それでも未だに『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』の話。

 カイト@咲ちゃんの負け犬ソングは好きです。

 別項で細かく書いたのでここでは書かないけど、カイトの弱さが好き。ダメンズだとわかっているけど、そこがいい(笑)。
 つかわたし、「正塚キャラ」好きなのだわ。正塚芝居が好きなんだもん。

 しかし、舞台にただひとりでキャラのテーマソング歌うって、どこの2番手様……。
 大劇場だったらここ、銀橋ソロだねええ。
 1幕が終わったあとの幕間、初日は「咲ちゃん2番手? ともみんじゃないんだ?」って言われてたもんなー。
 結局、2幕もともみんには「銀橋ソロ」的な場面はなかったし。正塚せんせの好みの問題か。

 咲ちゃんを抜擢し続けたのは劇団指示だろうけど、そうやって使い続けながら、正塚せんせも咲ちゃんに情が移っている気はする。
 正塚芝居をまんま叩き込んでるしなー。
 いつか、咲ちゃん主演で正塚作品がありそうだ、と思ったナリ。


 BJ邸でへこんでいるトラヴィス@ホタテが好きです。
 彼がソファーに坐っているのは、この一瞬だけ。あとはBJ先生、絶対トラヴィスを坐らせてあげないもんね。
 BJのソファーに坐って、BJを思っているトラヴィスさん。うなだれて、アタマ抱え込んでるトラヴィスさん。

 BJがいなくなって少なくとも3日は経過している。
 BJの護衛をするためにわざわざ日本にいるっつーのに、対象者を見失って、3日。
 プロとしてあるまじき事態。

 発信機の修理のため、ちょっと不在にしているウチに、BJは消えていた。
 どこへ行ったのかわからない。
 ここのトラヴィスさんのキモチが、とても興味ある(笑)。

 電話がかかってきて「誘拐~~?!!」と驚愕するわけだから、それまではまったくなにも知らずにいたわけだ。
 つまり、BJが自分で姿を消した、という可能性もトラヴィス的には考えられたってこと。

「BJ先生はどこへ行ったんだろう。仕事だろうか? 発信機が役に立たなかったし、僕が無能だから置いて行ったんだろうか。僕がうざいから家に帰らなくなったんだろうか」
 ……いろんなこと考えて、落ち込んだろうなと。
 もちろん、「なにか事故に遭ったんだろうか。なにか事件に巻き込まれたんだろうか」という心配もあったろう。その場合、「自分が付いていて、なんてことだ」と自責の思いに苛まれていただろう。

 鳴らない受信機をえんえん眺めて、苦しんでいたんだろうなと。

 萌えるんですが(笑)。

 日本に来たばかりで右も左もわからない、BJとも信頼関係を築けていない、そんなトラヴィスがひとり、悶々とする図。
 ……山野先生@まなはるに電話一本すりゃ、済む話ですよ。山Pは「大丈夫ですよ、BJのことだから」と明るく答えてくれたろうに。「なんでも誘拐されてるそうですよ」と。
 トラヴィスは、山野先生のことも知らないんだね。
 そんな状態で、放置されてたんだね。

 トラヴィスの唯一の救いは、発信機。
 なにも言わずいなくなったBJは、発信機を持っていると思う。BJがその気になれば、居場所を教えてくれるはず。
 発信機が使われていないということは、危険な状態ではないということ。……つまり、BJは自分の意志で出て行った……トラヴィスにはナニも言わず……それこそがBJの意志……。

 いろいろぐるぐるしてんだろうなあ。
 それで、ソファーでアタマ抱えてんだろうなあ。

 登場するとすぐに電話が鳴っちゃうから、ソファーのトラヴィスはほとんど見ることは出来ないんだけどね。


 電話のひとり芝居は素晴らしい。
 何回観ても楽しい。笑える。また、客席が沸くのを見るのが楽しい。

 ここでひどいなと思うのは、BJが、トラヴィスをものの数としていないこと。

 BJ先生は、五条さん@きゃびいに電話を掛けたつもりなんだ。
 そろそろ五条さんが来ている時間だろう、と思って電話をしたら、出たのがトラヴィスだった。
「なんだキミか。五条さんは?」……BJの冷静な声が聞こえるようだ。トラヴィスは「今どこにいるんですかっ」と叫んでるけど。

 トラヴィスに連絡する、という選択肢はまったくなかったんだね、BJ先生……。
 トラヴィスの宿泊先も知ってるくせに……五条さんを通してでも、伝言できるくせに……。ひでえよ。


 無駄に芝居の細かい正塚芝居なのに、このトラヴィスひとり芝居電話のときの、BJ@まっつが、ろくに芝居していないことが、不満です。

 トラヴィスが黒電話を持って「電池なくなりますよおおおっ」とか騒いでいる後ろに、電話中のBJがバイロン城のセットごとゴロゴロと登場してるんだ。

 そりゃ、まだライト当たってないけどね。
 そちらにカメラが移るのは、BJが電話を切った瞬間であって、電話中はナニもしなくてもかまわないんだけどね。
 でも、舞台に出てきたら、期待するじゃん? トラヴィスと話しているんだ、って、なにかしらリアクションを。

 でもBJは無表情・無感情に受話器を耳に当てているだけ。彼の演技がスタートするのは、電話を切るところから。
 ちぇっ。
 いつかなんかやってくれるかと、毎回登場する瞬間からオペラロックオンしてるのにさ。

 BJはクールだから、とか、ガートルード@るりるりに監視されながらの電話だから、てのは言い訳にならないよ。BJ先生が感情豊かな人であること、電話中もけっこうわかりやすいリアクションする人だってことは、2幕の医師連盟とのやりとりでわかっているし。
 単にあそこは、芝居するよう言われてないんだろうなあ。背景に徹しろというか。ライトが当たってはじめて動けっていうか。


 てことで、トラヴィスの反応しかわかんないわけだけど。

 BJ先生は、騒ぐトラヴィスを無視して「五条さんに替わってくれ」しか言わない。発信機の話をするトラヴィスを無視する。
 なんでかって、BJはちゃんと発信機を使っていたんだ。なのに、なんの役にも立たなかった。だからその話で貴重な電話タイムを消費する気にならない。
 「3日間押しっぱなし」という事実から、見えてくる。

 バイロン侯爵@ともみんに誘拐され、バイロン城で目が覚めた。
 身体検査はされなかったらしい? BJは自分が発信機を持ったままだと気づく。で、意気揚々と、押す。
 音がしない……けど、信号は出ているのかな? 発信機を耳に当てたり、振ってみたり。
 そして、トラヴィスを、待った。
 どうやらここは外国、駆けつけるには時間がかかるだろう……そう思って待って……来ないじゃん。つか、壊れてんじゃん、これ。
 怒って、あきれて、投げ出して。

 あの、役立たず。なにが「私にも信念があります」だ。

 BJ、すっかりヘソを曲げる。トラヴィスに対して、レッテルを貼る。

 だから電話でトラヴィスが騒いでも、彼をなだめることより五条さんと話すことを優先した。

 ……そんなこんなが想像できて、楽しい。「3日間押しっぱなし」。

 トラヴィス……BJ先生、君を待っていたんだよ。だからボタンを押したんだよ。……押しっぱなしなのは、あきらめて放置していただけだろうけどね(笑)。

 うーん、考えれば考えるほどラヴいな、こいつら。
 

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