中日公演、お披露目、えりたん……。
『Shining Rhythm!』を観ながら思いだしていたのは不思議と、まとぶんお披露目『メランコリック・ジゴロ』『ラブ・シンフォニーII』だ。
あれは5年前の2月。
新生花組のプレお披露目に、名古屋へ駆けつけたんだった。
わたしはオサ様ファンで、オサ様退団公演のショー『ラブ・シンフォニー』を観すぎていて、新トップと新生花組で再演されることに、軽い惑乱を感じながら客席にいた。
や、全トップの退団公演がそのままプレお披露目になるのはよくあることなので、それはかまわない。
純粋に「細胞に染みつくぐらいリピートした作品を、別モノとして観る」ことに神経が混乱した。
トップがオサ様。2番手がまとぶん。3番手が壮くん。
オサ様が卒業するんだから、当然次はトップがまとぶん、2番手が壮くんだと思った。3番手にはみわっちがなるんだと思った。オサ様と共に花組を盛り立てたみんなで、新生花組を作っていくのだと思った。
それが、トップまとぶんはその通りだったけど、2番手は壮くんじゃなかった。壮くん以下は番手据え置き。
『メランコリック・ジゴロ』と『ラブ・シンフォニーII』、トップがまとぶん、2番手役が壮くん、3番手がみわっち……と、オサ様退団発表時に想像した次代の花組の顔ぶれでの公演なんだけど。
次の本公演からは、そうじゃない。
番手据え置きかあ……有限であるジェンヌ人生にて、トップ代替わり時のポジションアップなしって、大きなペナルティだよなあ。
そう思ったことを、今さら、思い出した。
5年前、中日公演で新生花組の2番手役を務めていたえりたんは、番手据え置きな人だった。
そして今、中日公演で新生雪組の2番手を務めているちぎくんも、番手据え置きな人だ。
組替えはタカラヅカにあってしかるべきものなので、それに対してどうこう思うのでも、組替えでやって来た人に対してどうこう思うのでもない。
わたしの贔屓も、番手据え置きも組替えも、経験者だし。
ただ、シチュエーションが似ているために、いろいろと混乱した。
何十回と観たショー。
新生組のプレお披露目。
中日劇場の2月。
代替わりしたけれど、中心の番手の人たちがポジションアップなし。
どちらの公演にも出演している、えりたん。
えりたんの笑顔。
えりたんの声。
なんだろう。変に切ない。
いろんな要因が重なって、花組時代のいろんなことまで思い出して、より切ない。
『メランコリック・ジゴロ』で、客席通路に隠れてたまとぶんや彩音ちゃん、えりたんのドヤ顔、すみ花の泣き顔、みわっちのオトコマエぶり、まっつ一花のカップル……いろんなことが浮かんできて。
なつかしくて、愛しくて、切なくて。
あのときえりたん、トップになれるかどうか、わかんなかったよなあ。
雪組で2番手に上がれるタイミングだったのに、3番手のまま花へ組替えになって、花組で2番手に上がれるタイミングだったのに、3番手据え置きで。
さすがに2回やられたら、不安になるよな。
それでもえりたんはえりたんで、ぺかーっと輝いていた。
そのぺかーっとした笑顔を、思い出した。
そして。
『ラブ・シンフォニーII』で、えりたんのダンスのアレさに目を覆ったことも、ついでに思い出した(笑)。
えりたん、ダンス苦手な人だったよね……。
ダンスがやたら多く、群舞だらけの中村Bショーだと、ダンス苦手な人は大変だよなー。
花組はしばらく中村Bあたってなかったんだなー。『ラブ・シンフォニー』以来なのか……壮くん、『ラブシン』は全ツ合わせて3回も出てるんだよなー、だから『ラブシン』は慣れたけど、それ以外の中村Bは久しぶりだよな……それでこんなことに……。
いや、それでも、5年前に比べると「スターらしいダンス」になったと思う。
ダンスの善し悪しなんかさっぱりわからない、ド素人のわたしが言うのもおこがましいですが、見せるのがうまくなったなあと。
「壮一帆が、真ん中にいる」ということが、不思議な感じがする。
あたし、ずいぶん長い間えりたん見てきてたんだなあ。
その彼が、ついに真ん中にいるんだ。
「壮一帆が、真ん中にいる」ということが、うれしい。
芝居のときは、感じなかった。大劇場じゃないし。中劇場で主演することなんて、スターさんならあって当然だし。
ショー作品で真ん中にいる。
それは、トップスターの証。
壮くんのことは、うれしい。
しかし、それと同時に、今観ているモノが『Shining Rhythm!』であるということに、とまどう。
『Shining Rhythm!』、観すぎてきたから。細胞に染みついているから。
キムみみちぎまっつヲヅキ……という「順番厳守!」の中村Bの構成する布陣を観すぎていたから。
壮あゆちぎ翔大……だと、ナニ組を観ているのか、わからなくなる。
や、あゆっちもちぎくんも翔くんも、前回の『Shining Rhythm!』に出演しているけど、ちぎくん以外ポジションが持ち上がりではなく総入れ替えになってるもんだから、画面が違いすぎて。
「上から順番、1、2、3」の中村Bなのに、コマくんが持ち上がりでまっつのポジに入ってない……。
まっつポジはいろんな人に振られていて、コマつんはその中の一部、オープニングと中詰めの短いメドレーダンスと最後のパレードぐらい。
まっつの見せ場であった「アンダルシア」の恋敵役、中詰めのソロ、「光と影」の影Aは、全部コマくん以外だった。こんな振り方って……。劇団め……。組替えしていくコマくんに、晴れ舞台用意してくれよー。
キムくんの『Shining Rhythm!』が染みつきすぎていて、いろいろと不思議だった。
えりたんとキムくんでは、別モノ過ぎて、比較することは出来ない。
だから、「比べる」のではなく、「ちがう」ことだけに、わたしの少ない脳細胞が混乱しまくっていた。
えりたんがすごいのは、ダンスが苦手でも、歌がキムくんほどうまいわけではなくても、キムくんの役を、全部まるっと「自分のモノ」にしてしまうところだ。
これはえりたんだ……別モノだ……比べる気にもならん……。
や、そんなつもりがなくても、比べちゃったりするじゃん、人間だもの! 覚悟していたつもりだけど、反対にそれがまったくなくて、そっちにびびったわ。
あ、もうひとつ思い出していた。
「キムと同じ役を演じるえりたん」というキーワード。
『お笑いの果てに』とわたしが呼んでいる、抱腹絶倒のバウ公演。中村Aに芝居を書かせるな、としみじみ思う破壊作。えりたんとキムくんが、同じ作品で主演したのだわ。最初がえりたん、次がキムくん。
……えりたんがもお、へたっぴでね……この空気読めない大根役者、どうなることかと思いましたよ(笑)。
同じ役をやったキムがめちゃくちゃうまくてね……同じ作品とは思えなかったもんですよ……。
えりたん、ほんっとうまくなったよなあ。歌も芝居も!!
早くから完成されていたキムと違い、えりたんってばえりたんらしさはそのままに、ほんとに大人になったんだー。
そんなことも思い出し、さらに胸がきゅんとなる。
キムも好き。えりたんも好き。
昔の雪組も、そしてこれからの雪組も。
えりたんの『Shining Rhythm!』。
わたしの中では、なんの問題もなく、キムの『Shining Rhythm!』と同列に、存在している。
両方アリだと思う。
すごい。
えりたんの『Shining Rhythm!』。
それでいい。
ただ、5年前の『メランコリック・ジゴロ』や、過ぎていった時や、もういなくなったジェンヌや、そのときや今の複雑な思いや、タカラジェンヌたちへの愛しさが、全部いっしょくたになって、ただもお、苦しい。
『Shining Rhythm!』を観ながら思いだしていたのは不思議と、まとぶんお披露目『メランコリック・ジゴロ』『ラブ・シンフォニーII』だ。
あれは5年前の2月。
新生花組のプレお披露目に、名古屋へ駆けつけたんだった。
わたしはオサ様ファンで、オサ様退団公演のショー『ラブ・シンフォニー』を観すぎていて、新トップと新生花組で再演されることに、軽い惑乱を感じながら客席にいた。
や、全トップの退団公演がそのままプレお披露目になるのはよくあることなので、それはかまわない。
純粋に「細胞に染みつくぐらいリピートした作品を、別モノとして観る」ことに神経が混乱した。
トップがオサ様。2番手がまとぶん。3番手が壮くん。
オサ様が卒業するんだから、当然次はトップがまとぶん、2番手が壮くんだと思った。3番手にはみわっちがなるんだと思った。オサ様と共に花組を盛り立てたみんなで、新生花組を作っていくのだと思った。
それが、トップまとぶんはその通りだったけど、2番手は壮くんじゃなかった。壮くん以下は番手据え置き。
『メランコリック・ジゴロ』と『ラブ・シンフォニーII』、トップがまとぶん、2番手役が壮くん、3番手がみわっち……と、オサ様退団発表時に想像した次代の花組の顔ぶれでの公演なんだけど。
次の本公演からは、そうじゃない。
番手据え置きかあ……有限であるジェンヌ人生にて、トップ代替わり時のポジションアップなしって、大きなペナルティだよなあ。
そう思ったことを、今さら、思い出した。
5年前、中日公演で新生花組の2番手役を務めていたえりたんは、番手据え置きな人だった。
そして今、中日公演で新生雪組の2番手を務めているちぎくんも、番手据え置きな人だ。
組替えはタカラヅカにあってしかるべきものなので、それに対してどうこう思うのでも、組替えでやって来た人に対してどうこう思うのでもない。
わたしの贔屓も、番手据え置きも組替えも、経験者だし。
ただ、シチュエーションが似ているために、いろいろと混乱した。
何十回と観たショー。
新生組のプレお披露目。
中日劇場の2月。
代替わりしたけれど、中心の番手の人たちがポジションアップなし。
どちらの公演にも出演している、えりたん。
えりたんの笑顔。
えりたんの声。
なんだろう。変に切ない。
いろんな要因が重なって、花組時代のいろんなことまで思い出して、より切ない。
『メランコリック・ジゴロ』で、客席通路に隠れてたまとぶんや彩音ちゃん、えりたんのドヤ顔、すみ花の泣き顔、みわっちのオトコマエぶり、まっつ一花のカップル……いろんなことが浮かんできて。
なつかしくて、愛しくて、切なくて。
あのときえりたん、トップになれるかどうか、わかんなかったよなあ。
雪組で2番手に上がれるタイミングだったのに、3番手のまま花へ組替えになって、花組で2番手に上がれるタイミングだったのに、3番手据え置きで。
さすがに2回やられたら、不安になるよな。
それでもえりたんはえりたんで、ぺかーっと輝いていた。
そのぺかーっとした笑顔を、思い出した。
そして。
『ラブ・シンフォニーII』で、えりたんのダンスのアレさに目を覆ったことも、ついでに思い出した(笑)。
えりたん、ダンス苦手な人だったよね……。
ダンスがやたら多く、群舞だらけの中村Bショーだと、ダンス苦手な人は大変だよなー。
花組はしばらく中村Bあたってなかったんだなー。『ラブ・シンフォニー』以来なのか……壮くん、『ラブシン』は全ツ合わせて3回も出てるんだよなー、だから『ラブシン』は慣れたけど、それ以外の中村Bは久しぶりだよな……それでこんなことに……。
いや、それでも、5年前に比べると「スターらしいダンス」になったと思う。
ダンスの善し悪しなんかさっぱりわからない、ド素人のわたしが言うのもおこがましいですが、見せるのがうまくなったなあと。
「壮一帆が、真ん中にいる」ということが、不思議な感じがする。
あたし、ずいぶん長い間えりたん見てきてたんだなあ。
その彼が、ついに真ん中にいるんだ。
「壮一帆が、真ん中にいる」ということが、うれしい。
芝居のときは、感じなかった。大劇場じゃないし。中劇場で主演することなんて、スターさんならあって当然だし。
ショー作品で真ん中にいる。
それは、トップスターの証。
壮くんのことは、うれしい。
しかし、それと同時に、今観ているモノが『Shining Rhythm!』であるということに、とまどう。
『Shining Rhythm!』、観すぎてきたから。細胞に染みついているから。
キムみみちぎまっつヲヅキ……という「順番厳守!」の中村Bの構成する布陣を観すぎていたから。
壮あゆちぎ翔大……だと、ナニ組を観ているのか、わからなくなる。
や、あゆっちもちぎくんも翔くんも、前回の『Shining Rhythm!』に出演しているけど、ちぎくん以外ポジションが持ち上がりではなく総入れ替えになってるもんだから、画面が違いすぎて。
「上から順番、1、2、3」の中村Bなのに、コマくんが持ち上がりでまっつのポジに入ってない……。
まっつポジはいろんな人に振られていて、コマつんはその中の一部、オープニングと中詰めの短いメドレーダンスと最後のパレードぐらい。
まっつの見せ場であった「アンダルシア」の恋敵役、中詰めのソロ、「光と影」の影Aは、全部コマくん以外だった。こんな振り方って……。劇団め……。組替えしていくコマくんに、晴れ舞台用意してくれよー。
キムくんの『Shining Rhythm!』が染みつきすぎていて、いろいろと不思議だった。
えりたんとキムくんでは、別モノ過ぎて、比較することは出来ない。
だから、「比べる」のではなく、「ちがう」ことだけに、わたしの少ない脳細胞が混乱しまくっていた。
えりたんがすごいのは、ダンスが苦手でも、歌がキムくんほどうまいわけではなくても、キムくんの役を、全部まるっと「自分のモノ」にしてしまうところだ。
これはえりたんだ……別モノだ……比べる気にもならん……。
や、そんなつもりがなくても、比べちゃったりするじゃん、人間だもの! 覚悟していたつもりだけど、反対にそれがまったくなくて、そっちにびびったわ。
あ、もうひとつ思い出していた。
「キムと同じ役を演じるえりたん」というキーワード。
『お笑いの果てに』とわたしが呼んでいる、抱腹絶倒のバウ公演。中村Aに芝居を書かせるな、としみじみ思う破壊作。えりたんとキムくんが、同じ作品で主演したのだわ。最初がえりたん、次がキムくん。
……えりたんがもお、へたっぴでね……この空気読めない大根役者、どうなることかと思いましたよ(笑)。
同じ役をやったキムがめちゃくちゃうまくてね……同じ作品とは思えなかったもんですよ……。
えりたん、ほんっとうまくなったよなあ。歌も芝居も!!
早くから完成されていたキムと違い、えりたんってばえりたんらしさはそのままに、ほんとに大人になったんだー。
そんなことも思い出し、さらに胸がきゅんとなる。
キムも好き。えりたんも好き。
昔の雪組も、そしてこれからの雪組も。
えりたんの『Shining Rhythm!』。
わたしの中では、なんの問題もなく、キムの『Shining Rhythm!』と同列に、存在している。
両方アリだと思う。
すごい。
えりたんの『Shining Rhythm!』。
それでいい。
ただ、5年前の『メランコリック・ジゴロ』や、過ぎていった時や、もういなくなったジェンヌや、そのときや今の複雑な思いや、タカラジェンヌたちへの愛しさが、全部いっしょくたになって、ただもお、苦しい。
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