えりたん、あゆっち、本拠地お披露目初日おめでとー!

 『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』初日行ってきました。

 内容的には予想通り、2006年版の『フェルゼンとアントワネット編』ベース。や、この間の月組が『オスカルとアンドレ編』と謳いながら、2006年の『オスカル編』ベースだったから。
 同じことをやるだろうなと。

 つまり、1幕ラストがフランス宮廷でフェルゼンが「いろんな愛のカタチを知った」と演説し、2幕はスウェーデンの花祭りからはじまり、隠棲しているフェルゼンのところへジェローデルが訪ねてきて「オスカルは死にました」→回想スタート、ってやつ。

 ベースは2006年版だけど、そこにいろいろ改訂が加わっている。

 しかし、この改訂ってのが、なあ。
 やれやれ。

 まあ、それは置くとして、とりあえず。

 えりたんは、フェルゼン役者だった!!

 『ベルばら』の申し子、今までいろーんな役をやってきた我らがえりたん。
 わたしの腹をよじってくれた2006年雪組全ツアンドレにしろ、花組での怒濤の外伝尽くしにしろ、この間の月組さんの特出にしろ、どれももちろん素敵だった。
 植田歌舞伎の似合う、現代では保護を叫ばれているよーな、稀少種ジェンヌ。

 そのえりたんをもってしても、はじめて、知った。
 これまでのどの役よりも、フェルゼンがハマる……!!

 何故ならば。

 植爺『ベルばら』のフェルゼンは、人としてアレ過ぎるからだ。

 自己中心的で攻撃的、悪いのは全部他人、高慢で横柄、自分にしか関心がない。ちょっとでも意にそわないことがあると、平気で他人を傷つける。倍返しは当たり前、だって自分だけはいつも正しいから、間違っている相手になんかナニをしてもヨシ! 俺正義、俺神。理解されない俺可哀想。

 こんなひどい男、誰が演じても、どーしても「酷い男」になってしまう。

 それが。

 えりたんだと、フェルゼンの酷さがあまり気にならない。

 だって、えりたんだもんな。で済んでしまう。

 なまじ、2006年の『フェルゼンとアントワネット編』ベースだから、ワタさんを思い出しちゃうんだけど、ワタさんだとマジむかつくだけだった部分が、えりたんだと軽減される。

 だって、ワタさんだったら、そんなひどいこと言ったりしたり、するの変なんだもん。
 人情家で体育会系のあの健康なにーちゃんが、そんな歪んだこと言うわけないじゃん!!

 でも、えりたんならOK、大丈夫!! 違和感ナイ!!(笑)

 ……誤解しないでほしい、えりたんが酷い人だから酷い役が似合うと言っているわけじゃない。

 ソウカズホの妖精っぷりが、すべてを異次元レベルにしているんだ。

 常識で考えると、酷い。
 ひととして、ありえないほど酷い。

 でも、仕方ないよ、えりたん、人間じゃないもん。妖精さんだもん。ひととして、なんて、無意味だよ。

 こんだけひどいこと言ってるのに、大丈夫だなんて、マジすげえな!! ……そう、心から感心して観ていました。

 まあ、そうだとしても2幕の新場面で、「何故剣を抜かない?!」「もう誰にも迷惑を掛けたくないんだ!」には、爆笑させていただきましたが。
 今現在、家族にも国にも迷惑を掛けて、よその国の王妃を救いに行こうと、国境破りをしている最中の犯罪者が、その犯罪者を捕らえに来た兵隊相手に剣を抜かないことで「俺やさしい」と言い出すとは……お前が言うな!!という、全観客からのツッコミ待ちですかそうですか。

 いやはや、こんだけものすげーことになっていて、それでもカッコイイソウカズホに震撼する。
 うおお、えりたん好きだーー!

 キミこそフェアリー、キミこそ「タカラヅカ」だ。
 「タカラヅカ」に必要な人だ。

 『ベルばら』キライだと観るたびに再確認するんだけど、それゆえに、ジェンヌへの愛情は上がる。
 みんなみんな、すごいよ、愛しいよ。
 タカラヅカってすごい。タカラジェンヌってすごい。


 ところで今回もパリ市街でオスカルを止めるのがジェローデルという、わたしの大嫌いなパターンでした。

 橋の上で撃たれるアンドレを見て取り乱すオスカルを、押さえつけるのがジェローデルのときとベルナールのときとがあり、わたしはジェローデルバージョンがキライ。
 何故なら、女性蔑視が基本スキルの植爺は、「バカな犬と女は殴って言うことを聞かせろ」と思っているため、女を叱るときは問答無用で殴りつけるのな。
 そのためジェローデルは、登場するなりオスカルを殴りつける。口で言えば済むことなのに、まず暴力。
 原作の紳士たるジェローデルならば、ぜっっったいにしないことを、平気でさせる。
 だから大嫌い。

 それが、はじめて、ジェローデルの暴力に説得力があった。

 このジェローデルなら、顔を見るなりオスカル殴りつけても、あり得るわ……。

 えー、前述の2幕の新場面にて。
 ともみんジェローデルは、戦おうとしないフェルゼンをかばって、ひとりで、十数人の抜刀した敵と斬り合うんだわ。

 いやあ、すげえよ。

 ともみん無双。

 なんでこの役がともみんなのか、よーーっくわかった(笑)。
 ともみんなら、ひとりで十数人ぶっ飛ばしちゃうよな。うんうん、わかるわかる。

 アツくて逞しくて体育会系。
 そりゃ、オスカルを出会い頭に殴りつけるわ……体育会系ってそうだもんなー。
 なんかすとんと納得した。

 オスカルを女として愛していると語る場面もなかったから、ふつーに友人ポジションだし。
 友人なら、つい殴っちゃうこともあるだろう。

 いやいや、いいっすよ、素敵ジェローデル!! イヤッホウ!!


 ちぎくんのオスカルがまた、女々しくなくていいしな。

 あゆっちの出番の少なさが不満。心から不満。
 アントワネットの出ないフェルゼンサイドの物語なんて……。


 なにはともあれ、新生雪組、本格スタート。

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