作品のことはともかくとして、宙組『風と共に去りぬ』のキャスト中心感想。
 複数回観る予定なので、初日・初見感想を残しておかなければ、上書きされちゃう。

 まずは主役、レット・バトラー@かなめくん。
 ポスター見たときはテンション上がった、かかかかっけー!! 十三駅の『風共』ポスターずらりコーナーを歩くの大好きだ、かなめ様が美しくてかっこよくて上から目線で、きゃーきゃーな気持ちになる。

 が。
 実際にバトラー船長が銀橋に現れたときの「コレジャナイ感」を、どうやって伝えよう……。

 外見も声も存在感も濃さも、なにもかもが「レット・バトラ-」ぢゃない……。

 かなめくんは美しい。彼単体が美しいことは承知しているけど、彼の「美しさ」は、わたしが思うレット・バトラーではなかった。

 ほらわたし、トド様ファンだから。
 年期入ってるから。
 「バトラーはトド様の役よ、トド様以外のバトラーなんか認めないわ、ふんっ」てな意識に凝り固まってるアッタマ悪い人なのよ、きっと。
 自分の先入観で、目の前のモノが正しく観られないのね。

 終始違和感大きくて。

 バトラーはこんなに背が高くないわっ、こんなに手足長くて小顔のイマドキのにーちゃんじゃないわっ、こんなに甲高い細い声じゃないわっ、こんなに若くてへにゃへにゃしてないわっ、……と。
 んまあ、どこの小姑!ってくらい、外側から「コレジャナイ」としか思えなくて。

 よーするにアンタ、トド様バトラーがいい、って言ってるよーもんじゃないの。それ以外嫌だって言ってるよーなもんじゃないの。
 我ながらつまらない見方だわ。

 自分で自分に突っ込むけれど、初日は大半がその違和感と戦うだけで終わりました。

 わたし的にバトラーは、小男で頭部がでかくて声がドス太くてニヤニヤいやらしい、おっさんなのよ。
 そして、彫刻のような顔で、スーツの着こなしと所作が美しい人なのよ。
 腰が据わっているというか、低い重心で揺るぎない存在感を出す人なの。

 ポスターの足長バトラーはほんと素敵だったんだけどなあ。

 芝居も後半になれば大分「こーゆーもん」と慣れてきたので、次に観に行くときは大丈夫だと思う。
 たぶん。


 ヒロイン、スカーレット@まぁくん。
 「これぞスカーレット・オハラ」という、緑のリボンと白いドレスを着て登場。

 背が高くて、スタイルが良い。
 それは知ってる。
 実際、知っている通りだった。
 背が高くてスタイルの良い……とても特徴的な顔立ちの、まぁくん。
 まぁくんそのまま。
 そのままのまぁくんが、ドレス着て歌ってる……。

 お色気ジャッキー@『ME AND MY GIRL』の方が、曲線を作り込んだりシナを作っていたりした分、「役」を感じられた。
 しかし今回はただ、まぁくん……。

 周囲に男役を侍らした、いつもの花男まぁくんがいますよ。
 たしかにすらりとしているけど……女性らしいまろやかさのない体型に、美人とは言いがたい個性的なお顔……。

 大丈夫なんだろうかこれ。
 そう思うはじまり方だった。
 けど。

 観ているうちに、んなこたぁーぜーんぜん、関係なくなった。
 スカーレットが、チャーミングだ。
 わがままなカンチガイ女だけど、彼女はなんとも憎めない、かわいい女性だ。

 オープニングの「いかにもスカーレット」という白ドレス以外は、似合っていたし。
 美貌のバトラーと並んでもちゃんとお似合い。

 最初、「まぁくんまんまやん。これでいいの?」と首をかしげた、それがどんどん良い方向へ転がっていく。
 ナニゴトも体当たりでブレーキのない暴走車スカーレットが、がむしゃらなまぁくんまんまの姿として、立体感を増す。
 欠点もあるけれど、それらを吹き飛ばす華と輝き。かわいい。このひと、かわいいわ。好きだわ。そう思える女性。
 観ながら、拳を握っているの。スカーレットを応援しているの。彼女の人生に感情移入しているの。

 やっぱ『風と共に去りぬ』って物語は、スカーレットという主人公は、パワーを持っているなあ。


 ところでスカーレットII@せーこちゃん。
 まぁくんと、似てる!!
 これには、驚いた。

 せーこちゃんもまぁくんも「カエル顔」という意味では、同カテゴリの顔立ちだ。
 だけど今まで、ふたりが似ているなんて思ったことがなかった。
 しかし、「私とアナタは裏表♪」とやっている姿は、すげー説得力のある相似形。

 いいなー、これ。
 こんなに似てるふたりが「裏表」やってるのって!

 まぁくんの歌が大変なことになってるので、せーこちゃんが頼りだ! 正しい音を探して右往左往しているまぁくんの歌声を、せーこちゃんが力尽くで支えてた。
 頼もしいぜ、89期!


 ヲヅキさんが、女だった。

 す、すみません、ヲヅキさんが女の人みたいなことしてます、動揺しまくりです。

 ベル@ヲヅキ、もちろん配役は知っているし、最初に出てきたときに「おおっ」とは思うけれど想定内のビジュアルだった。

 いちばんびびったのは、歌だ。

 ヲヅキさんが、歌が得意でないことは知ってる。
 だから、歌自体に驚くことはない。
 雪全ツのベル@五峰ねーさんに対し、「う、歌うの?!」とびびった、あの比ではない。

 そーゆー意味ではなく、ただもう純粋に。

 歌「声」に、驚いた。

 顔はヲヅキ。
 ヲヅキさんのすごいところ、男なのに女役をやっていてもまったくブレることなくヲヅキ。性別関係ないわこの人。ただ「役者」だと思える。
 その、「見慣れたヲヅキの顔」なのに、そこから聞こえる歌「声」は。

 知らない人の声だ。

 喋っている声は知ってる声なのに、歌声は知らない声!!

 ふつーに女の人の声だ!!

 びびびびっくりしたー。びびったー。
 今回の『風共』のいちばんの衝撃。
 歌うヲヅキ(女)。

 ヲヅキって女だとこんな声なんだ!! うわーー。

 ただもう衝撃が大きすぎて、いいも悪いも好きも苦手もない。
 ヲヅキが別人の声で歌ってるー。うひょー。

 歌はともかく。

 芝居は好きっす。
 ヲヅキやっぱ芝居の人だ。このベル好きだ。これぞベル・ワットリングだ。

 ヲヅキが演じると、血が通うというか、肉が感じられるというか、質感があっていいよなあ。
 いい女だわ、ベル。
 バトラーといちゃついてるとこ、もっと見たいっすよ。(ただのテルキタ厨発言)

コメント

日記内を検索