だから、彼は「スター」なのだ。@柚希礼音サヨナラショー
2015年3月11日 タカラヅカ れおんくんは、あまりに長い間、「スター」だった。
わたしが彼をはじめて知ったのは、「星組にものすごいスター候補がいる」「将来のトップスター」との「評判」「噂」だった。
当時の星組は、わたしがいちばん縁遠い組だった。トウコちゃんを好きだったから、なんとか本公演1回は観るかな、ぐらい。トップさんを苦手だと、どうしても足が遠のく。
だから、「柚希礼音」を最初にちゃんと観たのは、『プラハの春』新人公演だと思う。
はじめて観る、星組の新人公演。そこで、トウコ役をやっていた男の子が「あの、柚希礼音」だと注目して観劇した。
「あの」が最初に付く。
「鳴り物入りの」が最初に付く。
ただの下級生じゃない、前評判が先に立つ。どんだけすごい逸材なのだろうと思う、そこからスタートだ。
本公演でも「あの、噂の、鳴り物入りの、ものすごいスター候補生の柚希礼音って、どの子だろう?」と意識して探してはいた。でも本公演のモブに毛の生えたよーな扱いでは、よくわかんなかった。
だから、新人公演。
実はその前に、トウコ主演バウに「いかにも若手スター!!」って感じに出ていたんだけど、わたしの記憶には残っていない。
トウコが組替えする前は、星組さんの別箱公演はほとんど観てなかったし、新公も観たことなかったし、下級生を判別出来るスキルはなかったんだよなあ。
星組に詳しくないわたしだから、スタートが『プラハの春』だった。
星組贔屓の人たちは、組配属からすでに「柚希礼音=スター」だと思って見ていたろうし、当時のわたしは初舞台生とか音校生になんの興味もアンテナもなかったので知らなかったけれど、そっちに詳しい人なら初舞台から、入団する前から、音校入学時から、すでに「柚希礼音=スター」とわかって見ていたんじゃないかな?
そういう噂を耳にしていたから。
実際に舞台の上のれおんくんを見るより先に、鳴り物入りの評判ばかりが耳に入り、最初から「そういうもんだ」と思って観た。
だから最初から、わたしにとってのれおんくんは「スター」だった。
てなわけで、れおんくんは、あまりに長い間、「スター」だったと思う。
抜擢されてからトップになって退団するまで、ふつーの人が8年くらいだとしたら、れおんくんはその倍くらい、ずーーっと「スター」だったわけで。実際にふつーのスターふたり分、そんな人は過去に例がないので感覚的にはふつーのスターの3~4人分は、れおんくんを見てきた気がする。
最初星組に縁遠かったわたしだけれど、苦手トップさんが退団し、ご贔屓が星組に組替えになった、ということで、ご贔屓退団までの数年間と、大好きなトウコちゃんトップ時代は、どっぷり星組観劇した。
ゆえに、ずーーっとスターだったれおんくんのことは、ずーーっと眺めて来た。
そんな歴史を噛みしめつつ、『柚希礼音サヨナラショー』を観た。宝塚大劇場、前楽。
ずっとずっと、「スター」だった。
ずっとずっと、眺めて来た。
なまじ長い間見てきたので、「顔見知りの男の子の成長を眺める、近所のおばちゃんモード」だった。あらまあ、れおんくん大きくなったのねえ、てな。
油断していたから、うっかりときめいた全ツ『再会』は盛り上がったわねえ……隣の席の見知らぬ人と、「ちえちゃんカッコイイ!!」ってきゃーきゃー騒いだっけ。
そのあたりからはもう、れおんくんはほんと名実ともに「スター!!」になっていって。
なんせ、「赤ちゃん時代から知ってる、近所のおばちゃん」をときめかせるんだから、彼の魅力は、本物ですよ。
だがしかし、「近所のおばちゃん」は手強いのだ。
れおんくんとは、距離がある。その距離感ゆえに、「柚希礼音のスター人生を振り返る」内容のサヨナラショーでも、冷静に観劇するのだ。
『太王四神記II』来ると思ったわ、トップお披露目だもん、鉄板よね、とか、『ロミオとジュリエット』は絶対よね、てゆーかこの作品関わったスターはもれなくサヨナラショーに入れてくるよね、ほんといい作品よね、「世界の王」が切ないわ、うわ、『再会』入るのかーー!
とか、ツッコミ入れつつ、ふつうにパフォーマンスを楽しんでいるのよ。
なつかしい曲、なつかしい場面。
ずっと眺めて来た、知ってる知ってる、ずっと、ずっと。
代表作たくさんの人気トップさんのサヨナラショーだもん、盛りだくさんでなんともゼイタクなショーだわ、ありがたいありがたい、観られてよかったー。
れおんくんにもねねちゃんにも、思い出も思い入れもいっぱいある。どいちゃんにも、コロちゃんにも。
だから、彼らの最後の演目「サヨナラショー」を観られてうれしい。
という感覚でいたのに。
後半、本舞台にどっかで見たセットがせり上がって来たとき……反則だ!! と、思った。
サザエさんパロみたいな、「昭和」なお茶の間セット。
お笑い芸人にしか見えない、思い切った姿のベニー。振り切った造形のしーらんとれんた。他の3人に比べてひとりだけふつーなのに、それがおかしいマカゼ。
「ちえちゃん」だ。
れおんくん自身の「小学生の作文ソング」。
ただあたりまえに、ありきたりに、「わたしの家族」という作文を書いた……そんな歌と、その歌をパフォーマンスで表現した場面。
ちょっとやめてよ。ひどいわ。反則よ。
舞台の前方には、「柚希礼音」がいるのよ。
どっから見ても「大スター!!」の、キラキラした男前がいるのよ! 歴史と貫禄背負った、立派なトップスターなんだってば。
やりきって、成し遂げて、今、誇らしく卒業していこうとしているのよ。
その姿に、「ちえちゃん」家族を持ってきますか。
や、あるだろうなとちらりと思ってはいたけれど、思ってるのと実際見るのはチガウから! 破壊力すごいから!
だだ泣きした。
近所のおばちゃんモードで距離感持って、慎ましく観劇していたのに。
号泣するのはほんとのファンの人たちの役目、わたしのような、好きとか愛着程度の者は、観劇出来る幸運に感謝しつつ、エンタメ舞台を平静に堪能するの……って、んなの無理、一気に来た。
愛しい。
この「ちえちゃん」という子が。
「柚希礼音」という、スターが。
まぶしくて、カッコ良くて、素敵で。
そして。
愛しくて、ならない。
……だから「ちえちゃん」は、トップスターなんだね。
たくさんの人に愛されて、愛さずにはいられない、と思わせてしまう、そんなスターなんだよね。
れおんがカッコイイとか素敵とか、そーゆーのを通り越して、なんかもお、愛しくて愛しくてたまらなかったよ。
勘弁してよ、卒業する人にこんなに愛しくなりたくないよ。
ほんとにもう、すごいっすね。
ちくしょー。
観られて良かった。
れおんくんの格好良さだけでなく、愛しさを、最後の姿として、胸に刻めて。
それと。
「ちえちゃん」のおかげで今、過去最大級に、マカゼさんが愛しいです。きゅんきゅんしてます。
割烹着姿で、慈愛の微笑み浮かべてる姿がもう、ハート直撃っすよ……(笑)。
わたしが彼をはじめて知ったのは、「星組にものすごいスター候補がいる」「将来のトップスター」との「評判」「噂」だった。
当時の星組は、わたしがいちばん縁遠い組だった。トウコちゃんを好きだったから、なんとか本公演1回は観るかな、ぐらい。トップさんを苦手だと、どうしても足が遠のく。
だから、「柚希礼音」を最初にちゃんと観たのは、『プラハの春』新人公演だと思う。
はじめて観る、星組の新人公演。そこで、トウコ役をやっていた男の子が「あの、柚希礼音」だと注目して観劇した。
「あの」が最初に付く。
「鳴り物入りの」が最初に付く。
ただの下級生じゃない、前評判が先に立つ。どんだけすごい逸材なのだろうと思う、そこからスタートだ。
本公演でも「あの、噂の、鳴り物入りの、ものすごいスター候補生の柚希礼音って、どの子だろう?」と意識して探してはいた。でも本公演のモブに毛の生えたよーな扱いでは、よくわかんなかった。
だから、新人公演。
実はその前に、トウコ主演バウに「いかにも若手スター!!」って感じに出ていたんだけど、わたしの記憶には残っていない。
トウコが組替えする前は、星組さんの別箱公演はほとんど観てなかったし、新公も観たことなかったし、下級生を判別出来るスキルはなかったんだよなあ。
星組に詳しくないわたしだから、スタートが『プラハの春』だった。
星組贔屓の人たちは、組配属からすでに「柚希礼音=スター」だと思って見ていたろうし、当時のわたしは初舞台生とか音校生になんの興味もアンテナもなかったので知らなかったけれど、そっちに詳しい人なら初舞台から、入団する前から、音校入学時から、すでに「柚希礼音=スター」とわかって見ていたんじゃないかな?
そういう噂を耳にしていたから。
実際に舞台の上のれおんくんを見るより先に、鳴り物入りの評判ばかりが耳に入り、最初から「そういうもんだ」と思って観た。
だから最初から、わたしにとってのれおんくんは「スター」だった。
てなわけで、れおんくんは、あまりに長い間、「スター」だったと思う。
抜擢されてからトップになって退団するまで、ふつーの人が8年くらいだとしたら、れおんくんはその倍くらい、ずーーっと「スター」だったわけで。実際にふつーのスターふたり分、そんな人は過去に例がないので感覚的にはふつーのスターの3~4人分は、れおんくんを見てきた気がする。
最初星組に縁遠かったわたしだけれど、苦手トップさんが退団し、ご贔屓が星組に組替えになった、ということで、ご贔屓退団までの数年間と、大好きなトウコちゃんトップ時代は、どっぷり星組観劇した。
ゆえに、ずーーっとスターだったれおんくんのことは、ずーーっと眺めて来た。
そんな歴史を噛みしめつつ、『柚希礼音サヨナラショー』を観た。宝塚大劇場、前楽。
ずっとずっと、「スター」だった。
ずっとずっと、眺めて来た。
なまじ長い間見てきたので、「顔見知りの男の子の成長を眺める、近所のおばちゃんモード」だった。あらまあ、れおんくん大きくなったのねえ、てな。
油断していたから、うっかりときめいた全ツ『再会』は盛り上がったわねえ……隣の席の見知らぬ人と、「ちえちゃんカッコイイ!!」ってきゃーきゃー騒いだっけ。
そのあたりからはもう、れおんくんはほんと名実ともに「スター!!」になっていって。
なんせ、「赤ちゃん時代から知ってる、近所のおばちゃん」をときめかせるんだから、彼の魅力は、本物ですよ。
だがしかし、「近所のおばちゃん」は手強いのだ。
れおんくんとは、距離がある。その距離感ゆえに、「柚希礼音のスター人生を振り返る」内容のサヨナラショーでも、冷静に観劇するのだ。
『太王四神記II』来ると思ったわ、トップお披露目だもん、鉄板よね、とか、『ロミオとジュリエット』は絶対よね、てゆーかこの作品関わったスターはもれなくサヨナラショーに入れてくるよね、ほんといい作品よね、「世界の王」が切ないわ、うわ、『再会』入るのかーー!
とか、ツッコミ入れつつ、ふつうにパフォーマンスを楽しんでいるのよ。
なつかしい曲、なつかしい場面。
ずっと眺めて来た、知ってる知ってる、ずっと、ずっと。
代表作たくさんの人気トップさんのサヨナラショーだもん、盛りだくさんでなんともゼイタクなショーだわ、ありがたいありがたい、観られてよかったー。
れおんくんにもねねちゃんにも、思い出も思い入れもいっぱいある。どいちゃんにも、コロちゃんにも。
だから、彼らの最後の演目「サヨナラショー」を観られてうれしい。
という感覚でいたのに。
後半、本舞台にどっかで見たセットがせり上がって来たとき……反則だ!! と、思った。
サザエさんパロみたいな、「昭和」なお茶の間セット。
お笑い芸人にしか見えない、思い切った姿のベニー。振り切った造形のしーらんとれんた。他の3人に比べてひとりだけふつーなのに、それがおかしいマカゼ。
「ちえちゃん」だ。
れおんくん自身の「小学生の作文ソング」。
ただあたりまえに、ありきたりに、「わたしの家族」という作文を書いた……そんな歌と、その歌をパフォーマンスで表現した場面。
ちょっとやめてよ。ひどいわ。反則よ。
舞台の前方には、「柚希礼音」がいるのよ。
どっから見ても「大スター!!」の、キラキラした男前がいるのよ! 歴史と貫禄背負った、立派なトップスターなんだってば。
やりきって、成し遂げて、今、誇らしく卒業していこうとしているのよ。
その姿に、「ちえちゃん」家族を持ってきますか。
や、あるだろうなとちらりと思ってはいたけれど、思ってるのと実際見るのはチガウから! 破壊力すごいから!
だだ泣きした。
近所のおばちゃんモードで距離感持って、慎ましく観劇していたのに。
号泣するのはほんとのファンの人たちの役目、わたしのような、好きとか愛着程度の者は、観劇出来る幸運に感謝しつつ、エンタメ舞台を平静に堪能するの……って、んなの無理、一気に来た。
愛しい。
この「ちえちゃん」という子が。
「柚希礼音」という、スターが。
まぶしくて、カッコ良くて、素敵で。
そして。
愛しくて、ならない。
……だから「ちえちゃん」は、トップスターなんだね。
たくさんの人に愛されて、愛さずにはいられない、と思わせてしまう、そんなスターなんだよね。
れおんがカッコイイとか素敵とか、そーゆーのを通り越して、なんかもお、愛しくて愛しくてたまらなかったよ。
勘弁してよ、卒業する人にこんなに愛しくなりたくないよ。
ほんとにもう、すごいっすね。
ちくしょー。
観られて良かった。
れおんくんの格好良さだけでなく、愛しさを、最後の姿として、胸に刻めて。
それと。
「ちえちゃん」のおかげで今、過去最大級に、マカゼさんが愛しいです。きゅんきゅんしてます。
割烹着姿で、慈愛の微笑み浮かべてる姿がもう、ハート直撃っすよ……(笑)。
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