月組梅芸『ME AND MY GIRL』初日に行ってきました。

 缶バッチはまさおくんの赤ドット、友人からコマくんのタータンチェックもいただいたので、一気に欲しいモノ全部揃った感じ!(笑)
 あとはキューピーも欲しいよな……どうしたもんだか。

 『ME AND MY GIRL』は好きじゃないです。苦手です。

 でも、楽しかった!


 四の五のゆーてますが、それでも観れば楽しいのが『ミーマイ』。
 『ベルばら』と同じで、贔屓がモブで出ている、贔屓には出番も見せ場もない、これに二桁通わなくてはならない、と思うと苦痛だけど、よその組でやっているのをお祭り気分で観に行く分には十分楽しめる。

 「今宵一夜」って変だよなー、なんであんなポーズ取るの? とか、毒殺未遂ってなんだよこのストーカーが! とか、文句言いつつも名場面を楽しむ、あの感じ。

 好きじゃないけど、少なくとも、嫌いとまでは思わないし。苦手だけど、逆鱗とまでは思わないし。植爺『ベルばら』と違って!
 『ベルばら』よりは観やすい。


 作品の限界はわかっているので、あとはキャスト次第かな。


 とりあえず、サリー@ちゃぴが、かわいい。

 このサリー好きだ~~。


 そして、自分でもちょー意外だったことに。

 マリア@トウカさんが、良かった。

 最近めっきりトウカさんが苦手で、マロン・グラッセ役なんて、誰がやってもひどいことになるのわかっていながら、やっぱりもー心からダメで。
 トウカさんが準ヒロイン、トップとトップ娘役の次にオイシイ役をやるんだとわかったときから、テンションダダ下がりでしたの。

 でもでも、すっごくよかったの。ごめんトウカさん。


 作品はもうわかっている。
 だからもう、あとはキャストの好みの問題。

 2008年の『ミーマイ』本公演がわたし的にしっくりこなかったのって、サリーとマリアが原因だったんだ!
 目からウロコ。

 かなみちゃんのサリーは、うまかった。とにかくうまくてかわいくて、すごくよかった。
 でも……「タカラヅカ」じゃなかった。

 あさこちゃんと絡んでいるときはいいんだけど、ひとりで歌い出すと「ミュージカル」になっていて、「タカラヅカ」じゃなかったんだ。わたしには、そう思えた。
 かなみんはもう、タカラヅカの人じゃないんだな……そう思えて寂しかったっけ。

 ビルといるときと、ひとりで「名曲披露」としているとき、サリーのキャラがブレ過ぎていて、その都度感情移入が断ち切られた。

 どんだけ単体でうまくてもきれいでも、舞台ではそれだけではダメなんだ……。


 ちゃぴちゃんのサリーは、そういう「段差」がなく、いつも「サリー」だった。スムーズに、引っかかることなく見ていられた。感情移入が途絶えなかった。
 だからもお、彼女がかわいくてかわいくて、感情移入して切なかった。泣けた。

 声もきれい、歌もうまい。
 芝居から歌、歌から芝居も違和感なく楽しめた。

 このかわいい女の子を本気で愛している、ビル@まさおがすげーいい男に見えた。
 サリーに幸せになってほしい、そう思うからこそ、ビルが真顔になる瞬間に、ドキドキした。そうさ、そうやってサリーを守れよ、幸せにしろよ。

 やっぱヒロインは重要だよ。
 主人公の男を上げるのも下げるのも、ヒロイン。


 そして、2008年時のマリア@タキさん。
 素晴らしい歌唱力、演技力。群を抜いた実力。
 それはわかっている、知っている。

 でもわたしは、タキさんが苦手だった。

 この人が「トップスターの次」の役をやるのは、「タカラヅカ」じゃないと思う。
 『ミーマイ』の役の比重って、ビル>サリー>マリア>ジョンだよねえ?

 どんだけすばらしい役者さんだとしても、ごめん、苦手だったんだ。
 脇役さんとしてならとても頼れる人だし、出演はありがたいけど、準主役として2番手スターとラヴシーンをして欲しい女役さんではなかった。


 タキさんでなくても、マリア役を専科のお姉様がやるのはチガウと思っていた。
 外部なら「ばあさん」と呼ばれる役を年配女優がやるのは正しい。年配女性がウエディングドレスを着るに至る、ハッピーな物語にときめく。
 だけどここはタカラヅカで、タカラヅカでは専科さんが準主役をするのはチガウと思うの。
 タカラヅカにはスター制度があり、ピラミッドがある。それをないがしろにして欲しくないの。

 だから、とてもチャーミングなマリアだったけど、2009年の花組で、京三紗さんが、花組2番手スターだったえりたんや、3番手スターだったみわっちとラブシーンをして結婚式を挙げるのは、チガウと思ったの。

 マリアに納得できないと、『ミーマイ』という作品自体に納得できなくなる……。

 普段「大人のジェンヌが好き」と言っているのに、「女を若さだけで評価する風潮が嫌い」と思っているのに。
 ダブスタになるかもしんないけど、マリアは、若くて美しくないと嫌だ。

 バランスの問題だ思う。
 これが本当に、役通りの年齢の役者で演じている劇団なら、「ばあさん」と呼ばれる役を、若く美しい女優にやれとは言わない。本当に白髪の老婦人に演じて欲しいと思うだろう。
 でも、他の老人役・中年役をみんな若い人たちでやっているのに、マリアだけ役に近い年齢の役者が演じているのは……変。


 ジョン卿を、若く美しい2番手スターが演じる劇団なんだ。
 何故その相手役が、専科さんなんだ。
 タキさんは専科さんではなかったけれど、専科を経て月組組長になった人だし。


 てことで、マリアがトウカさんで、良かった。

 トウカさんは副組長、副組長が準主役をやるのはどうかと思う。ジョン卿を組長がやるのはどうかと思うのと、同じように。

 でも、どっちの役も専科さんがする可能性だってあったわけで、それよりは組内の「若い」管理職がやる方が「タカラヅカ」だと思う。

 ちゃんと大人で、美しいマリアだった。
 毅然として筋の通った女性だった。

 トウカさんのやり過ぎ……というか、押しつけがましい芝居を苦手に感じており、今回もそれを危惧していたんだけど、んなことぁーなかった。
 タキさんが焼き付いているせいもあるかもしんないけど、慎ましいマリアだったよ~~。
 2幕、彼女の心の傷を思って泣けたわ。

 まさおビルはそりゃあ容赦なく、マリアを傷つけたんだろうなあ……。
 サリーがいなくなったのをマリアのせいだと、責め立てて。

 多くは語らない、だけど苦しんでいる。傷ついている。
 それが、よくわかった。

 ……もんで、ジョン@越リュウの無神経さが腹立たしかった(笑)。
 マリアに意趣返ししているわけだけど、ここまでマジで傷つけていいのかよ、元凶のお前がドヤ顔でプロポーズってなんだソレ……!
 と、マリア贔屓に見ちゃったよ(笑)。

 マリアを好きだと、こんなに楽しい作品なんだな~~。


 いやあ、ドキドキして楽しくて、泣けてほっこり終わる、いい作品でした。

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