助けてヒーロー!~ヒロイン力ゆえに~@ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―
2015年1月26日 タカラヅカ カリオストロのことばかり語ってますが。
『ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―』のヒロイン、マリー・アントワネット@みゆちゃんがかわいい。
タカラヅカには『ベルサイユのばら』という有名作品があって、名前だけは超有名だし、実際大昔は本当に名作だったのだろうけれど、現在現実に在るタカラヅカの『ベルばら』は駄作の中の駄作、物語とも作品とも呼べないようなひどいシロモノで、なかでもキャラクタの人格破壊は凄まじく、アントワネットは「他人から嫌われるための完全装備完了」ってくらい、人間として終わっているレベルのひどい描かれ方をしている。
それを見慣れた目にはもう、同じ元ネタ(歴史上の人物)を使って作られているのが奇跡のように、かわいくいじらしいキャラクタになっている。
お忍びデートで「被害者ぶるのはみっともないぜ」とルパン@ちぎくんに言われたあと、初見時わたし、身がまえたんだ。「だって!」と言い返すアントワネットを想像して。
囚われの塔の上から助け出してくれた王子様に、可哀想なわたしモードで泣き言を口にしたんだよ、優しい言葉を期待してるに決まってるじゃん。なのにまさかたしなめられるなんて……ふつーならここで言い返す、言い訳する。植爺キャラなら間違いなく逆ギレする。
だけどマリーちゃんは、言い返さなかった。言い訳も責任転嫁も、後ろ暗さを隠すために攻撃に転じることもなかった。
「ええ、そうね」とそのまんま受け入れて、消沈する。
なんて、素直な子だろう。
実際、宮廷での態度は大人げなかったし、バカな王妃だったんだろう。でもそれは、本人が認めている通り、無知な子どもだったからだ。未熟さゆえに自分のことで精一杯、周囲を見ることも、他人の立場を想像することも出来なかった。
無知なだけで、邪悪ではない。
無知を恥じることが出来るのだから、変わることも出来るはず。ただ、その一歩を踏み出せずにいるだけで。
新しいことをはじめるには、勇気がいる。めんどくさいだろーしさー、しんどいだろうしさー。やらなきゃいけないとわかっていても、ついつい後回しにしちゃうよね。
そんな風に、もともと善良で、自分がナニをすべきなのか、自分である程度考えて進むべき方向を見つけて、そちらをすでに向いている、ただ、まだ歩き出せずにいる……そんな女の子だったんだな、マリーちゃん。
放っておいても、いずれ自分の力で最初の一歩を歩き出したかもしれない。だけどそれは先のこと、今現在は立ち止まったまま。
そんなマリーちゃんの背中を優しく押したのが、ルパンだ。
なんていうか、すごく「ふつう」なんだ。
18世紀とか王妃とか革命とか、そういう背景があるにはあるが、そこで描かれていることが、「ふつう」……現代モノ。
現代のふつーのドラマみたい。
それが、この作品が「マンガ的」であるということなんだろう。
日本のコミックはすごいよー。どんな時代のどんな世界を舞台にしていたって、ふつーに「現代」の感覚で表現できちゃうんだからね。
小柳タンは当たり前にマンガやアニメやゲームという、「とびきり柔軟な文化」を呼吸して育ってきた作家なんだろうな。
題材がなんであろうとみんな「マンガ」にしてしまう。
今回は『ルパン三世』というアニメが原作だから、小柳タンは正しい。小柳タンのカラーで正しい。
マンガ的な「等身大の女の子、マリー・アントワネット」が正しい。
だからこそ、マリーちゃんはかわいいんだ。
いじらしいんだ。
現代にふつーにいる、ふつーの女の子だから。
彼女のことを、応援したくなる。
みゆちゃんの演じる立体感が好きだ。
脚本に書かれている以上のことを表現する力。
わたしとチャンネルが合うだけなのかもしれないけど、みゆちゃんのアントワネットに、「人生」を感じて泣けるんだ。
彼女の抱えている不安や孤独、この先の運命、全部勝手に受け取って、騒動して、切なくなる。
だから、「一晩だけのデート」で無邪気に笑うマリーちゃんに泣けるんだ。
かわいい。この子かわいい。
この子は、しあわせになってもいいはずだ。しあわせになってほしい。
切なくて、胸が締め付けられて、苦しくて、ルパンを見る。「ヒーロー」である、ルパンを見る。
助けてルパン。
不可能を可能にして。奇跡を起こして。
わたしの願いを受けて、ルパンは動く。
マリーちゃんを助けるために。
歴史を変えて、運命を変えて。
だから、『ルパン三世』。
絶体絶命のピンチを、あざやかにひっくり返す。深刻ぶらずに、軽やかに。
マリーちゃんを助けて、は、観客であるわたしの願い。それを叶えてくれるから、ルパンは物語の中でも、そして、舞台を観ているわたしにとっても「ヒーロー」なんだ。
うあああ、かっこいいーー!
脱出のどたばたは心底いらねーと思うけど、プロット自体は気持ちよく機能してるよなー。
ちぎみゆいいよな。
ちぎくんの少女マンガめいた美貌に、みゆちゃんのヒロイン力は絶大な効果を生む。
これから楽しみだ。
『ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―』のヒロイン、マリー・アントワネット@みゆちゃんがかわいい。
タカラヅカには『ベルサイユのばら』という有名作品があって、名前だけは超有名だし、実際大昔は本当に名作だったのだろうけれど、現在現実に在るタカラヅカの『ベルばら』は駄作の中の駄作、物語とも作品とも呼べないようなひどいシロモノで、なかでもキャラクタの人格破壊は凄まじく、アントワネットは「他人から嫌われるための完全装備完了」ってくらい、人間として終わっているレベルのひどい描かれ方をしている。
それを見慣れた目にはもう、同じ元ネタ(歴史上の人物)を使って作られているのが奇跡のように、かわいくいじらしいキャラクタになっている。
お忍びデートで「被害者ぶるのはみっともないぜ」とルパン@ちぎくんに言われたあと、初見時わたし、身がまえたんだ。「だって!」と言い返すアントワネットを想像して。
囚われの塔の上から助け出してくれた王子様に、可哀想なわたしモードで泣き言を口にしたんだよ、優しい言葉を期待してるに決まってるじゃん。なのにまさかたしなめられるなんて……ふつーならここで言い返す、言い訳する。植爺キャラなら間違いなく逆ギレする。
だけどマリーちゃんは、言い返さなかった。言い訳も責任転嫁も、後ろ暗さを隠すために攻撃に転じることもなかった。
「ええ、そうね」とそのまんま受け入れて、消沈する。
なんて、素直な子だろう。
実際、宮廷での態度は大人げなかったし、バカな王妃だったんだろう。でもそれは、本人が認めている通り、無知な子どもだったからだ。未熟さゆえに自分のことで精一杯、周囲を見ることも、他人の立場を想像することも出来なかった。
無知なだけで、邪悪ではない。
無知を恥じることが出来るのだから、変わることも出来るはず。ただ、その一歩を踏み出せずにいるだけで。
新しいことをはじめるには、勇気がいる。めんどくさいだろーしさー、しんどいだろうしさー。やらなきゃいけないとわかっていても、ついつい後回しにしちゃうよね。
そんな風に、もともと善良で、自分がナニをすべきなのか、自分である程度考えて進むべき方向を見つけて、そちらをすでに向いている、ただ、まだ歩き出せずにいる……そんな女の子だったんだな、マリーちゃん。
放っておいても、いずれ自分の力で最初の一歩を歩き出したかもしれない。だけどそれは先のこと、今現在は立ち止まったまま。
そんなマリーちゃんの背中を優しく押したのが、ルパンだ。
なんていうか、すごく「ふつう」なんだ。
18世紀とか王妃とか革命とか、そういう背景があるにはあるが、そこで描かれていることが、「ふつう」……現代モノ。
現代のふつーのドラマみたい。
それが、この作品が「マンガ的」であるということなんだろう。
日本のコミックはすごいよー。どんな時代のどんな世界を舞台にしていたって、ふつーに「現代」の感覚で表現できちゃうんだからね。
小柳タンは当たり前にマンガやアニメやゲームという、「とびきり柔軟な文化」を呼吸して育ってきた作家なんだろうな。
題材がなんであろうとみんな「マンガ」にしてしまう。
今回は『ルパン三世』というアニメが原作だから、小柳タンは正しい。小柳タンのカラーで正しい。
マンガ的な「等身大の女の子、マリー・アントワネット」が正しい。
だからこそ、マリーちゃんはかわいいんだ。
いじらしいんだ。
現代にふつーにいる、ふつーの女の子だから。
彼女のことを、応援したくなる。
みゆちゃんの演じる立体感が好きだ。
脚本に書かれている以上のことを表現する力。
わたしとチャンネルが合うだけなのかもしれないけど、みゆちゃんのアントワネットに、「人生」を感じて泣けるんだ。
彼女の抱えている不安や孤独、この先の運命、全部勝手に受け取って、騒動して、切なくなる。
だから、「一晩だけのデート」で無邪気に笑うマリーちゃんに泣けるんだ。
かわいい。この子かわいい。
この子は、しあわせになってもいいはずだ。しあわせになってほしい。
切なくて、胸が締め付けられて、苦しくて、ルパンを見る。「ヒーロー」である、ルパンを見る。
助けてルパン。
不可能を可能にして。奇跡を起こして。
わたしの願いを受けて、ルパンは動く。
マリーちゃんを助けるために。
歴史を変えて、運命を変えて。
だから、『ルパン三世』。
絶体絶命のピンチを、あざやかにひっくり返す。深刻ぶらずに、軽やかに。
マリーちゃんを助けて、は、観客であるわたしの願い。それを叶えてくれるから、ルパンは物語の中でも、そして、舞台を観ているわたしにとっても「ヒーロー」なんだ。
うあああ、かっこいいーー!
脱出のどたばたは心底いらねーと思うけど、プロット自体は気持ちよく機能してるよなー。
ちぎみゆいいよな。
ちぎくんの少女マンガめいた美貌に、みゆちゃんのヒロイン力は絶大な効果を生む。
これから楽しみだ。
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