『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』特出初日行ってきました。

 特出スターは、アンドレ@れおんくん、オスカル@かなめくん。

 そりゃーもー、キラキラでした。

 トップスターが3人も「芝居で」揃うって、すごいことだ。
 ショーでなら、『タカスペ』など例があるけど、芝居でって、記憶にない。わたしがヅカヲタやっている期間では。

 かなめくんは元雪組。
 わたしは雪組は継続してずーーっと眺めて来ているので、もちろん彼の雪組時代もよく知っている。
 えりたんとの並びを見て、「『お笑いの果てに』だわ……」となつかしく思い出しましたよ。あんときのかなめくんがかっこよかったさ……。

 せしると「姉妹」を演じているのを見て、「このふたり、たしか『兄弟』だったよな? かなめくんがせしるのことを『兄さん!』って呼びながら、愛憎してたよな??」とクラクラした。……倫理的にもひどい駄作で、猛烈にぶーたれて感想書いたな、わたし……(笑)。

 とまあ、かなめくんが雪組にいたことは、知っています。
 だけど……。

 かなめくんの、雪組での浮きっぷりはすごいな。

 と、思いました。

 いっそれおんくんの方が浮いてない気がする……。


 と、いうのもだ。

 オスカルが、でかい。

 目を見張るほど、オスカル様がでかかったっす……。

 アンドレと並んでも、オスカルの方がでかい。
 金髪と黒髪だから、金の方が膨張して大きく見えているのだとしても、やっぱりでかい。

 アンドレよりでかいオスカル……というか、「オスカルより小さなアンドレ」は雪組通常版で見て知っている。
 でも、特出版はそれだけじゃなかった。

 フェルゼンと並んでも、オスカルの方がでかい。

 ちぎオスカルが壮フェルゼンに思わず抱きつくところが、かなめオスカルは手を握るだけで終わっていた。
 そりゃそうだよな、あのでかいオスカルに抱きしめられたら、フェルゼンが腕の中にすっぽり収まってしまって、話が変わってくる……。

 オスカルはもちろん、衛兵隊でも群を抜いて長身で、「ひとりだけ女性」だとすると、なんとも不思議なバランスになっていました。
 男たちの誰よりでかいのに、女の子なんだ……。
 いや、そんなこともあるだろうけど、「タカラヅカ」でそれはなんか不思議な画面。

 バスティーユとか、オスカルでけえぇ……。衣装とライトでクローズアップされて、さらにさらにでかく見えた。
 パリ市民の誰より巨人……。


 宙組ってすごいなー。
 と、平均身長の違いに思いを馳せました……(笑)。

 かなめくんが最終的に宙組に行き着いたのも納得。
 雪組だと、双方にとってちょっと残念な感じがする……。


 ともみんが雪組で素敵に花開いているように、れおんくんは意外に違和感なく画面に存在してました。
 雪組の質実剛健さと、星組の熱血は、実は親和性があるのかも? 花組の濃さクドさと同じく。

 れおんくんのアンドレは、とっても「柚希礼音」でした。
 いつものれおんくん。
 トップスターになってからの、ワイルド風味でかっこいい、あのれおんくんです。
 ……このれおんアンドレと、らんとむアンドレを並べてみたい。絶対、ものすげー面白い!(笑)
 ふたりとも、自分のキャラまんまで演じているので、同じ「アンドレ」でも別モノ過ぎて。

 れおんくんは星組御曹司、植爺芝居を、『ベルばら』を、何度も何度も何度も、やり続けていたスターです。
 幼い頃からの英才教育は、今こうして実を結び、立派なアンドレになっています。

 れおんくん、大人になったなあ……と、おばちゃんはしみじみしました。
 2006年星組の『フェルゼンとアントワネット編』で、れおんくんはすでに役替わりでアンドレ役をやってたんだもんよ。
 当時研7。新公で主演のフェルゼンをやりつつ、東宝本公演でアンドレ。オスカル役はなんと超ベテランのトウコ。
 今の雪で言ったら、咲ちゃんが本公演でアンドレをまっつと役替わりしてるよーなもんだな。
 ……もちろん、その出来映えは、大変なことになっていて……。
 http://koala.diarynote.jp/200604091634520000/ ←当時の感想(ナニ気にタニちゃんに失礼なことをゆーてますが、そのちょっと前に、彼のとてもアレなラヴシーン芝居を観てどうの、ってのがあったからなんですわ)。

 それを知っているだけに、「わー。前と同じモノを見てるー」という感覚が、終始ある。
 前にも見た、だけどあきらかに別モノ。

 柚希礼音が、カッコイイ。

 7年前のわたしに教えてあげたいです。あの「ナニも出来ない童貞熱血坊や」が、こんなにもいい男に成長することを!

 いやその、7年も経てば誰だって大人になるわけで、「当たり前」のことをほめてどうする、という意見もあるのかもしれない。
 でもさ、この新陳代謝の激しいタカラヅカで、あれから7年「続けた」ということは、それだけですごいことなんだと思う。
 上級生の少なさを見てもわかるように、「続ける」ことこそが、実はもっとも難しいことなのかもしれない。実力やポジション、いろんなものを乗り越えてはじめて「続ける」ことができるのだから。


 大人になったと言えば、かなめくんもそうだ。踏んできた場数がチガウもんな。
 改めて「トップさんなんだ」と感心した。
 もう、雪にいた頃の頼りない下級生じゃない。

 テルカルはほんっとにものすごいスタイル。
 二次元キャラだほんと。
 そして実に楽しそうにオスカルを演じていた。やわらかい人柄が出ている感じ。きれいだし、女々しくないし、そしてかわいいし。


 ちえドレとテルカルの「今宵一夜」は、ひたすら美しかったっす。
 れおんくんが野獣っぽくてときめく(笑)。いやあ、少女マンガはこうでなきゃ! いつもはやさしいけれど、夜は強引な彼♪ 的な?

 特出バージョンはその前に「毒殺未遂」とアンドレの銀橋ソロがある。
 「毒殺未遂」と「今宵一夜」の間には、ジャルジェ家のかーちゃんとねーちゃんがぎゃーぎゃー言うカーテン前があるだけ。
 気持ち的には、「毒殺未遂」→「今宵一夜」と直接つながってる感じ。

 だから、「今宵一夜」でアンドレがオスカルに呼ばれて部屋に入ってきて、「星がきれいだ」でオスカルの肩を抱くのが、すっげー違和感。
 お前、つい数分前に毒殺未遂して、「このことは忘れてくれ」「俺の役目は終わったのかもしれない」って言ってたじゃん!!

 カーテン前のジャルジェ家の人々に、あんなくだらない会話をえんえんさせるより(わたしはあの会話大嫌い)、「オスカルはジェローデル様との縁談も断ってしまったし、なにを考えているのかわからないわ。その上、パリに進駐するなんて」「オスカルにはオスカルの考えがあるのでしょう」という台詞に変えればいいのに。

 オスカルがナニか考えて、ナニか進展があって、それから「今宵一夜」なんだってわからせればいいのに。


 あ、そーいやちえドレは、橋の上で全弾被弾はしなかったな(笑)。狙撃手はへたっぴらしい。あんなにたくさん撃っていたけれど、当たったのは半分くらい? や、半分でも十分死にます、全弾くらう必要はありません(笑)。
 つか、らんとむさんといいまっつといい、花男は全弾受けなくてはならないと思っているのか(笑)。


 特出は『ベルばら』のお約束、祭りだと思う。
 思うけど、やっぱトップふたりの特出はやりすぎだと思ったな。

 雪組通常版のオープニング最後に、ふたりで抱き合うようにして純白衣装でセンターせり上がりで登場、『ベルばら』でもっとも有名な曲『愛それは』を歌いながら銀橋へ。
 って、なんか、主役はフェルゼン@壮くんではない、みたいな演出。オープニングの最後、そのあと物語スタートだから、パレードで言うなら大階段を最後に降りてくるみたいな。
 1回限りのイベントに集めた面子じゃない、新生雪組スタート、えりあゆの任期がどれくらいあるのかわかんないけど、これからしばらくはこの顔ぶれで興行を行うのに、それを軽んじるようなことをわざわざしなくてもいいのになー。

 フィナーレもまるまる1場面他組トップさんとか、見た目に美しいし、楽しいんだけど、違和感が残る。わだかまる。

 組子と特出さんが絡む場面が追加されるなら、それは「お客さん」を迎えての祭りなんだけど、そうじゃないからなあ。

 劇団ってほんとヘタだな、商売。
 目先の小銭に釣られて、ブランドに傷を付けるのが得意ときたもんだ。

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