人生はわからないけど一代記。@フォーエバー・ガーシュイン
2013年6月7日 タカラヅカ キキくん、仙名さん、初バウ主演・ヒロイン、おめでとー!
ってことで、初日から駆けつけました、『フォーエバー・ガーシュイン』。
ストーリーはタイトルまんま、天才作曲家ガーシュインさんの一代記。それをショー仕立てに盛りました、てな。
新人演出家・野口幸作せんせのデビュー作。
タカラジェンヌは10年前後の寿命しか持たないはかない妖精だけど、演出家はそうじゃない。50年60年、植爺のしがみつき方を見ると、へたすりゃ一生夢の園にいる。
だからある意味、新進スターの初主演、より、新人演出家のデビュー作には興味がある。重い意味がある。
生田せんせや上田せんせなど、将来が楽しみな若手演出家がデビューしているのだから。
んで、今回の野口せんせのデビュー作。
感想は、「最近の若い演出家は、小器用にまとめてくるなあ」でした。上からな物言いで申し訳ないが、ナニサマお客様、ってことで。
この「小器用」っていうのは、舞台技術のことではなくて、なんていうか、処世術?
原田せんせ『Je Chante』、田渕せんせ『Victorian Jazz』に共通する「小器用さ」。
とりあえずタカラヅカっぽいショー場面をふんだんに取り入れ、たくさん画面に生徒を出しておけば場が持つ、っていうか、ヅカヲタを目くらましできる、というか、そーゆー姿勢?
若手スターのバウ公演、しかも初主演だったら、客席にいるのはファンばかり、主役として出番がたくさんあっていろんな衣装を着て、たくさん歌って喋ってくれれば、もうそれだけで目はハート、「名作だわ!!」と興奮する。
そこを突いて、つか、それだけしかなくて、終了、絶賛されてヨカッタヨカッタ。
……みたいな?
原田くんの『Je Chante』はストーリー自体ぶっ壊れていて目も当てられなかったけど、タカラヅカ的な「お約束」に満ち……つーか、どっかで見た「お約束」を観客が無意識に脳内補完するから、出演者のファンたちはなんかいいものを観たような気分になれたし、田渕せんせの『Victorian Jazz』もストーリーはおかしかったけれど、主演の力業とミュージカル万歳を前面に押し出していたから、なんか名作っぽい錯覚を味わえた。
それと同じで、今回の野口くんも、ストーリーは壊れる以前、物語になってねえよ、だけど、ショー場面がやたら多いから、そこだけを楽しむ分にはよかった。
わたしは花組スキーで、出演者たちの顔と名前が少しはわかっていて、「あの子がこんなところに出ている」とわくわくできる。
だから、その一点でのみ、楽しかった。
……でもこれ、リピートはつらいやろ……。
好きな子が出てる、がんばっている、それを愛でるのが楽しい、だけじゃ、子どもの運動会ビデオと同レベルの意義……。
ガーシュインさんの一代記、のわりに、ガーシュインさんがどんな人なのか、さっぱりわからない。
ケイ@仙名さんのことどう思っていたのか、実際どんな関係だったのか、愛についても音楽についても、それで結局ナニがしたかったのか、伝わってこないってナニゴト。
ヒロインとの関係がその程度の描かれ方であるだけに、他の人物との関係も推して知るべし。
やたら「夢」を口にするけど、ナニを夢見ているのかはよくわかんないし。
ハンパに史実重視で、ただの出来事箇条書きで、「ガーシュインさんの人生」はさっぱり見えない。
『Je Chante』は壊れまくっていたけど、『フォーエバー・ガーシュイン』は壊れるとこまで行ってない、だってまずなにも組み立てられてない。素材をずらりと並べてあるだけ。
……どっちがマシなのかは、よくわかんない。
2番手がオイシイ、ってことなら、『Je Chante』に軍配が上がるなー。
てゆーか、あきらの扱い、あれナイよね?!
「主な配役」として先に発表されたから、重要な役だと思ったのに。いてもいなくてもいい役だとは思わなかったニャ。
ふつー不倫三角関係ものっていったら、ヒロインの旦那は大きな役だと思うんだけど、なにしろケイが何故ジェームズ@あきらと結婚したのかわからないし、結婚後の行動も謎だし、ジェームズはガーシュインさんのライバルにも障害にもなってなかった。
「心」がなければ、恋愛は成立しない。
ガーシュインさんには、致命的にソレが欠けているので、彼の行動も人生も意味不明。「ナニがしたかったんだろう?」になる。主人公がソレだから、彼に関わった人すべてが「ナニがしたかったんだろう?」になる。
まあ、そういう話でした、『フォーエバー・ガーシュイン』。
ラストは「これってキキくんの退団公演だったのか」と驚愕したし。
……やめないよね? これからなんだよね? そのかの『Dancing Heroes!』みたいな位置づけじゃないよね? あれくらい、退団色全開の演出されてたけど。退団でなかったらただの悪趣味、てな意味のない演出。
キキくんは歌も芝居もダンスも、うまいわけではないんだなとしみじみ思ったけれど、それでもキラキラしたスターさんでした。
あの素直な笑顔、持ち味は愛すべきキャラクタ。
仙名さんは初ヒロインは思えない安定ぶり(笑)。
おかしいなあ、『EXCITER!!』でデザイナー@はっちさんのアシスタント役、あんなにかわいこちゃんだったのに、あーゆーのも出来たのに、気がついたらこんな大人の女に。
プログラムにちゃんとキキくんの隣にひとりだけ「ヒロイン」として掲載されているので、正ヒロインだね。『Victorian Jazz』のべーちゃんは学年順にその他大勢にまじっての掲載だったけれど。
あきらは完全に役不足。もったいない。
てゆーか、いちかにしろ、まりん、ふみか、らいらいにしろ、きらりにしろ、上級生の無駄遣い感ハンパねえ。
タソはうまいけど、あの役をおいしくしたのはタソの力で、演出家の力ではないよなあ。
柚カレーくんとマイティは絶賛売り出し中な感じ。
しかし、マイティの方がおいしく見えるのは、本人たちのキャラクタの差?
『オーシャンズ11』新公で、かなりマイティーに持ってかれていたんだけど、今回もまあ「キミ、狙ってやってる?!」ってくらい、すごかった。赤裸々だった。恥ずかしかった(笑)。
「俺、イケてるだろ」「俺にオチなよ」と、キメ顔乱発、一本釣りと地引き網の併用、この面子の中でまあ、よくそんだけぶっ飛ばせるな。
あまりに恥ずかしくて、彼しか見えなくなる(笑)。
いやあ、いいなー、マイティー。
ショーパートが多かったし、小さなバウホールなので出演者の顔が良く見えて、1回観る分には楽しかった。
ってことで、初日から駆けつけました、『フォーエバー・ガーシュイン』。
ストーリーはタイトルまんま、天才作曲家ガーシュインさんの一代記。それをショー仕立てに盛りました、てな。
新人演出家・野口幸作せんせのデビュー作。
タカラジェンヌは10年前後の寿命しか持たないはかない妖精だけど、演出家はそうじゃない。50年60年、植爺のしがみつき方を見ると、へたすりゃ一生夢の園にいる。
だからある意味、新進スターの初主演、より、新人演出家のデビュー作には興味がある。重い意味がある。
生田せんせや上田せんせなど、将来が楽しみな若手演出家がデビューしているのだから。
んで、今回の野口せんせのデビュー作。
感想は、「最近の若い演出家は、小器用にまとめてくるなあ」でした。上からな物言いで申し訳ないが、ナニサマお客様、ってことで。
この「小器用」っていうのは、舞台技術のことではなくて、なんていうか、処世術?
原田せんせ『Je Chante』、田渕せんせ『Victorian Jazz』に共通する「小器用さ」。
とりあえずタカラヅカっぽいショー場面をふんだんに取り入れ、たくさん画面に生徒を出しておけば場が持つ、っていうか、ヅカヲタを目くらましできる、というか、そーゆー姿勢?
若手スターのバウ公演、しかも初主演だったら、客席にいるのはファンばかり、主役として出番がたくさんあっていろんな衣装を着て、たくさん歌って喋ってくれれば、もうそれだけで目はハート、「名作だわ!!」と興奮する。
そこを突いて、つか、それだけしかなくて、終了、絶賛されてヨカッタヨカッタ。
……みたいな?
原田くんの『Je Chante』はストーリー自体ぶっ壊れていて目も当てられなかったけど、タカラヅカ的な「お約束」に満ち……つーか、どっかで見た「お約束」を観客が無意識に脳内補完するから、出演者のファンたちはなんかいいものを観たような気分になれたし、田渕せんせの『Victorian Jazz』もストーリーはおかしかったけれど、主演の力業とミュージカル万歳を前面に押し出していたから、なんか名作っぽい錯覚を味わえた。
それと同じで、今回の野口くんも、ストーリーは壊れる以前、物語になってねえよ、だけど、ショー場面がやたら多いから、そこだけを楽しむ分にはよかった。
わたしは花組スキーで、出演者たちの顔と名前が少しはわかっていて、「あの子がこんなところに出ている」とわくわくできる。
だから、その一点でのみ、楽しかった。
……でもこれ、リピートはつらいやろ……。
好きな子が出てる、がんばっている、それを愛でるのが楽しい、だけじゃ、子どもの運動会ビデオと同レベルの意義……。
ガーシュインさんの一代記、のわりに、ガーシュインさんがどんな人なのか、さっぱりわからない。
ケイ@仙名さんのことどう思っていたのか、実際どんな関係だったのか、愛についても音楽についても、それで結局ナニがしたかったのか、伝わってこないってナニゴト。
ヒロインとの関係がその程度の描かれ方であるだけに、他の人物との関係も推して知るべし。
やたら「夢」を口にするけど、ナニを夢見ているのかはよくわかんないし。
ハンパに史実重視で、ただの出来事箇条書きで、「ガーシュインさんの人生」はさっぱり見えない。
『Je Chante』は壊れまくっていたけど、『フォーエバー・ガーシュイン』は壊れるとこまで行ってない、だってまずなにも組み立てられてない。素材をずらりと並べてあるだけ。
……どっちがマシなのかは、よくわかんない。
2番手がオイシイ、ってことなら、『Je Chante』に軍配が上がるなー。
てゆーか、あきらの扱い、あれナイよね?!
「主な配役」として先に発表されたから、重要な役だと思ったのに。いてもいなくてもいい役だとは思わなかったニャ。
ふつー不倫三角関係ものっていったら、ヒロインの旦那は大きな役だと思うんだけど、なにしろケイが何故ジェームズ@あきらと結婚したのかわからないし、結婚後の行動も謎だし、ジェームズはガーシュインさんのライバルにも障害にもなってなかった。
「心」がなければ、恋愛は成立しない。
ガーシュインさんには、致命的にソレが欠けているので、彼の行動も人生も意味不明。「ナニがしたかったんだろう?」になる。主人公がソレだから、彼に関わった人すべてが「ナニがしたかったんだろう?」になる。
まあ、そういう話でした、『フォーエバー・ガーシュイン』。
ラストは「これってキキくんの退団公演だったのか」と驚愕したし。
……やめないよね? これからなんだよね? そのかの『Dancing Heroes!』みたいな位置づけじゃないよね? あれくらい、退団色全開の演出されてたけど。退団でなかったらただの悪趣味、てな意味のない演出。
キキくんは歌も芝居もダンスも、うまいわけではないんだなとしみじみ思ったけれど、それでもキラキラしたスターさんでした。
あの素直な笑顔、持ち味は愛すべきキャラクタ。
仙名さんは初ヒロインは思えない安定ぶり(笑)。
おかしいなあ、『EXCITER!!』でデザイナー@はっちさんのアシスタント役、あんなにかわいこちゃんだったのに、あーゆーのも出来たのに、気がついたらこんな大人の女に。
プログラムにちゃんとキキくんの隣にひとりだけ「ヒロイン」として掲載されているので、正ヒロインだね。『Victorian Jazz』のべーちゃんは学年順にその他大勢にまじっての掲載だったけれど。
あきらは完全に役不足。もったいない。
てゆーか、いちかにしろ、まりん、ふみか、らいらいにしろ、きらりにしろ、上級生の無駄遣い感ハンパねえ。
タソはうまいけど、あの役をおいしくしたのはタソの力で、演出家の力ではないよなあ。
柚カレーくんとマイティは絶賛売り出し中な感じ。
しかし、マイティの方がおいしく見えるのは、本人たちのキャラクタの差?
『オーシャンズ11』新公で、かなりマイティーに持ってかれていたんだけど、今回もまあ「キミ、狙ってやってる?!」ってくらい、すごかった。赤裸々だった。恥ずかしかった(笑)。
「俺、イケてるだろ」「俺にオチなよ」と、キメ顔乱発、一本釣りと地引き網の併用、この面子の中でまあ、よくそんだけぶっ飛ばせるな。
あまりに恥ずかしくて、彼しか見えなくなる(笑)。
いやあ、いいなー、マイティー。
ショーパートが多かったし、小さなバウホールなので出演者の顔が良く見えて、1回観る分には楽しかった。
コメント