大劇場で主演するということ。@新人公演『JIN-仁-』
2012年11月3日 タカラヅカ ということで、長々と『フットルース』組の新人公演『JIN-仁-』メンバーの話をしておりましたが。
よーやく主演コンビの話です。
『フットルース』でもカップルだった、咲ちゃんとさらさちゃん。
咲ちゃんは1年半ぶりの4回目の主演、さらさちゃんは初ヒロイン。
ジーターとユーリーンが大好きだったので、このふたりのカップルがもう一度見られる!ってだけで、テンション上がりました。
咲ちゃんは抜擢が早すぎて、学年からすりゃうまいけど、ぷくぷくまるまるオンナノコまんまのうちから主演独占、オイシイ役独占、無理な立ち位置連続で、組ファンどん引き、拍手皆無の初日、とか、いろいろいろいろありました。
でも確実にうまくなっているし、かっこよくなってきている。
今年になってからの伸びはすごい! 特に『フットルース』のイケメンぶりときたら……!!
と、期待値は高かったっす。
なんつーか、今回が初主演なら良かったのに、と思いました。
無理な抜擢で反感買いまくるよりも、ちゃんと実力とビジュアルが付いてきて「あの子誰、カッコイイ」「あの子が主演したら、絶対観に行く!」と観客に思わせてから、ここぞとばかりに主演させれば、観客は「あたしたちの思いが届いた!」と驚喜して駆けつけるのにねえ。
主演独占に見合うだけのモノを放てない場合、劇団の思惑と観客の気持ちは反比例するのにねえ。
仁先生@咲ちゃんは、ふつうにうまかったです。
……そう、ふつうに。
新人公演として。
「主役」って、特別のことなんだなと思う。
『フットルース』で、主人公の友だちのひとりとして、モブより一歩前、という立ち位置にいるときは、そりゃステキだった。
イケメンで目を引いた。小芝居も楽しかった。
『JIN-仁-』本公演で、悪役としてちょろっと出てきてキメポーズにキメ台詞を言う、それもまたステキだった。
体格イイし、声も通るし、オイシイ役だった。
しかし。
脇としてかっこよかったりおいしかったりするのと、真ん中で2時間近くすべてを牽引するのは、まったく別のことだ。
咲ちゃんは、ふつうにうまい。
なにが出来ない、というわけじゃない。
歌も芝居もダンスも破綻はない。
あとはカラダが絞れていないとか、所作がゆるいとか、男役として年月を積まないとどーしよーもない部分くらいしか、目に見えて欠けているところはない。
ふつーにできる、ふつーにうまい。
……それだけで、何故こうも「足りない」感が残るんだろう?
脇でちょこっとおいしいことをする分には、とてもステキなスターさんなのに。
なにかひとつでも、圧倒的なものがあれば、チガウのかな。
なにかがとてつもなく欠けていたとしても、それを覆い隠してしまうくらい、とんでもないナニかが。
歌唱力でも空回りするくらいの熱度でも、なんでもイイから、ナニか。
そしてそれは、新公主演3連続やって、バウ主演もやって、その他いろんな公演で主要キャラやって、経験値だけでいったらそのへんの上級生スターよりはるかに高い、そういう「安定期に入った人」が出すのは難しい「ナニか」なのかもしれない。
無理な抜擢をせず、少しずつ大切に育てて、はじめての主演にこの素材をぶつけてくれたら、どんな爆発力を見せてくれたんだろうか?
安定ではなく、崖っぷちの情熱を。
はじめての主演でこの出来なら、それだけで騒がれたろうになあ。
咲ちゃんのキャリアだと、「出来て当たり前」だもんなあ。
うまかったよ。
いい新公主演ぶりだった。
キムくんを忠実になぞっている感じ。彼から出来るだけ多くのモノを吸収しようとしているのがわかる。
でも、主演って、真ん中のスターって、難しい。……そう思った。
初ヒロイン、咲@さらさちゃんは……。
役と立場を、ほんっとーに選ぶ人だなあ、と、思った……。
さらさちゃんのパーツが派手で造作の大きい顔は、舞台人として武器だと思う。どこにいてもわかるし、表情もよく見える。
ただ、「タカラヅカのヒロイン」という狭く小さなカテゴリからは、大きくはずれていると、思う……。
現代の結命役はいいんだけど、日本髪が致命的に似合わない……。
本公演の茜ちゃんもそうなんだけど、あちらはヒロインじゃないので、ファニーフェイスでも「かわいい」で済む。
しかし、ガチにヒロインとなると……「チガウ」としか。
また、彼女の芝居の質も、ヒロインとはチガウ気がする。
大芝居というか、技術に頼っている感じというか。まず外側の芝居をどーんと見せつけて、そこから奥がわかりにくい。
技術に頼った芝居が強くて、その強さばかりが目について、それ以上の心の動きがわかりにくい。
植田歌舞伎っぽい感じ?
たぶん、わたし好みのお芝居ではなかったんだと思う。
ユーリーンがそうだったように、脇にいるときはそれが心地いい。
スポットライトや物語の中心が彼女には当たっていないため、歌舞伎的な強く大ぶりな芝居をしてくれると、目に入りやすい。
真ん中を見ていても、同時に、脇でなんかやっている彼女が視界に入る。芝居は真ん中だけでするものじゃないし、世界は主人公だけで作られているわけじゃない、脇の子たちも生き生きと生活している……それが世界観を深めている。
さらさちゃんの濃さと大きさは、その舞台の世界観を多層的にするのに必要だった。
でも、彼女が真ん中だと……物足りない。
大きいばかりで、繊細さがチガウ。や、芝居なんて好みでしかないから、わたしにとって、というだけで、世間様の感想はわからないが。
あくまでも、わたしにとっては、違った。
外見か芝居か、どちらかがわたしの求める「ヒロイン」と合致していればよかったんだけど……両方かけ離れていたので、今回はきつかった。
アントワネット役だったら、ハマったかもなー。
それを思うと残念だ。
さらさちゃん、うまいのに。華と押し出しのある、よいスターさんなのに。
ヒロイン決まったときは喜んだ。実力派キターーッ、と。
ショーでもさらさちゃんのボンバーなダンスを見るの好きなのに。目を奪う子なのに。
主演って、真ん中のスターって、難しい。……そう思った。
あくまでも新人公演、あくまでも現時点でのことだから、彼らがこの先どんだけステキに花開いて、真ん中とは彼らのためにあるっ!という、スターさんになるかもしれない。
ソレに期待する。
よーやく主演コンビの話です。
『フットルース』でもカップルだった、咲ちゃんとさらさちゃん。
咲ちゃんは1年半ぶりの4回目の主演、さらさちゃんは初ヒロイン。
ジーターとユーリーンが大好きだったので、このふたりのカップルがもう一度見られる!ってだけで、テンション上がりました。
咲ちゃんは抜擢が早すぎて、学年からすりゃうまいけど、ぷくぷくまるまるオンナノコまんまのうちから主演独占、オイシイ役独占、無理な立ち位置連続で、組ファンどん引き、拍手皆無の初日、とか、いろいろいろいろありました。
でも確実にうまくなっているし、かっこよくなってきている。
今年になってからの伸びはすごい! 特に『フットルース』のイケメンぶりときたら……!!
と、期待値は高かったっす。
なんつーか、今回が初主演なら良かったのに、と思いました。
無理な抜擢で反感買いまくるよりも、ちゃんと実力とビジュアルが付いてきて「あの子誰、カッコイイ」「あの子が主演したら、絶対観に行く!」と観客に思わせてから、ここぞとばかりに主演させれば、観客は「あたしたちの思いが届いた!」と驚喜して駆けつけるのにねえ。
主演独占に見合うだけのモノを放てない場合、劇団の思惑と観客の気持ちは反比例するのにねえ。
仁先生@咲ちゃんは、ふつうにうまかったです。
……そう、ふつうに。
新人公演として。
「主役」って、特別のことなんだなと思う。
『フットルース』で、主人公の友だちのひとりとして、モブより一歩前、という立ち位置にいるときは、そりゃステキだった。
イケメンで目を引いた。小芝居も楽しかった。
『JIN-仁-』本公演で、悪役としてちょろっと出てきてキメポーズにキメ台詞を言う、それもまたステキだった。
体格イイし、声も通るし、オイシイ役だった。
しかし。
脇としてかっこよかったりおいしかったりするのと、真ん中で2時間近くすべてを牽引するのは、まったく別のことだ。
咲ちゃんは、ふつうにうまい。
なにが出来ない、というわけじゃない。
歌も芝居もダンスも破綻はない。
あとはカラダが絞れていないとか、所作がゆるいとか、男役として年月を積まないとどーしよーもない部分くらいしか、目に見えて欠けているところはない。
ふつーにできる、ふつーにうまい。
……それだけで、何故こうも「足りない」感が残るんだろう?
脇でちょこっとおいしいことをする分には、とてもステキなスターさんなのに。
なにかひとつでも、圧倒的なものがあれば、チガウのかな。
なにかがとてつもなく欠けていたとしても、それを覆い隠してしまうくらい、とんでもないナニかが。
歌唱力でも空回りするくらいの熱度でも、なんでもイイから、ナニか。
そしてそれは、新公主演3連続やって、バウ主演もやって、その他いろんな公演で主要キャラやって、経験値だけでいったらそのへんの上級生スターよりはるかに高い、そういう「安定期に入った人」が出すのは難しい「ナニか」なのかもしれない。
無理な抜擢をせず、少しずつ大切に育てて、はじめての主演にこの素材をぶつけてくれたら、どんな爆発力を見せてくれたんだろうか?
安定ではなく、崖っぷちの情熱を。
はじめての主演でこの出来なら、それだけで騒がれたろうになあ。
咲ちゃんのキャリアだと、「出来て当たり前」だもんなあ。
うまかったよ。
いい新公主演ぶりだった。
キムくんを忠実になぞっている感じ。彼から出来るだけ多くのモノを吸収しようとしているのがわかる。
でも、主演って、真ん中のスターって、難しい。……そう思った。
初ヒロイン、咲@さらさちゃんは……。
役と立場を、ほんっとーに選ぶ人だなあ、と、思った……。
さらさちゃんのパーツが派手で造作の大きい顔は、舞台人として武器だと思う。どこにいてもわかるし、表情もよく見える。
ただ、「タカラヅカのヒロイン」という狭く小さなカテゴリからは、大きくはずれていると、思う……。
現代の結命役はいいんだけど、日本髪が致命的に似合わない……。
本公演の茜ちゃんもそうなんだけど、あちらはヒロインじゃないので、ファニーフェイスでも「かわいい」で済む。
しかし、ガチにヒロインとなると……「チガウ」としか。
また、彼女の芝居の質も、ヒロインとはチガウ気がする。
大芝居というか、技術に頼っている感じというか。まず外側の芝居をどーんと見せつけて、そこから奥がわかりにくい。
技術に頼った芝居が強くて、その強さばかりが目について、それ以上の心の動きがわかりにくい。
植田歌舞伎っぽい感じ?
たぶん、わたし好みのお芝居ではなかったんだと思う。
ユーリーンがそうだったように、脇にいるときはそれが心地いい。
スポットライトや物語の中心が彼女には当たっていないため、歌舞伎的な強く大ぶりな芝居をしてくれると、目に入りやすい。
真ん中を見ていても、同時に、脇でなんかやっている彼女が視界に入る。芝居は真ん中だけでするものじゃないし、世界は主人公だけで作られているわけじゃない、脇の子たちも生き生きと生活している……それが世界観を深めている。
さらさちゃんの濃さと大きさは、その舞台の世界観を多層的にするのに必要だった。
でも、彼女が真ん中だと……物足りない。
大きいばかりで、繊細さがチガウ。や、芝居なんて好みでしかないから、わたしにとって、というだけで、世間様の感想はわからないが。
あくまでも、わたしにとっては、違った。
外見か芝居か、どちらかがわたしの求める「ヒロイン」と合致していればよかったんだけど……両方かけ離れていたので、今回はきつかった。
アントワネット役だったら、ハマったかもなー。
それを思うと残念だ。
さらさちゃん、うまいのに。華と押し出しのある、よいスターさんなのに。
ヒロイン決まったときは喜んだ。実力派キターーッ、と。
ショーでもさらさちゃんのボンバーなダンスを見るの好きなのに。目を奪う子なのに。
主演って、真ん中のスターって、難しい。……そう思った。
あくまでも新人公演、あくまでも現時点でのことだから、彼らがこの先どんだけステキに花開いて、真ん中とは彼らのためにあるっ!という、スターさんになるかもしれない。
ソレに期待する。
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