『ドルチェ・ヴィータ!』千秋楽ファーストラン祭り。
 今宵アナタと、どりーずないと。

 えー、東京へ遠征してました。
 目的は観劇でも仕事でもなんでもありません。

 『ドルチェ・ヴィータ!』のスカステ放送、ファーストランを、HOTEL DOLLYで見るために。

 たかがテレビ放送を見るためだけに、東京へ。
 自分ちで見られるのに、東京へ。

 HOTEL DOLLYへ集まったのは、2004年末共に狂乱の日々を送った戦友たち。
 ドリーさん、kineさん、サトリちゃん、そして当時はまだ知り合っていなかったけれど、いつも同じ空間にいたジュンタさん。チェリさんは残念ながら不参加。

 『ドルチェ・ヴィータ!』ムラ初日にkineさんと知り合い、ケロのディナーショーのときにドリーさんと知り合い、『ドルチェ・ヴィータ!』東宝初日にサトリちゃんと知り合った。
 みんなそろってスクラム組んで、声を張り上げながら全力疾走した日々。
 東京のドリーさんの自宅は合宿所状態。敬意と愛情を込めて、そこをHOTEL DOLLYと呼ぶ。

 あの、せつなくて愛しい日々を共に過ごした場所で、同志たちと共に『ドルチェ・ヴィータ!』を見る。
 2004年12月26日。
 あの日の映像を見る。

 そのためだけに、夜行バスに乗った。

 
 ドリーさんのお部屋は、見事なまでに『ドルチェ・ヴィータ!』仕様になっていた。

 玄関から「海に沈んだカエル」(写真参照)がお出迎えだよ。

 あの日を一緒に過ごしたカエル。キザなイタリア人のkineさんが、プレゼントしてくれたものだ。ドリーさんには白いカエルを、わたしには水兵さんのカエルを。

 そのカエルを見つめるわたしに、ドリーさんが言う。
「泣かないでね(笑)」
 ななな泣かないよ。泣きそうだけど。

 他にもリアルト橋や青の洞窟の写真が貼られ、「海」「ブルー」をテーマにしたデコレーションがされ、ドリーさんの手料理もイタリア尽くしだ。

「中華料理という選択肢もあるな、と思ったけど、やっぱりイタリアにした」
 とゆードリーさんに、出席メンバー全員から、「中華はナイ!!」と総ツッコミ。イタリアで正解ですよドリーさん。『花舞う長安』はスルーです。

 イタリアワインを飲みながら(ドリーさんはさらに、イタリアワインのコルクと格闘しながら)、みんなで『ドルチェ・ヴィータ!』を見る。

 
 ずっとじわじわと、痛かったの。
 たとえば、劇場で、スカステの4月の番組表の表紙を見たとき。
 たとえば、家でなんとなく流しているスカステで、予告が流れたとき。

 『ドルチェ・ヴィータ!』に関するもの、なにもかもが、痛い。
 不意を突かれると、泣きたくなる。

 
 だから、HOTEL DOLLYが必要。
 あの日を過ごした仲間たちと、けじめをつける。
 痛さをこわがらないで、美しい思い出にするために。

 
 みんなでカメラアングルにツッコミながら、鑑賞した。

 アングルには不満バリバリだ。
 唯一のグッジョブは、コーザノストラのしい×ケロが映っていたこと。
 あとは「何故そこでソレを映す!!」「信じられない!」「ここで引くか?!」「アップ過ぎ! なにやってんのかわかんないじゃん!」の連続。
 くそーっ、わたしが編集するなら、こんな妙なことはしないのに。ケロのことは置くとしても、無意味なアングルが多かった。ストーリー重視でもなくスター重視でもなく、テーマの見えない編集だ。

 映像自体はカメラの数だけあるんだよね?
 だったら、その編集前の映像全部流して、そこから好きなアングルだけ買えるようにしてよ。別料金払うからさ。

 スカステの方針として一貫しているトウコの泣き顔を撮るっつーのは、客のニーズをわかってるなー、と思うけども。
 まさかねー、袴姿で階段を下りてくる退団者を撮らずに、それを見つめているトウコの横顔を撮る、つーのは……スカステ、方針はっきりしすぎ(笑)。

 
 アングルがどうであれ、美しい舞台だ。『ドルチェ・ヴィータ!』。

 もう今はいない人たちが、いるところ。

 
 白いスーツの男は、淋しい悪魔と共に海に沈んだ。
 今はしあわせかな。
 しあわせだといいな。

 
 帰らない日々を歌う人々のあと、最後の最後に太陽が現れる。
 新しい1日を、希望を歌うおおきな男が現れる。身体だけでなく、心がおおきな男。

 ワタさんで良かった。
 ほんとうに、ケロを送ってくれたのが、湖月わたるで良かった。
 光と熱をありがとう。
 救われた。
 そう思うよ。

 
 笑い、ツッコミ、文句を垂れ、そしてびーびー泣きながら、狂乱の夜は更ける。

 0時を過ぎれば、ドリーさんのお誕生日だ。
 『ドルチェ・ヴィータ!』ナイトは、ドリーさんのバースディナイトでもある。
 おめでとー、ドリーさん。
 あなたの1年が、素晴らしいものでありますように。
 あなたが生まれてくれた、わたしと出会ってくれた、友だちになってくれたことに、感謝を込めて。
 そして、この仲間たちと出会えたこと、一緒に笑い、一緒に泣けたことに、感謝して。

 くそぉ、人生っていいよなー。
 うれしいことや、素敵なことがいっぱいだ。
 そりゃねそれと同じくらい、かなしいことも転がってるんだけどさ。
 わたしゃ単純だから、同じ数のうれしいことがあれば、それでもう、「人生丸儲けだ!」と思うよ。

 思い出話や、四方山話。
 タカラヅカ全体のこと、ケロのこと、現在上演中の公演のこと。
「『THE LAST PARTY』のスコットがイケコで、アーネストがキムシンだよね」
 とかゆー話とかな(笑)。ハマりすぎだぞ、小池とキムシン。

 
 ドリーさん、kineさん、サトリちゃん、ジュンタン、ありがとー。
 チェリさん、晃さん、DVD送るから待っててね。

 HOTEL DOLLYと、『ドルチェ・ヴィータ!』に乾杯。


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