まっつの声が好きです。
 「アナタこそ、チュシンの王!!」の台詞でも、その美声っぷりに惚れ惚れしたけれど、ほんっとイイ声だと思う。

 それを再確認した、『宝塚巴里祭2009』

 歌は歌であり、台詞はなかったこのステージで。
 まっつが唯一、その美声を轟かせて言った台詞があります。

 それが。

「どけ、庶民ども!」

 いやあ、めちゃくちゃイイ声。うっとり。

 
 さて、プログラムも前半終了、ってことでトークタイム。
 「巴里祭」だからとにかくパリに絡めてなんか喋んなきゃ、ってことで、まっつがどーってことない、面白味のない話をしていたのが、初日。

 んじゃ出演者に「“パリ”と聞いてイメージするモノは?」と質問し、上手側にいる、めぐむたちにひとりずつ喋らせる。
 萌子たち女子は、食べ物の話しかしなかった……男子の方がロマンチストだ(笑)。

 上手側が終わって、次は下手側のじゅりあたちだな、と思ったら、まっつが上着を脱ぎ出して……次の曲へ。
 あれえ? 下手の子たちは? まっつ、忘れてる?

 と思ったんだが、翌日ちゃんと「昨日は上手の子に聞いたんで、今日は下手」と言ってから回答させていたんで、そーゆー仕切りらしい。
 たしかに、通常のDSはバックコーラス4~5人だもんな、せいぜい。10人に喋らせたら時間無くなるか。
 でも喋られなかった子の家族とかが、たまたまハズレた方の回を観ていたりしたら、せつないだろうなあ。

 2回目はまっつの喋りも堂に入ったモノで、まず最初の「2年前パリに行きました」という、初日と同じ話を、さらにふくらませて話してました。

 職業柄彼は、パリに行くと関連ソングを口ずさんでしまうそうです。
 「メロディメロディ♪」と歌ってみたり、「シャンゼリゼを~~♪」と歌ってみたり。や、ほんとに歌っちゃったんだって、パリで。
 で、実際話しながらその場で歌ってくれました、ワンフレーズ。『ファントム』なのは、客席にそのかが来ていたから? なつかしいね、オペラ座三兄弟。

 大真面目な顔してしれっと歌うまっつに場内爆笑。

 それでもまっつはしれっとしたまま、話を横のじゅりあに振る。

まっつ「パリというと?」
じゅりあ「やはり、『ベルサイユのばら』ですかね」

まっつ「この間、全国ツアーでやりましたね」(真顔で相槌)
じゅりあ「ええ、そのときに……全国ツアーの楽屋っていうのは、すごく狭いんです。狭い場所に衣装とか並べてみんなすごく大変な感じで着替えたり用意したりしているのに……ジェローデルっていう貴族が」(「ジェローデル」というときに、カッと目を見開く。こわいです)
まっつ「ジェローデルという貴族が」(ただの合いの手)
じゅりあ「ええ、ジェローデルという貴族がいるんですけどね、そのジェローデルという貴族がマントをひるがえして……」(だから、「ジェローデル」というときに、カッと目を見開く。こわいって)

 まっつは半笑いで聞いていたが、じゅりあがあんまり「ジェローデルという貴族」を意味ありげに連呼するもんで、あとを受けて、言った。

「どけ、庶民ども!(超美声)」

 マントをひるがえす動作付きで。

 場内、これ以上ない大爆笑。

 爆笑で音声かき消されがちの中、まっつが早口に言うには、よーするに全ツのジェローデル様は、ヒマだったらしい。
 ええそうね、出番、無さ過ぎだったもんね。
 せっかくジェローデル様の扮装しているのに、出番自体はほとんどないもんで、モチベーションを保つために楽屋でもジェローデルであろうとしていた……ということかな、好意的に解釈して(笑)。
 その結果が、平民たちを蹴散らす傲慢お貴族サマぶり。

じゅりあ「はっきり言って、迷惑でした(笑)」(はっきり)
まっつ「ごめんなさい(笑)」(アタマ下げ)

 てな感じで。

 台詞は嘘っぱちです、雰囲気だけ酌んでくれ。

 いやあ、じゅりあは良い仕事してます、マジで。
 お笑い担当、ツッコミ担当として、自覚を持ってトークに混ざってくれてます。じゅりあちゃんがいてくれて良かったっ。

 てな感じのトーク。
 東京で2回に分けて、「パリと言えば?」で上手・下手だったんで、さて大阪ではなにをテーマに話すのかな。
 まっつは4回とも「2年前にパリに行きました」と話すつもりなのかしら。
 や、この際、大阪でもジェローデル様やってくれてもいいけど、あの美声で傲慢ドS台詞を聴きたい(はぁと)、と心から思いますんで。

 トーク中にわざわざセットの説明をするのもデフォなのかしら。2回とも、セットのエッフェル塔やなんやかんやの説明してました。や、ほんとかわいいセットなの。
 ステージ内容に合っていないってだけで(笑)。

 セットはさわやかに、ポップでキュートなんだがなあ。かわいいんだがなあ。
 でも『宝塚巴里祭2009』自体は、ねっとり重苦しくて濃いぃ感じなんだが……。
 セットを発注したときのコンセプトと、ショーの出来上がりが、結果的に乖離しちゃったんだね。いやいや、Bせんせ、GJですよ、まっつだから軽くない方がいいっす。

 
 トーク終了時にまっつが上着を脱いで、後半戦スタート。宝塚巴里祭、とチャプター名のつけられた、シャンソン・メドレー。 
 まっつが「ミロール」を歌って退場、そっから先は他の子たちの見せ場。

 めぐむが黒燕尾でひとりで登場。おおお。歌うは「ブルージーンと革ジャンパー」、彼もまた歌声がかっこいい。
 次に萌子がひとりで「聞かせてよ愛の言葉を」。
 それぞれソロですよ、『エンカレッジコンサート』以来だよね、ふたりとも。ステージにひとりで立って歌う、って。あ、それをいうと、まっつもか。

 次が、るな、かぐらちゃん、がりんで「ろくでなし」。
 わたしにとってこの曲のスタンダードがしいちゃんなので……(笑)。あのノリノリのコブシ回ってます腰も回してますな、ステキしい様が焼き付いているので、かわいくさわやかに歌う彼らとのギャップに、それだけでウケてしまう。

 で、下級生4人で「パリ野郎」。

 わたし的に今回の『巴里祭』出演者で顔がわかっていなかったのが、男の子ががりんくん、女の子が花奈ちゃん。がりんくんはこの間の『太王四神記』新公で、観ているその間だけは顔を覚えた気でいたが、またわかんなくなっていたので、今回でおぼえた。
 わかんない子が男女1名ずつだったのが幸い、消去法で誰かわかりやすかった。

 和海くんはホレ、わたしの大好き正塚作品の『MONOLOGUE』で主役だったシオリくんだし、縦にも横にも大きな羽立くんもまた文化祭で一度見たら忘れない系の子だったし、仙名さんはもともと好きだし(笑)。
 この3人は歌ウマだとわかっているので安心……なんだが、研2の彼らまでソロパートがあってびびった。バックコーラスぢゃないんだ……いい演出だー。

 で、「メンバー全員順番に見せ場」の最後に、トリを飾る勢いで、じゅりあ登場。
 歌よりダンスの人、というイメージのあったじゅりあちゃんだが、今回はよく歌ってくれた。
 でも彼女の歌う「ラ・メール」は、じゅりあソロは短く、半分はコーラス付きナリ。

 メンバー全員のメドレーが、タイトルと同じ「宝塚巴里祭」というチャプター名っていうのは、ニクいと思う。
 みんなで作る作品なんだ。

 この場面の最後は、もちろんまっつだ。
 「夜霧のモンマルトル」……これまたものごっつイイ声で。

 続く。

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