そういや『大海賊』って、新人公演まで観たよなあ。
 と、考え、首をかしげる。

 『大海賊』は東宝のみの公演、本拠地宝塚大劇場で上演されていない。従って、ムラでは新公も行われていない。
 つまりわたしは、東宝で新公を観たことになる。……わざわざ?

 ということで、年寄りの昔話、記憶を辿るだけの記事。

 ムラの新公は、当日劇場へ行きさえすればなんとかなることが多い……のは、今も昔も変わらない。
 なんのツテもない初心者でも、観劇自体は可能である場合の方が多い。無駄足を恐れず、当日現地へ行きさえすれば。
 そうやってわたしは、なんのツテも情報もない万年初心者として、なんとかチケットを手に入れてきた。

 が、東宝はそうじゃない。
 東宝の新公チケットは、「取れない」。
 友会で抽選に当たるか、人づてに取ってもらうか、とにかくなにかしらのルートがないと、無理。
 一般人お断りの公演。
 ……という認識だ、昔も今も。

 まあ新公なんて、一般人お断りでいいと思うけどな。身内とファンのみで。「生まれてはじめてタカラヅカを観ます、タカラヅカって女の人しかいないの?」レベルの初心者さんが観るには適さないから。

 ともかく、そんな認識なのに、なんであたし、『大海賊』新公観てるんだ?

 もう記憶があやしいわ……。
 たしかわたし、ディズニーシーの開園翌日に行ってるのよ。「ディズニーシーがオープンしました! 祭りです!!」てことで大騒ぎしてた(実際テレビではえんえんそのニュースが流れてた)ときに、わざわざ。
 開園翌日なんて、初日ほどじゃないにしろ絶対混んでる、そんなときに行きたくない……けど、その日に行ったのは、なにか理由があったためだと思う。
 その日に東京にいたんだな。だからついでに、祭りになってるシーに行くことにした。
 なんで東京にいたのか……『大海賊』新公のため。……だよな??
 今、日付確認したー。ディズニーシー開園日2001年9月4日、『大海賊』新人公演2001年9月4日……これだ、間違いない!

 なんかあって、『大海賊』新公チケットが手に入ったんだな。
 『大海賊』本公演は観に行くつもりだったから、新公を中心に本公演観劇予定も組んだんだと思う。
 で、ついでにディズニーシーも行ってみた……と。
 あんだけ大騒ぎしているんだから、シーは連日超満員で大変なことになっているだろう! と、覚悟して行ったのに、ぜんぜん混んでなくて、むしろガラガラで、「大丈夫かこのテーマパーク」と心配したのもいい思い出(笑)。つか、オープンはしたものの、「未完成。工事途中だけど大人の事情でとりあえずオープンしました」感ゆんゆんだったもんなあ。それで客も少なかったんだろうな。
 あ、当時のわたしはテーマパーク好きで、いろんなテーマパークに行ってました。若かったなー。

 しかしそもそもなんで、『大海賊』新公チケットが手に入ったんだ……?

 当時はネット販売などなく、チケットはぴあなどショップの店頭に並んで先着順購入だった。んで、ぴあには大抵ダフ屋さんたちプロが人を雇って徹夜並びをしていて一般人は太刀打ち出来なかった……はず。
 だもんでヅカファンは口コミネットワークを駆使して、「ダフ屋の餌食になっていないぴあ」「凄腕おねーさんのいるぴあ」を求めて走り回っていた。
 発売開始時刻に端末を操作してチケット入手するわけだから、端末を操作するぴあの窓口おねーさんの腕に、チケットが手に入るかどうかがかかってるのなー。
 発売時刻前に申込書記入して、先に端末に入力して、朝10時00分ジャストに送信してくれるおねーさん必須。
 10時に窓口開けて、「希望チケットを申込用紙に記入してください」じゃ間に合わない、そんなまぬけな接客をする店はガン無視だ!(実際にあった、こういうぴあ。他の業務のついでにぴあ窓口もあります系)
 どこの店が客優先で動いてくれるか、どこなら並びやすい場所にあるか、どこの店ならあまり人に知られてなくてダフ屋&ライバルがいないか……何時に並ぶか、始発か、始発前か、徹夜か……情報戦と高度な駆け引き。
 東京・大阪など都会のぴあはライバル多すぎ、知名度高すぎ、ってことで、前日から地方のぴあに遠征する人たちもいたな。情報誌ぴあの「全国の店舗一覧」を見ながら、どこに並べばいいか作戦会議。

 あー……あの頃はツレとふたりして、そーゆーのに燃えてたっけ。
 ゲーム感覚というか。攻略しがいがあるよねー。

 そうやって、ある大型ショッピングビル内の旅行代理店片隅にあるチケット販売窓口が穴場だと突き止めたんだ。ショッピングビル自体は午前10時オープンだから、チケットの発売時刻に間に合わない……ってことで、ダフ屋&ライバルたちにはスルーされている。
 が、広大な建物の中、たったひとつだけ9時半に開く扉があった。たぶん開店準備に必要だからだと思うけど。そこから中へ入り、開店準備をしている店員さんたちの間を抜け、チケット窓口まで行く。窓口のおねーさんは、10時10分前には端末を立ち上げ、申込書も渡してくれる……ので、10時ジャストに参戦可能だったんだ……知る人ぞ知る!!
 これで『凱旋門』1000days劇場千秋楽とか、手に入れたっけ……。

 『大海賊』新公を手に入れたとしたら、それでだなー。
 ツレとふたりして観劇したはず。本公演は、ヅカヲタでない東京在住友人の分まで入手したし。(友人をヅカにはめたかったんだが、はまってはくれなかった……)

 今はそーゆーのもないしね。
 ネットで一律販売。
 便利だし、公平だと思うけど。
 努力でチケット入手できたあの時代が、ちとなつかしくもあり……いやいや、若かったから出来たんだよなー、このトシでは無理だわー。
 並びのライバルだったおばさまふたり組、どうしてるかしら。
 この穴場店、最初はわたしとツレだけのパラダイスだったけど、途中からライバルが現れて。
 「いちばん」を争って、少しでも早く並ぶ! てのを発売日ごとに繰り広げてたなー、他にもっと早く開く扉はないかと探ったり、出し抜いたり抜き返されたり……よくやってたなあ……。
 あのおばさまたち、今のわたしぐらいのトシかなあ? もっと上かな? や、今のわたしより確実にお元気だったわ……よぼよぼ。

 なつかしいな。梅田のムラ前売りチケット並びも含め、一昔前のヅカチケット狂想曲。
 それゆえに観ることが出来た、『大海賊』本公演&新公。

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