演目発表時にも、ちらっと書いたっけ。

 次代の星組で自由に『ガイズ&ドールズ』の配役をしていいとすれば。

 主役のスカイがいちばんハマるのは、ベニーだ。
 ビジュアル特化の伊達男。調子よく生きてきたギャンブラーが、うっかりお堅い女の子・サラに惚れてしまう。

 でもって、ヒロインのサラがいちばんハマるのは、キサキちゃんかな。個人的にははるこで観たいかなー。
 とにかく若くてかわいいこと。救世軍の軍服姿でも「キュート!!」と思わせるビジュアル必須。

 ネイサンがいちばんハマるのは、みっちゃんだ。
 ヒゲの中年男。胴元としての世慣れた感と、婚約者アデレイドの尻に敷かれているヘタレ感が素敵に同居。

 で、アデレイドは娘役がやるなら風ちゃんがハマる。
 年増のショースター。歌って踊っての実力派が演じてナンボ。サラが小娘、こちらはイイ女だが、確実におばさん、ふたりの世代格差大事。
 男役も含めてイイなら、みっちゃんが、いちばんハマる。

 ……純粋に、キャラだけで言うと。

 って、なんで『ガイズ&ドールズ』なんだろう……ネイサンとアデレイドがハマるトップコンビなのに、何故わざわざ、持ち味外のモノを当てるんだろう。

 や、みっちゃんも風ちゃんも実力者なので、持ち味なんか関係なく演じちゃうだろうけどさ。そのへんはすっげー信頼しているけど。

 みっちゃん風ちゃんはいいとしても。

 アデレイド役の難しさがなあ……。

 アデレイドって、タカラヅカの娘役が演じるには、役が大きすぎるんだわ。
 主役カップルに比肩する役なんだもん。
 他においしい男性キャラがいるなら、バランスも取れるかもしれないけど、あきらかにアデレイドひとり勝ち。
 男役スターたちがソロも名前もないようなモブで、トップでもない娘役がピンスポ浴びてがんがん活躍する……のは、タカラヅカじゃない。
 番手のあるピラミッド制度の劇団だから、必然的にアデレイドは男役スターが演じることになる。

 30年以上前の初演はともかく、現代のタカラヅカにおいては。

 また、アデレイドが清楚な美少女役なら、男役が演じるのは難しいし、そもそも意味も薄くなる。(持ち味が「清楚な美少女」な生徒は、最初から娘役をやってるだろうから)
 が、迫力ある年増女役だから、男役が演じることによって押し出しの良さを出せる。
 『ME AND MY GIRL』のジャッキーや、『風と共に去りぬ』のスカーレットなど、男役が演じることの多い定番作品の有名役は、みんな一様に「娘役では出せないエグ味」を期待しての男役配役だ。
 アデレイドも同じ、男役だからこそ出来る女役。

 トップがスカイ、2番手がネイサン、3番手が女装してアデレイド……と当てはめていくことになる。

 星組次期3番手、って、誰?

 ふつーに考えれば、宙組から異動してくる、かいちゃんだ。
 あちらは宙組3番手、こちらは星組3番手のマカゼが異動……同じ番手同士、空いたところに入ると思うじゃん? その昔、雪組3番手だったえりたんが、雪組トップスターコムちゃん卒業時に花組へ3番手として異動になったときのように。
 トップスターが卒業したから、このまま組に残っていたら、2番手昇格。……の、はずが、組替えで3番手据え置き。えりたんも、かいちゃんも。
 組に残っていたら2番手だったのに、据え置き異動させられて、最初の本公演で3番手役をもらえないなんて、思わないよ。組替えご祝儀で、イイ扱いを受けるはず。

 加えて、アデレイドが「中年女」役だ。ある程度学年を経た男役でないと、無理がある。

 ただアデレイドは歌って踊って芝居して、のかなりの難役だ。それをこなす実力、という点では……ごめん、かいちゃんだとかなり苦しいというか、正直どうすんだと思うけど、タニちゃんだってネイサンやったんだしこのミュージカル実力不問なんぢゃないの?って気もするし……。

 星組には小柄で女顔で歌って踊れる超実力派若手スター、ことちゃんがいる。
 実力だけでいえば、ことちゃんが向いている。
 が、ことちゃんはあまりにも女役をし過ぎている。ことちゃんのジェンヌ人生、半分は娘役だよねってくらい。
 男役の女装は切り札であり、人気を出したいときに使う。客を呼べるのは男役だ、人気男役を女装させるのは「男役」としてのデコレーションのひとつでしかない。
 デコレーションばかりこだわっていると、中身の価値が落ちる。
 だから本当に売りたいスターは、女役ばかりをさせない。

 てな事情から、アデレイドは、たとえ実力が足りなくても学年と組替えご祝儀でかいちゃんシングルか、あるいは、それじゃいろいろやばいってならば、ことちゃんとのダブルかと思った。

 ぶっちゃけ、ことちゃんシングルのアデレイドが、いちばん嫌だった。わたしは。

 89期で宙組番手付きのかいちゃんが、95期星組番手なしのことちゃんの下に配役されること。
 男役として日々成長していることちゃんが、また女役をさせられて、貴重な男役人生を数ヶ月も失うこと。

 この2点において、個人的に、嫌だったんだ。
 ……嫌だと思う、というのは、そうなるのではないかという、危惧があった、ということ。
主な配役
スカイ・マスターソン 北翔 海莉
サラ・ブラウン     妃海 風
ネイサン・デトロイト 紅 ゆずる
アデレイド       礼 真琴

 『ガイズ&ドールズ』主要4役が発表になり、危惧が現実になった。

 あーあ、また、ことちゃん女役かあ。
 男役というのは有限で、短い時間しか楽しめないのになあ。
 
 かいちゃんの立ち位置も気になるし、その人事配慮(番手ぼかしに全力投球、作品壊しても誰が何番手かわからないようにすることの方が大切です!てな)によっておかしなアレンジをされるのもやだし。

 もっとも、かいちゃんもそのファンも、主要役でなくても男性の役の方がいい!!と思っているかもしれないし、ことちゃんもそのファンも、女役大好き! 男役よりも主要な女役の方がうれしい!!と思っているかもしれないから、これはあくまでも、わたしの勝手な思い。

 そして。
 ここまであーだこーだ言っておきながら。

 ことちゃんのアデレイドが、楽しみだ。

 みっちゃん、風ちゃんの主演舞台を楽しみにするのと、同じハート。

 ただ純粋に、シンプルに、うまい人の歌を聴きたい。
 歌ウマさんが主要役で、がんがん歌ってくれるんだ~~、楽しみーー!
 と、いう。

 ことちゃんには男役をやって欲しいけど、それでも、ことちゃんの歌が聴けると確約されていることは、うれしいんだ。
 矛盾上等。

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