せんどーさんの行方。@金の卵ライブVol.2
2006年1月31日 タカラヅカ せんどーさん目当てで行ってきました、吉本新喜劇『金の卵ライブVol.2』。
わたしはキタの人間なので、ミナミはとんとわかりません。
映画好きなんで、映画館目当てにミナミをうろつくことはありますが、吉本関係の建物は全スルーしており、いざ自分が行くとなると、「どこにあるの?」状態でした……。
グランド花月の目の前の映画館も、道具屋筋の映画館も、あたりまえに行ってるのになー。ついでに言うとジュンク堂にもふつーに行ってたんだけど。……グランド花月はまったく目に入ってなかった。興味がないって、こーゆーことなんだよなー……。
ライヴはそのグランド花月の向かい、baseよしもとで行われました。
バウホールよりも小さなハコですわ。
居住性の良くない劇場なので、長時間はつらいだろうな。わたしは最前列だったんで前後に狭いことはなかったけど、左右は狭いし椅子が薄っぺらすぎてケツが痛いし……まあチケ代安いから仕方ないのか。
なにしろ、カケラも予備知識がない。
大阪人のたしなみというか刷り込みとして、小学生のころは土曜日に帰宅するとまず吉本新喜劇を見て、夕方になると「タカラヅカ花の指定席」を見ていたんだが。
成長するに従って、「わたしはどうも、吉本とは肌が合わないらしい」ということがわかった。
テレビに出てくる吉本らしき芸人さんたちのギャグが、笑えないどころかムカつく、という状態に。お笑い番組がかかっていると、チャンネルを替える、もしくはテレビを消す、というのが習慣になった。
だから、せんどーさんが吉本のオーディションを受けると知ったとき、ショックだったなあ。
ふつーのミュージカル女優とかになってくれたら、これからもせんどーさんの舞台を見ることが出来るのに。吉本ぢゃ、わたしもうせんどーさんを見られない! と。
それでも、せんどーさんが気になって、テレビのオーディション番組を見た。
夢を目指す若者たちの、真摯な姿には素直に感動した。泣けた。授業をする教官の言葉などには素直に聞き入った。
しかし。
……オーディション合宿に出てくるプロの芸人さんたちの芸には、まったく笑えなかった。冷たい風しか吹かなかった。
「笑うのを我慢したらごちそうが食べられる」という課題で、「笑って当然」というスタンスで披露される芸の、サムいことサムいこと。わたしはテレビの前でドン引きしていた。
これで笑う人って、どんな人だ……? これをおもしろいと思える人でないと、たのしめないんだよな……?
募るのは絶望感ばかり(笑)。
自分ひとりではとても、この苦手感を突き破ってまで吉本体験をしようとは思わなかったよ。
ありがとう、サトリちゃん。
サトリちゃんに誘ってもらい、あわててチケぴでチケットを押さえ(発売日過ぎてたにもかかわらず、最前列GET・笑)、おっかなびっくり行ってきました。
こんなにもこんなにも、予備知識ナシ、てゆーかマイナスイメージしかないこのわたしが。
おもしろかった。
ほんとに。
吉本新喜劇だから、と構えてしまっていたけど、ぜんぜん、ふつーに、おもしろかったのだわ。
まず、テレビで見る「よしもと」とずいぶんちがった。
新人さんばかりの舞台だから? 登場するなり変なギャグだの持ち芸だのを披露してドン引きさせる趣向がなかった。
ふつーに「お芝居」が進んでいくの。
もちろん、そのお芝居の中にはギャグありコントありなんだけど。
そんなのぜんぜんOK。てゆーか、小劇団の芝居のノリ。
今まで観た小劇団系の芝居と、どこがチガウんだ? ギャグやテンポ命の会話でトントンつないでいく芝居はいくらでも観てきた。
嵐の夜。
老人と幼い孫が話している。
裕福な家庭。老人が一代で築いた会社をひとり息子が継ぎ、さらに発展させた。とてもよくできた息子である。しかし、その息子の妻は……。
「こんな嵐の夜だった……」
不安と緊張感のあるオープニング。
暗転ののち、舞台は数年前にさかのぼる。老人に両親の話をねだっていた幼い孫が、まだ赤ん坊のころ。
嵐の夜。
若く美しい妻は、屋敷の執事と不倫し、共に主人を殺害しようと計画していた。
主人は心臓が悪い。なにかっちゃー発作を起こして大騒ぎしている。ソコにつけ込んで殺してしまおうというわけだ。
なにも知らない主人は妻にベタ惚れ。そろそろふたりめの子どもが欲しい、と言って、その準備のために新しくメイドを雇うことにした。嵐の夜だっちゅーに、求人広告を見たメイドがやって来、あっさり就職。
そこへさらに、この嵐で道に迷ったカップルが宿を求めてやってきた。
嵐ゆえの孤島となった屋敷で、主人と妻、主人の父親である老人、執事とメイド、飛び入りのカップルがそれぞれバタバタしているわけだ。幽霊騒動が起こったりなんだり。
そこへ飛び込んでくる警官。「一家惨殺犯人が、この近くに逃げ込んでいるので注意してください」
殺人犯は、男女ふたり組だという。
迷い込んできたカップルが犯人だろうか……? と言っている側から、雇われたばかりのメイドが怪しい動き。亭主らしい男を屋敷に引き入れ、なにやら画策している。
殺人計画を練る妻と執事、その悪だくみを立ち聞きしてしまい動揺するカップル、メイドとその亭主、と、嵐で閉ざされた屋敷の中は混戦模様。
そしてついに……。
我らがせんどーさんは、もちろん美しい妻役でした。
立ち姿が美しい。フェミニンな服装にピンヒール。そして、思いきりのいい開襟(笑)。
おー。さすがせんどーさん、胸の谷間はちゃんと披露してくれるんですね。せんどーさんの巨乳を愛でるのが好きだったので、ブラウスの胸元にはチェック入れちゃいましたよぅ。
わざとらしい良妻ぶりが素敵。
元タカラジェンヌ、という肩書きを汚さない役を与えてもらってるんだなあ、と思った。
というのも、他の役と比べてやたらと「きれいな」役だったからだ。美女役だから、という意味ではなくて。
他の女性たちはみんな、もっと「きれいでない」演技や立場を必要とされている。下品な物言いだったり、漫才芸だったり。
でもせんどーさんだけが、「ゲスト出演の女優さん」って感じ。
それは、最後の挨拶のときも感じた。
他の出演者たちがテンポの善し悪しはともかく、みんな一丸となって喋りボケツッコミしているなか、せんどーさんだけがマイクを持ったまま、なにもせずに笑っていた。
下品だったり、ひどい扱いを受けているせんどーさんを見たら、それはそれでショックだったと思うけど。
それとは別に、「それでいいのか?」とか「せんどーさん、甘やかされてるなあ」とか思ってしまった。
まあなあ。
せんどーさんにはたぶん、集客力があるから。
せんどーさんFCの人たちが、オリジナルうちわを手に客席にいたもの。
こういう客がついている、名前を持っている人を、あえてムゲにはしないか。
せっかくついている客を失望させ、足を途絶えさせるよーなことはしないよなあ、商売なら。
変わっていないせんどーさんに安堵しつつも、焦燥も感じる。それでいいのか? と思う。
仙堂花歩は、これからどこへ向かうのだろう?
わたしはキタの人間なので、ミナミはとんとわかりません。
映画好きなんで、映画館目当てにミナミをうろつくことはありますが、吉本関係の建物は全スルーしており、いざ自分が行くとなると、「どこにあるの?」状態でした……。
グランド花月の目の前の映画館も、道具屋筋の映画館も、あたりまえに行ってるのになー。ついでに言うとジュンク堂にもふつーに行ってたんだけど。……グランド花月はまったく目に入ってなかった。興味がないって、こーゆーことなんだよなー……。
ライヴはそのグランド花月の向かい、baseよしもとで行われました。
バウホールよりも小さなハコですわ。
居住性の良くない劇場なので、長時間はつらいだろうな。わたしは最前列だったんで前後に狭いことはなかったけど、左右は狭いし椅子が薄っぺらすぎてケツが痛いし……まあチケ代安いから仕方ないのか。
なにしろ、カケラも予備知識がない。
大阪人のたしなみというか刷り込みとして、小学生のころは土曜日に帰宅するとまず吉本新喜劇を見て、夕方になると「タカラヅカ花の指定席」を見ていたんだが。
成長するに従って、「わたしはどうも、吉本とは肌が合わないらしい」ということがわかった。
テレビに出てくる吉本らしき芸人さんたちのギャグが、笑えないどころかムカつく、という状態に。お笑い番組がかかっていると、チャンネルを替える、もしくはテレビを消す、というのが習慣になった。
だから、せんどーさんが吉本のオーディションを受けると知ったとき、ショックだったなあ。
ふつーのミュージカル女優とかになってくれたら、これからもせんどーさんの舞台を見ることが出来るのに。吉本ぢゃ、わたしもうせんどーさんを見られない! と。
それでも、せんどーさんが気になって、テレビのオーディション番組を見た。
夢を目指す若者たちの、真摯な姿には素直に感動した。泣けた。授業をする教官の言葉などには素直に聞き入った。
しかし。
……オーディション合宿に出てくるプロの芸人さんたちの芸には、まったく笑えなかった。冷たい風しか吹かなかった。
「笑うのを我慢したらごちそうが食べられる」という課題で、「笑って当然」というスタンスで披露される芸の、サムいことサムいこと。わたしはテレビの前でドン引きしていた。
これで笑う人って、どんな人だ……? これをおもしろいと思える人でないと、たのしめないんだよな……?
募るのは絶望感ばかり(笑)。
自分ひとりではとても、この苦手感を突き破ってまで吉本体験をしようとは思わなかったよ。
ありがとう、サトリちゃん。
サトリちゃんに誘ってもらい、あわててチケぴでチケットを押さえ(発売日過ぎてたにもかかわらず、最前列GET・笑)、おっかなびっくり行ってきました。
こんなにもこんなにも、予備知識ナシ、てゆーかマイナスイメージしかないこのわたしが。
おもしろかった。
ほんとに。
吉本新喜劇だから、と構えてしまっていたけど、ぜんぜん、ふつーに、おもしろかったのだわ。
まず、テレビで見る「よしもと」とずいぶんちがった。
新人さんばかりの舞台だから? 登場するなり変なギャグだの持ち芸だのを披露してドン引きさせる趣向がなかった。
ふつーに「お芝居」が進んでいくの。
もちろん、そのお芝居の中にはギャグありコントありなんだけど。
そんなのぜんぜんOK。てゆーか、小劇団の芝居のノリ。
今まで観た小劇団系の芝居と、どこがチガウんだ? ギャグやテンポ命の会話でトントンつないでいく芝居はいくらでも観てきた。
嵐の夜。
老人と幼い孫が話している。
裕福な家庭。老人が一代で築いた会社をひとり息子が継ぎ、さらに発展させた。とてもよくできた息子である。しかし、その息子の妻は……。
「こんな嵐の夜だった……」
不安と緊張感のあるオープニング。
暗転ののち、舞台は数年前にさかのぼる。老人に両親の話をねだっていた幼い孫が、まだ赤ん坊のころ。
嵐の夜。
若く美しい妻は、屋敷の執事と不倫し、共に主人を殺害しようと計画していた。
主人は心臓が悪い。なにかっちゃー発作を起こして大騒ぎしている。ソコにつけ込んで殺してしまおうというわけだ。
なにも知らない主人は妻にベタ惚れ。そろそろふたりめの子どもが欲しい、と言って、その準備のために新しくメイドを雇うことにした。嵐の夜だっちゅーに、求人広告を見たメイドがやって来、あっさり就職。
そこへさらに、この嵐で道に迷ったカップルが宿を求めてやってきた。
嵐ゆえの孤島となった屋敷で、主人と妻、主人の父親である老人、執事とメイド、飛び入りのカップルがそれぞれバタバタしているわけだ。幽霊騒動が起こったりなんだり。
そこへ飛び込んでくる警官。「一家惨殺犯人が、この近くに逃げ込んでいるので注意してください」
殺人犯は、男女ふたり組だという。
迷い込んできたカップルが犯人だろうか……? と言っている側から、雇われたばかりのメイドが怪しい動き。亭主らしい男を屋敷に引き入れ、なにやら画策している。
殺人計画を練る妻と執事、その悪だくみを立ち聞きしてしまい動揺するカップル、メイドとその亭主、と、嵐で閉ざされた屋敷の中は混戦模様。
そしてついに……。
我らがせんどーさんは、もちろん美しい妻役でした。
立ち姿が美しい。フェミニンな服装にピンヒール。そして、思いきりのいい開襟(笑)。
おー。さすがせんどーさん、胸の谷間はちゃんと披露してくれるんですね。せんどーさんの巨乳を愛でるのが好きだったので、ブラウスの胸元にはチェック入れちゃいましたよぅ。
わざとらしい良妻ぶりが素敵。
元タカラジェンヌ、という肩書きを汚さない役を与えてもらってるんだなあ、と思った。
というのも、他の役と比べてやたらと「きれいな」役だったからだ。美女役だから、という意味ではなくて。
他の女性たちはみんな、もっと「きれいでない」演技や立場を必要とされている。下品な物言いだったり、漫才芸だったり。
でもせんどーさんだけが、「ゲスト出演の女優さん」って感じ。
それは、最後の挨拶のときも感じた。
他の出演者たちがテンポの善し悪しはともかく、みんな一丸となって喋りボケツッコミしているなか、せんどーさんだけがマイクを持ったまま、なにもせずに笑っていた。
下品だったり、ひどい扱いを受けているせんどーさんを見たら、それはそれでショックだったと思うけど。
それとは別に、「それでいいのか?」とか「せんどーさん、甘やかされてるなあ」とか思ってしまった。
まあなあ。
せんどーさんにはたぶん、集客力があるから。
せんどーさんFCの人たちが、オリジナルうちわを手に客席にいたもの。
こういう客がついている、名前を持っている人を、あえてムゲにはしないか。
せっかくついている客を失望させ、足を途絶えさせるよーなことはしないよなあ、商売なら。
変わっていないせんどーさんに安堵しつつも、焦燥も感じる。それでいいのか? と思う。
仙堂花歩は、これからどこへ向かうのだろう?
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