さて、らんとむ→えりたんと続き、次がよーやく特出ナシの通常運転の月組公演『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』です。

 アンドレはまさお!!
 ……と思って喜々として席に着き。

 「ごらんなさい♪」とかわいこぶっているバラの少年@ゆうまくんを捕獲してアゴを落としつつ、さーて、主役たちの登場だ。

 アンドレ、まさおちがうやん!!

 アンドレは、みりおくんでした……。

 キャスティング、チェックしようよ自分……。
 何故かアンドレ@まさおだと、疑いもしてなかったよ。

 や、どーせ4役全部観るんです。はりきってチケット押さえ過ぎちゃって、反対にさばくはめになったりしてるくらいです。
 全部観るのが前提だから、いつどの公演がどのキャスティングが、チェックしてなかった……つか、おぼえ間違ってた……。
 4役全部観る、チケット大丈夫、と思ってたけど、あたし間違えて取ったりさばいたり、してるんじゃない??とびびるくらいに、「アンドレ、まさおちがうやん!」はショックでした。
 帰宅してから、残りのチケット確認したよ……大丈夫、次はまさおがアンドレのやつだった!


 まさおアンドレを見る気満々だったので、意識を変更するにの気力が必要でした。
 つまり、「アンドレ@みりおはこの1回限り、ちゃんと眺めよう」という意識だけでなく、「まさおのオスカル、これで見納めなんだ」という意識……女々しすぎるとかキモいとか、さんざん言ってますが、けっこー好きなんですって。
 あー忙しいな特出・役替わり祭り。
 わたしみたいにゆるくてリピートしない客には、見逃すこと・見切れないことばっかりだ。


 思うのは、「わたしは、みりおくんに期待しすぎかもしれない」ということ。

 なんだろう、みりおくんに対するこの信頼感って。
 彼ならばどんなに過酷な役替わりでも、どんな役でも、素晴らしく「スター!」としての仕事を果たしてくれる! という思い込みがある。
 何故なら彼は、「真ん中に立つことが相応しい人」だから。「トップスターになるべく、宿命付けられた人」だから。

 いつもいつも、みりおくんには、「いいモノを見せてくれる」と、「見る前から」思ってしまう……。

 ので、わたしの期待値に達しなかったときは、拍子抜けする。
 あれ? って。
 みりおくんなのに、こんなもん? と。

 わたしの問題かもしれない。みりおくんに夢を持ちすぎているのか。


 アンドレ@みりおは……なんか、ふつーだった。
 いや、ふつーというか、いまいち?
 この程度なの? と思った。

 ……のはやはり、最初に見たのが蘭寿さんで、次に見たのが壮さんだからかもしれない。
 みりおくんが最初なら、また違ったのかも。

 なんというか、「弱い」アンドレだった。
 ケンカが弱そうとか、そういう意味じゃなくて、存在感だとか生彩が薄いアンドレだった。
 かといって、「影」としての濃さも暗さもない。
 ただ単に足りてない印象。

 良くも悪くもまさおオスカルは、色がはっきりしている。くねくねキモいっつーか、「女」の嫌な部分がばっちり出ているウザキャラだ。
 そのウザいカンチガイ女に惚れている、猪突猛進カンチガイ男……には、見えない。
 はっきりいうと、とてもふつーの男に見えた。みりおくんだからもちろんとんでもなく美形なんだけど……そんな顔立ちの話ではなく、キャラクタとして、とてもふつー。
 こんなふつーの地味な男が、何故あんなとんでもない変な女に惚れてるんだ?? ふつーの人なら、あんな女がそばにいたら一歩下がって静観するだろう、迷惑こうむりたくなくて。

 アンドレがふつーの人過ぎて、違和感。
 ふつーの、タカラヅカの二枚目、ふつーの、タカラヅカのスター。

 毒殺シーンとかに期待したんだけど、オスカルのキャラに対して、色で負けたまま終わったよーな。

 うーん。

 みりおくんは、ベルナール役が良かったなあ。
 本気で「正しくヒーロー」「正しくスター」だったもの。
 ベルナールはもちろんトップスターの役でも主役でもないけれど、みりおくんの正しい光で「このスターさんが、将来トップスターさんになるんだな」と思わせてくれた。
 タカラヅカのピラミッドを理解させてくれた。トップスターの次の世代、これだけきらびやかなスターが控えているんですよ、と。


 特出なんかなくて、最初からアンドレがみりおくんの固定役だったなら、彼はその「真ん中力」を正しく発揮して、「ヒーロー!」としてのアンドレ像を見せてくれたのかもしれない。

 今回は苦手な植田歌舞伎、相手役はいろいろ大変なことになっているまさおさん、学年差年齢差ものすげーですよ!な他組トップスターと同じ役、という三重苦で、いまいちな出来に見えたのかもしれない。
 もっとあとの公演で、組全体が植爺芝居に慣れたあととか、そういうことでも、違ったかもしれない。

 そしてまた、わたしがみりおくんに求めるモノが大きすぎるんだろうしな。
 まさおがなんにもできなくても気にならないのに、みりおくんだと「えっ、どうして?!」と思ってしまうもの。
 ……この場合、失礼なのはまさおくんに対してでしょうか……。わたしのまさお観って……。まさおかわいいよ、まさお。


 まさみりでラブシーンが見たい、愛憎劇が見たいと言い続け。
 最初に見たのがこの『ベルばら』の「今宵一夜」になるわけだ。

 ……他のが見たかったなああ。

 まさみりでひとりの女を取り合って、女のことなんか実はただの言い訳で、実際はオマエらが憎み合うことが重要なんだろ?みたいな。
 『血と砂』とか、ソレ系のやつをやってくれたら、悶絶しながら通ったろうに……って、バウぢゃチケット取れないか。

 型にはまった、不自然なポーズでのキスに、「ただの『お約束』であって、ラブシーンぢゃない……」と、肩を落として眺めました。


 で、相変わらずなんの予備知識もなく見ていたので。

 フィナーレのボレロ、「ああ、アンドレとオスカルのボレロね、みりおくんがまさおちゃんと踊るのね」と思い込んでいたから。

 ライトが点いた瞬間、男女が性別逆で、アゴを落とした。

 オスカル様が、ドレス姿のアンドレと踊ってる~~~~っっ!!

 なんぢゃこりゃ~~!!

 なんで入れ替わってるの??
 「ボレロは男役の方が格上、トップスターは格上の役でなくてはならない」という意味不明の格付け主義のため?

 ふつーにオスカル=女、アンドレ=男でええやん……。

 女メイクのままのまさおはナヨ男のままだし、男メイクのままのみりおは逞しいオカマのままだし……誰得?!

 あれほど女装がきれいなみりおくんが、こうまでカマ全開になるとは……。


 ほんとにいろいろと謎だわ、月組。
 『ベルばら』なんて、タイトルに惹かれてやって来た一見さんが多いんだから、変なことしなくていいのに。
 きっと彼らは、大階段で踊っている男女が誰なのかもわかってない……オスカルとアンドレが性別入れ替わってるなんて気づいてないよ……無意味だよ……。

 まさみりってほんと大変だ。
 ……それでも、まさみり解体は寂しいんだ。

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