視点変更できるよろこび。@新人公演『暁のローマ』
2006年5月30日 タカラヅカ 新人公演の主演者が発表になったとき、大喜びした。
カエサル@マギー、ブルータス@まさき。
マギーにはぜひ一度真ん中に立って欲しかった。あのクドいアツい持ち味は、月組では異端(笑)。異端ならば、端に置くより真ん中へ。彼は実力も持ち合わせているしね。
『Young Bloods!! 』主演はうれしかったけれど、これでまさきが新公主演独占、という状況になるのは嫌だった。他に誰もいないならともかく、1期上にマギーがいるのだから、まずは彼に主演して欲しい。
……と願っていた者にとって、トド様降臨の今回の作品はうってつけ。トド役が「主役」だとしても組トップスターたるあさこの役もやりがいのあるオイシイ役だとわかっていたから。マギーとまさきで厚い(変換ミスにあらず)モノが観られるにちがいない、と。
まあ、あそこまでトドが「象徴」に過ぎず、あさここそが「主役」で来るとは、発表当時は思ってなかったけどな。
そーして、新人公演『暁のローマ』観劇。
まず、カエサル@マギー氏の、あまりに堂に入った「スター」ぶりにウケた。
最初に登場する、ほんとにいっちばん最初の銀橋渡りで、余裕の笑顔で客席に目線トバしまくってるんですけどっ?!(笑)
誰だオマエ(笑)。
どこの大スター様だ。
しかも、なんかえらくサワヤカで。
芝居とは関係ないショーシーンのよーでした。
掴みはOK。
このずーずーしいほどにきらきらした登場シーンだけで、すべて許せる(笑)。
スタァ様よ。スタァ様がお渡りになったわ! て感じ。
ローマの大スタァ・カエサル様。市民たちはきゃーきゃー。
そこへ遅れて登場する、深刻ブルータス@まさき。
きらきらきゃーきゃーカエサルとのコントラストがステキ。
さて。
この新公でわたし、はじめて、ブルータス視点で物語を観ました。
本公演は、神の視点(文章作法用語? 通じるよね?)で観ていたの。誰に肩入れするわけでもなく。
それをはじめて、ブルータスに視点を固定した。三人称一視点っつー感じ。
『スサノオ』のときもそうだったけど。
主人公に視点固定して観ると、すっげーたのしいねっ!!
周囲なんか見なくていい、主人公ひとりの行動と心の動きを追っていると、すげー気持ちいい。
こんな話だったのか、『暁のローマ』(笑)。や、今まで感じていたこととチガウものが見えたわけでもないが、たのしさがちがったんだ、段違いに。
あさこファンがうらやましー。こんなに気持ちよくなれていたのか。
とても快調に、あちこちで泣けました。
まさきは、うまかったです。
想定内。
サプライズは特になく、だからこそつまずくことなく「作品」を楽しめた。
ふつーにたのしく、「物語」を味わうことが出来る。
……あのー、コレって、すごくないですか?
他の場合の話ぢゃないっす。今回。
主演やってるふたり、今まで、大劇場の真ん中に立ったことないんだよ?
前回の新公、カエサル様は専科さんの役でブルータスは副組長の役だったんだよ? 2番手や3番手すら、やったことないんだよ?
なのに、真ん中で「ふつー」に「スター」をやれてしまうんだよ? 「ふつー」に「公演」を「物語」を、進めてしまえるんだよ?
彼らがどーして今まで日の目を見なかったのか、不思議でならない。月組新公事情はわけわかんなかったもんなあ。
まさきはやっぱりあさこに似ていて、影響受けていることがよくわかる。
でも時折にじみ出ている「黒さ」はまさき自身の持ち味なんだろうな。黒さ……性格の悪さ?(笑) や、わたしは彼がどんな人なのか知らないけど、彼の舞台からはいつも、そーゆーモノを感じるので(笑)。
まさきに視点固定で観ていたので、彼から「にゅるっ」と「黒いモノ」が這い出る瞬間瞬間がツボでした。
あさこブルータスを踏襲しようとしていて、それでもその奥から時折出てくる「龍真咲」がたのしい。
や、今コワかったよブルータス。ソレ、キミが目指している本役ブルータスにはナイから! チガウから! なのに、目指していない、隠しているモノがトーガの隙間からのぞいている(笑)。
目指しているモノと持ち味の差が、本人にコントロールできていないところが不安定で、ツボ。真面目にコピーしているのにね。真面目にコピーしているからこそ、あちこちでほころびが見えるんだね。
どこか歪んだ、あやういブルータス。たのしいぞ(笑)。
さて、配役を見たときいちばん危惧したのは、アントニウス@みりおでした。
歌や演技という技術面ではなく、ズバリ、漫才の心配。
幕前に現れ、漫才をする。
相方のオクタヴィアヌスはただの合いの手入れ、場を導くのはアントニウスひとり。
ある意味主役より難題であるこのシーンを、キャリア不足の新人少年でどう乗り切るつもりなのか。
最初でスベッたらどれだけ悲惨なことになるか、『エリザベート』新公でキャストも観客も思い知っているだろう。
とりあえず、杞憂に終わった。
脚本が、書き換えられていたためだ。
アントニウスひとりですべてを担うのではなく、オクタヴィアヌスとふたりで話を進めることになっていた。むしろ、オクタヴィアヌスがすすんでボケをかますことにより、アントニウスがツッコミやすく、話を進めやすくなっていた。
なるほどー。
やっぱりスタッフ側も、アレを新人にやらせるのは荷が重すぎると判断したか。
ハードルを相当低くしてもらって、アントニウス@みりおとオクタヴィアヌス@るうはなんとか、ふたりががりで漫才を乗り切った。
決してうまくなかったし、やばい空気(学芸会空気っつーか)は漂っていたけど、タカラジェンヌは漫才できなくても無問題!!(笑)
漫才で手に汗握ってしまったので、その後のアントニウスについては点数甘いですよ。いちばん難しいのは漫才だから、アントニウス最大の見せ場「市民への演説」シーンも特に気負うことなく眺めた。
本公演よりかなりマイクボリュームに気を遣ってもらっているなー、という印象(笑)。
健闘を讃える。よくがんばった。
容姿の秀でたかわいこちゃんなので、このまま順当に育ってほしいなー。
カシウス@白鳥かすがが、タータンに見えた件について。
なんでだろ。あちこちで、「すっきり顔のタータン」に見えた。わたしだけか?
なんかふつーにうまくてびっくりだ。
歌えるし、演技できるし。男役になってるし。
そういや彼、今までもふつーにいい役もらっていたよね、新公で。マギーやまさきより役付上の人だったよね。
地道にキャリアを積んで成長しているわけだ。
花組に行ってもぜひ、このまま男道を進んでくれ。
ポルキア@れみちゃんが、ぐんちゃんに見えた件について。
かわいい妻、のときはともかく、狂ってからは特に『バッカスと呼ばれた男』以降のぐんちゃんに見えた。
れみちゃん、痩せた? そのせいで顔に険が出てしまったのかな?
難しい役だなと再確認。
ポルキアの書き込み不足は問答無用でキムシンが悪い(笑)。
ポルキアはかわいくなくてはならないのだと思う。
妖艶だったり計算高かったり反抗的であったりしてはいけない。
かわいらしく、罪なくあること。
そうでないと最後の狂気にまでつながらない。
れみちゃんはかわいかった。だからいいのだ。
長くなったから、一旦切る。
カエサル@マギー、ブルータス@まさき。
マギーにはぜひ一度真ん中に立って欲しかった。あのクドいアツい持ち味は、月組では異端(笑)。異端ならば、端に置くより真ん中へ。彼は実力も持ち合わせているしね。
『Young Bloods!! 』主演はうれしかったけれど、これでまさきが新公主演独占、という状況になるのは嫌だった。他に誰もいないならともかく、1期上にマギーがいるのだから、まずは彼に主演して欲しい。
……と願っていた者にとって、トド様降臨の今回の作品はうってつけ。トド役が「主役」だとしても組トップスターたるあさこの役もやりがいのあるオイシイ役だとわかっていたから。マギーとまさきで厚い(変換ミスにあらず)モノが観られるにちがいない、と。
まあ、あそこまでトドが「象徴」に過ぎず、あさここそが「主役」で来るとは、発表当時は思ってなかったけどな。
そーして、新人公演『暁のローマ』観劇。
まず、カエサル@マギー氏の、あまりに堂に入った「スター」ぶりにウケた。
最初に登場する、ほんとにいっちばん最初の銀橋渡りで、余裕の笑顔で客席に目線トバしまくってるんですけどっ?!(笑)
誰だオマエ(笑)。
どこの大スター様だ。
しかも、なんかえらくサワヤカで。
芝居とは関係ないショーシーンのよーでした。
掴みはOK。
このずーずーしいほどにきらきらした登場シーンだけで、すべて許せる(笑)。
スタァ様よ。スタァ様がお渡りになったわ! て感じ。
ローマの大スタァ・カエサル様。市民たちはきゃーきゃー。
そこへ遅れて登場する、深刻ブルータス@まさき。
きらきらきゃーきゃーカエサルとのコントラストがステキ。
さて。
この新公でわたし、はじめて、ブルータス視点で物語を観ました。
本公演は、神の視点(文章作法用語? 通じるよね?)で観ていたの。誰に肩入れするわけでもなく。
それをはじめて、ブルータスに視点を固定した。三人称一視点っつー感じ。
『スサノオ』のときもそうだったけど。
主人公に視点固定して観ると、すっげーたのしいねっ!!
周囲なんか見なくていい、主人公ひとりの行動と心の動きを追っていると、すげー気持ちいい。
こんな話だったのか、『暁のローマ』(笑)。や、今まで感じていたこととチガウものが見えたわけでもないが、たのしさがちがったんだ、段違いに。
あさこファンがうらやましー。こんなに気持ちよくなれていたのか。
とても快調に、あちこちで泣けました。
まさきは、うまかったです。
想定内。
サプライズは特になく、だからこそつまずくことなく「作品」を楽しめた。
ふつーにたのしく、「物語」を味わうことが出来る。
……あのー、コレって、すごくないですか?
他の場合の話ぢゃないっす。今回。
主演やってるふたり、今まで、大劇場の真ん中に立ったことないんだよ?
前回の新公、カエサル様は専科さんの役でブルータスは副組長の役だったんだよ? 2番手や3番手すら、やったことないんだよ?
なのに、真ん中で「ふつー」に「スター」をやれてしまうんだよ? 「ふつー」に「公演」を「物語」を、進めてしまえるんだよ?
彼らがどーして今まで日の目を見なかったのか、不思議でならない。月組新公事情はわけわかんなかったもんなあ。
まさきはやっぱりあさこに似ていて、影響受けていることがよくわかる。
でも時折にじみ出ている「黒さ」はまさき自身の持ち味なんだろうな。黒さ……性格の悪さ?(笑) や、わたしは彼がどんな人なのか知らないけど、彼の舞台からはいつも、そーゆーモノを感じるので(笑)。
まさきに視点固定で観ていたので、彼から「にゅるっ」と「黒いモノ」が這い出る瞬間瞬間がツボでした。
あさこブルータスを踏襲しようとしていて、それでもその奥から時折出てくる「龍真咲」がたのしい。
や、今コワかったよブルータス。ソレ、キミが目指している本役ブルータスにはナイから! チガウから! なのに、目指していない、隠しているモノがトーガの隙間からのぞいている(笑)。
目指しているモノと持ち味の差が、本人にコントロールできていないところが不安定で、ツボ。真面目にコピーしているのにね。真面目にコピーしているからこそ、あちこちでほころびが見えるんだね。
どこか歪んだ、あやういブルータス。たのしいぞ(笑)。
さて、配役を見たときいちばん危惧したのは、アントニウス@みりおでした。
歌や演技という技術面ではなく、ズバリ、漫才の心配。
幕前に現れ、漫才をする。
相方のオクタヴィアヌスはただの合いの手入れ、場を導くのはアントニウスひとり。
ある意味主役より難題であるこのシーンを、キャリア不足の新人少年でどう乗り切るつもりなのか。
最初でスベッたらどれだけ悲惨なことになるか、『エリザベート』新公でキャストも観客も思い知っているだろう。
とりあえず、杞憂に終わった。
脚本が、書き換えられていたためだ。
アントニウスひとりですべてを担うのではなく、オクタヴィアヌスとふたりで話を進めることになっていた。むしろ、オクタヴィアヌスがすすんでボケをかますことにより、アントニウスがツッコミやすく、話を進めやすくなっていた。
なるほどー。
やっぱりスタッフ側も、アレを新人にやらせるのは荷が重すぎると判断したか。
ハードルを相当低くしてもらって、アントニウス@みりおとオクタヴィアヌス@るうはなんとか、ふたりががりで漫才を乗り切った。
決してうまくなかったし、やばい空気(学芸会空気っつーか)は漂っていたけど、タカラジェンヌは漫才できなくても無問題!!(笑)
漫才で手に汗握ってしまったので、その後のアントニウスについては点数甘いですよ。いちばん難しいのは漫才だから、アントニウス最大の見せ場「市民への演説」シーンも特に気負うことなく眺めた。
本公演よりかなりマイクボリュームに気を遣ってもらっているなー、という印象(笑)。
健闘を讃える。よくがんばった。
容姿の秀でたかわいこちゃんなので、このまま順当に育ってほしいなー。
カシウス@白鳥かすがが、タータンに見えた件について。
なんでだろ。あちこちで、「すっきり顔のタータン」に見えた。わたしだけか?
なんかふつーにうまくてびっくりだ。
歌えるし、演技できるし。男役になってるし。
そういや彼、今までもふつーにいい役もらっていたよね、新公で。マギーやまさきより役付上の人だったよね。
地道にキャリアを積んで成長しているわけだ。
花組に行ってもぜひ、このまま男道を進んでくれ。
ポルキア@れみちゃんが、ぐんちゃんに見えた件について。
かわいい妻、のときはともかく、狂ってからは特に『バッカスと呼ばれた男』以降のぐんちゃんに見えた。
れみちゃん、痩せた? そのせいで顔に険が出てしまったのかな?
難しい役だなと再確認。
ポルキアの書き込み不足は問答無用でキムシンが悪い(笑)。
ポルキアはかわいくなくてはならないのだと思う。
妖艶だったり計算高かったり反抗的であったりしてはいけない。
かわいらしく、罪なくあること。
そうでないと最後の狂気にまでつながらない。
れみちゃんはかわいかった。だからいいのだ。
長くなったから、一旦切る。
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