今回の『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』で、わたしがもっとも嫌いな台詞は、間違いなく「ガンジガラメ」だわ。
この台詞を生み出したのは、植爺なんだろうか。それともスズキくんなんだろうか。
この言語センスと使い方に、絶望する。
カタカナ表記は「ル・サンク」にそう書いてあるから。カタカナで書かれているのを見て、ぞっとした。わたし、こういうカタカナ表記嫌い(笑)。
これは個人の好みの問題だけど、カタカナにすることで一種のユーモアを醸し出そうとしている感じが、すごく嫌。や、好みの問題ですよ、くり返しますけど。目的を持ってあえてカタカナ表記することはわたしだってもちろん、手法として使うけれど、この文脈で使う、今回のカナっぷりは、ほんとに嫌。わたしは、嫌い。
第1幕
第6場 ベルサイユ宮殿
幽霊の噂を口にする近衛兵たち。それは王妃と逢瀬を重ねるフェルゼンの姿が見とがめられているのではないか。
という話の流れなのに、オスカルは登場するなりKYに、
オスカル「ジェローデル。ご苦労…」
ジェローデル「隊長」
オスカル「昼間は王宮の儀式や典礼にガンジガラメ。そして夜は夜で警護の役目…。まったく平民たちとの紛糾が各地で起こっているというのに…こんなことでいいのか?」
アンドレ「オスカル!」
オスカル「こうして王宮の守護をすることが果たしてフランスのためになっているのだろうか? 一握りの貴族のために役目を忠実に果たすことがフランスのためなのだろうか?最近疑間に感じているのだ」
アンドレ「オスカル! こんな場所でなんということを言うんだ」
オスカル「心配するな。分かっているよ」
という話をおっぱじめた。
家族やアンドレの前で言うならともかく、ジェローデルの前で、仕事をそっちのけにして愚痴り出す……どんだけ無能なの、この隊長。
2006年版では、王制批判と取れそうなことを他人(ジェローデル)がいる場では言っていない。
しかも、ええ、最悪な単語「ガンジガラメ」ですよ。何故ここでオスカルがこの単語を口にするのかがわからない。
ルイ16世が「しきたりにガンジガラメ」と言うのはわかる。使い方がおぞましいだけで、彼が使うのはありだと思う。
しかしそれなら、何故オスカルごときに同じ単語を使わせる?
国王陛下だけの「特別」な立場を表す単語のはずなのに、臣下のオスカルが使うことで単語の価値を落としている。
ルイ16世だけが特別に不遇なのではなく、王宮にいる人は全員同じ、ルイ16世は臣下と同じ。
すべての人がなにかしら思い通りにいかないものにガンジガラメになっている、という象徴的な使い方をしているわけでもない。
ルイ16世もオスカルも、同じことを言っているだけ。「宮廷のしきたり」という、目に見える、とても安いものについて。
だからオスカルがルイ16世と同じ単語を口にするのは、ルイ16世の立場や悩みを「安っぽい」ものと貶める効果になっている。
脚本を書いた者がバカだとしか、思えない。
ルイ16世にあの会話の流れで言わせて「ルイ16世は無能な卑怯者」と印象づけさせ、さらにオスカルに同じ台詞を言わせて「ルイ16世は特別でもなんでもない、みんなと同じ」と貶める。
脚本家が、さもいいことを思いついたかのように、うれしげに何度も書き加えている、ように思える。
無用で有害なだけの台詞を。
その無能さ、無神経さが、わたしの逆ツボを直撃する。だから今回、「ガンジガラメ」という単語が大嫌い。いちばん嫌い。
この台詞を生み出したのは、植爺なんだろうか。それともスズキくんなんだろうか。
この言語センスと使い方に、絶望する。
カタカナ表記は「ル・サンク」にそう書いてあるから。カタカナで書かれているのを見て、ぞっとした。わたし、こういうカタカナ表記嫌い(笑)。
これは個人の好みの問題だけど、カタカナにすることで一種のユーモアを醸し出そうとしている感じが、すごく嫌。や、好みの問題ですよ、くり返しますけど。目的を持ってあえてカタカナ表記することはわたしだってもちろん、手法として使うけれど、この文脈で使う、今回のカナっぷりは、ほんとに嫌。わたしは、嫌い。
第1幕
第6場 ベルサイユ宮殿
幽霊の噂を口にする近衛兵たち。それは王妃と逢瀬を重ねるフェルゼンの姿が見とがめられているのではないか。
という話の流れなのに、オスカルは登場するなりKYに、
オスカル「ジェローデル。ご苦労…」
ジェローデル「隊長」
オスカル「昼間は王宮の儀式や典礼にガンジガラメ。そして夜は夜で警護の役目…。まったく平民たちとの紛糾が各地で起こっているというのに…こんなことでいいのか?」
アンドレ「オスカル!」
オスカル「こうして王宮の守護をすることが果たしてフランスのためになっているのだろうか? 一握りの貴族のために役目を忠実に果たすことがフランスのためなのだろうか?最近疑間に感じているのだ」
アンドレ「オスカル! こんな場所でなんということを言うんだ」
オスカル「心配するな。分かっているよ」
という話をおっぱじめた。
家族やアンドレの前で言うならともかく、ジェローデルの前で、仕事をそっちのけにして愚痴り出す……どんだけ無能なの、この隊長。
2006年版では、王制批判と取れそうなことを他人(ジェローデル)がいる場では言っていない。
しかも、ええ、最悪な単語「ガンジガラメ」ですよ。何故ここでオスカルがこの単語を口にするのかがわからない。
ルイ16世が「しきたりにガンジガラメ」と言うのはわかる。使い方がおぞましいだけで、彼が使うのはありだと思う。
しかしそれなら、何故オスカルごときに同じ単語を使わせる?
国王陛下だけの「特別」な立場を表す単語のはずなのに、臣下のオスカルが使うことで単語の価値を落としている。
ルイ16世だけが特別に不遇なのではなく、王宮にいる人は全員同じ、ルイ16世は臣下と同じ。
すべての人がなにかしら思い通りにいかないものにガンジガラメになっている、という象徴的な使い方をしているわけでもない。
ルイ16世もオスカルも、同じことを言っているだけ。「宮廷のしきたり」という、目に見える、とても安いものについて。
だからオスカルがルイ16世と同じ単語を口にするのは、ルイ16世の立場や悩みを「安っぽい」ものと貶める効果になっている。
脚本を書いた者がバカだとしか、思えない。
ルイ16世にあの会話の流れで言わせて「ルイ16世は無能な卑怯者」と印象づけさせ、さらにオスカルに同じ台詞を言わせて「ルイ16世は特別でもなんでもない、みんなと同じ」と貶める。
脚本家が、さもいいことを思いついたかのように、うれしげに何度も書き加えている、ように思える。
無用で有害なだけの台詞を。
その無能さ、無神経さが、わたしの逆ツボを直撃する。だから今回、「ガンジガラメ」という単語が大嫌い。いちばん嫌い。
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