キムみみ千秋楽の翌日に、月組を観に行ったわたしが悪い。
 でも、そこしか日程が取れなかったんだ……なんなのこの過密スケジュール。ジェンヌも大変だけど、ファンも大変。

 翌日だからってナニよ、平気よ。
 そう思っていたけど、ショーで撃沈した。
 いろいろ込み上げてきて、もうダメだ。

 大泣きしながら、思った。

 まさちゃぴ万歳、大好き、幸せでいて。

 彼らへの好意、幸あれ、というキモチが込み上げる。
 キラキラした彼らの姿が、ひたすらまぶしく、切なく、愛しい。

 若くキラキラした、新しいトップコンビの姿に、キムみみの門出が重なって、切なくて仕方ない。
 キムみみも、全ツがスタートだったんだよ。
 謎のヒロイン役替わりを経て、キムくんの相手役はみみちゃんだけに決まった。

 まさおくんとちゃぴちゃんも、準トップという謎の制度の呪縛を離れ、この全ツではじめて、まさおの相手役はちゃぴ、ちゃぴの相手役はまさおひとり、という状態になっている。

 トップコンビがいて、2番手がいて、という、当たり前のタカラヅカ。
 それを見られるだけで、感激するってなんなの、劇団。
 該当ポジションのジェンヌのせいとか、その人に対してどうとかではなく、あくまでも劇団のやり方に心がヒリヒリする。

 で、『Heat on Beat!』を観ながら思った。

 これって、まさおのはじめてのショー作品なんだ。

 芝居は新公や他の箱で主演経験できるけど、ショーは無理。まさおは『Young Bloods!!』をやっているけれど、バウはあくまでもバウ。

 トップスターとして、大劇場のセンターに立ち、ショー作品1本を牽引しきる。
 そのためのプレ公演だよね。全ツでいろんな劇場をまわり、いろんなお客さんに接し、時々にチガウ場を盛り上げるのって。
 ここで腕を磨いて、大劇場で披露するんだよね……、って、次もまた月組はショーなしかい。

 真ん中で大車輪の如く全力で動き回っているまさおくんが、愛しかったっす。
 うっわー、真剣勝負。抜きナシかい。

 でもってわたしは改めて、ちゃぴ、好きだなあ、と思った。

 文化祭で彼女しか見られなかった(笑)、あのときからはかなり蛇行したのちに、やっぱり落ち着いた先っていうか。
 そうだよな、似てたから云々で、かえって回り道しちゃったけど、結局好きだよな、顔も含めて、ちゃぴちゃん自身。
 のびのびと踊る姿に注目したんだった。そこがスタートだったからか、やはりショーで踊るちゃぴにウロコが落ちるキモチだった。


 『Heat on Beat!』は、わたしにとってあさこちゃんの記憶が強い。それなりに通ったからなー。きりやんの中日は1回しか観てないし。
 そして、あさこの公演、以外に、だ。

 雪組全ツ『ロック・オン!』に、通いまくったんだよ。

 そーだった、『ロック・オン!』は三木せんせ渾身の手抜き作、直近自作の切り貼りでお茶濁しした作品だったよ。
 『ロック・オン!』観たときに「月組……」とアゴを落としましたっけね。そのかバウと『Heat on Beat!』、そのまま使ってたもん。

 『Heat on Beat!』が本家。それはわかっている。
 だけど『ロック・オン!』と同じ場面が再現されて、混乱しまくったわ……。
 そして、『Heat on Beat!』の方が演出いいの、『ロック・オン!』は変えた部分こそがひどかったのほんと。

 本家『Heat on Beat!』観て、「『ロック・オン!』ひどかった……」という、苦い記憶まで甦ったわ。とほほ。

 ちゃぴの活躍を見て、「なんでトップコンビお披露目だったみみちゃんは、あんな扱いだったんだろう」と、これまた切なくなった。
 『カノン』でも相当だったけど、三木株がまた下がったわ(笑)。

 とまあ、雪絡みの感想は置くとして。


 やっぱ『Heat on Beat!』って好き。
 これでもかといろいろ詰め込まれていて、トップ娘役の扱いも、パレード以外はちゃんとしていて、とても楽しめた。

 トップサヨナラ公演作品だったわけで、作品のベクトルがよそ見なしに「トップスター」にだけ向けられている。
 それが、心地いい。
 まさおがそのベクトルの中心に立っていること。その荷を真正面から受け止めていること。
 トップスターってのは、こうあるべき。

 みやるりも大活躍。
 てゆーかみやちゃん、大人になったなああ。
 こんなに芯の太いかっこいい男になるなんて……ほろほろ。
 しかし、痩せすぎだ……大丈夫か。


 それはそうと、客席にきりやんとまりもちゃんが来ていた。
 客席下りで自分のサイン入りカードを配るまさおくん、きりやんにも配ろうとした。
 差し出すまさお、懸命に遠慮するきりやん。
「あたしはええから、他のファンの人にあげて」
 という意味だろう、「とんでもない」と手を振って、周囲を指さす。
 まさおは困ってしまって、一瞬逡巡したあと、差し出したカードをきりやんの膝の上にぽんっと置いて、ささーっと走り去った。

 きりやんもいい人だし、そこで先輩の言葉通り身をひるがえして他の人に渡す……ことのできないまさおもかわいい。
 ちなみに、まりもちゃんは終始ニヤニヤ……ぢゃない、にこにこと見守ってました。まりもちゃんが通路際だったんだけど、まさお、まりも素通りしてきりやん直撃だった。……なのに受け取ってもらえないまさお、かわいそ(笑)。

 客席下りの間は客席も明るいし、みんな身をよじってスターの行く手を追いかけているしで、きりやんとのやりとりはよく見えた。


 ショー後半は泣き通しだったので、ちょっと記憶が薄い。

 まさちゃぴが良かったこと、好きだと思ったこと。
 それだけ、残っている。

 でも、たのしかった。
 わたしに精神的・時間的余裕があれば、何度でも観たかった。今度はもっと後ろで観たいなー、びんぼーなわたしの定位置、3階でまったり眺めるのもいいなー。
 そう思ったけど、スケジュールが合わない……残念……。

 次、『ベルばら』だもんなあ。
 まさちゃぴが見たいし、オリジナル芝居とショーが観たいのになあ。
 いやその、まさみりも好きだけどさあ。「ふつーの」タカラヅカが好きなんだよなあ。男×男は、男女がふつーに成立した上で萌えるものであってだな……。

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