真実は蘇らない・その1。@逆転裁判2
2009年8月30日 タカラヅカ 『逆転裁判2』って、どうだったんだろう?
わたしはすげーわくわくして、大喜びで観に行った。
だって『逆裁1』がOKだったんだもの、わたしは。単体ミュージカルとしてはいろいろ問題があるとしても、異文化コラボとしては良い仕事をしている!と太鼓判。
だから『2』もふつーに期待していた。ともちんミツルギだし!(笑)
苦労して入手した最前列センターチケットで宙担ジュンタンをナンパして、ふたり並んで観劇しましたことよ。友だちと観る方が絶対たのしいもん。
わくわくと観劇して。そして。
…………幕間ですでに、首を傾げていた。
なんじゃこりゃ?
2幕を見終わって、やはり、なんじゃこりゃ?
感想は、『1』だけでやめておけばよかったのに。だった。
スズキケイには、物語を作る能力はないんだ、と思い知った(笑)。
スズキくんには『THE SECOND LIFE』という、これまた「物語の基本から勉強し直してくれ」という珍作があるんだが、アレと同じ色の失敗というか、基本のできてなさ。
基本がまちがってるから、他がどんだけ良くてもまともな建築にはならないという。
たしかに『逆転裁判2』は、『2』である。続編と謳っているのだから、内容が『1』から続いていてもイイ。
が、それは『2』がひとつの「物語」として単体で成立した上でのことだ。
今回の『逆転裁判2』は、単体では物語として成立しない。ストーリーもキャラクタもテーマも、なにひとつ。
『1』におんぶに抱っこ。
てゆーか、『1』の、出来の悪いパロディみたいだ。
ヅカの『逆裁』を観た素人が、萌え~~と作った同人誌みたい。
スズキくん。
続編というのは、同じ世界観の上で成り立つ新しい物語であって、『1』のパロディぢゃないんだよ。
なんでこんなことになってるんだ……。
幕間に呆然としました。
あんなにステキだった『逆裁』を、自らここまで落とさなくていいだろうに、スズキケイ。
失敗の要因はいくつかあるが、その最大のものは、「レオナ」だ。
『逆裁』がゲームコラボという特殊な位置づけの作品であるということはまず置いておく。
コラボでもなんでもない、ただの1作品として『逆裁2』を見てみる。
『2』のナルホドくん@らんとむは、『2』に存在しないレオナ@まちゃみというキャラのことを引きずりまくっている。
なにかっちゃーレオナの話を持ち出す。
この作品に、この舞台に登場しない、過去作品のキャラクタ名を連呼されても困る。
ここまで連呼するなら、レオナは『2』にも登場するべきだ。主人公の精神的な枷になっているという設定だが、主人公のレーゾンデートルにまで食い込んでいるキャラクタならば、この物語の中に、重要なエピソードと実際に絡んで登場しなければならない。
主人公の枷であり、物語の根っこ部分(彼女への想い・弁護士としての生き方や未来)である以上、主人公はその枷と向き合い、乗り越えなければならないんだ。
や、物語ってそーゆーもんじゃん? 枷が枷として出てきて、2時間も掛けて物語を見せられて、なんの進展もなかったら「なにソレ?」じゃん?
でもってこの『逆裁2』ときたら、「なにソレ?」で終わってるんだよなあ。
レオナはナルホドくんの枷であり、最終的にナルホドくんはそれを昇華することになるんだが、この枷と向き合うことをしない。
通常ここまで「枷」「障害」として提示されたモノは、物語を通して乗り越えるものなんだが、『逆裁2』はチガウの。
「レオナを登場させてはいけない」という前提があるから。
枷として主人公を縛るけれど、それを乗り越える話は出てこない。だって枷を登場させられないから。向き合わせることができない。
枷が出てくると、レオナの話が出てくると、物語が、ストップしてしまう。
主人公が乗り越えるべき枷をえんえんえんえんレオナレオナと連呼して描きながらも、それと対峙することはない。
主人公が実際にアクションしているのは別の話。
本筋とテーマの乖離、テーマの頭打ち。
本筋である殺人事件を追うことでテーマを解決するのがふつうなのに、テーマは別次元。つか、テーマに触れるとそのたび機能ストップ。
ふつう「物語」では、主人公は事件に出会い、それを乗り越えることで成長する。事件を解決することで、心の悩みだとかも解決する。
事件という物質的な解決と心の成長・解放という精神的な解決を得ることで、感動のクライマックス、どんでん返しのエクスタシーを得る。
なのに『逆裁2』では、事件を解決しても心の解放には結びつかない。主人公はまーーったく、心の事件と対峙していないからだ。レオナの名前が出るたびに物語が停止して、そこからなんの発展もないためだ。
しかし、ラストはナルホドくんが「心の成長をする」と決まっているので、事件解決と同時に、無理矢理心の問題まで解決させた。
今回のヒロイン、ルーチェ@せーこちゃんの人格を破壊することによって。
ルーチェを「レオナの代わり」にし、さらにレオナだから「ナルホドくんを愛する」というわけのわかんないキャラクタにした。
……キャラを壊して、あらかじめ決まっていたゴールに無理矢理着地するくらいなら、なんではじめから事件と心の問題を乖離させたの?
ナルホドくんが弁護士として再出発する、というラストが決まっているなら、素直に「彼が心の問題と向き合い、ソレを乗り越える」話にするべきだ。
彼の心の枷がレオナだというなら、ちゃんとレオナを出して正々堂々勝負するべきだし、出せないのなら最初から枷をレオナではない別のものにすればいい。
レオナのことはイメージとしてわずかに匂わす程度に留め、ナルホドくんが正面から戦える「心の問題」を、現実の事件と絡めればいいんだ。事件解決がイコール心の解決になるように。
ゲームでもナルホドくんが事件に深入りする理由として、彼の大切な人間がしょっちゅー容疑者になっているでしょ?
主人公がメンタル部分で起承転結するためには、事件に対して傍観者だとかただの弁護士立場ではイカンのよ。もっと踏み込んだところにいないと。1本数話収録中、メイン話は当事者にならなきゃいけないのよ、作劇の基本として。
スズキくんはなんで、こんな基本的なことを理解していない物語を作るんだろう?
『THE SECOND LIFE』も謎だったが、今回も心から謎だ。
わたしはすげーわくわくして、大喜びで観に行った。
だって『逆裁1』がOKだったんだもの、わたしは。単体ミュージカルとしてはいろいろ問題があるとしても、異文化コラボとしては良い仕事をしている!と太鼓判。
だから『2』もふつーに期待していた。ともちんミツルギだし!(笑)
苦労して入手した最前列センターチケットで宙担ジュンタンをナンパして、ふたり並んで観劇しましたことよ。友だちと観る方が絶対たのしいもん。
わくわくと観劇して。そして。
…………幕間ですでに、首を傾げていた。
なんじゃこりゃ?
2幕を見終わって、やはり、なんじゃこりゃ?
感想は、『1』だけでやめておけばよかったのに。だった。
スズキケイには、物語を作る能力はないんだ、と思い知った(笑)。
スズキくんには『THE SECOND LIFE』という、これまた「物語の基本から勉強し直してくれ」という珍作があるんだが、アレと同じ色の失敗というか、基本のできてなさ。
基本がまちがってるから、他がどんだけ良くてもまともな建築にはならないという。
たしかに『逆転裁判2』は、『2』である。続編と謳っているのだから、内容が『1』から続いていてもイイ。
が、それは『2』がひとつの「物語」として単体で成立した上でのことだ。
今回の『逆転裁判2』は、単体では物語として成立しない。ストーリーもキャラクタもテーマも、なにひとつ。
『1』におんぶに抱っこ。
てゆーか、『1』の、出来の悪いパロディみたいだ。
ヅカの『逆裁』を観た素人が、萌え~~と作った同人誌みたい。
スズキくん。
続編というのは、同じ世界観の上で成り立つ新しい物語であって、『1』のパロディぢゃないんだよ。
なんでこんなことになってるんだ……。
幕間に呆然としました。
あんなにステキだった『逆裁』を、自らここまで落とさなくていいだろうに、スズキケイ。
失敗の要因はいくつかあるが、その最大のものは、「レオナ」だ。
『逆裁』がゲームコラボという特殊な位置づけの作品であるということはまず置いておく。
コラボでもなんでもない、ただの1作品として『逆裁2』を見てみる。
『2』のナルホドくん@らんとむは、『2』に存在しないレオナ@まちゃみというキャラのことを引きずりまくっている。
なにかっちゃーレオナの話を持ち出す。
この作品に、この舞台に登場しない、過去作品のキャラクタ名を連呼されても困る。
ここまで連呼するなら、レオナは『2』にも登場するべきだ。主人公の精神的な枷になっているという設定だが、主人公のレーゾンデートルにまで食い込んでいるキャラクタならば、この物語の中に、重要なエピソードと実際に絡んで登場しなければならない。
主人公の枷であり、物語の根っこ部分(彼女への想い・弁護士としての生き方や未来)である以上、主人公はその枷と向き合い、乗り越えなければならないんだ。
や、物語ってそーゆーもんじゃん? 枷が枷として出てきて、2時間も掛けて物語を見せられて、なんの進展もなかったら「なにソレ?」じゃん?
でもってこの『逆裁2』ときたら、「なにソレ?」で終わってるんだよなあ。
レオナはナルホドくんの枷であり、最終的にナルホドくんはそれを昇華することになるんだが、この枷と向き合うことをしない。
通常ここまで「枷」「障害」として提示されたモノは、物語を通して乗り越えるものなんだが、『逆裁2』はチガウの。
「レオナを登場させてはいけない」という前提があるから。
枷として主人公を縛るけれど、それを乗り越える話は出てこない。だって枷を登場させられないから。向き合わせることができない。
枷が出てくると、レオナの話が出てくると、物語が、ストップしてしまう。
主人公が乗り越えるべき枷をえんえんえんえんレオナレオナと連呼して描きながらも、それと対峙することはない。
主人公が実際にアクションしているのは別の話。
本筋とテーマの乖離、テーマの頭打ち。
本筋である殺人事件を追うことでテーマを解決するのがふつうなのに、テーマは別次元。つか、テーマに触れるとそのたび機能ストップ。
ふつう「物語」では、主人公は事件に出会い、それを乗り越えることで成長する。事件を解決することで、心の悩みだとかも解決する。
事件という物質的な解決と心の成長・解放という精神的な解決を得ることで、感動のクライマックス、どんでん返しのエクスタシーを得る。
なのに『逆裁2』では、事件を解決しても心の解放には結びつかない。主人公はまーーったく、心の事件と対峙していないからだ。レオナの名前が出るたびに物語が停止して、そこからなんの発展もないためだ。
しかし、ラストはナルホドくんが「心の成長をする」と決まっているので、事件解決と同時に、無理矢理心の問題まで解決させた。
今回のヒロイン、ルーチェ@せーこちゃんの人格を破壊することによって。
ルーチェを「レオナの代わり」にし、さらにレオナだから「ナルホドくんを愛する」というわけのわかんないキャラクタにした。
……キャラを壊して、あらかじめ決まっていたゴールに無理矢理着地するくらいなら、なんではじめから事件と心の問題を乖離させたの?
ナルホドくんが弁護士として再出発する、というラストが決まっているなら、素直に「彼が心の問題と向き合い、ソレを乗り越える」話にするべきだ。
彼の心の枷がレオナだというなら、ちゃんとレオナを出して正々堂々勝負するべきだし、出せないのなら最初から枷をレオナではない別のものにすればいい。
レオナのことはイメージとしてわずかに匂わす程度に留め、ナルホドくんが正面から戦える「心の問題」を、現実の事件と絡めればいいんだ。事件解決がイコール心の解決になるように。
ゲームでもナルホドくんが事件に深入りする理由として、彼の大切な人間がしょっちゅー容疑者になっているでしょ?
主人公がメンタル部分で起承転結するためには、事件に対して傍観者だとかただの弁護士立場ではイカンのよ。もっと踏み込んだところにいないと。1本数話収録中、メイン話は当事者にならなきゃいけないのよ、作劇の基本として。
スズキくんはなんで、こんな基本的なことを理解していない物語を作るんだろう?
『THE SECOND LIFE』も謎だったが、今回も心から謎だ。
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