ストーリーはともかくだ、鉄格子の中の水しぇんは萌える。

 『情熱のバルセロナ』にて、囚人やってるフランシスコ@水が格子窓から外をのぞいているんだが、それがもーすげーかわいい。

 ナニあの飾り窓?!

 飾り窓よねアレ?!
 あの男、売り物よね?!
 それくらい萌えですが?

 『霧のミラノ』のオペラ座を思い出した。
 水くんはせまいところにハマってると、フェロモン量が増えるみたいですな(笑)。

 格子ごとあそこの水くんをまるっといただきたいっす。

 
 そしてなんつっても、エドワルド大公@ハマコ。

 ナニ、あの色男っ。

 最初は、ふーんハマコまた悪役かー。くらいの気持ちで俯瞰していたんだが。
 最後の最後、リンダ@かおりちゃんを奥の部屋へ導くときの徹底した悪っぷりに射抜かれた。
 悪役ではない、「悪」ですよ、悪。

 かかかかっこいい。この根っこのずしんと張った信念がすげえ。

 たかが女ひとりのためにセコいことやってんなあ、大公ともあろう者が、と思っていたけれど、そーゆー感覚は最後で吹っ飛んだ。
 そうか、彼は当たり前のことをしただけなんだ。セコいとかいう次元のことではなく、方法がなんであれ、リンゴが地面に落ちるくらいふつーのことを大した労力も使わずふつーに、命令するだけでやってのけて、欲しかったモノをふつーに手に入れるんだ。

 人情的にいうと彼のやっていることは「悪」だけれど、ほんとのところ彼は「悪」ではない。
 正義の反対は悪ではなく、別の正義。
 大公は、正義を執行したに過ぎない。
 そのことが、最後の表情でわかる。

 かっこいい。本気で色悪なハマコ。こーゆー演技が出来るから、ハマコは好きだ。

 
 ヲヅキに、いったいナニが起こったのか。

 ラモンさん@『バレンシアの熱い花』が登場したのかと思いました、ナニこのワンパタ演出?!
 『バレンシア』でもラモンは2番手の役だか3番手の役だかわかんなかったけど、今回もまた番手制度による半端さを背負った役です、ラファエル@ヲヅキ。

 役としては別にいなくてもいいんだけど、登場だけは派手で華やか。
 物語には不要でも、舞台には必要なミュージカルとしての、動と華を受け持つ。(てなところも、ラモンと同じ)

 なんつー派手で「スター!!」な役なの、ヲヅキさん。
 ロレンツォ@『DAYTIME HUSTLER』以来?!!な、エロエロ・ラテンスタァ!

 ……こまった。
 ロレンツォのときは大爆笑していたのに、たとえシリアスな役でも登場したら爆笑していたのに(ex『さすらいの果てに』)、もうヲヅキに一切ウケられない自分がいる。
 素直に、ときめいている。

 うおおお、かっこいー!! ヲヅキ好きだーっ。

 こんなにこんなにいい男に、エロのしたたる暑苦しい男に成長するなんて……アフロ犬@『スサノオ』新公で途方に暮れていたころからは想像もつきませんよ……ほろり。

 ラファエル自体は、よくわかんない男でしたが。
 一度も絡まないリンダに焦がれてる設定って、どこの『ベルばら』キャラ?みたいな不自然さ。王妃様出てこないけど王妃様王妃様言ってるフェルゼンとかとりまき貴婦人ズとか? その場にいないオスカルの名前呼んで勝手に死ぬアンドレとか?
 ああでも、指輪を返すくだりは好き。男らしいわー。

 ふつーにラファエルを2番手にして、もう少し彼の物語を描き込んで絡ませればよかったのでは? リンダの恋人のルイス伯爵は『ベルばら』でいうルイ16世みたいな「待っているよ」と一歩下がって眺めている人なわけだし。

 
 ルイス伯爵@ゆみこちゃんは、贔屓にやって欲しい系の役ではある。が、贔屓にやって欲しい役と、「タカラヅカの男役2番手スター様」にやって欲しい役はチガウ。
 2番手スター様ならやっぱ、歌とダンスでばばーんと登場して劇場の空気を一変する役をやって欲しい。
 いつの間にか舞台にいました、すごく脇役です、でもじわじわとあとになるほどいい役です、みたいな役ではなくて。

 ヲヅキとゆみこちゃんの持ち味を考えたらこうなったのか?
 たしかにゆみこちゃんは「歌とダンスでばばーんと登場して劇場の空気を一変する」とゆー持ち味ではない。
 地味にいい役を務め、じわじわと追い上げて来る方がらしいっちゃー、らしい。
 でも、できないわけじゃないし? 爆発的な光や瞬発力には欠けても、安定した技術と長年の経験があるからちゃんと任を果たすことはできるはずだ。

 ラファエルがキムなら、キムの得意芸の明るい光と華に役割を譲って、ゆみこちゃんは得意ないぶし銀をやる、というのは不思議でもなんでもない。
 しかしキムは何故か全ツには出演せず、本来の持ち味というほどど真ん中ストレートではないだろう、つかそもそも路線でも番手付きスターでもないヲヅキにわざわざ「歌とダンスでばばーんと登場して劇場の空気を一変する役」をやらせた。

 ルイス伯爵は良い役だ。それは、たしか。ルイスさんを演じるゆみこはたぶん魅力的なんだろう。
 だが、そーゆーこととは別の次元で、配役の奇妙さに思考が引っかかった。

 まるで、ゆみこにラファエルをやらせたくないばかりに、ヲヅキを仮2番手役にして、ルイスに歌1曲付けて仮2番手役にしたみたいだ、と。

 どっちにしろ「仮」が付く2番手クラスの役がふたつ。……治まりが悪いったら。
 役替わりとか番手とかで中途半端になる古い柴田作品のお約束ですか?

 複数回見ればルイスの魅力もわかったんだろうけれど、植爺のルイ16世をイメージさせる妙にゆっくりした枯れた喋り方にびびって、「なんでこんな演技?!」と驚いているうちに終わってしまった。
 ふつーに喋っちゃいかんかったんか……。年配の役だから、懐深い役だから、それを表現している? やってることが毎日手紙書いて返事強要ストーカーで、仕事を女のためにぽいっと捨ててしまうよーな人でも?

 こんだけ疑問持ちながらも「ルイスがいい役」だと思うのは、リピートすればこのテの役がツボに来ることがわかっているためだ。なにしろわたしゃ、鼓より軽い命の男@『天の鼓』に萌えまくった人間なので(笑)。

 ただやっぱり、ルイスを2番手役にするには、もっと改稿するべきだったよ。
 半端な番手役の変更は、作品のパワーバランスを悪くするだけだ。

 
 ……て、わたしはゆみこちゃんが「雪組準トップ」であることは疑っていなかったので、そのうえで「なんでこんな扱いするかな」と割り切れない思いを持って眺めていたわけだが。
 ファンがこの役や作品を好きなら、それでいいんだと思っていた。わたしは水しぇん寄りにしか見られないので、「この水しぇんは好みじゃない」と悲しんでいたのみで。
 や、飾り窓の水しぇんはオイシクいただきましたが!!(笑)

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