背徳の天使ロザリー・その3。@ベルサイユのばら−オスカル編−
2006年2月16日 タカラヅカ 笑いと脱力の『ベルサイユのばら−オスカル編−』、ロザリーの話の続き、その3。
ベルナールと結婚しておきながら、「あんな男、一度も愛したことはないわ。わたしが愛しているのは、今でもオスカル様ただひとり」とオスカルに夜這いをかけたロザリー。
やることやってすっきりして、何事もなかったかのように帰宅したその翌日。
それでもわたしは、信じていた。
今のままでは、ロザリーはひどすぎる。悪女もいいとこ、被害者ヅラした偽善者になってしまう。
きっとこのあと、ロザリーがベルナールに言うんだわ。
「ゆうべ、オスカル様と話しました。これで少女のころの憧れに、きちんと終止符を打つことが出来ました。これからはあなたの妻として生きていきます」
とかなんとか。
常識で考えれば、「善人」という設定の第2ヒロインが、他人を平気で騙し、利用し、出し抜いてシレッとしたまま終わるなんてありえないもの。
フォローがあるはずよ。たしかに人の道に外れることをしたかもしれないけれど、それを悔い、改め、新しい人生を進むっていうオチが用意されているはずだわ。常識から考えたってそうよ。ロザリーは「善人」設定なんだから。
植爺に常識なんてものを求めたわたしが、バカだった。
ベルナールとロザリー夫婦が会話をするシーンがあった。おお、ここできっと、ロザリーに対してのフォローが……。
「オスカルがパリに進駐するそーだ。今パリに来るのは危険だから、止めるように説得しなければ」
「オスカル様にはオスカル様の、深いお考えがあってのことです。止めたって絶対無理、無駄なことはしない方がいいわ」
星組のベルナール@しいちゃん、ロザリー@ウメにゃんの夫婦会話がまんま展開されている……!!
で、でも、星組Ver.とは意味がチガウよ?
いくら同じ台詞でも、ロザリーはゆうべ、実際にオスカルに会って、今ベルナールが言っているのと同じことを本人に言ったのよ?
オスカルの気持ちを洞察して語った星ロザリーとはちがい、雪ロザリーは本人の口から聞いたことをそのまま語っているだけ。
もちろんそれはかまわない。洞察して語ろうと、本人の言葉をそのまま伝えようと、同じことを言っているのはたしか。
しかし問題は。
雪ロザリーは、それがオスカル当人の言葉だと言うことを隠匿した。
えええっ?!
なんで、自分の意見として語るの? ソレ、君の意見やなくてオスカルの意見やん! 本人から直接聞いたことを、何故隠す?
……言えないのか。
ゆうべ、オスカルに会ったことは。
浮気だから。
夫を裏切ったわけだから。
そしてソレを、悔いる気も改める気もないから、隠すんだ。
これからも、夫を騙し続けるために。
このときのまーちゃんがすごい。天使のようなキヨラカな微笑を浮かべて言うんだ。
「あの方の数奇な人生に相応しい最期があるとすれば」と。
なにもかも見通し、知り尽くしているかのように。
ゆうべ、密会していたくせに。
その事実を完全に抹殺して、聡明さと慈愛ゆえひとの一生を見据えた聖母のよーな、美しくも感動的な言葉を並べ立てる。
えーと。
カンニングしておきながら、100点取って「当然のことですわ」と微笑むみたいな。
本人から「止めても無駄」「これは運命」と聞かされていたから、それをそのまま言っただけなのに、さも自分が洞察したかのよーに語り、ひとから「すげー。ロザリーちゃんってアタマいいんだね」と言われるみたいな。
卑劣。
だけどその姿は、微笑みは、天使。
何故。
何故ロザリー、そんなことにっ?!!
すごすぎるよ、植爺……。
なに考えてこんなことにしたんだ。いや、知ってるよ、ナニも考えてないんだろ? 植爺だもんな。のーみそも感性も枯渇して半世紀は経ってるもんな……がっくり。
星組Ver.であんなにかっこよかったベルナールは、まったく同じ台詞とシーンなのに、究極のバカ男に。
アンタが尊敬の眼差しで見ているヨメは、浮気してんだよ……アンタを騙してるんだよ……今言ってることだって、浮気相手の受け売りだよ……それで感動しているアンタって……アンタって……。
ベルナール@ハマコ、可哀想すぎる!!
すまん。
爆笑した。
つか、笑うしか、ない。
オスカルやアントワネットの「死に時」を予言した、星組Ver.の「死の天使ロザリー」も大概だけど。
雪組版は、それをかるーく超えたね。
「背徳の天使ロザリー」。
夫を騙し続け、浮気相手の男のもとで夜を過ごしてきた女が、その浮気相手の「死に時」の話をするなんて、こわすぎる。
オスカルとのデュエットダンスのあと、ロザリーはあまりにあっさり立ち去りすぎる。オスカルもさばさばしすぎている。
これはやはり、あのデュエットダンスはつまり、そーゆーことだったんぢゃないかと思うんだ。
植爺がどう考えているかは関係ない。あんなの、無視してよろしい。
今あるものだけを分析していけば、そうとしか思えないんだ。
明日死ぬかもしれない軍人の、自宅で過ごす最後の夜に現れた女。
今生の別れかもしれない夜に、女は積年の想いを告げる。「愛しています」
そこでデュエットダンスになったら、ふつーそれは、そういう意味だろ?
恋の成就。愛の一夜。
結ばれたからこそロザリーは、オスカルの愛を胸に抱いてあっさりと屋敷を後にする。
オスカルは、ロザリーたち民衆の敵になることはないと約束してくれたけれど、ほんとうのところはわからない。
オスカルは貴族で、ロザリーは平民側だ。
どんなにオスカルが平民を守りたいと思っても、立場上そうできないことだって、あるだろう。
これは、別れかもしれない。
最初で最後の抱擁かもしれない。
そう思って男の屋敷を後にした女が、その男の死期について語るとしたら。
やはりこれは、アレじゃないのか?
「死によってしか結ばれない、そんな愛もある」by アンドレ@原作
ロザリー、オスカルが自分のために死ぬと思ってる?!
心中しよーってことになってる?!
ロザリーの脳内で? それともオスカル、あんましアタマ使ってなさそうだから、うっかり雰囲気に流されてそれらしいこと言っちゃったとか??
戦慄しました。
あまりに、愉快すぎて。
ぶっ飛びすぎてるよ、ロザリー。
最後の最後まで、わたしの期待は裏切られ続けたわけだ。ロザリーが「善人」設定なら、こんなおそろしい女のままにしておくはずがない、という祈りは、届かなかったよ。
ひどすぎる、ロザリーの扱い。
おもしろすぎる、ロザリーの扱い。
まさに、抱腹絶倒。腹がよじれるほど笑いました。
それにしてもまーちゃん、大変だなあ……。
ベルナールと結婚しておきながら、「あんな男、一度も愛したことはないわ。わたしが愛しているのは、今でもオスカル様ただひとり」とオスカルに夜這いをかけたロザリー。
やることやってすっきりして、何事もなかったかのように帰宅したその翌日。
それでもわたしは、信じていた。
今のままでは、ロザリーはひどすぎる。悪女もいいとこ、被害者ヅラした偽善者になってしまう。
きっとこのあと、ロザリーがベルナールに言うんだわ。
「ゆうべ、オスカル様と話しました。これで少女のころの憧れに、きちんと終止符を打つことが出来ました。これからはあなたの妻として生きていきます」
とかなんとか。
常識で考えれば、「善人」という設定の第2ヒロインが、他人を平気で騙し、利用し、出し抜いてシレッとしたまま終わるなんてありえないもの。
フォローがあるはずよ。たしかに人の道に外れることをしたかもしれないけれど、それを悔い、改め、新しい人生を進むっていうオチが用意されているはずだわ。常識から考えたってそうよ。ロザリーは「善人」設定なんだから。
植爺に常識なんてものを求めたわたしが、バカだった。
ベルナールとロザリー夫婦が会話をするシーンがあった。おお、ここできっと、ロザリーに対してのフォローが……。
「オスカルがパリに進駐するそーだ。今パリに来るのは危険だから、止めるように説得しなければ」
「オスカル様にはオスカル様の、深いお考えがあってのことです。止めたって絶対無理、無駄なことはしない方がいいわ」
星組のベルナール@しいちゃん、ロザリー@ウメにゃんの夫婦会話がまんま展開されている……!!
で、でも、星組Ver.とは意味がチガウよ?
いくら同じ台詞でも、ロザリーはゆうべ、実際にオスカルに会って、今ベルナールが言っているのと同じことを本人に言ったのよ?
オスカルの気持ちを洞察して語った星ロザリーとはちがい、雪ロザリーは本人の口から聞いたことをそのまま語っているだけ。
もちろんそれはかまわない。洞察して語ろうと、本人の言葉をそのまま伝えようと、同じことを言っているのはたしか。
しかし問題は。
雪ロザリーは、それがオスカル当人の言葉だと言うことを隠匿した。
えええっ?!
なんで、自分の意見として語るの? ソレ、君の意見やなくてオスカルの意見やん! 本人から直接聞いたことを、何故隠す?
……言えないのか。
ゆうべ、オスカルに会ったことは。
浮気だから。
夫を裏切ったわけだから。
そしてソレを、悔いる気も改める気もないから、隠すんだ。
これからも、夫を騙し続けるために。
このときのまーちゃんがすごい。天使のようなキヨラカな微笑を浮かべて言うんだ。
「あの方の数奇な人生に相応しい最期があるとすれば」と。
なにもかも見通し、知り尽くしているかのように。
ゆうべ、密会していたくせに。
その事実を完全に抹殺して、聡明さと慈愛ゆえひとの一生を見据えた聖母のよーな、美しくも感動的な言葉を並べ立てる。
えーと。
カンニングしておきながら、100点取って「当然のことですわ」と微笑むみたいな。
本人から「止めても無駄」「これは運命」と聞かされていたから、それをそのまま言っただけなのに、さも自分が洞察したかのよーに語り、ひとから「すげー。ロザリーちゃんってアタマいいんだね」と言われるみたいな。
卑劣。
だけどその姿は、微笑みは、天使。
何故。
何故ロザリー、そんなことにっ?!!
すごすぎるよ、植爺……。
なに考えてこんなことにしたんだ。いや、知ってるよ、ナニも考えてないんだろ? 植爺だもんな。のーみそも感性も枯渇して半世紀は経ってるもんな……がっくり。
星組Ver.であんなにかっこよかったベルナールは、まったく同じ台詞とシーンなのに、究極のバカ男に。
アンタが尊敬の眼差しで見ているヨメは、浮気してんだよ……アンタを騙してるんだよ……今言ってることだって、浮気相手の受け売りだよ……それで感動しているアンタって……アンタって……。
ベルナール@ハマコ、可哀想すぎる!!
すまん。
爆笑した。
つか、笑うしか、ない。
オスカルやアントワネットの「死に時」を予言した、星組Ver.の「死の天使ロザリー」も大概だけど。
雪組版は、それをかるーく超えたね。
「背徳の天使ロザリー」。
夫を騙し続け、浮気相手の男のもとで夜を過ごしてきた女が、その浮気相手の「死に時」の話をするなんて、こわすぎる。
オスカルとのデュエットダンスのあと、ロザリーはあまりにあっさり立ち去りすぎる。オスカルもさばさばしすぎている。
これはやはり、あのデュエットダンスはつまり、そーゆーことだったんぢゃないかと思うんだ。
植爺がどう考えているかは関係ない。あんなの、無視してよろしい。
今あるものだけを分析していけば、そうとしか思えないんだ。
明日死ぬかもしれない軍人の、自宅で過ごす最後の夜に現れた女。
今生の別れかもしれない夜に、女は積年の想いを告げる。「愛しています」
そこでデュエットダンスになったら、ふつーそれは、そういう意味だろ?
恋の成就。愛の一夜。
結ばれたからこそロザリーは、オスカルの愛を胸に抱いてあっさりと屋敷を後にする。
オスカルは、ロザリーたち民衆の敵になることはないと約束してくれたけれど、ほんとうのところはわからない。
オスカルは貴族で、ロザリーは平民側だ。
どんなにオスカルが平民を守りたいと思っても、立場上そうできないことだって、あるだろう。
これは、別れかもしれない。
最初で最後の抱擁かもしれない。
そう思って男の屋敷を後にした女が、その男の死期について語るとしたら。
やはりこれは、アレじゃないのか?
「死によってしか結ばれない、そんな愛もある」by アンドレ@原作
ロザリー、オスカルが自分のために死ぬと思ってる?!
心中しよーってことになってる?!
ロザリーの脳内で? それともオスカル、あんましアタマ使ってなさそうだから、うっかり雰囲気に流されてそれらしいこと言っちゃったとか??
戦慄しました。
あまりに、愉快すぎて。
ぶっ飛びすぎてるよ、ロザリー。
最後の最後まで、わたしの期待は裏切られ続けたわけだ。ロザリーが「善人」設定なら、こんなおそろしい女のままにしておくはずがない、という祈りは、届かなかったよ。
ひどすぎる、ロザリーの扱い。
おもしろすぎる、ロザリーの扱い。
まさに、抱腹絶倒。腹がよじれるほど笑いました。
それにしてもまーちゃん、大変だなあ……。
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