雪組情報に反応。
2014/11/28
2015年 公演ラインアップ【宝塚大劇場・東京宝塚劇場】<7月~10月・雪組『星逢一夜』『La Esmeralda』>


ミュージカル・ノスタルジー
『星逢一夜(ほしあいひとよ)』

作・演出/上田 久美子

バイレ・ロマンティコ
『La Esmeralda(ラ エスメラルダ)』

作・演出/齋藤 吉正

 つい先週、雪のラインアップ発表があったところなので、なんか変な感じ。一緒に出せばいいのに、と思い、一緒だと広告価値がないのでわざわざ1週間空けたんだなと思う。

 そして、思うわけだ。
 わたしはタカラヅカの未来に興味が薄れているのだなと。

 タカラヅカに興味がなくなったわけではなく、毎回わくわくと眺めている。
 だから、興味がうすれたのは「未来」限定だ。

 今までは、先のことが気になってしょうがなかった。次の演目はなんだろう、次にどんなイベントがあってどんな展開があって、それらはご贔屓にどんな関係があるだろう。
 贔屓や担当組に関係なくても、タカラヅカが次にどう出るか、それについてわくわく夢想したり期待したりしていた。
 だから、年間スケジュールを見て「次の公演がいつだから、そろそろこの発表が来る頃かな」と、過去の事例から推察して待ち構えたりした。

 だけど今、わたしが見ているのは「今現在」だけで。
 次の公演がいつだとか、いつ頃になんの発表があるはずとかなくてはおかしいとか、そういうことにアタマが働かなくなっている。
 それで先週、5月の雪組の演目発表になり、へー、もうそんな時期なんだ、と思った。発表するんだ、ふーん、そっかー。だいもん主演うれしいな、楽しみだなー。
 そこで思考は停止、それ以上はない。次の本公演はなんだろう、いつ発表だろう、とは続かない。
 だから今日モバタカメールを見て、首をかしげた。なんの発表? 先週もラインアップ発表してたよね? 大劇場公演??

 現在あるものだけで、思考停止している。
 未来が楽しみでないわけじゃないのに、未来に興味か薄い。

 そのことに改めて、気づかされた。

 で。
 「今現在」「あるもの」だけで満足なわたしは、こうしてまた「今現在」「あるもの」が追加されたので満足です(笑)。

 ウエクミ本公演デビューキターーッ!

 『月雲の皇子』『翼ある人びと』と佳作続きの脅威の新人演出家が、ついに本公演デビュー。
 これは楽しみだー!

 しかし……日本物??

 『月雲の皇子』も舞台は日本だけど、古代は日本物とはちょっとチガウ……中世ヨーロッパ物に通じるカテゴリなんだよね。衣装も王朝云々も。
 タカラヅカで人気がない認識の和物、そのなかでも鬼門なのがちょんまげ物……戦国以降の月代文化。特に、歴史的動乱のない江戸物はストーリーのドラマチックさに欠ける上に、ヅカファンにもっとも求められていないちょんまげ+衣装が地味……ということで、本公演で2ヶ月以上かけて上演するのはスリリング。リスク高い。や、興行収入的に。
 あ、幕末物は動乱の時代、まずスペクタクルな時代ありきだからカテゴリ外ね。

 江戸物が最後に上演されたのっていつ?
 2005年の『長崎しぐれ坂』まで遡る?
 江戸物といっても『長崎しぐれ坂』はタイトル通り長崎の出島が舞台だから、純然たる江戸ちょんまげ物じゃない。
 まともな江戸物って『川霧の橋』とか『天守に花匂い立つ』とか『若き日の唄は忘れじ』とか、そーゆーやつよね?
 『若き日の唄は忘れじ』が最後? 20年前?
 なんでもありーののタカラヅカで、20年クラスで上演されなかったジャンルってのは、そんだけ需要がなかった、大劇場向きじゃないと判断された、ということよね?
 バウホールや全国ツアーでならアリでも、スペクタクル基本の大劇場でやるにはリスクが高い。
 タカラヅカに日本物は必要、伝統だから継承しなければ、残さなければならない、という前提はわかる。わかるけど、難しいことをあえてやるんだなあ。

 つまり。
 久美子先生への、劇団評価の高さが窺える。

 まず日本物を書ける人がいない。そして、日本物でなくても、まともに構成できる人が少ない。
 この2点を、久美子せんせはクリアーしてるってことだ。

 しかし、難題だなあ。
 江戸中期物って、小劇場でしっとり見せるに相応しい題材を、大劇場のキャパと出演者数で、ライブパフォーマンス自体に免疫のない一見客~ディープなヅカヲタまで納得させる作品を製作しなければならないんだよ?
 バウホールで美しい日本物を作っていた大野せんせが、演出で大劇場デビューした『飛鳥夕映え』は平坦で寂しい舞台だった。
 くーみんは最初から大劇向きの空間演出可能なクリエイターだろうか。そうあって欲しい。……古代日本物の大野せんせより、さらにハードル高いけど、がんばれー。

 『月雲の皇子』を観たとき、「これ、大劇場向きじゃん。バウは狭すぎる」と思った。ハコの方が小さい、と感じさせる作家は稀有。
 だから、期待している。
 こんだけむちゃくちゃハードル上げまくった状態で、華麗に成功をおさめてくれ、と。
 デビュー作からめちゃくちゃ難しい題材を選び、成功したその手腕とアグレッシブさに敬意を表して。


 最後に。
 ウエクミ登板はうれしい。心からうれしい。
 唯一引っかかるのは、日本物だということ。
 日本物でさえなければ、新人演出家のデビュー作だろーとなんだーと、ウエクミならうれしかった。
 また、日本物でもウエクミならいいものを見せてくれるだろうとも思っている。
 だから、引っかかるのは「雪組が日本物」という点のみだ。

 先週書いた文章をコピペして、この項を終わる。

 それにしても、雪組は日本物多すぎだわ。「日本物の雪組」ったって、極端すぎるわ。日本物はタカラヅカの伝統、守り伝えてゆかねばならないわけだけど、雪組だけが伝えていっても、それは「雪組が」というだけで、「タカラヅカが」にはならないよ?



 併演のショーについては、雪組サイトーショーは直近がいい思い出ナイので、コメントなし。

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