、おっさん系の子には、わくわくします。
 めぐむ氏はそういう下級生でしたな。
 ただ、わたしにはまっつがいたから、どんなに魅力的な人が現れても、「本命まっつ、余白部分で他の子にきゃあきゃあ」というスタンスはこの10年まったく揺らがなかったのな。

 どうせなら下級生時代からファンしたいよなああ。
 で、新公を追いかけて東宝へ行くの。

 そんな日が来るといいな。

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