自分の萌えだけ・おぼえているとこだけ記していってます、未涼亜希『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』お茶会の感想。
 あくまで感想、わたしがどう思ったか話。だもんで、まったくもってレポではないです。


 まっつとえりたんは、花組で一緒だった。
 クリスマスにプレゼント交換したり(結果的に・笑)、大晦日に家に行ったり(で、すぐに帰ったり・笑)、夫婦に間違われたり(笑)してきた仲だ。

 そんなえりたんとまた同じ組になり、えりたんがトップスターになった。
 それはとても、感慨深いことなんだろう。

 タカラヅカというのは不思議なところで、「同じ場所で、心をひとつに力を合わせてきた仲間たち」が、「徐々に、消えていく」んだなと。

 学校なら同じ面子で1年とか3年とか決まった期間がんばって、別れるときは全員一気、じゃないですか。
 職場なら、終身雇用でない現代、退社する人も異動になる人ももちろんあるけれど、気持ちとしてはそんなコロコロ転職したいわけじゃなし、問題さえなければずーっと同じ会社で仕事しているだろうし。

 でもタカラヅカは基本、「同じ顔ぶれでの仕事は、二度とない」。
 毎公演、誰かしら退団していく。
 退団者がひとりもいない公演もそりゃあるけど、「今回は退団者ナシなんだ」とあえて思うくらいには、ナシの方がめずらしい。

 毎回、仲間が消えていく。
 もう二度と、戻って来ない。

 今こうしてえりたんとまっつのエピソードを思い出し、「プレゼント交換ネタ」のときみわっちもいたことを思い出す。えりたんとみわっちとまっつ、3人同じ楽屋できゃーきゃーやっていたのに、みわっちはもういない。

 タカラヅカは、喪失が当たり前の場所なんだな。
 袴姿で大階段を降りて、一通り卒業のセレモニーをして円満にいなくなるのだとしても、「いなくなる」ことは変わらない。
 心をひとつにして共に闘った……なのに、その仲間たちは不意に消える。ひとり、またひとり……。
 どこの戦場だ(笑)。
 昔、『ガンパレード・マーチ』を最初に見たとき、「タカラヅカだなあ」と思ったもんだった。「クラスメイトが明日消えるかもしれない日常」ってのが。
 や、みんな自分の人生を全うしているだけなんだけど。

 そうやって「仲間を失う日常」を生きる人たちだから。
 「残っている仲間」には、特別の感慨があるんだろうなと。

 ただのファンでしかないわたしですら、過去を振り返ると喪失感にぼーぜんとするもの。
 あのときはあの人がいた、あの人もいた。つか、あの人もいない、あの人もいない、もう誰も残ってない。
 好きだった作品、なつかしい時代、あんなに愛したあの時間、光の中でキラキラ輝いていた人々は……もう、ほとんど誰も残っていない。

 タカラヅカは有限の楽園。
 タカラジェンヌの寿命は短い。

 「失う」ことが当たり前で、共に夢を語った仲間たちは当たり前に消えていった。
 だからこそ、今まだこの華やかな迷宮で共に闘っている人には……特別の感慨があるのかなと。

 『JIN-仁-』で「同期4人が揃うなんて!」とキムくんがいろんなメディアで発言していたように、「残っている戦友」への思いは特別なんだろうなと。

 まっつはことさらに語ることはしないけれど、雪組であのえりたんがトップスターとしてやってきたこと、また一緒に舞台を作れることには、特別の想いがあるんだろう。
 や、彼らがプライベートで大親友かどうかじゃなくて、「職業・妖精」として。

 お茶会でえりたんの話になり、淡々とえりたん雪トップを「よかったな」と語ったまっつが、「思い出した」と話を変えた。どうやら、今日のお茶会で「言うように」とえりたんから言付かってきたらしい。

「そうさんがきてから、まいにちがたのしくてしかたないです」

 ザ・棒読み。

 役者ってすごい、マンガでよくある、吹き出しの中に(棒読み)と書かれている、アレがまさに再現された!!

 オールひらがなで喋りましたよ、まつださん!!
 ひらがな+(棒読み) と、( )まで見えた!!

 「こう言えと言われたから、仕方なく言っている」ポーズが、完璧。

 ……仲良しなんだね、えりたんと。
 そして、えりたんのキャラクタと、この会場にいるファンの人たちを信頼しているんだね。
 (棒読み)で喋ることで大爆笑してくれる、実際に言葉にしたことの奥の意味を読み取ってくれると。

 ええ、場内爆笑でしたとも。
 えりたんのキャラクタも、まっつのキャラクタも、ふたりの関係性も理解した上で。


 えりたんがひたすらえりたんで、まっつとは(棒読み)が許される関係で、ちぎくんとはお揃いのペンダントでラヴラヴで。
 よかった。
 キムくん卒業で、わたし個人としては寂しくて仕方なくて、気持ち的には未だにそれを引きずっているのだけど。
 「喪失」が日常の妖精さんたちは、それを「日常」として、前へ進んでいる。

 それがわかる話を聞けて、ほんとうによかった。

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