意外な「愛」のあるところ。＠新人公演『ルパン －ARSÈNE LUPIN－』

　ルパンとカーラのラブストーリーだった。
　……ことに驚いた、新人公演『ルパン －ARSÈNE LUPIN－』。

　実は他にも、「愛」があって驚いた。

　ルブラン＠ゆうまくんが、ルパン＠たまきちを、好きだった。

　いやあこれ、素直に意外でした。
　ルブランはルパンに惚れ込んで伝記を書こうとしているわけだから、そこに愛情が見えても不思議はない。
　不思議はないけど、本公演の印象もあり、「あ、好きなんだ」と意外に受け止めた。

　ルブランが邪魔な役というか、「いなくていいよ、いやむしろいなくなってくれ」というキャラクタであることは変わらない。
　誰がやってもそうなんだろう。ほんと、不要な役だから。

　だけど、距離感の問題かな、本公演ほど「邪魔！！」「作品を壊している！」とは思わなかった。
　ルパンとの心の交流が見えるからかな。
　ルブランがルパンを好きなのがわかるし、ルパンもルブランに好意を持っているようだ。
　また、ルブランは悪目立ちしていない。本役ほど存在感がない、ということだが、この役はそれくらいの方がいい。

　好きとか好意とかいっても、必要以上に「ラ～ヴ！」とかべたべたしたものじゃないのな。
　さらりと「あ、好きなんだ」と気づかされる温度感と距離感が良かったんだと思う。

　みっちゃんと比べられるとそりゃすべてにおいて足りない部分が目立つんだけど、それでもよくやっていたなという印象。
　銀橋ソロも堂々たるもんだ。つか、「楽しそう」なのがいい。
　わたし的にいちばん残念なのは「声」かなあ。歌ウマなんだけど、声が軽すぎて感動につながりにくいっす……。

　二枚目でありつつ「愛らしさ」のある感じは、ゆうまくんの武器、魅力だなあと思う。

　なんか新公を観て、しみじみと「ルブラン」という役の難しさを考えちゃったよ……。なんでこんな役を作ったんだ、正塚。『La Esperanza』のミサノエールのポジションなんだろうけどさ……いくらミサノエールがもういないからって。


　必要以上に「ラ～ヴ！」というか、「なんでこんなことに？！」と二度見しちゃったのは、別の役。
　ええ、ルパンとカーラ、ルパンとルブラン以外にも、愛の見える人がいました。

　ドナルド・ドースン＠蓮つかさくん。

　誰？です。
　わたしはまったくノーマークの知らない男の子でした。
　メガネの似合う知的な美貌。
　うまいわけじゃないけど、まあふつうにはやっているんじゃね？　くらいの認識で眺めていた。

　てゆーかカーラの４騎士、ルパン以外は美形揃いですがな。（たまきちごめんよ）
　ドースン＠蓮くん、ヘアフォール伯爵＠あーさ、ウィリアム・ロッジ＠星那くん。美形が３人いつも一緒で、まぶしいですわ。
　３人の中でひとりだけ知らない子が、蓮くん。あとから知ったさ、９７期研３。……研３？！　そりゃ知らんわ、うまくなくても当然だわ、あの程度動けて喋れてりゃ十分だわ。

　まあその「知らないけど新公だしまあこんなもんでしょ」と思って眺めていたきれいな男の子が。

　ドースンの見せ場、クライマックスのルパンと対峙する場面にて。

　えらい勢いで、ルパンにラブコールをはじめた。

　ちょ……っ(笑)。
　ドースンはルパンに「仲間になれ」と誘うわけなんだが……ここが、なんかえらいことに。
　にーちゃんにーちゃん、それチガウから、仲間として口説いてない、にーちゃん自身が愛の告白してるってばよーー！！

　変に色気のある場面になっていて、ウケた(笑)。

　本役さんでは一切感じたことのない展開ですよ。
　なんでそんなスイッチが入ってしまったのか、そういう芸風なのか、今後チェックしてみようと思います、蓮くん。

　ドースンさんに熱烈に、しかもなんかエロく口説かれつつ、びくともしないルパンさんの骨太さも良かったです。
　だからこそなおエロくなってて、良かったです。

　新公ルパンってばモテモテでした。
　カーラに愛され、ルブランさんに愛され、ドースンさんにまで愛されてたよ。
　ヘアフォール伯爵にも期待したんだが、彼はどうもノンケのようで、えらくニュートラルで、そこは残念だった(笑)。←ヲイ