新しくはじめるために。@第二章
2013年10月3日 タカラヅカ 泣けるなんて、聞いてないよ!!
『第二章』初日、なーんんにも知らないまま客席に坐りました。
『おかしな二人』がそうだったから、今回もコメディなんだろうなあ、と漠然と思いつつ。
幕が開く前に、出演者たちの歌声が流れるのも『おかしな二人』と同じ。ストレートプレイだと、今回は前もって聞いているし、うんうん、『おかしな二人』と同じテイストなんだろうな。
幕が開けば、やっぱりコメディらしいテンポと台詞の応酬。
妻を亡くして落ち込んでいるジョージ@トドロキに、弟のレオ@エマさんは次々と女性を紹介、新しい人生をスタートさせようとする。その女性たちの中に、バツイチ女優ジェニファー@ねねちゃんがいた。
離婚したばかりのジェニファーも、亡き妻を忘れたくないジョージも、新しい出会いだの恋だのをしたいわけじゃないから、レオのセッティングは拒否……しかし偶然関わり合い、惹かれ合う。
ふたりはあっちゅー間に燃え上がり、あっちゅー間に再婚。ラヴラヴ新婚生活スタートかと思いきや、ジョージの心の傷は深くて……。
2幕途中から、泣きっぱなし。
気持ちよく笑ってほっこりするつもりでいたから、ハンカチ用意してませんがな!! ちょっとの涙ならともかく、滝のように泣けるとか、想定外過ぎて消耗した(笑)。
コメディだと思って観ていたから、最初ちょっと嫌だったの。
人の「死」を笑いのネタにしているのが。
妻を亡くして落ち込んでいるジョージを、滑稽に描いてあるのが。
悲劇をあえて軽く明るく描くのはアリだし、レオが兄のためにことさら軽くふるまっているのもわかる。……わかるけど、わたしの好みの笑いではなかった。
このまま進むと嫌だなと思った。なにしろ演出家が石田なので、わたしの逆ツボを突いてくるかもしれない。どうしても生理的に、本能的に許せないことを「笑い」にするかもしれない。……基本イシダせんせ苦手なので、構える構える(笑)。
わりと「嫌」と思うことも散りばめられていたんだ、1幕。
そのへんは「仕方ない」と自分をなだめていた。わたしはアメリカさんと趣味が合わなくて、アメリカさんの喜劇が笑えない、むしろ腹が立つことが多々ある。感覚が違うのだから仕方ない、そこはこちらが理解して観なくては。
だから1幕は「世界観に、自分を馴らす」「こーゆーもんなんだと納得する」ことに、神経を使った。
異文化を拒絶する気はない、そこに入ってはじめて楽しめるモノがある。だから、そこへ入るように努力する。
ふつーの人は無意識に入れるのだろうけど、アタマが固い上にどんくさいわたしは、意識して務める必要がある。
そうやって、まず世界観に馴染んで、受け入れて、2幕へ。
たしかにコメディで、解説文にそうあるのは間違いじゃないけど、やっぱ前作とは色の違う作品で。
恋愛がテーマだからというより、人の死を扱っているからかな。
愛も死も、ただそこに「在る」もので、誰も避けては通れない。
その「在る」ものと、どう対峙するのか。それを独自の方法で切り取った作品。
人生は、やるせないやね。
特別どうとかナニとかじゃなく、ただ、「生きる」という、わたしたちがふつーにやっていること、それはこんなにやるせないものなんだ。
笑って愛して笑って楽しんで、泣いて、泣いて、泣いて、切ないキモチで生きる。
悲しいから、切ないから、人生は、そして人間は、愛しい。
ひとりでハッピーなだけなら、それで完結しているなら、誰かと寄り添いたいとは思わないし、握る手が必要だとも思わないだろう。悲しいから、傷があるから、他人のぬくもりがうれしいし、他人の傷も理解出来る。
ままならないことばかりで、愛があろうとなかろうと、他人はもちろん自分の心すら思うようにはならなくて、傷つくばかりで、それでも。それでも、人生は愛しく、人間は愛しい。
どったんばったんもつれるジョージとジェニファーが、愛しくてならない。
夢の世界だとか、うっとりするような恋愛じゃない、痛い部分を持ったカップル。
その痛さを持ったままで、しあわせになって欲しいと思う。拳を握る。
いやあ、いいもん観たー。
気軽に楽しく過ごせればいいやと、濃密な演技空間による笑いを作り上げてくれた『おかしな二人』再びだと、そう単純に思い込んでいたから、ベクトルの違いにびびったけど。
やはり、濃密な演技空間ゆえに、魅せてくれたわー。
で、作品に入り込んでいたから、幕が下りたあと突然はじまる歌謡ショーにびびったわー(笑)。
知ってたのに。『おかしな二人』と同じなのに。
なのにやっぱり、驚いた。うわっ、と。
通路際だったので、わかばちゃんじっくり見れました。お人形さんみたいニャ。
反対側通路のエマさんのヒゲには、ちょっとあとから気づいた。何故ヒゲ!と。ああ、谷村新司か!と。
そして、「ねね様」登場にテンション上がりまくり!
マジ客席から歓声上がるし。や、あれは声出る、自然現象。
てゆーか曲が「失格」て!!(笑) イシダ……!!
ひさしぶりにカラオケ行きたくなるじゃないですか。「失格」もだけど、「永遠のパズル」を熱唱するのがあのころのパターンだったなあ、と青春時代を振り返ってみる(笑)。照れを捨ててなりきり熱唱が楽しい橘いずみ。「わかってる、よくわかってる、でも、できなーーーーいっっっ♪」(笑)
楽しくて、胸の奥がしゅっぽしゅっぽアツくて、頬が紅潮したまま劇場を出た。
だけどなんだか切なくて、悲しくて、いつまでも涙が出た。いやその、歩きながら泣かないように必死でしたよ、んなの変な人過ぎる。
あーーー、いいもん観たなー。
トド様好きだなー。
タカラヅカ好きだなー。
そう思えた。
『第二章』初日、なーんんにも知らないまま客席に坐りました。
『おかしな二人』がそうだったから、今回もコメディなんだろうなあ、と漠然と思いつつ。
幕が開く前に、出演者たちの歌声が流れるのも『おかしな二人』と同じ。ストレートプレイだと、今回は前もって聞いているし、うんうん、『おかしな二人』と同じテイストなんだろうな。
幕が開けば、やっぱりコメディらしいテンポと台詞の応酬。
妻を亡くして落ち込んでいるジョージ@トドロキに、弟のレオ@エマさんは次々と女性を紹介、新しい人生をスタートさせようとする。その女性たちの中に、バツイチ女優ジェニファー@ねねちゃんがいた。
離婚したばかりのジェニファーも、亡き妻を忘れたくないジョージも、新しい出会いだの恋だのをしたいわけじゃないから、レオのセッティングは拒否……しかし偶然関わり合い、惹かれ合う。
ふたりはあっちゅー間に燃え上がり、あっちゅー間に再婚。ラヴラヴ新婚生活スタートかと思いきや、ジョージの心の傷は深くて……。
2幕途中から、泣きっぱなし。
気持ちよく笑ってほっこりするつもりでいたから、ハンカチ用意してませんがな!! ちょっとの涙ならともかく、滝のように泣けるとか、想定外過ぎて消耗した(笑)。
コメディだと思って観ていたから、最初ちょっと嫌だったの。
人の「死」を笑いのネタにしているのが。
妻を亡くして落ち込んでいるジョージを、滑稽に描いてあるのが。
悲劇をあえて軽く明るく描くのはアリだし、レオが兄のためにことさら軽くふるまっているのもわかる。……わかるけど、わたしの好みの笑いではなかった。
このまま進むと嫌だなと思った。なにしろ演出家が石田なので、わたしの逆ツボを突いてくるかもしれない。どうしても生理的に、本能的に許せないことを「笑い」にするかもしれない。……基本イシダせんせ苦手なので、構える構える(笑)。
わりと「嫌」と思うことも散りばめられていたんだ、1幕。
そのへんは「仕方ない」と自分をなだめていた。わたしはアメリカさんと趣味が合わなくて、アメリカさんの喜劇が笑えない、むしろ腹が立つことが多々ある。感覚が違うのだから仕方ない、そこはこちらが理解して観なくては。
だから1幕は「世界観に、自分を馴らす」「こーゆーもんなんだと納得する」ことに、神経を使った。
異文化を拒絶する気はない、そこに入ってはじめて楽しめるモノがある。だから、そこへ入るように努力する。
ふつーの人は無意識に入れるのだろうけど、アタマが固い上にどんくさいわたしは、意識して務める必要がある。
そうやって、まず世界観に馴染んで、受け入れて、2幕へ。
たしかにコメディで、解説文にそうあるのは間違いじゃないけど、やっぱ前作とは色の違う作品で。
恋愛がテーマだからというより、人の死を扱っているからかな。
愛も死も、ただそこに「在る」もので、誰も避けては通れない。
その「在る」ものと、どう対峙するのか。それを独自の方法で切り取った作品。
人生は、やるせないやね。
特別どうとかナニとかじゃなく、ただ、「生きる」という、わたしたちがふつーにやっていること、それはこんなにやるせないものなんだ。
笑って愛して笑って楽しんで、泣いて、泣いて、泣いて、切ないキモチで生きる。
悲しいから、切ないから、人生は、そして人間は、愛しい。
ひとりでハッピーなだけなら、それで完結しているなら、誰かと寄り添いたいとは思わないし、握る手が必要だとも思わないだろう。悲しいから、傷があるから、他人のぬくもりがうれしいし、他人の傷も理解出来る。
ままならないことばかりで、愛があろうとなかろうと、他人はもちろん自分の心すら思うようにはならなくて、傷つくばかりで、それでも。それでも、人生は愛しく、人間は愛しい。
どったんばったんもつれるジョージとジェニファーが、愛しくてならない。
夢の世界だとか、うっとりするような恋愛じゃない、痛い部分を持ったカップル。
その痛さを持ったままで、しあわせになって欲しいと思う。拳を握る。
いやあ、いいもん観たー。
気軽に楽しく過ごせればいいやと、濃密な演技空間による笑いを作り上げてくれた『おかしな二人』再びだと、そう単純に思い込んでいたから、ベクトルの違いにびびったけど。
やはり、濃密な演技空間ゆえに、魅せてくれたわー。
で、作品に入り込んでいたから、幕が下りたあと突然はじまる歌謡ショーにびびったわー(笑)。
知ってたのに。『おかしな二人』と同じなのに。
なのにやっぱり、驚いた。うわっ、と。
通路際だったので、わかばちゃんじっくり見れました。お人形さんみたいニャ。
反対側通路のエマさんのヒゲには、ちょっとあとから気づいた。何故ヒゲ!と。ああ、谷村新司か!と。
そして、「ねね様」登場にテンション上がりまくり!
マジ客席から歓声上がるし。や、あれは声出る、自然現象。
てゆーか曲が「失格」て!!(笑) イシダ……!!
ひさしぶりにカラオケ行きたくなるじゃないですか。「失格」もだけど、「永遠のパズル」を熱唱するのがあのころのパターンだったなあ、と青春時代を振り返ってみる(笑)。照れを捨ててなりきり熱唱が楽しい橘いずみ。「わかってる、よくわかってる、でも、できなーーーーいっっっ♪」(笑)
楽しくて、胸の奥がしゅっぽしゅっぽアツくて、頬が紅潮したまま劇場を出た。
だけどなんだか切なくて、悲しくて、いつまでも涙が出た。いやその、歩きながら泣かないように必死でしたよ、んなの変な人過ぎる。
あーーー、いいもん観たなー。
トド様好きだなー。
タカラヅカ好きだなー。
そう思えた。
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