なんの予備知識もないまま観た、『カリスタの海に抱かれて』
 新作オリジナルゆえ、どんな話で、どこへ着地するのか、さーーっぱりわからない。

 それゆえの、わたしの「アドベンチャーゲーム」的な思考迷走ぶりを記す。


1.最初に登場するのは、主人公のカルロ@みりおくん。
 軍服姿。
 ……そっか、ポスターも軍服だったね、軍人さんなのね。
 上手花道にせり上がって来たみりおくんは、なんかやたらのんきで陽気な歌を、のほほーんと歌い出す。
 ふるさとに帰ってきたらしいよ。

 こののんきな導入から考えられる選択肢。
→a.のんきなのは、のんきな話だから
 南の島で現地の娘と出会い、のんびり恋愛。
→b.のんきなのは、フェイク
 イメージしていた美しき故郷とは違い、なんかしらどどーんと裏切られる。

 本舞台では島の祭り場面。ロベルト@キキくんセンター、明るくにぎやか、楽しそう。
 てことは、aパターンか?
 が、そこへ砲撃の音。色めき立つ島の男たち。だが、場面の空気を変えるのは砲撃なんかじゃない。
 アニータ@圭子ねーさま登場。迫力の黒眼帯。
 で。


2.突然の、ドシリアス。大悲劇。
 火あぶりになる英雄@さおたさん。炎のダンス、圭子ねーさまのドラマチックヴォイス炸裂。

 えええ。
 のほほん南の島パターンかと思ったのに、突然の『炎にくちづけを』展開?!
 渦巻き、炸裂する怨念と情念、絡みつく宿命、ぬめぬめどろどろ!!

 あののんきな導入から、これ?!
 なにこの急転直下!
 すげー展開だなヲイ!

 大変よ主人公、のほほん「美しき故郷、思い出はパラダイス」気分で戻って来たりしたら、痛い目見るわよ?
 てゆーか、話の流れ的に、圭子ねーさまが呪詛ってた、裏切り者の息子って、カルロだよね?
 で、でも、なんかすごくのほほんとしてますよ? 英雄を裏切って殺して石を投げられるよーに出て行ったんじゃないの?

 圭子ねーさま場面のとんでもない激しさと重さと、主人公くんの軽さのギャップ。
 考えられる選択肢は。

→a.ほんとにアタマ軽いんです。コトの重大さはわかってません
 若者の成長譚なので、わざと最初はのんきもんにしてある。このあと現実と直面し、成長していく。
→b.全部わかってます、でもあえて軽くしてるんです
 アホボン風は、仮の姿! 目的があって空気読めないふりをしている。このあと現実と直面し、激しく重い展開に相応しい面を見せる。

 のほほん主人公と、ドシリアス重すぎ設定のギャップ展開なら、aが正しいんだけどな。
 bなら、騙す必要がある人々の前での「仮の姿」を軽くするべきで、主人公がひとり登場する「本来の姿」である冒頭は、ちゃんと暗く重くするのがセオリー。あの冒頭は、のんきすぎるわ。

 でも、いくらなんでもaはタカラヅカ的に正しくない気がするから、bかなあ。だとしたら冒頭の描き方はおかしいけどなあ。


3.思わせぶりな年増美女セシリア@きらり登場。カルロを「私の間男にします」。

 えええっ、そっち?!
 南の島で禁断のアバンチュール??
 人妻に口説かれてどっきり☆みりお様のサービスシーンを拝めるってこと?!!
 いやそれ、みりおくん的に正しい使い方だけど(笑)、ファンがよろこぶと思うけど、びっくり展開だな!
 演じているのがきらりだから、比重はあまり大きくないだろうけど、これで退団のきらりに花を持たせるのはアリだし、これはこれでいい展開かも。

 ということで、考えられる選択肢。
→a.カルロと島の娘ヒロインとの純愛に、悪い奥様のチャチャ入れ
 本筋ではナイので、あくまでもサービスシーン。年上美女に翻弄されるみりお様、って、それだけで意義あるっしょ!
→b.カルロと島の娘ヒロインと、美貌の人妻との本格三角関係!!
 実はダブルヒロインものだった! 年下と年上、清純と手練れ、極端なヒロインふたりの間で揺れ動くみりお様!!(笑)
→c.実は重いテーマとリンク、奥様のチャチャ入れ
 比重は低いし、ダブルヒロインではまったくないし、チャチャ入れ程度の尺でしかないが、実はフランス支配と島民の関係を重ね合わせた、重いテーマを担ったエピソードなのだ! ただのサービスシーンではないのだ!

 bはありえないっしょ。cだったらいいなあ、とは思う。サービスシーンのふりして実は……ての。わかる人だけわかってうなずいてくれればいいよ的な。
 まあ、せいぜいaだよなあ。でも、サービスシーンがあるのはいいことだよな。

 ……ってまさか、選択肢d.伏線でもなんでもなし、この後まったくナニもなしだとは、思わなかったよ……。
 ただ一瞬、きらり×みりおのドッキリ☆シーン入れるだけでいいのにさー……。


 続く~~。

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