甦る記憶と。@Apasionado!! II
2009年8月17日 タカラヅカ 『Apasionado!! II』を観てまず、首を傾げた。
あれ、わたしこのショー、何故かよくおぼえてる。なんか記憶にある。
『Apasionado!! II』が月組の『Apasionado!!』の新バージョンだということはわかっている。でも、そもそも『Apasionado!!』というショーになんの興味もなかったので、自分がそんなショーをよくおぼえている、ということに驚いたんだ。
そっか。
『夢の浮橋』目当てで、リピートしてたんだった、月組公演。
びんぼーだから観劇回数減らそうと思っていたのに、うっかりヘヴィ・リピート。2008年最大の萌え作品だったがために、予定外に財布をひっくり返して通ったんだったわ。きりやさんがステキで、あさこちゃんが美しくて、萬ケイさんが素晴らしすぎて。
でも、あくまでも芝居目当てだったので、ショーの印象は薄い。芝居だけ観られる半額券があればそれに飛びついていたってくらい、キモチは芝居のみに集中していた。
ショーはなぁ。やっぱトップ娘役がいない、トップひとりがえんえん大階段前で踊り続ける歪なものは、観ていて楽しくなかった。
とゆーことで、記憶から抜け落ちていたんだな。どんな作品だったか、何回観たか、さっぱりおぼえてねえ。
だけど、観ていたのはたしかだから。
歪なところを除けば、ふつーにたのしい、ふつーレベルのショーだったはず……たぶん。
女装した男たちが次々現れる場面は、さすがによーっくおぼえている。てゆーか、そこしかおぼえてない勢い。
そこがとても楽しかったけれど、ソレと同時に危惧を抱いた。
だっていちばんの盛り上がりが、女装した男たちが次々とただ銀橋を歩くだけというのは、客観的に観てどうなんだ? わたしはヅカファンでジェンヌの顔もキャラもわかるからたのしいけど、一見さんが見たら退屈で盛り下がるんじゃない? 演出的に平坦すぎてやばいんじゃ?
と、たのしんだ自分と疑問を持った自分がいた。
んで、それぐらいしかおぼえていない。
タイトルはただの記号、『Apasionado!!』でも『RIO DE BRAVO!!』でも、わたし的にはあまりちがいはなく、2本立てなんだからなにかしらショーをやるよね、どんなショーかしら、と単純にわくわくしていた。
で。
すっかり忘れてた。
わたしこのショー、いやっちゅーほど観てるわ(笑)。
実際目にして、どんどん記憶が甦った。どんな場面で誰がどうしていたか、おぼえてるわほんと。次がどうなるとか、いちいちわかるわ。
そっかぁ、わたしこのショー知ってるんだぁ。
……ということに、まず感心しちゃったよ。
贔屓組の次に観てんじゃん、回数(笑)。
一旦思い出せば、冒頭の小林幸子で団体客が歓声を上げていたこと、初心者にキャッチーなわかりやすい派手さがあったことなど次々記憶が蘇った。
アレをゆーひくんと、宙組がやるわけか。ほおおお。(遅い)
記憶がつながったはいいが、その分スケールの小ささが気になる。
単純に、ハコの。
大劇場の大階段でばーんっと小林幸子張りに「それは衣装? それともセット?」だったあさこちゃんの記憶に比べ、博多座のささやかな階段にひとり佇むゆーひくんは、ずいぶんスケールダウンして見えた。
そこへさらにっ、なんとも不思議な音程のスキャット。
ゆゆゆゆーひさん、その音合ってます?(笑)
いろいろびびっているうちに、よーやく衣装が割れて、中身のゆーひさん登場。
あー、おぼえてるおぼえてる! と、なんかいちいち記憶の答え合わせ(笑)。次はあのひらひらスカート取るんだよねー、とか。まさきがすっげー意気揚々と歌っていたところはののすみなんだ、とか。
芝居よりも、ショーではより強く、真ん中がゆーひくんだということがわかる。
芝居は新公やバウがあるけれど、ショーはないもんねえ。ホテルの宴会場の仮説ステージのDSとはチガウもんねえ。
トップスターでもない限り、ショーで真ん中には立たないもんねえ。
ゆーひくんが、舞台の真ん中に立っている。
そのことに、感動する。
『Apasionado!!』はトップ娘役不在で、2番手の男役と娘役がそれぞれ、「トップスターの相手役」も場面ごとに兼ねていた。
それを今回はちゃんとトップ娘役のいる作品として焼き直してあるので、ちょっと愉快なことになっていた。
どう愉快かというと。
中詰めのオカマショーにて、月組版ではトップスターあさこちゃんと、女装きりやんが踊っていたところが、ふつーにゆひすみトップコンビのデュエットダンスになるわけだ。
トップコンビとして、最初のがっつり組んだデュエットダンス。1場面、ドラマティックに踊るわけだ。
最初ですよ。肝心ですよ。それが。
もとが男同士の場面だから、甘甘うっとりデュエットではなく、挑むような、対等なダンスなの。
ウケました(笑)。
ののすみって寄り添い系のキャラじゃないですか。芝居は天才的だけど、もともとは男役に寄り添う可憐な野の花のよーな女の子じゃないですか。
だからデュエットダンスでも、組んだ相手をよりオトコマエに見せてくれる、心を開き、許し、委ねきったかわいらしい姿を見せてくれるじゃないですか。
大人の男ゆーひさんの相手役である以上、彼女はさらにその娘役スキルを全開に、可憐にいじらしく寄り添ってくれると思うじゃないですか。
なのに、最初のデュエットダンスが、バトル系。
挑んでます、引きません、闘ってます。
すげえ。
なんか最初から、愉快なもん見たっ(笑)。
演出のフジイくんは、キャストに合わせて自作を自在に改稿する柔軟なクリエイター、というイメージがある。
だから今回も、元の作品がどうあれ、ゆーひくんと宙組、そしてプレお披露目という位置づけに合わせたアレンジをしてくると思っていた。
が、なんか今回はそーゆー心遣いがあまり感じられなくて。
あまりにもあさこちゃんと月組のまま、そのままスライドしてあるだけで、手抜き感を持ってしまうんだが……ゲフンゲフン。
その「フジイくん、手ェ抜いてないか?」と思ったうちのひとつに、この「最初のデュエットダンス」もある。
トップコンビの最初のがっつり組んだダンス場面を、こーゆー色のものにするっていうのは、どうなの?
「トップお披露目おめでとう、初々しいふたりに贈る、最初の場面だよ」と彼らのイメージに合わせて書き下ろしていたと思うんだ、いつものフジイくんなら。
それが、きりやさんのパートをそのままののすみにやらせて終了、なんつーのは、書き下ろす手間を惜しんだのかと思ってしまう。
が、そう思うのとは別に、挑み合うゆひすみがステキなので、見られて良かった。とも、思っている(笑)。
ののすみだから、アリかな。
ゆーひくんだからというより、ののすみだから。
この子の強さを、必要としているから。
ゆーひくんの相手役に。舞台に。タカラヅカに。
可憐なすみ花ちゃん、ではなく、最初の一発目が「天才少女まかり通る!」的押し出しを必要とするキャラクタで、良かったかなと。
甘いデュエットダンスは、ちゃんと最後のいつもの位置に入っていたし。
ええ、これがないとタカラヅカを見た気にならん。
やっぱトップ娘役は、いなくちゃダメだよ。と、『Apasionado!!』の記憶がありありと甦っただけに、強く思った。
ゆーひくんと、すみ花ちゃん。
トップコンビおめでとう。
あれ、わたしこのショー、何故かよくおぼえてる。なんか記憶にある。
『Apasionado!! II』が月組の『Apasionado!!』の新バージョンだということはわかっている。でも、そもそも『Apasionado!!』というショーになんの興味もなかったので、自分がそんなショーをよくおぼえている、ということに驚いたんだ。
そっか。
『夢の浮橋』目当てで、リピートしてたんだった、月組公演。
びんぼーだから観劇回数減らそうと思っていたのに、うっかりヘヴィ・リピート。2008年最大の萌え作品だったがために、予定外に財布をひっくり返して通ったんだったわ。きりやさんがステキで、あさこちゃんが美しくて、萬ケイさんが素晴らしすぎて。
でも、あくまでも芝居目当てだったので、ショーの印象は薄い。芝居だけ観られる半額券があればそれに飛びついていたってくらい、キモチは芝居のみに集中していた。
ショーはなぁ。やっぱトップ娘役がいない、トップひとりがえんえん大階段前で踊り続ける歪なものは、観ていて楽しくなかった。
とゆーことで、記憶から抜け落ちていたんだな。どんな作品だったか、何回観たか、さっぱりおぼえてねえ。
だけど、観ていたのはたしかだから。
歪なところを除けば、ふつーにたのしい、ふつーレベルのショーだったはず……たぶん。
女装した男たちが次々現れる場面は、さすがによーっくおぼえている。てゆーか、そこしかおぼえてない勢い。
そこがとても楽しかったけれど、ソレと同時に危惧を抱いた。
だっていちばんの盛り上がりが、女装した男たちが次々とただ銀橋を歩くだけというのは、客観的に観てどうなんだ? わたしはヅカファンでジェンヌの顔もキャラもわかるからたのしいけど、一見さんが見たら退屈で盛り下がるんじゃない? 演出的に平坦すぎてやばいんじゃ?
と、たのしんだ自分と疑問を持った自分がいた。
んで、それぐらいしかおぼえていない。
タイトルはただの記号、『Apasionado!!』でも『RIO DE BRAVO!!』でも、わたし的にはあまりちがいはなく、2本立てなんだからなにかしらショーをやるよね、どんなショーかしら、と単純にわくわくしていた。
で。
すっかり忘れてた。
わたしこのショー、いやっちゅーほど観てるわ(笑)。
実際目にして、どんどん記憶が甦った。どんな場面で誰がどうしていたか、おぼえてるわほんと。次がどうなるとか、いちいちわかるわ。
そっかぁ、わたしこのショー知ってるんだぁ。
……ということに、まず感心しちゃったよ。
贔屓組の次に観てんじゃん、回数(笑)。
一旦思い出せば、冒頭の小林幸子で団体客が歓声を上げていたこと、初心者にキャッチーなわかりやすい派手さがあったことなど次々記憶が蘇った。
アレをゆーひくんと、宙組がやるわけか。ほおおお。(遅い)
記憶がつながったはいいが、その分スケールの小ささが気になる。
単純に、ハコの。
大劇場の大階段でばーんっと小林幸子張りに「それは衣装? それともセット?」だったあさこちゃんの記憶に比べ、博多座のささやかな階段にひとり佇むゆーひくんは、ずいぶんスケールダウンして見えた。
そこへさらにっ、なんとも不思議な音程のスキャット。
ゆゆゆゆーひさん、その音合ってます?(笑)
いろいろびびっているうちに、よーやく衣装が割れて、中身のゆーひさん登場。
あー、おぼえてるおぼえてる! と、なんかいちいち記憶の答え合わせ(笑)。次はあのひらひらスカート取るんだよねー、とか。まさきがすっげー意気揚々と歌っていたところはののすみなんだ、とか。
芝居よりも、ショーではより強く、真ん中がゆーひくんだということがわかる。
芝居は新公やバウがあるけれど、ショーはないもんねえ。ホテルの宴会場の仮説ステージのDSとはチガウもんねえ。
トップスターでもない限り、ショーで真ん中には立たないもんねえ。
ゆーひくんが、舞台の真ん中に立っている。
そのことに、感動する。
『Apasionado!!』はトップ娘役不在で、2番手の男役と娘役がそれぞれ、「トップスターの相手役」も場面ごとに兼ねていた。
それを今回はちゃんとトップ娘役のいる作品として焼き直してあるので、ちょっと愉快なことになっていた。
どう愉快かというと。
中詰めのオカマショーにて、月組版ではトップスターあさこちゃんと、女装きりやんが踊っていたところが、ふつーにゆひすみトップコンビのデュエットダンスになるわけだ。
トップコンビとして、最初のがっつり組んだデュエットダンス。1場面、ドラマティックに踊るわけだ。
最初ですよ。肝心ですよ。それが。
もとが男同士の場面だから、甘甘うっとりデュエットではなく、挑むような、対等なダンスなの。
ウケました(笑)。
ののすみって寄り添い系のキャラじゃないですか。芝居は天才的だけど、もともとは男役に寄り添う可憐な野の花のよーな女の子じゃないですか。
だからデュエットダンスでも、組んだ相手をよりオトコマエに見せてくれる、心を開き、許し、委ねきったかわいらしい姿を見せてくれるじゃないですか。
大人の男ゆーひさんの相手役である以上、彼女はさらにその娘役スキルを全開に、可憐にいじらしく寄り添ってくれると思うじゃないですか。
なのに、最初のデュエットダンスが、バトル系。
挑んでます、引きません、闘ってます。
すげえ。
なんか最初から、愉快なもん見たっ(笑)。
演出のフジイくんは、キャストに合わせて自作を自在に改稿する柔軟なクリエイター、というイメージがある。
だから今回も、元の作品がどうあれ、ゆーひくんと宙組、そしてプレお披露目という位置づけに合わせたアレンジをしてくると思っていた。
が、なんか今回はそーゆー心遣いがあまり感じられなくて。
あまりにもあさこちゃんと月組のまま、そのままスライドしてあるだけで、手抜き感を持ってしまうんだが……ゲフンゲフン。
その「フジイくん、手ェ抜いてないか?」と思ったうちのひとつに、この「最初のデュエットダンス」もある。
トップコンビの最初のがっつり組んだダンス場面を、こーゆー色のものにするっていうのは、どうなの?
「トップお披露目おめでとう、初々しいふたりに贈る、最初の場面だよ」と彼らのイメージに合わせて書き下ろしていたと思うんだ、いつものフジイくんなら。
それが、きりやさんのパートをそのままののすみにやらせて終了、なんつーのは、書き下ろす手間を惜しんだのかと思ってしまう。
が、そう思うのとは別に、挑み合うゆひすみがステキなので、見られて良かった。とも、思っている(笑)。
ののすみだから、アリかな。
ゆーひくんだからというより、ののすみだから。
この子の強さを、必要としているから。
ゆーひくんの相手役に。舞台に。タカラヅカに。
可憐なすみ花ちゃん、ではなく、最初の一発目が「天才少女まかり通る!」的押し出しを必要とするキャラクタで、良かったかなと。
甘いデュエットダンスは、ちゃんと最後のいつもの位置に入っていたし。
ええ、これがないとタカラヅカを見た気にならん。
やっぱトップ娘役は、いなくちゃダメだよ。と、『Apasionado!!』の記憶がありありと甦っただけに、強く思った。
ゆーひくんと、すみ花ちゃん。
トップコンビおめでとう。
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