踊る人々。@ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌
2013年3月10日 タカラヅカ それでも未だに、『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』の話。
BJ@まっつのダンスシーンは、1幕後半の手術シーンのみ。
少ない。少なすぎるよ正塚せんせ。
『スカウト』では歌ナシでダンスばっかだったし、どうしてこう極端なのか。
それでも、このわずかなダンスシーンが、美しい。
まっつはなんつっても手の動きが美しい人なんだが、「手術」だからか、手の動きがことさら強調された振付でね-。
いやあ、素晴らしいです。
しかし、なにしろまっつなので、舞台後方で踊り、そのまん前でバイロン侯爵@ともみんとカテリーナ@せしこにデュエットダンスされた日にゃあ、かぶっちゃって、まったく見えません(笑)。
ちっちゃいから。
半端なく、しばらくナニも見えなくなる。
不安感や毒のあるダンスシーンで、BJは影たちと一緒に踊っているだけだが、バイロンさんとカテリーナは、死の影@ゆめみちゃん、ありちゃんと踊ってる。
この、死の影の衣装は、なんとかならんかったんかい。
カラダの線のまったく出ない布状に広がった白黒衣装。
華奢な子が、中でカラダを泳がせながら着るならアリなんだろう。しかし……。
なにしろありちゃんは、雪組1の体積を誇る娘役さんだ。何故ありちゃんに、この衣装を着せるかな。
ゆめみさんも、タカラジェンヌ基準では華奢ではない。副組長らしい肉が付いた人だ。
痩せていないふたりに、おでぶに見える衣装を着せて踊らせるのって、誰得……?
ふたりともダンサーだから、ダンス場面での見せ場なんだろうけど、それならふたりがもっときれいに見える衣装にして欲しかった。
せっかく耽美な場面なのになー。
倒れたバイロン侯爵を、BJが助け起こし、上手へ促すところのまっつの力の入り具合が、ツボだ。
そのあとの、上手へはけていく姿も含め(笑)。
手術ダンスに、それまでずーっとBJの影役だったレオくんがいません。
なんでかってえと、その次の場面に、影以外の役で出るため。
このレオくんが(笑)。
ある日の幕間、初見の友人がちょーウケていた。
「影役のレオくんが素敵過ぎる。堕ちるかと思った」、加えて、言う。「でも、チンピラ役を見て、正気に返った」。
初演『BJ』と違い、今回は影が固定役ではないため、みんなそれぞれいろんな役をしている。影役だけだったらずーっと台詞もなく踊っているだけ、声を出して芝居をして、ということがない。
その点で今回は良かったね、影役の子もちゃんと芝居の出来る役をもらえて。
……という話をしていたんだが、前述の友人は言う。
「レオくんに関しては、影役だけの方が、人気出たんじゃないの?」
声を出して、台詞を言って、芝居している姿を見たら、百年の恋も冷めると。むしろ逆効果だろうと。
いやいやいや。
世の中には「ギャップ萌え」というものもあるしね。黙って踊っているときは超オトコマエ、喋るとギャフンなヘタレ男、てのにクラクラきちゃう場合だってあるよ。……たぶん。
芝居のヘタさに胸キュンする乙女たちだって、少なからずいるんだと思うよ。……たぶん。
それか、ダンスだけでうっかり惚れて、あとから芝居を見てショックを受けないように、ダメなところも晒している、マサツカの親切心かもしれない?
とまあ、ちょー失礼な会話で盛り上がったくらい、レオくん演じるヤクザは、ひどかったです(笑)。
わたしは『Crossroad』のマヤちゃん演じるギャングを思い出していた。あれもひどかったさ……。オンナノコまんまの声で怒鳴って凄んで。弟分ならともかく、兄貴分役ってのが、なあ。キツさ倍増。
場面は日本へ移り、BJからもらった聖徳太子の札束を「馬で稼いだ」ととぼけるカイト@咲ちゃん。
借金の取り立てに来たのが、縦縞黒スーツのレオくんと、革ジャンおーじくん。や、ふたりとも、とってもわかりやすくヤクザさん。
レオくんの場合、姿が美しい分、声と芝居のダメっぷりが際立つんだと思う……。
いっそレオくんはほとんど喋らず、おーじくんががんがん喋って会話を進める、でも良かったのかも。レオくんは兄貴分だからクールに構えて、下っ端のおーじくんが兄貴の気持ちを察して動いているんだ、みたいなカタチにすれば。
……てなことも、友人たちと話しました。おーじくんは芝居も出来る、器用な下級生だよねえ? 今回台詞ほとんどないけど。
幕間の話だったので、わたしは友人たちに「2幕のレオくんがまたすごいんだよーっ」と語りたくてうずうずしてました。
ヤクザレオくんのアレさでこんだけ幕間の話題独占になるなら、2幕の空港職員見たら、さらにさらにレオくんの話題で盛り上がるに違いないっ。
てくらい、みんな、きらはれおくんが好きなんです(笑)。
良くも悪くも目立つ。話題になる。
これは、舞台人として強みである。
わたしは彼の顔が好みなので、活躍してくれるのはうれしいです。
早く声変わりしてくれることを切に祈りつつ。
エリ@あゆみちゃんは、不良なのではなく、単にダンスが好きな女の子なんだろうなと思う。
不良たちのたまり場としての派手な店に出入りしているのではなく、純粋に「踊る」ため。
えーと、あの時代だと「ゴーゴー喫茶」っていうんですかね? でも、正塚せんせは時代考証守る気ないみたいなんで、場面名は「クラブ」です(笑)。
なんかすごい格好の女の子@雛ちゃんと踊るカイトを見かけて、声を掛けてくるのはエリの方。
最近姿を見せなかったカイトを心配していたと言う。……エリの方が、カイトを好きなんだよね。ちゃんと。
ただ、カイトのバカはそれに気づいてない。
「他の女と同じ、足が不自由だからオレを相手にしないんだ」と決めつけるカイトに、思わず言い返しかける……けど、思い直してなにも言わずに立ち去る。
言えないよねええ。
この流れで、「好きだ」とは。
悔しすぎるわ。バカバカしすぎるわ。
店を飛びだしたエリが、泣いている気がする。
怒りながら、悔し泣きしているんだろう。カイトに。
そして、自分自身に。
わたしは咲ちゃんの、ちょっとした表情を好きだと思う。
彼の、「虚を突かれた顔」。
『はじめて愛した』のときがそうだった。ヒロインの母@ヒメと話しているときに、まるでわけもわからないまま主人に殴られた犬のような表情をした……何故傷つけられるのかわからない、虚を突かれた顔。
コンプレックスの固まりのカイトは、「大金」を手にするまで、エリを口説くなんてできなかった。
今なら言える、とばかりにエリを口説くのだけど、エリはカイトの変心を快く思わない。金を手に入れた途端口説かれたら、「あたしをなんだと思ってるの?」ってなるわな。
「あたし、あんたが思ってるほどすれっからしじゃないのよ」
エリにそう返されたときの、カイトの顔。
「……そんなこと、思ってないよ」
カイトにとっては、エリは高嶺の花だ。金でどうこうできるような、安い女だと思ってない。「あたしはお高い女よ」と返された方が、カイト的には驚かなかったろう。
エリに、エリへの好意を切り捨てられた、その瞬間の表情。
「あんたが思ってるほど」……カイトがナニを、思ってるって?
切りつけられた、無垢な顔が、胸に痛い。
そのあと彼が「他の女と同じだ」とエリを傷つけたのも、仕方ない。だってそれくらい、カイトも傷ついた。エリの言葉で。
……って、両思いのくせに、盛大にすれ違い、誤解しまくるふたりがすげーツボです。
ナニこの少女マンガ!!(笑)
BJ@まっつのダンスシーンは、1幕後半の手術シーンのみ。
少ない。少なすぎるよ正塚せんせ。
『スカウト』では歌ナシでダンスばっかだったし、どうしてこう極端なのか。
それでも、このわずかなダンスシーンが、美しい。
まっつはなんつっても手の動きが美しい人なんだが、「手術」だからか、手の動きがことさら強調された振付でね-。
いやあ、素晴らしいです。
しかし、なにしろまっつなので、舞台後方で踊り、そのまん前でバイロン侯爵@ともみんとカテリーナ@せしこにデュエットダンスされた日にゃあ、かぶっちゃって、まったく見えません(笑)。
ちっちゃいから。
半端なく、しばらくナニも見えなくなる。
不安感や毒のあるダンスシーンで、BJは影たちと一緒に踊っているだけだが、バイロンさんとカテリーナは、死の影@ゆめみちゃん、ありちゃんと踊ってる。
この、死の影の衣装は、なんとかならんかったんかい。
カラダの線のまったく出ない布状に広がった白黒衣装。
華奢な子が、中でカラダを泳がせながら着るならアリなんだろう。しかし……。
なにしろありちゃんは、雪組1の体積を誇る娘役さんだ。何故ありちゃんに、この衣装を着せるかな。
ゆめみさんも、タカラジェンヌ基準では華奢ではない。副組長らしい肉が付いた人だ。
痩せていないふたりに、おでぶに見える衣装を着せて踊らせるのって、誰得……?
ふたりともダンサーだから、ダンス場面での見せ場なんだろうけど、それならふたりがもっときれいに見える衣装にして欲しかった。
せっかく耽美な場面なのになー。
倒れたバイロン侯爵を、BJが助け起こし、上手へ促すところのまっつの力の入り具合が、ツボだ。
そのあとの、上手へはけていく姿も含め(笑)。
手術ダンスに、それまでずーっとBJの影役だったレオくんがいません。
なんでかってえと、その次の場面に、影以外の役で出るため。
このレオくんが(笑)。
ある日の幕間、初見の友人がちょーウケていた。
「影役のレオくんが素敵過ぎる。堕ちるかと思った」、加えて、言う。「でも、チンピラ役を見て、正気に返った」。
初演『BJ』と違い、今回は影が固定役ではないため、みんなそれぞれいろんな役をしている。影役だけだったらずーっと台詞もなく踊っているだけ、声を出して芝居をして、ということがない。
その点で今回は良かったね、影役の子もちゃんと芝居の出来る役をもらえて。
……という話をしていたんだが、前述の友人は言う。
「レオくんに関しては、影役だけの方が、人気出たんじゃないの?」
声を出して、台詞を言って、芝居している姿を見たら、百年の恋も冷めると。むしろ逆効果だろうと。
いやいやいや。
世の中には「ギャップ萌え」というものもあるしね。黙って踊っているときは超オトコマエ、喋るとギャフンなヘタレ男、てのにクラクラきちゃう場合だってあるよ。……たぶん。
芝居のヘタさに胸キュンする乙女たちだって、少なからずいるんだと思うよ。……たぶん。
それか、ダンスだけでうっかり惚れて、あとから芝居を見てショックを受けないように、ダメなところも晒している、マサツカの親切心かもしれない?
とまあ、ちょー失礼な会話で盛り上がったくらい、レオくん演じるヤクザは、ひどかったです(笑)。
わたしは『Crossroad』のマヤちゃん演じるギャングを思い出していた。あれもひどかったさ……。オンナノコまんまの声で怒鳴って凄んで。弟分ならともかく、兄貴分役ってのが、なあ。キツさ倍増。
場面は日本へ移り、BJからもらった聖徳太子の札束を「馬で稼いだ」ととぼけるカイト@咲ちゃん。
借金の取り立てに来たのが、縦縞黒スーツのレオくんと、革ジャンおーじくん。や、ふたりとも、とってもわかりやすくヤクザさん。
レオくんの場合、姿が美しい分、声と芝居のダメっぷりが際立つんだと思う……。
いっそレオくんはほとんど喋らず、おーじくんががんがん喋って会話を進める、でも良かったのかも。レオくんは兄貴分だからクールに構えて、下っ端のおーじくんが兄貴の気持ちを察して動いているんだ、みたいなカタチにすれば。
……てなことも、友人たちと話しました。おーじくんは芝居も出来る、器用な下級生だよねえ? 今回台詞ほとんどないけど。
幕間の話だったので、わたしは友人たちに「2幕のレオくんがまたすごいんだよーっ」と語りたくてうずうずしてました。
ヤクザレオくんのアレさでこんだけ幕間の話題独占になるなら、2幕の空港職員見たら、さらにさらにレオくんの話題で盛り上がるに違いないっ。
てくらい、みんな、きらはれおくんが好きなんです(笑)。
良くも悪くも目立つ。話題になる。
これは、舞台人として強みである。
わたしは彼の顔が好みなので、活躍してくれるのはうれしいです。
早く声変わりしてくれることを切に祈りつつ。
エリ@あゆみちゃんは、不良なのではなく、単にダンスが好きな女の子なんだろうなと思う。
不良たちのたまり場としての派手な店に出入りしているのではなく、純粋に「踊る」ため。
えーと、あの時代だと「ゴーゴー喫茶」っていうんですかね? でも、正塚せんせは時代考証守る気ないみたいなんで、場面名は「クラブ」です(笑)。
なんかすごい格好の女の子@雛ちゃんと踊るカイトを見かけて、声を掛けてくるのはエリの方。
最近姿を見せなかったカイトを心配していたと言う。……エリの方が、カイトを好きなんだよね。ちゃんと。
ただ、カイトのバカはそれに気づいてない。
「他の女と同じ、足が不自由だからオレを相手にしないんだ」と決めつけるカイトに、思わず言い返しかける……けど、思い直してなにも言わずに立ち去る。
言えないよねええ。
この流れで、「好きだ」とは。
悔しすぎるわ。バカバカしすぎるわ。
店を飛びだしたエリが、泣いている気がする。
怒りながら、悔し泣きしているんだろう。カイトに。
そして、自分自身に。
わたしは咲ちゃんの、ちょっとした表情を好きだと思う。
彼の、「虚を突かれた顔」。
『はじめて愛した』のときがそうだった。ヒロインの母@ヒメと話しているときに、まるでわけもわからないまま主人に殴られた犬のような表情をした……何故傷つけられるのかわからない、虚を突かれた顔。
コンプレックスの固まりのカイトは、「大金」を手にするまで、エリを口説くなんてできなかった。
今なら言える、とばかりにエリを口説くのだけど、エリはカイトの変心を快く思わない。金を手に入れた途端口説かれたら、「あたしをなんだと思ってるの?」ってなるわな。
「あたし、あんたが思ってるほどすれっからしじゃないのよ」
エリにそう返されたときの、カイトの顔。
「……そんなこと、思ってないよ」
カイトにとっては、エリは高嶺の花だ。金でどうこうできるような、安い女だと思ってない。「あたしはお高い女よ」と返された方が、カイト的には驚かなかったろう。
エリに、エリへの好意を切り捨てられた、その瞬間の表情。
「あんたが思ってるほど」……カイトがナニを、思ってるって?
切りつけられた、無垢な顔が、胸に痛い。
そのあと彼が「他の女と同じだ」とエリを傷つけたのも、仕方ない。だってそれくらい、カイトも傷ついた。エリの言葉で。
……って、両思いのくせに、盛大にすれ違い、誤解しまくるふたりがすげーツボです。
ナニこの少女マンガ!!(笑)
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