30周年の記念公演!…だそうですよ。@1万人の第九
2012年12月2日 その他 毎年恒例、『1万人の第九』に参加してきました。
「30周年」ということで、記念すべき公演、だそうです。
延べ1万人×30年=30万人が参加した、ものすげーイベントです。30万通りの人生がある、ということです。
やたらめったら「30周年」「特別」をくり返していて、ただの1参加者であるわたしは「よくわかんないけど、すごそうだなー」「なんか派手にやるのかなー」と漠然と考えてました。
去年は震災絡みでやたら盛り上がったし。感動的だったし。
今年はそれ以上の盛り上がりを約束されているのかしら。
そう、思ってました。
で。
参加してみた感想は、この公演、ナニがやりたかったんだろう??でした。
やたらとくり返される「30周年」「お祭りだから」。
なのに、メインゲストは森山良子、メインの歌は「家族写真」。
「家族写真」って、日本国民が歓喜の涙に暮れるような、ものすごい名曲なんですか? 誰もが知っていて、イントロが流れるだけで歌詞完璧、子どもからお年寄りまで熱唱できるような?
わたしは無知なので知らなかったっす。
リハーサルで生まれてはじめて聴いた。
わたしの周囲、話し声が聞こえてくる範囲でも「この歌知ってた?」「知らない、はじめて聴いた」「何度聴いてもおぼえられない。単調で」てな会話がくり返される。
わたしや、たまたまわたしの周囲の人たちみんなが知らないだけで、1度聴いたらその曲の素晴らしさや、馴染みの良さに高揚する・感動する、なら、納得の選曲だけど。
「いい曲」ではあるけど、イベント向きの曲じゃない……。
とにかく、地味。
盛り上がる曲の合間に組み込まれているならアリだけど、単体で「30万人」を謳うイベントのメインに据えるようなパワーのある曲じゃない。
メインゲストに力がないのに、その上、東北会場との中継。
ナマのコンサートで、えんえん映像スクリーンを見せられる微妙さ……。
確かに去年、震災ゆえ、復興へのエールを込めて、東北との中継があり、とても感動的だった。成功だった。
だからといって、今年もやってどうするんだ?
震災のことも被災地のことも、テーマじゃない。テーマは「30周年」「お祭り」だ。スタッフの人がはじまる前にマイクでそう説明していた。明るいテーマなんだから、みんなで盛り上げてくれ、と頼んでいた。
明るいお祭り!と言いながら、それに徹し切れていない。
半端にあっちにもイイ顔、こっちにもお愛想、その結果……ぐたぐたに。
「30周年」「この30年を振り返って」と繰り返しアナウンスするわりに、そんなプログラムは一切ない。
冒頭に過去映像が一瞬流れただけ。
30年の歴史とは無関係な「天才ピアニスト」(コンサートの総監督とリアルで仲良し)の演奏と、森山良子の歌だけ。
30年の懐古がテーマなら、それに徹すればいいのに。
東北会場とのリンクは盛り下がるだけだし、「平原綾香が第九に挑戦!」も、わたしたちのコンサート自体には関係ない。あーやは東北会場、「1万人の第九」の会場にはいない。
たぶん、例年通りあーやの第九挑戦は、テレビ番組のための企画だろう。彼女の第九挑戦をドキュメントにして番組を制作する。テレビ番組が主体で、素人が集まったコンサート自体の重要度は低い。
主催が毎日放送である限り、テレビ番組がいちばん大切なのはわかるけれど、今回は他の企画がお粗末だったために、その順位付けがさらにあからさまになってしまった印象。
事前アンケートで、「過去29年の『1万人の第九』で印象に残った回は?」という質問があった。
去年の震災ネタの回がものすごく盛り上がったのは確かだけれど、あれは特別というか、一緒にしてはいかんだろうと思うのではずして、わたしは2009年の第27回を選んだ。
ゲストはマッキー。「1万人の第九」の前座である第1部で、(わたしが知る10数年の間で)前代未聞のカーテンコールがあるくらい、盛り上がりすぎてすごい回だった。
「世界に一つだけの花」という、日本国民のほとんどが「知っている・歌える」曲を持って来たのも強かった。
会場が一体となって盛り上がった。
……てことで、その回を支持した意見がわたし以外にも圧倒的に多かったんだろう。
記念すべき30周年も、シークレット・ゲストがマッキーで、1部のラストソングは「世界に一つだけの花」だった。
なんつーか……。
ヘタだなあ、企画……。
盛り上がらなくて、どーしようこの空気、ってとこに、マッキー登場。
たしかにその瞬間は盛り上がるし、なんつっても「世界に一つだけの花」は曲自体にパワーがある。
はじめて「祭りだー!」という空気になった……が、即終了。
シークレットだから、ほんとにラスト数分に1曲歌って終わり、1部終了、なんだもん。
せっかく盛り上がった、これから巻き返しできるかも? ってとこで、幕。
消化不良感が、ひどい。
今年のプログラム、ひどいなー。
なまじ去年が東北絡みで成功したからって、2匹目のドジョウ狙って、佐渡せんせの「お友だちと一緒にステージやりたい病」が再加熱して、だけど主催側は「ウチが企画して運営して30年も続けてこれたんだからね!」と鼻息荒くて、……結果、こんなことに。
いろいろとお疲れ様です。いろんなところの力関係とか事情とか絡み合って、大変だったんだろうなあ。
よかったことは、会場の室温が、あまり低くなかった。
毎年毎年、大半を占める女性参加者のことは考えず、極寒の室温だったのが、今年はそれほどでもなかった。
運営している側や男性陣はスーツ着用だし、スタッフは走り回ってるし、ステージ上はライト燦々だし、で、薄暗いスタンドでブラウス1枚で唇真っ青にして凍えている数千人の女性のことは念頭にない、のが当たり前だったもん。
わたしは自衛して、ものすごーく前準備して、それなりの装備で臨んだので、それゆえに寒くなかったのかもしれないけど、わたしが覚悟していたより寒くなかった。
周囲の人たちも、「思ったほど寒くない」と言っていたし。
それと、「合唱団当日スケジュール」記載が、復活していた。
朝9時から夕方6時まで完全拘束なのに、去年はスケジュールを教えてくれなかったんだ。
一昨年までは、当日スケジュールは前もって告知されていた。ただ、ここ数年ゲネの進行がぐたぐたで、スケジュール通りに進んでなかった。なまじ告知しているから「休憩時間がスケジュールと違う!」とか文句言われるんだ、それなら最初から告知しなければいい!……と、思ったんだろうか。
去年は一切シークレット。はじめて参加する人は、いつどこで食事をして、いつトイレに行けばいいか、想像することも出来なかった。
なにしろ極寒で女性たちは震えきっている。休憩時間はトイレの大行列で終了が当たり前、そんな居住環境なのに、スケジュールは一切教えない。いつまで我慢すれば次の休憩があるのか、トイレに行けるのか、わからないまま・教えないまま、1万人を整列させておくんだから、すごかったよ。
運営しているのがスーツを着た男の人たちなのが、すごーくよくわかる(笑)。女子トイレ行列の過酷さとか、想像したこともないんだろうな。
苦情が多かったんだろうなあ。改善されて良かった。
肝心の「1万人の第九」自体は……まあ、ふつうだったんじゃあ? わたしみたいな凡人の耳には詳しいことはわかりません。
わたしのテンションは1部のぐたぐたぶりに、あまり上がってなかったけど、まあ例年通りに歌えたので。
キヨハラせんせーに「この5年のうちでいちばんヘタ」と言わしめた、今年の合唱団ですが。
長く続くイベントなので、良いときもあれば、悪いときもある。人間が作るモノである以上、いつも「最高!」なわけないし。
「最高!」じゃなくても、1万人で心をひとつにして歌うこと自体には他にはない感動がある。
大好きなイベントなので、これからも参加し続けたい。
「30周年」「特別」「お祭り」……そう謳いまくりながら、見事に空回りした姿に、どっかの歌劇団を思い出し、「頼むよ……」というキモチになったのは、内緒です(笑)。
「30周年」ということで、記念すべき公演、だそうです。
延べ1万人×30年=30万人が参加した、ものすげーイベントです。30万通りの人生がある、ということです。
やたらめったら「30周年」「特別」をくり返していて、ただの1参加者であるわたしは「よくわかんないけど、すごそうだなー」「なんか派手にやるのかなー」と漠然と考えてました。
去年は震災絡みでやたら盛り上がったし。感動的だったし。
今年はそれ以上の盛り上がりを約束されているのかしら。
そう、思ってました。
で。
参加してみた感想は、この公演、ナニがやりたかったんだろう??でした。
やたらとくり返される「30周年」「お祭りだから」。
なのに、メインゲストは森山良子、メインの歌は「家族写真」。
「家族写真」って、日本国民が歓喜の涙に暮れるような、ものすごい名曲なんですか? 誰もが知っていて、イントロが流れるだけで歌詞完璧、子どもからお年寄りまで熱唱できるような?
わたしは無知なので知らなかったっす。
リハーサルで生まれてはじめて聴いた。
わたしの周囲、話し声が聞こえてくる範囲でも「この歌知ってた?」「知らない、はじめて聴いた」「何度聴いてもおぼえられない。単調で」てな会話がくり返される。
わたしや、たまたまわたしの周囲の人たちみんなが知らないだけで、1度聴いたらその曲の素晴らしさや、馴染みの良さに高揚する・感動する、なら、納得の選曲だけど。
「いい曲」ではあるけど、イベント向きの曲じゃない……。
とにかく、地味。
盛り上がる曲の合間に組み込まれているならアリだけど、単体で「30万人」を謳うイベントのメインに据えるようなパワーのある曲じゃない。
メインゲストに力がないのに、その上、東北会場との中継。
ナマのコンサートで、えんえん映像スクリーンを見せられる微妙さ……。
確かに去年、震災ゆえ、復興へのエールを込めて、東北との中継があり、とても感動的だった。成功だった。
だからといって、今年もやってどうするんだ?
震災のことも被災地のことも、テーマじゃない。テーマは「30周年」「お祭り」だ。スタッフの人がはじまる前にマイクでそう説明していた。明るいテーマなんだから、みんなで盛り上げてくれ、と頼んでいた。
明るいお祭り!と言いながら、それに徹し切れていない。
半端にあっちにもイイ顔、こっちにもお愛想、その結果……ぐたぐたに。
「30周年」「この30年を振り返って」と繰り返しアナウンスするわりに、そんなプログラムは一切ない。
冒頭に過去映像が一瞬流れただけ。
30年の歴史とは無関係な「天才ピアニスト」(コンサートの総監督とリアルで仲良し)の演奏と、森山良子の歌だけ。
30年の懐古がテーマなら、それに徹すればいいのに。
東北会場とのリンクは盛り下がるだけだし、「平原綾香が第九に挑戦!」も、わたしたちのコンサート自体には関係ない。あーやは東北会場、「1万人の第九」の会場にはいない。
たぶん、例年通りあーやの第九挑戦は、テレビ番組のための企画だろう。彼女の第九挑戦をドキュメントにして番組を制作する。テレビ番組が主体で、素人が集まったコンサート自体の重要度は低い。
主催が毎日放送である限り、テレビ番組がいちばん大切なのはわかるけれど、今回は他の企画がお粗末だったために、その順位付けがさらにあからさまになってしまった印象。
事前アンケートで、「過去29年の『1万人の第九』で印象に残った回は?」という質問があった。
去年の震災ネタの回がものすごく盛り上がったのは確かだけれど、あれは特別というか、一緒にしてはいかんだろうと思うのではずして、わたしは2009年の第27回を選んだ。
ゲストはマッキー。「1万人の第九」の前座である第1部で、(わたしが知る10数年の間で)前代未聞のカーテンコールがあるくらい、盛り上がりすぎてすごい回だった。
「世界に一つだけの花」という、日本国民のほとんどが「知っている・歌える」曲を持って来たのも強かった。
会場が一体となって盛り上がった。
……てことで、その回を支持した意見がわたし以外にも圧倒的に多かったんだろう。
記念すべき30周年も、シークレット・ゲストがマッキーで、1部のラストソングは「世界に一つだけの花」だった。
なんつーか……。
ヘタだなあ、企画……。
盛り上がらなくて、どーしようこの空気、ってとこに、マッキー登場。
たしかにその瞬間は盛り上がるし、なんつっても「世界に一つだけの花」は曲自体にパワーがある。
はじめて「祭りだー!」という空気になった……が、即終了。
シークレットだから、ほんとにラスト数分に1曲歌って終わり、1部終了、なんだもん。
せっかく盛り上がった、これから巻き返しできるかも? ってとこで、幕。
消化不良感が、ひどい。
今年のプログラム、ひどいなー。
なまじ去年が東北絡みで成功したからって、2匹目のドジョウ狙って、佐渡せんせの「お友だちと一緒にステージやりたい病」が再加熱して、だけど主催側は「ウチが企画して運営して30年も続けてこれたんだからね!」と鼻息荒くて、……結果、こんなことに。
いろいろとお疲れ様です。いろんなところの力関係とか事情とか絡み合って、大変だったんだろうなあ。
よかったことは、会場の室温が、あまり低くなかった。
毎年毎年、大半を占める女性参加者のことは考えず、極寒の室温だったのが、今年はそれほどでもなかった。
運営している側や男性陣はスーツ着用だし、スタッフは走り回ってるし、ステージ上はライト燦々だし、で、薄暗いスタンドでブラウス1枚で唇真っ青にして凍えている数千人の女性のことは念頭にない、のが当たり前だったもん。
わたしは自衛して、ものすごーく前準備して、それなりの装備で臨んだので、それゆえに寒くなかったのかもしれないけど、わたしが覚悟していたより寒くなかった。
周囲の人たちも、「思ったほど寒くない」と言っていたし。
それと、「合唱団当日スケジュール」記載が、復活していた。
朝9時から夕方6時まで完全拘束なのに、去年はスケジュールを教えてくれなかったんだ。
一昨年までは、当日スケジュールは前もって告知されていた。ただ、ここ数年ゲネの進行がぐたぐたで、スケジュール通りに進んでなかった。なまじ告知しているから「休憩時間がスケジュールと違う!」とか文句言われるんだ、それなら最初から告知しなければいい!……と、思ったんだろうか。
去年は一切シークレット。はじめて参加する人は、いつどこで食事をして、いつトイレに行けばいいか、想像することも出来なかった。
なにしろ極寒で女性たちは震えきっている。休憩時間はトイレの大行列で終了が当たり前、そんな居住環境なのに、スケジュールは一切教えない。いつまで我慢すれば次の休憩があるのか、トイレに行けるのか、わからないまま・教えないまま、1万人を整列させておくんだから、すごかったよ。
運営しているのがスーツを着た男の人たちなのが、すごーくよくわかる(笑)。女子トイレ行列の過酷さとか、想像したこともないんだろうな。
苦情が多かったんだろうなあ。改善されて良かった。
肝心の「1万人の第九」自体は……まあ、ふつうだったんじゃあ? わたしみたいな凡人の耳には詳しいことはわかりません。
わたしのテンションは1部のぐたぐたぶりに、あまり上がってなかったけど、まあ例年通りに歌えたので。
キヨハラせんせーに「この5年のうちでいちばんヘタ」と言わしめた、今年の合唱団ですが。
長く続くイベントなので、良いときもあれば、悪いときもある。人間が作るモノである以上、いつも「最高!」なわけないし。
「最高!」じゃなくても、1万人で心をひとつにして歌うこと自体には他にはない感動がある。
大好きなイベントなので、これからも参加し続けたい。
「30周年」「特別」「お祭り」……そう謳いまくりながら、見事に空回りした姿に、どっかの歌劇団を思い出し、「頼むよ……」というキモチになったのは、内緒です(笑)。
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