千秋楽が終わると、すぐにショックな発表がある……ことが続いたので、身がまえていたら、出たのは『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』の告知画像だった……。
 わたし的には大発表だが、世の中的にはどーでもいいことだろうから、つつがなく済んだ1日かな。

 千秋楽のまっつは、なんというか、距離感がまっつっぽくてステキ(笑)だった。


 トップスター退団時の入りは、テレビカメラも入るイベントである。

 組子たちが白い服を着て楽屋口前に勢揃いして、神輿を用意する。
 ついいつもの癖で、その群れの中にまっつを探した。

 まっつは群れの中ではなく、別枠で登場した。

 そっか、3番手なんだ。
 今まで花組で見てきた入りでは、ずっと「その他の組子」の中だった。でも、雪組でキムくんを見送るときは、群れから一歩出て、直接キムくんを迎えることができるんだ。

 3番手でよかったなあ。ハチマキしてうちわを持つ姿にじーんとなる。キムくんのためにあんな格好までして、キモチを直接伝えられるわけだ。

 とはいえ。
 ノリノリのちぎくん、ほんわかみっちゃんと違い、まっつはなんだか……一歩引いている、ような?

 楽屋口前に集まって、みんなで相談しているときも、まっつひとりぽつんと離れて立っているあたりが……ええっと。や、話は聞いているというか、見守っているんだけど、自分から積極的に発言する気は、ハナからなさそうっていうか。

 キムくんが登場すればしたで、わーーっと過ごしていたと思うけれど。

 キャラクタ的に、ここで盛り上がっちゃう人ではないのかな。
 それはさもありなん、って感じで。

 ここでまっつがノリノリで、周囲を押しのける勢いで仕切っていたら、それはまっつぢゃないっていうか。
 もちろん、他に仕切る人がいないなら、総責任者がまっつなら、まっつがすごく真面目に仕切っていそうだが、そうじゃないわけだし。

 トップさん出迎えの責任者って、2番手さんだよね?
 コム姫を迎えるときの水先輩が、顔に「使命感!!」って書いてる勢いで、ガシガシ仕切っていた姿を、つい昨日のことのように思い出す。
 反対に、水くん出迎えのとき、仕切っていたキムくんのことはよくおぼえてない……みんな大雨想定のてるてる坊主姿だったからなー(笑)。

 まっつはまっつらしい温度感で、それでも律儀にハチマキしてうちわ持って、キムくんを出迎えた。


 舞台はもちろん、しっかりと勤め上げて。
 私情を出すことなく、乱れることなく。

 余裕はないのか、ダンスも赤鳥も基本忠実にまとまっていた印象。

 その分、サヨナラショーでの爆発ぶりがすごい。
 劇場の空気を震えさせる歌声。
 歌ウマトップスター・音月桂の歌声を彩るために、それに負けない美声を響かせる。

 自分の役目を、忠実に、誠実に、完璧に勤め上げる。


 そして、退団者へのお花渡し。
 幕が開いた瞬間、「キムくんへのお花じゃない」とわかった。半分の花を、咲ちゃんが持っていたから、みみちゃんへのお花だ。

 てことは、キムくんへのお花渡しが、組からはちぎくん、同期からはみっちゃんってことになる。……みっちゃん、組子じゃないやん。
 組子に同期がいたら組子優先、がタカラヅカのお約束でしょ? 成績順ではみっちゃんがトップなのかもしれないけど、専科さんで組子よりえらいのかもしれないけど、ここは組子同期の役を取らないで欲しいわ。

 そう思ったけれど。

 実際に、キムくんへのお花渡し場面を見たら、すごく納得した。

 上級生になると組内同期の人数が少なくなり、お花渡しは実際に花を持っている子だけでなく、同期全員出てきて退団者を囲む、という図がいくらでもある。

 キムくんの場合もそうだった。
 ちぎくんが渡し、みっちゃんが渡し、ゆめみさんが胸ポケットに花を挿し。

 んで、まっつは。

 立ち位置から数歩、前へ出ただけ。

 花を持っていなくても、退団者のそばへ寄って言葉を掛けることは、いくらでも出来るのに。トップじゃなくても、もっと下級生でも、みんなやっていることなのに。
 まっつは、しなかった。

 ただ、お花渡しを見守るだけで、また元の位置に戻った。
 キムくんと目が合ったかどうかすら、わかんないくらいの、控えめさ。

 そーだよな。
 みっちゃんが、組内同期の役割を取るわけないじゃん。自分からそんなことするわけないじゃん。
 まっつが、望んだろう。

 お茶会でも、キムくんのことは一切語らなかった。誰の退団公演だから、ではなく、ただ、舞台を真摯に務めると言っていた。この人は、自分の卒業時にも、きっと同じことを言うんだろう。
 キムくんのことは、なにも語らない。
 だからといって、キムくんへのキモチがないとは、誰も思わないだろう。

 今まで、キムくんと見せてくれた、すばらしい舞台の数々。
 今回のサヨナラショーでもそうだ。
 あの「ニコライとプガチョフ」を見て、心の所在を問う人はないだろう。

 同期としてはもとより、舞台人として、あれだけの相性の良さ、素晴らしい芝居をする間柄で。

 その別れのセレモニーで、もっと近くに行くことが出来るのに、声を掛けることも触れることも出来る立場なのに、そうしなかった。

 離れた位置で見守る、ことを選んだ。

 そのことこそが、まっつのキモチを、心を、表している気がした。


 ……や、勝手な妄想に過ぎませんが。

 ちょろっと前へ出て、それだけで、なにもせずに引っ込んだまっつを見て、「うっわー、まっつだ~~(笑)」と泣き笑いしました。絶対、なんもする気なかっただろ~~、って。
 なんてなんて、裏切らずに「まっつ」なんだろ、あのひと(笑)。


 あと、みみちゃんへのお花渡しは、萌えました。
 お花を渡して、彼女の耳元で「おめでとう」のひとこと。
 低音・低温の、超美声で。

 え、えろすぎる……。
 ここでフェロモンだだ流しってどうなの兄上!!

 や、声が聞こえたわけではありませんから、わたしのイメージに過ぎません。
 でもでも、あのささやきは、絶対エロ全開の「おめでとう」だよ、耳元だよ、腰砕けるよ。

 まつみみも大好物でした。
 まっつのエロさと、みみちゃんの美しさと若さが、禁忌のニオイを醸し出して、すげーハクハクしたんだよなあ。
 今回の『GOLD SPARK!』の中詰め銀橋も、『Shining Rhythm!』に引き続き、良いまつみみでした。つか、まっつ、どんどんみみちゃんに接近するようになって、後半はおでここっつん状態で、千秋楽も見事におでこくっつけてたもん……。あーた、旦那の隣でナニやってんだ……(笑)。


 『ブラック・ジャック』画像もまた、どえらい美形っぷりで。
 原作忠実でありながら、タカラヅカ!な美しさ。
 すすすすげえ。

 どんなポスターになるんだろう?
 マサツカせんせのポスターは「スター棒立ち基本」ってイメージなので、ともみんたちと一緒に載るなら、棒立ちじゃなくドラマの感じられるものに仕上げて欲しいなあ。

 と、進んでいく未来を受け入れつつ。

 梅芸へ月組さん観に行って、芝居はともかく、ショーの途中から崩れ落ちるように泣いて、顔も上げられない状態になり、自分でもうろたえた。

 最近情緒不安定がひどい自覚はある。
 絶望感に囚われながら、「がんばれ」「大丈夫」と自分に言い聞かせるのが習慣になっている。

 自分を好きになるために、できることをがんばらないとな。がんばれ。大丈夫。

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