ラインアップはまとめて発表されると祭り感があっていいよなあ。
 昔は半年分どーんと発表されていて、ほんと祭り!だったんだよなあ。
 忘れた頃にぽそっと1公演だけ発表、が当たり前になっちゃって寂しい。
 情報を小出しにして注目と興味を継続させる作戦なんだろうけど、ファンには優しくない方針だ。安くない娯楽を追いかける者としては、予定は先にわかる方が助かるんだもの。

 ともかく、昔に比べてだとほんのわずかだけど、3ヶ月ぶりに公演ラインアップが発表になった。

 本公演
宙組 『風と共に去りぬ』
雪組 『Shall we ダンス?』『CONGRATULATIONS 宝塚!!』

 東京国際フォーラム・博多座
星組 『REON!!II』

 DC・青年館
星組 『日のあたる方へ ―私という名の他者―』

 やっぱ大劇場本公演2本と、3組に渡る発表が一度ってのは「情報一気に来た!」感があって楽しいな。

 今年唯一ショー付き2本立てをやっていた宙組に、大作一本モノ。
 いつかどこかの組で当たるかもしれない、ときっと誰もがガクブルしていたもうひとつの恐怖、『風共』がついに、来ちゃいましたか……。

 てゆーか今さら『風共』を本公演でやるのか……全ツ落ちした、地方巡業用作品だと思っていたのに。
 名前だけ有名で、なんだか「タカラヅカ」っぽい、とヅカファン以外の一般客が思いそうなタイトルで、スター数名いれば事足りるし、セットはチープに書き割りとカーテンだけで済む省エネさは、地方巡業にもってこい。
 全ツに相応しい、ということはつまり、大劇場でやるには、いろいろといろいろと、アレな作品……。
 なんつっても致命的に「役がない」。
 役の数は『ベルばら』以下、画面やコスチュームの派手さももちろん『ベルばら』以下。
 ただ、『ベルばら』ほどひどい改編をされないから、平成になってからほぼ同じクオリティ。そこだけは安心、今の植爺が改編したら、さらにさらにひどいことになるの請け合い!だもん。

 だけどわたしは平成時代のヅカヲタで、その刷り込みからか、『風共』の問題点も贔屓組に当たったらへこみまくることもわかっていながら、それでもなお、大作キターーッ!! 祭りキターーッ!!なキモチになる。

 刷り込みってこわい。

 あれは20年前、わたしがまだお尻に殻を付けたままの、ひよっこヅカヲタの頃でございました。
 『風と共に去りぬ』という大作が再演される、80周年だぜ祭りだぜと沸き立った、あのわくわく感。
 月組であの天海祐希がレット・バトラー、トップ娘役と人気男役スターが役替わりでスカーレット・オハラを演じる。巨大ポスターが梅田に貼られ、道行く人々も話題にする。
 なにしろ天海は大スター、ヅカファン以外にも注目されている人だった。「タカラヅカは観たことないし、興味もないけど、天海祐希のバトラーを観たい」と友人に声を掛けられたり。
 もちろんチケ難で、わたしみたいな一般ファンはろくにチケットが手に入らなかった。
 その興奮のまま、雪組で続演、こちらはスカーレット編。トップスター一路真輝がスカーレットを演じ、各組2番手スターが特出でバトラーを演じる。
 ネットもない時代、チケット発売日の朝、プレイガイドに並びながらはじめてチラシを手にし、真紅のドレスを着たイチロスカーレットの美しさ、豪華さに胸を射貫かれる。
 真紅の絵画調のポスター、スカーレットひとり写りにバトラー4人とアシュレの顔写真。当時のわたしは、タカラヅカ本公演ポスターってのは、トップコンビと2番手まで、最低3人が必ず載るモノだと思っていて、「トップスターひとり」のポスターを見たことがなくて、それだけで特別感に震えた。
 祭りだ。うわあああ、祭りだ~~!!

 あのわくわく感があるから。
 「よくわかんないけど、タカラヅカってすごい!」とナニを見ても思っていた初心者ファンだった頃に思い込んだわけだから。
 実際に見てみたら『風共』って変な話、退屈、つまんない、植爺嫌い、でしかなかったんだけど、それでもなんか、わくわくする。

 『風共』も『ベルばら』と同じで、「トップスターのファン」なら楽しめるんだろう。
 初心者だったわたしは、贔屓組以外ではふつーにトップスターしか見ていなかったし、トドロキファンだったので、贔屓組公演では彼が役替わりでバトラーをやっている以上、楽しい作品だった。

 贔屓がトップスター以外だと、……きついだろうなああ。出番も見せ場もなく、かっこいい場面もなく、ただつまらない説明台詞で進行していく古くさい長い長い芝居を20回も観るのは……。
 『誰がために鐘は鳴る』のときも痛感したけど、昔の作品ってトップスター至上主義、トップコンビだけが真ん中でえんえん芝居していればそれでOKだったんだろうな。
 ヅカにどっぷりハマり、トップスター以外を贔屓にするよーになってわかった、大昔作品再演のつらさ。

 イベント大作を再演するのは、ヲタ向けではなく、一般客向け。
 20年前のわたしのような温度感・距離感の人間を動員するのが目的だろう。大作の香り、祭りの香りに誘われて、トップスター以外興味なく1回だけ観劇して、「タカラヅカを観たわ~~」と納得するあたりの。

 役がなさ過ぎるので、きっと役替わりがあると思う。
 てゆーか、『ベルばら』と同じで、役替わりまでもが「作品」なんだと思う。イベントであって、ふつーの作品ではないから。

 やるからには「祭り!」として盛り上がるといいな。


 あとなんつっても、マカゼ×キムシンが楽しみだ!

 キムシンのDC!! 『不滅の棘』以来? わーいわーい、キムシン新作うれしー! ジキルとハイドたのしそー!
 マカゼさんも好きなのでうれしい~~!
 つか、星組でキムシンってすげー久しぶりだよなー。

 大劇じゃないんだから、キムシン全開でやってほしいな。『不滅の棘』はほんと良かったよ……。大好きだったさ。



 しかし正直なところ、今年後半の演目よりも、夏の全ツとバウの振り分けの方が気になっている。
 贔屓は全ツだろうけど、確定してくんないと、チケ取りもスケジューリングもできやしねえ。
 まあ、演目的にテンション上がってないので、全ツだと確定しても、それほど追っかけ旅支度はしないんだろうけども。
 演目は大事だなー。しみじみ。

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