ワークショップのはずなのに。@灼熱の彼方
2011年7月18日 タカラヅカ 『灼熱の彼方』を考える。
『灼熱の彼方』の、ワークショップだ。
演劇用語の「ワークショップ」に意味はいろいろあるが、タカラヅカにおけるワークは、将来のスターに真ん中経験を積ませる場であり、大劇場ではろくに台詞ももらえない下級生たちの研鑚の場だ。それはわかる。
が。
この『灼熱の彼方』は、ワークショップなのだろうか?
何故なら出演している下級生たちは、出番も台詞もろくにないからだ。
主要キャラ数名を除いては、ただ後ろで衣装を着て立っているだけ。これで下級生のためのWS。
前半の「オデュセウス編」を観たとき、「この公演は、咲ちゃんと夢華さんの箔付けのためにあるのかな」と思った。
下級生に出番はろくになく、つまり彼らにはろくな研鑚の場も才能を発揮する機会も与えられず、そんなへたっぴたちの間で、経験豊かな咲ちゃんと夢華さんは段違いのうまさを見せつけている。
わずか研5と研2でバウホール主演しました、ということ、そして出演者たちの中で桁違いのスター性と実力を持っていますよ、ということを肩書きに付け加えるためだけに、企画上演されたのかと。
新公3連続主演、本公演、別箱公演で主要役を連続して務める咲ちゃんが、今さら「ワークショップ」もないだろう、本公演でヒロインを演じた夢華さんが、今さら「ワークショップ」もないだろう。
小学生の野球チームに高校球児がまざって「うまーい、すごーい」と言われて、なんの意味があるんだ、という。
でも劇団はそーゆーことをするし、れおんくんをそうやって育てて(実際彼は新公連続主演、本公演で役替わり3番手とかやっていながら、WSに主演もしていた)成功した実績があるので、2匹目のドジョウを狙っているのかもしれない。
だが、しかし。
「コモドゥス編」を観て、「チガウかも(笑)」と思った。
スズキケイが、アレなだけか(笑)。
咲ちゃんと夢華さんにしか出番も見せ場もないとか言って、悪かった。
誰が演じているとか、関係ないのだわ。
スズキケイは、主役しか出番を作れない。
「オデュセウス編」はオデュセウス@咲ちゃんが主役で、アンヌ@夢華さんがヒロインだった。
だからふたりがえんえんえんえん出ずっぱりだし、星空の下でうふふあはは、いつまで続くんだろうコレ……と気が遠くなるよーにラブシーンをやっていた。
誰だからじゃない、主役だからだ。
「コモドゥス編」では、ヒロイン不在のため、コモドゥス@翔くんしか主役がいない。
となると、コモドゥスしか出番がない。彼が徹頭徹尾、ひとりでうだうだやっている。
オデュセウスもアンヌも出番はほとんどない。
すげえ。
ほとんど、翔くんひとり芝居状態。
翔くんが今までろくに役をもらってきてなくて、まるまるひとつの役をお芝居するのはじめてに近いとか、考えてない。
役者のキャリアもスキルもガン無視。
主役だから、出ずっぱり。
どんなに翔くんの演技がアレで、出番が多ければ多いほどそれを晒すことになり、大変なことになっていても、関係ない。
主役だから、出ずっぱり。
う・わー……。
たしかにこれは、「ワークショップ」だ。
しかし、10日間、27人で公演して、真の意味で「ワークショップ」として鍛えられた下級生って、翔くんのみじゃん……。
残り26人は?
咲ちゃんと夢華さんはこんなものに出るまでもなくキャリアもスキルも積んでいるし、他のみなさんはしどころがない。マシな扱いな人が数名いるだけ。
そりゃ、仮にも舞台に立っているんだから、それだけで経験値は入っているんだろうけど。
主役とそれ以外の人たちの、与えられた場が違いすぎる……。
同じWSでも、谷せんせの『くらわんか』とかは、出演者全員なにかしら出番や見せ場があったよなあ。『くらわんか』はその上役替わりだったから、すごい人数が一気に鍛えられたはず。
『くらわんか』に限らず、谷せんせの落語モノは、下級生に出番多くて、ふつーに観に行くとつらかったな……その、へたっぴすぎる子たちがえんえん出てきて喋るから。
でもWSなら、ソレが正しい姿だよな。そうやって下級生たちはうまくなっていくんだもの。
スズキケイの目的は、現時点で経験値が不足しすぎている翔くんを短期間で鍛えることだったのか?
実際翔くんはすごーく鍛えられたと思う。
ひさしぶりに潔いまでの大根役者を見た!(笑)と思ったが、それでもなんか彼にはほだされてしまった。
しかし、ほんとにソレだけが目的?
他の26人はどーでもよかったの?
チガウっしょ?
ふつーに、下級生のためのワークショップ、そりゃ26人全員は無理でも、できるだけたくさんの子に勉強の機会を、とか、思ってはいたよね?
思うだけは。
出来なかっただけで。
「オデュセウス編」ではいちおー、脇にもがんばってエピソードを振っていた。
コモドゥスを仇と狙う女の子や、その子に惚れてた男や、コモドゥスの妻とその不倫相手や、コモドゥス暗殺を狙うグループや、何故か下町の女将さん喋りのお姉様や。
なにかしら描こうとはしていた。
でも、描けていなかった。
全部「はあ?」ってな中途半端さ……いや、中途にもなっていない、さわりだけだった。
だから後編の「コモドゥス編」でその中身を観られるのかと思った。前編ではさわりだけ、ほんとはこんなことがあったんだよ、と。
だってこれはWS、いくらなんでも主役以外にこれほどまでに出番も台詞もナニもないとか、ありえないし。
きっと後編で、今回見せ場がなかった人たちが活躍するんだわ。と、思った。
が。
ナニも、なかった。
「オデュセウス編」で「いくらなんでも投げっぱなし過ぎ、オチは後編で付けるよね?」と思ったことは、ガン無視、「なかったこと」。
下級生たちの見せ場、他キャラのエピソードは「オデュセウス編」だけ。「コモドゥス編」には皆無。
えええ。
「オデュセウス編」でも「見せ場なさ過ぎ、コレのどこがWS?」だったのに、「コモドゥス編」がそれ以上、ってナニ?!
「コモドゥス編」って、WSですらないよーな。
翔くん以外は動く背景。
コレって、誰得……?!
劇団指示で「彩凪翔以外は動く背景にしろ」とあったわけではないと思う。
あったら、かえってすごい。
発注がそうだから、企画通りに作ったというのではなく、作った人間の能力が足りなくて、こうしか出来なかった。ってことでは?
主役と動く背景しかいない、ワークショップ。
本公演で背景しかさせてもらえない下級生たちの研鑚の場。
スズキケイ、「仕事」しようよ。
『灼熱の彼方』の、ワークショップだ。
演劇用語の「ワークショップ」に意味はいろいろあるが、タカラヅカにおけるワークは、将来のスターに真ん中経験を積ませる場であり、大劇場ではろくに台詞ももらえない下級生たちの研鑚の場だ。それはわかる。
が。
この『灼熱の彼方』は、ワークショップなのだろうか?
何故なら出演している下級生たちは、出番も台詞もろくにないからだ。
主要キャラ数名を除いては、ただ後ろで衣装を着て立っているだけ。これで下級生のためのWS。
前半の「オデュセウス編」を観たとき、「この公演は、咲ちゃんと夢華さんの箔付けのためにあるのかな」と思った。
下級生に出番はろくになく、つまり彼らにはろくな研鑚の場も才能を発揮する機会も与えられず、そんなへたっぴたちの間で、経験豊かな咲ちゃんと夢華さんは段違いのうまさを見せつけている。
わずか研5と研2でバウホール主演しました、ということ、そして出演者たちの中で桁違いのスター性と実力を持っていますよ、ということを肩書きに付け加えるためだけに、企画上演されたのかと。
新公3連続主演、本公演、別箱公演で主要役を連続して務める咲ちゃんが、今さら「ワークショップ」もないだろう、本公演でヒロインを演じた夢華さんが、今さら「ワークショップ」もないだろう。
小学生の野球チームに高校球児がまざって「うまーい、すごーい」と言われて、なんの意味があるんだ、という。
でも劇団はそーゆーことをするし、れおんくんをそうやって育てて(実際彼は新公連続主演、本公演で役替わり3番手とかやっていながら、WSに主演もしていた)成功した実績があるので、2匹目のドジョウを狙っているのかもしれない。
だが、しかし。
「コモドゥス編」を観て、「チガウかも(笑)」と思った。
スズキケイが、アレなだけか(笑)。
咲ちゃんと夢華さんにしか出番も見せ場もないとか言って、悪かった。
誰が演じているとか、関係ないのだわ。
スズキケイは、主役しか出番を作れない。
「オデュセウス編」はオデュセウス@咲ちゃんが主役で、アンヌ@夢華さんがヒロインだった。
だからふたりがえんえんえんえん出ずっぱりだし、星空の下でうふふあはは、いつまで続くんだろうコレ……と気が遠くなるよーにラブシーンをやっていた。
誰だからじゃない、主役だからだ。
「コモドゥス編」では、ヒロイン不在のため、コモドゥス@翔くんしか主役がいない。
となると、コモドゥスしか出番がない。彼が徹頭徹尾、ひとりでうだうだやっている。
オデュセウスもアンヌも出番はほとんどない。
すげえ。
ほとんど、翔くんひとり芝居状態。
翔くんが今までろくに役をもらってきてなくて、まるまるひとつの役をお芝居するのはじめてに近いとか、考えてない。
役者のキャリアもスキルもガン無視。
主役だから、出ずっぱり。
どんなに翔くんの演技がアレで、出番が多ければ多いほどそれを晒すことになり、大変なことになっていても、関係ない。
主役だから、出ずっぱり。
う・わー……。
たしかにこれは、「ワークショップ」だ。
しかし、10日間、27人で公演して、真の意味で「ワークショップ」として鍛えられた下級生って、翔くんのみじゃん……。
残り26人は?
咲ちゃんと夢華さんはこんなものに出るまでもなくキャリアもスキルも積んでいるし、他のみなさんはしどころがない。マシな扱いな人が数名いるだけ。
そりゃ、仮にも舞台に立っているんだから、それだけで経験値は入っているんだろうけど。
主役とそれ以外の人たちの、与えられた場が違いすぎる……。
同じWSでも、谷せんせの『くらわんか』とかは、出演者全員なにかしら出番や見せ場があったよなあ。『くらわんか』はその上役替わりだったから、すごい人数が一気に鍛えられたはず。
『くらわんか』に限らず、谷せんせの落語モノは、下級生に出番多くて、ふつーに観に行くとつらかったな……その、へたっぴすぎる子たちがえんえん出てきて喋るから。
でもWSなら、ソレが正しい姿だよな。そうやって下級生たちはうまくなっていくんだもの。
スズキケイの目的は、現時点で経験値が不足しすぎている翔くんを短期間で鍛えることだったのか?
実際翔くんはすごーく鍛えられたと思う。
ひさしぶりに潔いまでの大根役者を見た!(笑)と思ったが、それでもなんか彼にはほだされてしまった。
しかし、ほんとにソレだけが目的?
他の26人はどーでもよかったの?
チガウっしょ?
ふつーに、下級生のためのワークショップ、そりゃ26人全員は無理でも、できるだけたくさんの子に勉強の機会を、とか、思ってはいたよね?
思うだけは。
出来なかっただけで。
「オデュセウス編」ではいちおー、脇にもがんばってエピソードを振っていた。
コモドゥスを仇と狙う女の子や、その子に惚れてた男や、コモドゥスの妻とその不倫相手や、コモドゥス暗殺を狙うグループや、何故か下町の女将さん喋りのお姉様や。
なにかしら描こうとはしていた。
でも、描けていなかった。
全部「はあ?」ってな中途半端さ……いや、中途にもなっていない、さわりだけだった。
だから後編の「コモドゥス編」でその中身を観られるのかと思った。前編ではさわりだけ、ほんとはこんなことがあったんだよ、と。
だってこれはWS、いくらなんでも主役以外にこれほどまでに出番も台詞もナニもないとか、ありえないし。
きっと後編で、今回見せ場がなかった人たちが活躍するんだわ。と、思った。
が。
ナニも、なかった。
「オデュセウス編」で「いくらなんでも投げっぱなし過ぎ、オチは後編で付けるよね?」と思ったことは、ガン無視、「なかったこと」。
下級生たちの見せ場、他キャラのエピソードは「オデュセウス編」だけ。「コモドゥス編」には皆無。
えええ。
「オデュセウス編」でも「見せ場なさ過ぎ、コレのどこがWS?」だったのに、「コモドゥス編」がそれ以上、ってナニ?!
「コモドゥス編」って、WSですらないよーな。
翔くん以外は動く背景。
コレって、誰得……?!
劇団指示で「彩凪翔以外は動く背景にしろ」とあったわけではないと思う。
あったら、かえってすごい。
発注がそうだから、企画通りに作ったというのではなく、作った人間の能力が足りなくて、こうしか出来なかった。ってことでは?
主役と動く背景しかいない、ワークショップ。
本公演で背景しかさせてもらえない下級生たちの研鑚の場。
スズキケイ、「仕事」しようよ。
コメント