未だに『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』の話。

 最初に見たとき、素でびびった。
 マンガのように、目の玉が飛び出ていたことだろう。
 まさかの、ともみん×まっつ。
 BJ@まっつの家にやって来たバイロン侯爵@ともみんが、銃を突きつけ同行を強制する。BJはもちろんそんなもんでびびらない。
 が。バイロン侯爵はさらに実力行使に出る。

 BJ誘拐のために、後ろからクロロホルムを嗅がせるの図。

 でかくぶアツいともみんが、小さくて薄いまっつを襲う。
 すっぽり。
 まっつ、すっぽり。ともみんの腕の中。

 まさつかェ……。
 さすが、アンソニー@トウコを、フレッド@ワタさんに後ろから抱きしめさせた男だわ……。
 ここぞ、ってときに、最終兵器を投入してくる。

 ともみんに後ろから抱きかかえられ、必死に抵抗するまっつ。

 まさか、こんなサービスショットを見られるとは思ってなかったっす。

 ともみんの腕を振り払い、なおも逃げようとするけれど、クロロホルムを嗅がされたためカラダが自由に動かないまっつ。
 床に倒れるまっつがまた、素敵ななポージング。腰が上がるように膝を折っていてね……ナニあれ、美形様横たわり図?

 這うように逃げるまっつに追いすがり、仰向けに転がして馬乗りになり、さらに襲いかかるともみん。
 ともみんのカラダの下で、意識を失うまっつ。

 抵抗していた腕が力を失い、床に落ちる。

 瞼を閉じたBJ先生の、人形のような美しさ。

 白い髪ってすげえな。人形度が増す。
 顔の横に投げ出された右手がやばい。可憐。

 侯爵の部下、ゴンチャロフ@ザッキーとセバスチャン@イリヤくんが意識のないBJを運び出すんだけど。

 軽そうで、萌える(笑)。

 なんかすごくひょいっと、抱え上げられてしまう、主役様。ザッキーとイリヤくんだって、別に大柄ってわけじゃないのに。そんな彼らに、ひょいっと。……軽いんだろうなあ、まっつって。平均的な男役と比べて。

 ところでこの場面のバイロン侯爵が、なかなか愉快なことになっていて。
 ピノコ@ももちゃんから超能力攻撃を受けているのに、ものともしない。
 カイト@咲ちゃんは止められたのに、ともみんは止められない。

 ……そりゃそうだよなあ。あのともみんだよ? 超能力ぐらいで、どーにかなる相手じゃないよ。ゴジラとか連れてこないと、ともみんには勝てないよ。
 そう思わせてしまうともみんが、すごい。

 ひとりでものすげー勢いで吠えまくるともみんに、あるとき隣の席の見知らぬ人が、なんかツボったらしくここで盛大に吹き出していた。いやここはべつに、笑うところじゃないと思う。たぶん。

 てゆーか最初のうち、わたしは盛大に泣いていた。
 2回目の観劇時は、確実に泣いたなー。
「私は止められん。無駄なことだ!」と吠える侯爵に、泣けた。
 正気ではない、行きすぎたその姿は……愛ゆえに。
 カイトみたいな半端な男はすぐに音を上げた。でもバイロン侯爵はチガウ。彼は殺されたって、あきらめない。彼が「人間じゃない」から耐えられたのではないと思う。
 意志の力ゆえに、カテリーナ@せしこを愛するゆえに、耐えられたんだ。

 そう思ったら、泣けて泣けて。


 影たちのダンス、りーしゃセンターなんだねえ、としみじみしつつ。
 五条さん@きゃびいへの電話を経て、バイロンの城へ舞台は移る。

 きゃびいのひとり芝居もうまいよなー。
 彼女の自宅へ直接電話してるんだよね、BJ先生。「山野先生はご存じなんですか?」とあるように、山野病院は通していない、個人的な依頼らしい。
 某国大統領治療のための留守を頼んだのは、山野を通してだったらしいのに、今回は五条さん直接。

 山Pのあの性格からして、彼に連絡すると話がまだるっこしくなるから、直接五条さんなんだろうな。
 誘拐され、ピノコの看護に必要な連絡事項以外は伝えられない……そうわかっていての電話で、話が脱線しそうな山野先生は連絡相手に不適格。
 BJ先生、ドライだわ。や、いい判断です。


 バイロン家の使用人たち。
 ガートルード@るりるり、ゴンチャロフ、セバスチャン。
 ガートルードはほんとにいいキャラ。『マジシャンの憂鬱』のトウカさんまんま(笑)。トウカさんは上級生だけど、るりるりはまだ若い。……ほんとるりるり、うまいよなあ。

 「ゴンスの人」ザッキーは素晴らしいインパクトのある役。
 別の役だけど、「ゴンスの人」としてザッキーが登場する、そのおかしさ。
 手塚治虫ってそうだったよねえ、と。

 『BJ』全体を通して、もっとも役不足で首をかしげるのが、イリヤくんの扱い。
 セバスチャンって、これだけ??
 出番も台詞もほとんどないし、アルバイトだってモブばっかだし。
 イリヤくんより下級生たちの方が、ずっといい役をもらっているので、学年順ということでもない。
 正塚の好みの問題なのか。

 なんかますますフェイスラインが丸くなった気がする。『フットルース』のころはもう少しすっきりしていたような?
 痩せていたら、影役にも入れたり、したのかなあ。ヤクザのメンバーに入れたり、したのかなあ。声は学年のわりにいいのに、披露する場がほとんどなかったね。

 他の「はじめてこんなに喋った」的な下級生たちが、どんどん目に見えて成長していったので、「舞台上の経験値」ってのはほんと役者をもっとも成長させるモノなんだなあと思う。
 その機会が、全員万遍ないわけでもなかったんだよなあ、と。


 バイロン侯爵に誘拐されたBJ。
 不思議なことに彼は、本当の意味で怒っていない。

 お茶会でまっつが「BJは警戒心の強い人ではない」と言っていたけれど、ほんとにそうだ。

 迷惑がっているだけで、バイロン侯爵を忌み嫌ってはいないんだ。
 大統領側近たちに同じことをされたら、絶対もっと態度違ってる。
 自分の保身ゆえに指図してくる側近たちと、愛する女性を助けたくてテンパっているバイロン侯爵では、評価が違うんだろうなと思う。


 しかし、まあ、クロロホルムで眠らせたBJを、自家用ジェットでヨーロッパの自宅(お城)まで運んだバイロンさん。
 きっとジェット機の中では眠るBJを傍らに置いて、ずーーっと寝顔を眺めていたんだろうなとか、丁重に運ぶよう指示して、思い直して自分で抱き上げて運んだんじゃないかとか、夢が膨らみますな。

 や、だって、侯爵様自ら手を下して、拉致した大切な命綱ですよ?
 他人の手に任せたりしないとか、いつも目の届くところに置くとか、基本じゃないですか?
 ねえ?(笑)

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