『白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―』の、素朴な疑問。

 「ヴァーサ王の剣」って、ナニ?

 途中で、なんかすっげー大仰に出て来るから、ナニゴトかと。
 現代物……とは時代的に言わないが、魔法とか超能力とか出て来るファンタジー作品ではないと思って観ていたので、突然「伝説の剣」がばばーんと出てきて、「剣が手に入ったので、すべて問題解決!」となっていて、盛大に置いていかれた。
 伝説の剣には、なにかオールマイティの力が秘められていたの? エクスカリバーみたいに、それを抜くことの出来た人が王の資格を得るとか、そーゆーの?
 そうとしか思えない演出と展開だったんですが。
 もともと王様やってる人が伝説の剣を手に入れても「ソレがナニか?」でしかないと思うんだが……。
 しかも、どうやって見つけたのかもわかんない。クーデター失敗して失意のまま銀橋歌って渡って、本舞台に戻ったら扉があって、開けたらそこに伝説の剣が……!!
 ぽかーーん……。

 ねえねえ、このエピソード、必要なの?

 伝説の剣を手に入れたグスタフは、胸を張って悪党たちの前に、水戸黄門の印籠みたいにかざして見せるんだけど。
 それによって悪役は別に、なんにもなってないよね?
 悪役が失脚したのはあくまでも、不正の証拠を突きつけられたからだし。

 伝説の剣よりも、失意のグスタフが悪役の不正の証拠を手に入れる場面を作るべきじゃあ……?

 んで、結局この剣、ここでばばーんと出ただけで、あとは、存在を忘れられてる。

 なんのためにあったの……?
 ヴァーサ王の剣って、ナニ?

 わかんない……。


 もひとつ、根本的な疑問。

 白夜の誓い、ってナニ?

 なんか誓ってた?

 まず、白夜がわかんない。
 や、言葉としてはわかるよ? 夜でも太陽が沈まない、明るいっていう現象でしょ? 北欧舞台のロマンよね。
 言葉上のことじゃなくて、タイトルにもなっている「白夜」が、作品内でちっとも活かされてないと思うんだ。
 舞台となっているのがフランス、ベルサイユだと言われても違和感なし。「らしさ」がまったくない。
 別に無理矢理お国自慢や観光案内をしろと言っているわけじゃなくて、よりによって「タイトル」にしているわけだから、効果的に使うことは出来なかったのかと。

 で、「誓い」だけど。
 1回観ただけだからか、なんのことかよくわかんない。
 同じく1回観ただけの友人が、「タイトルがおぼえられない」と言っていたのもわかる。タイトルになっているのがなんのことか、わかんないくらいなんだもん。
 このポンコツ海馬で「あれのことかな?」と思い当たるのは、冒頭の少年グスティが「みんなを守る!」と言う……あれ?
 そのあとかなめサマが登場して、主題歌を歌っていた。主題歌で「偉大な王の名に誓おう」とか歌ってるから、やっぱこれが「誓い」ってことか。
 それ以外、なんか誓ってたっけ?
 イザベルを祖国に迎える云々は、フランス留学中に言っていたことだから「白夜」=「スウェーデン」での誓い、ではないよなあ。
 作品中もたしか主題歌歌ってたから、「主題歌を歌う」=「誓い」なのか?

 てゆーか。

 グスタフさん、人望なさ過ぎ。

 どこかでなんか誓ってたっけ? と考えたとき、グスタフさんが「誓い」をたてるほど他人と関わっていないことに思い至る。

 誓いってさあ、自分の心に、って場合ももちろんアリだけど、他人の前で宣言しないか? 『白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―』ってタイトルで、まさか誓いを口に出来る相手もいないとは、思わなかったよ……。

 少年グスティは親友のヤコブやじいやの前でそう宣言したのかもしんないけどさー、子ども時代はノーカウント、大人になってから、本編になってから、グスタフさん、誰ともまともに関わり合ってないんだもん……。
 クーデターやりましょ、な仲間たちのことだって、十把一絡げ扱いしかしてないし。
 ヤコブが親友なら、もっと親友らしく描くべきだし、妻のソフィアを同志と受け入れたなら恋愛じゃなくても国を守る上での親愛を明かすべきだし、イザベル@うららに心を残しているなら彼女への思いを明かす場面を作るべきだし……。

 「主題歌を歌う」=「誓い」。
 ひとりで主題歌歌って、ひとりで誓う。
 ザ・自己完結。

 どんだけ「偉大な王~~、ららら~~♪」と持ち上げたところで、こんな人、ちっともえらく見えない。
 ただの残念な人ですよ……。

 てことで、タイトルのはずの「白夜の誓い」がなんのことか、わたしにはわかんない……。
 もう1回観たらわかるのかな。ヴァーサ王の剣の謎も?

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