未だに『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』の話。

 ピノコ@ももちゃんの「ぐにゅ~~」は素晴らしいです。
 ほんと、最初見たとき驚いた。
 動くとは思わなかったもの!
 人形だと思ってた。
 人間が入っていて、しかも、ピノコ自身だなんて、まったく考えてなかった。

 しかしあの格好であの体勢であの角度にカラダをひねって静止、って、どんだけ腹筋勝負……。

 ホラーとして、素敵な演出。
 ……でもやっぱり、ピノコ自身にやらせなくても、ピノコの影がももちゃん自身でも、いいと思うの……。

 実際にあの格好でベッドにいて、BJ@まっつの声を聴ける、ってのはうらやましいし、役作りに有効なのかもしんないけど。


 BJがカイト@咲ちゃんへ突きつける札束が、聖徳太子だってことに、ちょっとツボる。
 そうだよなああ、ゲンナマといえば、札束といえば、聖徳太子だよな(笑)。
 咲ちゃんって平成生まれだよね。昭和のお札って、本物見たことないかもしんないもんなあ。

 厚み1センチくらいのまとまった額を渡しているので、BJ先生宅には、100万円くらいふつーに置いてあるらしいとわかる。
 70年代の100万円って、それなりに大金な気がするんですが。や、わたしにとっては現在も大金ですが。
 玄関に鍵もかけないのに、まんま置いてあるんだ……。
 そりゃ、200万ドルの男からすりゃ「現金はない」レベルのはした金なんだろうけどさー。

 「私たちの生活費」を全部渡しちゃって、明日からBJ先生どうするつもりなんだろう、とちと不安になる。
 やっぱり銀行にたんまり貯めてるのか。そりゃそーだよな、200万ドルは口座へ入金だろうし。BJ先生の華奢なカラダで、そんな重いもの持てるわけない。(そこ?!)


 カイトがさんざんひどいことを言っていったあとの、ピノコへの語り掛けが切ない。

「助けたくて もどかしくて 標さえ見えない」

 生まれてきた。生きようとしている。
 ただそれだけなのに、否定され、排除される。

 さっきの夢ゆめしいピノコドリームとうってかわって、ダークな世界観で、ピノコの影@ゆきのちゃんが踊る。

 ピノコの存在に、BJが自分自身を重ねて見ている……のだとしたら、ほんとうに、切ない。
 精一杯の叫びに、悲鳴に、誰にも気づいてもらえなかったのは、BJ自身なのか……。
 だからこそ、ピノコの手を離さない。「お前を見捨てない」と繰り返す。


 というところで、間の悪い男トラヴィス@ホタテが現れる。
「命に代えてもお守りします!」の金髪のボディガード、我らがホタテマン。
 ……BJ、ついさっき(昨夜)、命の危機だったんですが……。

 BJ、するっとトラヴィスのこと忘れてるし。発信機を忘れていたように。
 おぼえていたら、カイトに銃を突きつけられているときに、愚痴るはずだ。なにしろBJ先生愚痴っぽいし。
 ちなみに発信機は、昨夜トラヴィスに旅館の名刺を渡す折に、タンスの上に置き去りにしたまま。

 で、あわてて発信機を探すBJがかわいい。

 いたずらを見つかった子どものよう、というか。
「どこへやったかな~?」
 と、誤魔化すように探し出すのが、おかしい。

 「いつも身につけている約束」だから、当然トラヴィスはぎゃーぎゃー言う。
 だから、発信機を見つけたときの「あった」は幾分誤魔化しとかわいこぶりっこが入っている。自分の方が悪いのを隠すために。

 この「あった」が、めちゃくちゃ好き。

 かわいすぎる。もだえる(笑)。

 そのあとの「たまたまだよ」も含め、媚びと甘えの入った感じがたまらん。
 だってさー、BJってさー、無意識にやってるんだよ?
 自分の都合が悪くなると、甘えた様子になるんだよ?

 そして、発信機が不良品だとわかった途端の、手のひら返し。
 自分が弱い立場のときは甘え口調、優位に立つなり、ぴしっとドライに突き放す。

 ひどい。
 BJ先生、ひどすぎる~~!!

 しかし、こうやって見ると、たしかにBJはここでもうトラヴィスに心を許してるんだな。
 トラヴィスに甘えてるもんよ……。
 もしも、同じ会話を某国大統領側近たち@りーしゃや雛ちゃんたちとするなら、あんなかわいい返しはしないはずだ。皮肉たっぷりに斬りつけているだろう。

 この「修理が済んだら言ってくれ」とトラヴィスを突き放すツンデレぶりが、ちゃんと伏線になっている。
 発信機の修理のために、トラヴィスはそのあと必然的にBJ邸からいなくなるんだよね。

 しかしBJはトラヴィスをなんだと思っているんだろう。
 ボディガードだと思っているなら、カイトのことを報告するだろうに。
 ……カイトを物の数にも入れてない、ってことかな。


 山野@まなはると五条さん@きゃびいの会話をはさんで、再びBJ邸。
 時代錯誤ないでたちのバイロン侯爵@ともみんが現れる。
 ……BJ邸の玄関に、鍵はかかっていないらしい。その上、呼び鈴も故障しいる、と。……BJ先生……。

 ここで何故かBJ先生は生着替えプレイ付き。

 ベスト姿で現れて、舞台上でジャケットを着る。
 正塚先生すごいわー。いちいちファンのツボをくすぐる。
 この「上着を無造作に着る」という動作がまた、いいのだわ。かっこいいのだわ。

 青年館トークショーにて、ともみんが語っていた。バイロン侯爵がBJとはじめて会う、「ああこの人が」と姿を認めるその瞬間、そういう役柄でストーリーなのだということだけでなく、ほっとするのだと。まっつと目が合う、そのときに。
 安心できるのだと。
 「この人なら大丈夫」と思う、役柄と中の人の感情がシンクロするらしい。

 大変良い話なのだが、ふたりの体格差と温度差を考えるとちょっと楽しい(笑)。
 でかくていろいろとアツい大男が、小柄で冷静な薄いカラダの男を見つけ、ほっと安心する図。

 バイロンさんの、「それは重々承知していますが」の「重々」の言い方がいつも「ガイジンさん喋り」っぽくて耳に残る。ルロンさん@『JIN-仁-』的というか。……ふつーに日本語話してるのにね。

 なんかひとりでテンパっているバイロンさんは、BJに銃を突きつける。
 BJの「またか」がイイ。
 銃を突きつけられても、BJは怯えるのではなく、あきれるんだよね。で、「どいつもこいつも」とぶつぶつ。愚痴っぽい人ですから。

 で、1幕最大のサービスショットに続く(笑)。

コメント

日記内を検索